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2016年2月 7日 (日)

北朝鮮の核実験 Part2

北朝鮮が予告していた事実上の弾道ミサイル発射期間は早まり、2月7日から14日までに変更されていました。弾頭ミサイルは主に空気抵抗の少ない高空を飛行するため、核爆弾など重い弾頭を遠くまで運べます。有人航空機に比べるとコストパフォーマンスに優れ、この発射予告は一連の核兵器開発に関わる動きだと見られています。前回の記事は「北朝鮮の核実験」でしたが、書き足したかった内容もあったため、新規記事は「Part2」として書き進めてみます。

パリ同時多発テロが起こった後、フェイスブックのアイコンをトリコロールに変えることで追悼の意を表す動きが広まりました。フリーアナウンサーの長谷川豊さんはご自身のブログで「やめとけよ、偽善者ぶるの」と痛烈にその行為を批判されていました。「毎日のように起きているテロを全部すっ飛ばして、200人以上が犠牲になったロシア機のテロはすっ飛ばして… 今回のフランスのパリの件だけ」というとらえ方からの批判でした。

長谷川さんの訴えたい真意を正確に知るためには、ぜひ、リンク先の記事をご覧ください。ここで紹介した訳は前回の記事「北朝鮮の核実験」の中で私が示した違和感の話に繋がるからでした。確かにパリの犠牲者に哀悼の意を示した時、それ以外のテロによる犠牲者のことは念頭にないのかも知れません。しかし、だからと言って他の犠牲者のことに哀悼の意を抱かないと決め付けられるものなのでしょうか。

いわゆる左に位置付けられる団体は、これまで日本政府やアメリカに向けたデモや抗議集会に取り組んでいますが、確かに中国や北朝鮮に対する具体的な抗議行動は行なっていません。しかし、だからと言って「中国か北朝鮮の団体」という見方に繋げることが適切なのでしょうか。もし、そのように思われる方がいた場合、その根拠を示すのは疑いを持った方のほうだろうとも考えています。

安倍首相は軍国主義者だ」という批判があった時、違和感を抱かれる方も多いのではないでしょうか。安保法制も安倍首相自身は「戦争を未然に防ぐために必要だ」と考えているはずであり、まして「安倍首相は戦争をしたがっている」と決め付けてしまうことの不適切さも指摘しなければなりません。安保法制の問題で言えば、違憲なのかどうかが大きな論点であり、そのような法整備の必要性や功罪が問われていくべき話だと思っています。

同様に「平和フォーラムの背後には北朝鮮」というような陰謀論が前面に出た意見は、やはり「安倍首相は軍国主義者だ」と批判する論法に相通じるものがあるように見ています。平和フォーラムの運動の方向性や具体的な取り組みに対する賛否があって当たり前です。ただ前回の記事で述べたとおり誤った先入観や誤解があった場合、かみ合った議論に繋がりにくく、より望ましい「答え」を見出すことも難しくなるものと考えています。

個々人それぞれ正しいと信じている「答え」があります。その「答え」は様々な体験をはじめ、数多くの知識や情報を得る中で導き出されてきたはずです。他者の思想や考え方に強く共感すれば、そのまま自分自身が正しいと信じる「答え」に置き換わっていたものと思われます。そのような過程が時には「洗脳されている」という突飛な見られ方に繋がることもあり得ます。

左翼運動家を「中国や北朝鮮に洗脳されたスパイ」、あるいは安倍首相の熱烈な支持者を「権力に洗脳されたポチ」というような妄想気味な誹謗中傷を耳にすることがあります。中にはそのような背景や関係性があり、もしかしたら全否定できないのかも知れません。それでも圧倒多数の人たちは自分の頭で考え、自分自身が確信した「答え」に照らし、個々の課題に対しての是非を決めているのではないでしょうか。

その上で、より望ましい「答え」に近付くためには幅広く、多面的な情報に日頃から意識的に接していくことが重要です。ちなみに当ブログの記事本文を通し、多様な考え方や幅広い情報を提供しているものではありません。不特定多数の方々に対し、多面的な情報の一つとして「このような見方があります」という訴えを重ねているつもりです。なお、いつも多様な声のコメントをいただいていますので、コメント欄も含めて考えれば、このブログを通して幅広い考え方や多面的な情報に触れられる機会となっています。

記事タイトルから離れた前置きのような話が長くなりましたが、前回記事の続きとして訴えたかった内容でしたのでご容赦ください。さて、このブログを書き進めていた日曜の午前、北朝鮮がミサイルを発射したという速報に接しました。核実験と同様、安全保障上の脅威を高める暴挙であり、絶対容認できません。ミサイル本体や落下物による直接的な被害もあり得たため、国際社会から強い批判が高まることも必然だろうと思っています。

