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2016年10月30日 (日)

持続可能な組合組織に向け

このブログは週に1回、土曜か日曜に更新しています。2012年春頃からコメント欄への対応も週末に限らせていただいています。このペースが実生活に過度な負担をかけず、長く続けることができているブログとの距離感だと思っています。そのため、たいへん恐縮ながらコメント欄での問いかけに対し、難しい題材であればあるほど言葉が不足しがちなコメント欄ではなく、じっくり腰を落ち着けて臨める記事本文で対応するように心がけています。

その記事本文の内容も週に1回の更新のため、取り上げるべき題材が多くあり、必ずしも臨機応変、柔軟な対応をはかれていません。耳目を集めていた話題だったとしても触れることができない場合も多いため、その話題に対する私自身の関心の度合いが低いように見られてしまう時もあります。「意図的にスルーしている」と言われた時などは非常に戸惑っていました。

確かにブログに取り上げる題材の選択はその時々の個人的な判断ですが、「取り上げないから軽視している」「発言しづらいから沈黙している」という訳ではありません。さらに政治的な話題の投稿が多いため、職務や労働組合の本務を疎かにしているのではないか、そのように誤解されてしまう場合もあるようです。以前の記事「組合の政治活動について」の中で記したとおり「丁寧な情報発信」のツールの一つとして、意識的に政治に関わる内容を取り上げている傾向があります。

その一方で、日常の組合活動の中で政治的な課題が占める割合はごくわずかであり、賃金や人員確保、人事評価制度の労使協議などが重要な取り組みとなっています。これまで述べてきた話を長々と繰り返し、たいへん恐縮ながら要するに必ずしも「ブログの題材=日常活動の中での最重要課題」ではない傾向があることを改めて説明させていただきました。もちろん今月投稿した「脱・雇用劣化社会」「パワハラ防止に向けて」「電通社員が過労自殺」「心が折れる職場」を通して取り上げた題材は労働組合の本務として最重要課題であり、このように政治的な話題ばかり扱っている訳でもありません。

今回の記事も私どもの組合に関わる話であり、地味でローカルな題材だと言えます。不特定多数の方々にとって興味の沸かない題材だろうと思います。一方で、自治労に所属する組合で役員を担われている方々にとって同じような現状の中、同じような悩みを抱えられている方々も多いのではないでしょうか。どのような方向性で対応していけば良いのか、一緒に考える機会につながることも期待しながら新規記事の題材に選んでみました。

ちなみに私どもの組合の定期大会は11月11日夜に開かれます。定期大会に先がけ、現在、組合役員の信任投票が行なわれています。以前の記事「組合役員の改選期、インデックス」に託したような思いのもと引き続き執行委員長に立候補しています。立候補にあたり、組合員の皆さんに回覧し、お示ししている私自身の選挙広報に掲げた内容は次のとおりです。

組合役員を長く続ける中で「組合は必要」という思いを強め、そのバトンを引き継げるよう努力してきています。同じポストに同じ者が担い続けることの問題点も頭の中にあり、いつも悩んでいますが、今回も続けることで責任の重さを受けとめるという選択をさせていただきました。とりわけ来期に向け、たいへん残念ながら過去最少の執行委員の数で組合活動に向かわざるを得ません。さらに組合財政も非常に厳しく、幅広い組合活動のあり方を見直していくことになります。このような現状に至っていることの責任の重さも強く受けとめながら「ピンチをチャンス」に変えられるよう努力していくつもりです。

絶対引き継ぐべき組合の役割は職場課題を解決できる労使交渉能力です。このことを基軸に活動全般を見直し、持続可能な組合組織につなげていければと考えています。つまり組合役員、たいへんな負担というイメージを転換し、担い手が広がっていくことを願っています。ぜひ、組合員の皆さんのご理解ご協力をよろしくお願いします。

各職場からの輪番制ではなく、組合員個々人の判断のもとに立候補するかどうかであり、かなり前から組合役員の定数不足に陥っています。執行委員長、副執行委員長、書記長、書記次長、会計、会計監査は定数を満たすことができていますが、12名の定数である執行委員は慢性的な欠員状態となっています。組合員の皆さんにとって「組合役員はたいへん」という印象が強く、改選期に組合役員の担い手を広げていくことに苦心しています。