北朝鮮は人工衛星の打ち上げだと強弁し、国際海事機関(IMO)と国際電気通信連合(ITU)にも通告している正当性を訴え続けるのかも知れません。しかし、仮に人工衛星だったとしても、国連安全保障理事会決議1695、1718、1874への違反となります。北朝鮮は2006年7月にスカッド、ノドン、テポドン2、あわせて7発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことによって、ミサイル技術に関する活動を制限されているからです。

非難されるべきは北朝鮮であり、この点は大多数の人たちが共有化できる認識だろうと思います。日本政府は万が一に備えて情報の連絡態勢を整え、ミサイルや落下物を迎撃するためにSM3とPAC3を配備していました。迎撃ミサイルシステムの実効性について疑問視する声もあるようですが、被害を最小化するための可能な限りの努力が強く批判を受ける対象にはならないものと見ています。

いずれにしても今後の対応策が大きな論点になるはずです。国際社会が圧力を強めた結果、北朝鮮側が白旗をあげるような展開に結び付けば望ましい話です。しかしながら対立が激化し、武力衝突に至った場合は多大な人的な被害が生じることを覚悟しなければなりません。やはり一触即発な事態を避けるためには制裁一辺倒ではなく、対話の窓口も常に開いておくことが欠かせないものと考えています。

ただ注意しなければならない点として、核兵器の開発を成し遂げたから北朝鮮が目論んだ外交決着を果たせたという構図に繋げてはなりません。それこそ核軍縮の流れに逆行する悪例を重ねることになってしまいます。より効果的な対話と圧力の模索、たいへん難しい北朝鮮との距離感が求められていくものと思っています。そのような難しさを踏まえた上、一つ一つの問いかけに対し、私たち一人ひとり正しいと信じる「答え」を決めていかなければなりません。

日本政府は、国連が2月に設置する核軍縮に関する作業部会に参加する方針を固めた。作業部会は昨秋、メキシコなど核廃絶を強く求める非核保有国の提唱で設置が決まったが、採決では米ロなど核保有国が核兵器の法的禁止の動きを警戒して反対。日本も棄権した。日本は米国の「核の傘」に頼るが、核保有国と非核国との橋渡し役を果たすため、議論に加わる必要があると判断した。

設置されるのは「核軍縮に関する国連公開作業部会」。2月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部で議論が始まる。2、5、8月に計15日間会合を開き、10月の国連総会に勧告を出す。作業部会の設置は昨秋の国連総会で国連加盟国の約3分の2にあたる138カ国の賛成で決まった。議題は「核兵器のない世界のための法的措置の議論」などだ。提案したメキシコなど非核国グループは、核兵器の法的禁止の機運を盛り上げようとしており、部会では核兵器禁止条約に向けた議論が本格化するとみられている。【朝日新聞2016年1月28日

その一つとして、上記のとおり核兵器を法的に禁止する動きがあげられます。核兵器を持つ国と持たない国、その影響力の違いには非常に大きな落差があります。核不拡散は結果的に保有国の国際的な地位を高め、不公平な特権だと見られがちです。そのため、ルールを破り、国際的な批判にさらされながらも核保有をめざす国が後を絶たないようになっています。

北朝鮮の核実験やミサイル発射に対する批判を強める一方、すべての国が核兵器を放棄する機運を高めていくことの大切さに思いを巡らしています。日本政府はアメリカに気兼ねしているようですが、広島と長崎の悲劇を繰り返さないためには率先して核兵器の法的禁止に向けて尽力しなければならないはずです。ぜひ、国連の核軍縮に関する作業部会の中では、そのような立場で努力されることを願っています。

今回も長い記事になっていますが、もう少し続けさせていただきます。以前の記事「拉致問題を考える」の中で、在日朝鮮人の方々と懇談した内容を綴っていました。「よく帰るけれど国民は普通に暮らしているんですよ」という言葉が印象に残っています。先日、TBSの番組『報道特集』では東京朝鮮高校ラクビー部の全国大会出場までの苦難や喜びを伝えていました。日本で普通に暮らし、笑い、悩む若者と周囲の大人の姿が映し出されていました。

「報道特集 朝鮮高校 サッカー」でネット検索したところ『かっちんの青商会物語』というブログがトップに掲げられていました。番組の内容や「日本の方々の感想」など詳しくまとめられています。放送された動画も視聴できるようになっていますので、興味を持たれた方はリンク先をご訪問ください。最後に強調したい点として、批判すべきは誤った判断を重ねる北朝鮮の政権です。在日朝鮮人の方々とは多様さやお互いの文化などを認め合いながら普通に接し、言うべきことは率直に言い合える関係性を築いていくことが大事な点だろうと考えています。