来期に向け、執行委員4名が退任し、新たに立候補を決意された方は1名にとどまっていました。今期に比べて執行委員は3名減り、信任投票の対象となる組合役員総数13名は過去最少の数となっています。各職場・職域代表の職場委員は1年ごとの輪番制が基本であり、おかげ様で80名ほどの定数は必ず充足しています。そのため、執行委員も職場・職域に選出割り当てを決め、輪番制で幅広い方々に出ていただこうという構想もあります。そのような仕組みが定着し、組合員の大半が役員を経験することで組合を身近に感じていただけているという好事例もよく耳にしています。

輪番制が長年定着してきた組合であればこその波及効果であり、新たに踏み出す組合は慎重に丁寧に検討していかなければならないはずです。それこそ「組合役員はたいへん」というイメージを持たれたまま、と言うよりも現実的な役割として「たいへん」だった場合、執行委員を担う順番を回避するために組合そのものの脱退を考えられる方が生じる可能性にも留意しなければなりません。考えすぎであり、弱気すぎるのかも知れませんが、このような危機意識を軽視した拙速な仕組み変更は避けるべきものと考えています。

組合役員の担い手不足の問題に加え、組合財政の厳しさも顕著になっています。地区図書館の指定管理や保育園の民営化などの行革提案を受け入れてきた結果、組合員数はピーク時の1,500名前後から徐々に減少し、現在1,170名ほどの数となっています。それに比例して組合費収入も漸減してきています。幸いにも組合の貯金と言える積立金会計に大きな額が残されているため、その特別会計から一般会計に繰り入れることで収支を賄えています。当然、一定の時期までに収支構造を抜本的に見直さない限り、蓄えは枯渇するため、恒久的な対応と考えてきた訳ではありません。

今年度、積立金会計からの繰り入れを想定した額よりも大幅に上乗せする必要性に迫られました。この事態を踏まえ、来年度以降の予算から恒常的な収入に見合った支出額に近付けられないかどうかという抜本見直しの議論に着手しています。いわゆるプライマリーバランスの改善に向けた検討です。検討した内容をもとに来年1月から12月までの組合予算案をはじめ、組合財政の確立に向けた基本的な考え方を示した資料を定期大会前に組合員の皆さんに配布し、大会議論に付す運びとしています。

以上のような担い手不足や厳しい財政の問題を前にし、今回の選挙広報の内容を綴っていました。二つの問題のピンチですが、解決する方向に同じ道筋を見出そうと考えています。組合役員を長く続ける中で「組合は必要」という思いを強めている理由は、組合には職場課題を解決できる交渉能力があるからです。「昔に比べて弱くなった」と言われがちですが、曲がりなりにも労働条件の問題は労使交渉を通して決めるという原則を維持しています。この役割を維持できないのであれば「組合は不要」だと見られても仕方ありません。

今回の記事の冒頭に「実生活に過度な負担をかけず、長く続けることができているブログとの距離感」について記しました。記事本文を通した情報発信の大切さ、フルオープンのコメント欄で不特定多数の皆さんから率直な意見を伺えることの貴重さ、このような意義があるため、このブログは長く続けたいものと思っています。続けるだけが目的ではなく、大切さや貴重さがあるため、無理なく続けるための対応としてコメント欄との距離感を改めてきたと言えます。

組合も同様です。必要な役割や活動があるからこそ組合組織は維持しなければなりません。そのためには無理しない、背伸びしない、これまで以上にメリハリを付けた活動に重きを置き、結果的に組合役員に過度な負担をかけず、予算面の見直しにもつながるという発想を重視するようになっています。もちろん職場課題を解決できる労使交渉能力を基軸にした必要な役割や活動だけは必ず継承していかなければなりません。

幅広い組合活動の見直しにあたり、組合役員だけで一方的に決めるものではなく、組合員の皆さんと率直な議論を重ねていく必要性があります。そのため、この場で先走って具体例を示すことは控えなければなりません。いずれにしても組合役員の負担がゼロになることはあり得ませんが、このような試みによって少しでも負担が減ることで「組合役員はたいへん」という印象が緩和されることを願っています。

選挙広報には「ピンチをチャンス」に変えられるよう努力していく旨を記しました。持続可能な組合組織につなげていくためにも上記のような発想で組合活動全般を見直し、ハードとソフト両面から組合に対するイメージを転換させ、組合役員の担い手問題を解決していく好機にしたいものです。「組合は必要」という認識が全体で共有化され、この程度の負担であれば「良い経験にもなるし、執行委員を引き受けてみるか」という声が増えていくことを期待しています。加えて、このような雰囲気が高まった時には「〇〇部から一人、執行委員を出してください」と気軽に要請できるようになるのかも知れません。

最後に、執行委員の担い手不足の問題を書記長と話し合っていた時、「委員長がいるからダメなんですよ」と言われてしまいドキッとしました。私が委員長を務めている限り、組合はつぶれないだろうという安心感や信頼感があるため、なかなか担い手が広がらないという趣旨の言葉でした。選挙広報に記したとおり同じポストに同じ者が担い続けることの問題点も頭の中にあるため、一瞬、長く続けていることをストレートに批判されたような胸の痛さを感じました。とは言え、来期に向けては選挙広報に記したとおり続けることで責任の重さを受けとめていく選択をさせていただいています。

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コメント

こんばんは。
ちょっと引っかかる所が一つ。

>>日常の組合活動の中で政治的な課題が占める割合はごくわずかであり

問題になっているのは組合員を反日・反米左翼集会、デモに動員させること。
平和が大切だと言いながら、中国の侵略・北朝鮮の核実験、拉致にはダンマリ。
こういう事するから労働組合は胡散臭いと思われているのですよ。

投稿: す33 | 2016年11月 4日 (金) 22時35分

す33さん、コメントありがとうございました。

このような問いかけに対し、私なりの「答え」を記事本文を通して数多く投稿してきています。それこそ今回の記事本文の冒頭に記したとおり「難しい題材であればあるほど言葉が不足しがちなコメント欄ではなく、じっくり腰を落ち着けて臨める記事本文で対応」という関係性でご理解願っています。したがって、参考までに一つ選び、下記の記事を紹介させていただきます。

2013年12月8日(日) 再び、平和フォーラムについて
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2013/12/post-8754.html

なお、「反日・反米左翼集会」という言い方は適当ではなく、さらに組合員の皆さんに対して私どもの組合に関しては動員をかけていません。運動方針に基づいた各種集会を案内し、あくまでも参加するかどうかは組合員個々の自由意思という関係性を重視しています。

投稿: OTSU | 2016年11月 5日 (土) 07時04分

こんばんは。
>>「反日・反米左翼集会」という言い方は適当ではなく
OTSUさん、労働組合はどれだけ中国、北朝鮮他、共産・社会主義国の野蛮な行為に抗議しましたか?
中国の侵略に対して、中国大使館・朝鮮総連に対してシュプレヒコールを唱和しましたか?
はっきり言って左寄りの人たちは自民党政府、米には抗議するが、共産・社会主義国の行為に対してほとんど無反応ではないですか。
平和フォーラムだって単なる国内向けのポーズだけ、中国、北朝鮮にはデモすら行わない。
だから左翼集会なんですよ。

投稿: す33 | 2016年11月 6日 (日) 00時02分

す33さん、コメントありがとうございました。

新規記事はnagiさんからの問いかけに対する私なりの「答え」に位置付く内容を投稿しました。す33さんからの問いかけに対しては紹介した以前の記事の焼き直しになるのかも知れませんが、じっくり腰を落ち着けて臨める記事本文で機会があれば対応させていただくつもりです。一問一答の場に至らないことを改めてご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2016年11月 6日 (日) 01時35分

す33さんのコメントを読んで

要は、俺はリンゴが好きだが、お前がミカンが好きだというのが気に入らん、としか言っていないように思われますね。

誰も、中国の人権侵害やら拉致問題が良いことだなんて言ってないですよ

投稿: オブ参 | 2017年1月 5日 (木) 14時06分

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