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コメント

日本周辺のバランス・オブ・パワーは、「日本がアメリカの軍事力の傘の下にある」という状況が一つの重要な要素であると考えられるですが、
ここで、「日本がアメリカの軍事力の傘から離れる、あるいは、アメリカが日本から傘を離す」という事態が生じた場合には、日本の安全保障は根源的な見直しが避けられないでしょう。

ただ、今の日本の経済力や国民感情からすると、おそらくアメリカの傘なしにバランス・オブ・パワーを保つような見直しには堪えられないとワタクシは思っています。

そういう意味では、「いかにして、アメリカの軍事力の傘の下に居続けるか?」は、結構重大な命題なような気がします。
これをいうと、全方位から反論や批判が来そうですが、少くともワタクシはそう考えています。

さて、ここで「北朝鮮がワシントンD.C.に直接核兵器を運ぶ能力を得る」という事態が生じたとき、日本周辺の”バランス・オブ・パワー”はどう変わるか?アメリカの傘は日本を包摂して維持されるか?というのは、日本の安全保障上極めて重大な命題になると想像します。

そういう問題意識のもと、今回の事態には「対応策として、満足のいく妙手はない」と思われるところでもあり、個人的には深刻なコトだと思っています。

今回、真偽不明ながら一部で言われるような性能のロケットの発射に成功したとなると、理屈上では、ワシントンD.C.に届きますので。

投稿: あっしまった! | 2016年2月 7日 (日) 19時33分

あっしまった!さん、コメントありがとうございました。

核兵器の法的禁止に向けた努力の件で少し言葉が不足していたようです。個別的自衛権の必要性は認めている立場ですので、一定の抑止力についても必要だと考えています。その上で「囚人のジレンマ」とも言われる際限のない軍拡競争は絶対好ましくなく、軍縮を規範とする国際社会のあり方を理想視しています。

日本における銃規制のような国際社会が究極の理想かも知れませんが、一足飛びにすべての国が武力を放棄できるとも考えられません。それでも日本国憲法第9条は理想を追い求めた上での現時点における評価すべき「特別さ」だと見ています。

今後、国連の核軍縮に関する作業部会の中で議論される核兵器の法的禁止についても、そのような規範作りの一環として実現できることを願っています。要するにアメリカの「核の傘」を不要とする際、中国やロシアなども核兵器を持たない関係性を思い描いています。

したがって、抑止力としてのパワーバランスを無視した願望を持っている訳ではありません。ただ以上のような発想も「お花畑」と揶揄されるのかも知れません。しかし、20世紀初頭に外交交渉の延長線上だと見られていた戦争が原則禁止になるとは誰も想像していなかったはずです。

残念ながら戦争の原則禁止も有名無実化しがちであることも確かですが、理想を描かなければ現状を変えていくことは絶対不可能です。物凄く難しい道のりかも知れませんが、国連の中の作業部会で議論に入ることも間違いのない事実です。

このような機会に際し、被爆国である日本の立場は記事本文に綴ったとおり核兵器の法的禁止に向けた努力を尽くして欲しいものと願っています。あっしまった!さんからコメントをいただき、このような補足する機会を得られたことを感謝しています。ありがとうございました。

投稿: OTSU | 2016年2月 7日 (日) 22時27分

OTSU氏が懸命に左派と右派の対立の解消と理解と融和を目指す記事をアップしてるのに、肝心の●●フォーラムはこんな記事をアップしレッテル貼りにいそしんでます。

>http://www.peace-forum.com/navi/160201.html

この団体について今更なにもないですが、熱心に思想信条活動や政治活動に取り組んでいます。韓国の挺対協と同じような団体ですね。特定のことがらを利用し政治活動を行う。

指摘のとおり、親日的な米国に抗議活動し反日的な国に対して抗議活動をしなくても、それだけで批判することもできないし、バックに共和国がいると証明にはなりません。そして活動方針に基づき運動を展開してるのも事実です。

外部から見て理解できる客観的な事実は、

・日本政府や親日的な米国に対して抗議活動を行う。
・反日的で緊張関係にある国には抗議活動をしない。
・ロシア、サウジ、英仏などの軍事行動も特に抗議活動はしない。

となります。私が理解できる内容は上記のとおりです。だからと言って、決めつけた批判などするつもりはありません。

>。安保法制の問題で言えば、違憲なのかどうかが大きな論点であり、そのような法整備の必要性や功罪が問われていくべき話だと思っています。

違憲かどうかは裁判所の管轄なんで、必要性や現実的なことがらについてもっと議論することを望んでいます。

投稿: nagi | 2016年2月 8日 (月) 18時11分

> 必要性や現実的なことがらについてもっと議論

激しく、同感です。ただ、難しいでしょうね。

必要性や現実的な事柄からアプローチすると、必然的に「改憲」と対峙することになります。賛否の結論は別として、正面から向き合うことが必要になります。

対して、違憲かどうか?というところからアプローチすると、「改憲」と対峙しなくてすみますから。体よく避け続けることができますし、現実に対しての水際作戦になりますので。

ワタクシは、自民党さんの今の改憲草案には強く反対しますが、いまの民主党さんの政治姿勢も同じくらいに肯定できません。

投稿: あっしまった! | 2016年2月 8日 (月) 21時43分

>あっしまった!氏

改憲と対峙したくないというのはなんとも言えない気分になりますね。平和安全法制の時に憲法学者や弁護士が憲法違反だと言っていましたが、たしか、憲法学者や弁護士の多数が自衛隊の存在は憲法上は違憲の存在であると。

ならば、すでに自衛隊の存在が憲法違反してるわけですから、今更立憲主義の破壊と言うのもおかしな話ですよね。

潔く自衛隊を解散するか、改憲して自衛隊の存在を認めるか。まずはそれですよね。

投稿: nagi | 2016年2月 9日 (火) 14時14分

こんにちは。
>>確かに中国や北朝鮮に対する具体的な抗議行動は行なっていません

では、左に寄った人はなぜ抗議活動を行わないのですか?
中国は頻繁に領海侵犯を繰り返し、平和を脅かしているのに。
平和が大切ならばアメリカ、自民党政府だけではなく、
中国、北朝鮮、韓国などにも抗議行動を行わなければならないのではないですか。

投稿: す33 | 2016年2月11日 (木) 17時22分

以下は、たんなる独り言として。

前提として、
今の日本の憲法(日本国憲法)って、かつての大日本帝国憲法の下で、同憲法の改正手続に則って、制定・公布・施行されてるんです。
天皇が帝国憲法第56条の規定に基く枢密院官制第6条による枢密顧問の諮詢を経て、帝国憲法第73条の規定により天皇の勅命によって帝国議会両院の議に付され議決を経て、天皇が裁可し、公式令の規定によって公布され、憲法の施行日規定によって施行されたわけです。
で、今の日本国憲法(案)の帝国議会での審議中、「第9条について、日本の存立を危うくするといって、第9条を置くことに明確に反対した政党が一つあった」んですよ。その政党というのは、「日本共産党」さんなんです。

その日本共産党さんの党首が、平安法制のときに「中国は、現実の(リアルな)脅威ではない」って認識を公に示しておられるじゃないですか。
民主集中制をとる同党のトップの発言ですから、党としての見解と考えて良いでしょう。
帝国憲法の改正を審議したときの態度とは、まるで異なる態度で、ある意味感慨深かったりしました。

で、脱線はここまでにして、
これだけ日常的に接続水域への侵入が行われ、年に二桁の回数で「領海侵犯」が行われている現状を前提に、「リアルな脅威でない」って言い切れるような思考様式をもつ相応の数の方々がおられるわけですよ。
そりゃ、そういう思考様式に近い人たちが、中国に対して抗議行動を行うなんて発想があるわけもないじゃないですか。
「脅威でもなんでもないから、抗議行動をする必要性もない」っていう、それ以上でもそれ以下でもないでしょう。(根拠レス私見です。

なお、日本の為政者が露骨に「中国」を名指しして脅威を訴えるのは、まさしく「安全保障のジレンマ」という命題が絡んでくるので、痛し痒しな部分があって難儀だと思っています。
明示的に訴えれば事態をより深刻にしかねず、明示的に訴えなければ焦点が曖昧すぎて議論にならないっていう。

投稿: あっしまった! | 2016年2月11日 (木) 23時20分

nagiさん、あっしまった!さん、す33さん、コメントありがとうございました。

今回の記事本文に記したとおり自分自身が確信した「答え」に照らし、個々の課題に対しての是非を決めているものと受けとめています。その基本的な「答え」の相違から疑問や不信が芽生えがちとなるようです。

相変わらずコメント欄では一問一答にならず恐縮ですが、なるべく新規記事を通して寄せられているご指摘や疑問に応えていけるように努めていきます。そのような点について改めてご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2016年2月13日 (土) 21時13分

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