2016年、三猿の真逆な心構えで
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
毎年、元旦に年賀状バージョンの記事を投稿しています。いつも文字ばかりの地味なレイアウトであり、 せめてお正月ぐらいはイラストなどを入れ、少しだけカラフルになるように努めています。2005年8月に「公務員のためいき」を開設してから635タイトル目となりますが、必ず毎週土曜又は日曜に更新し、昨年1年間で51点の記事を投稿していました。
2015年1月にココログのアクセス解析の管理機能が大きく変わり、累計数が分からなくなっています。一時期に比べ、1日あたりのアクセス数は減っています。それでも週に1回の更新にも関わらず、毎日500件以上のアクセスがあります。これまで時々、いきなりアクセス数が急増する場合もありました。Yahoo!のトップページに 掲げられた際のアクセス数23,278件、訪問者数18,393人が1日あたりの最高記録となっています。
ことさらアクセスアップにこだわっている訳ではありませんが、やはり多くの人たちにご訪問いただけることは正直嬉しいものです。特に当ブログは不特定多数の方々に公務員やその組合側の言い分を発信する必要性を意識し、個人の判断と責任でインターネット上に開設してきました。したがって、より多くの人たちに閲覧いただき、多くのコメントを頂戴できることを願っているため、毎日、たくさんの方々にご訪問いただき、ブログを続けていく大きな励みとなっています。
一方で、たいへん恐縮ながら2012年の春頃から私自身はコメント欄から距離を置くようになっています。身の丈に合ったペースとして、週に1回、土曜か日曜のみにブログに関わっている現状です。そのことだけが理由ではないようですが、以前に比べるとお寄せいただくコメントの数も減っています。それでも記事内容によっては、貴重なコメントが多数寄せられる時も少なくありません。いずれにしても当ブログをご注目くださっている皆さんにいつも感謝しています。本当にありがとうございます。
さて、今年は申(猿)年です。年賀状には『猿と言えば「見ざる、聞かざる、言わざる」という三猿の言葉が有名です。世の中の悪いことは見たり、聞いたり、言ったりせず、良いものだけを受け入れ、素直な心で成長しなさいという教えだそうです。一方で、都合の悪いことや余計なことは、見ない、聞かない、言わない方が良いという意味でも理解されています。後者の意味であれば、見て、聞いて、言うべきことは言う、その真逆な心構えを大切にしたいものと考えています』と書き添えていました。
人それぞれ正しいと信じている「答え」があります。ただ信じている「答え」が必ずしも絶対的な「正解」とは限らないことに思いを巡らすようになっています。「完璧な人間はいない」「人は過ちを犯す」という見方に繋がる話です。特に物事を判断する際の情報が少なかったり、偏っていた場合、より正確な「答え」を導き出せなくなるはずです。これまで「多面的な情報への思い」「再び、多面的な情報への思い」「多面的な情報への思い、2012年春」 という記事を投稿していました。
同じモノを見ていても、見る角度や位置によって得られる内容が極端に違ってきます。一つの角度から得られた情報から判断すれば明らかにクロとされたケースも、異なる角度から得られる情報を加味した時、クロとは言い切れなくなる場合も少なくありません。クロかシロか、真実は一つなのでしょうが、シロをクロと見誤らないためには多面的な情報をもとに判断していくことが非常に重要です。このような傾向があることを踏まえ、私自身、いわゆる左や右の主張を問わず、なるべく幅広い情報や考え方に接するように努めています。
そして、たいへん便利な時代になっています。インターネットさえ利用できれば、幅広く詳しい情報を手軽に素早くコストをかけずに入手できます。以上のような意義を踏まえ、このブログも多面的な情報の一つとして、インターネット上の片隅に加わり、公務員やその組合側の言い分を発信してきました。とりわけ自治労への手厳しい見方がインターネットを通して散見できますが、せめて思い込みや事実誤認による批判だけは控えて欲しいものと願いながらブログを続けています。
このブログの目的や位置付けは「2009年末、改めて当ブログについて」で詳しくお伝えしていました。とりまく情勢の厳しさが増す中、公務員への風当たりは相変わらずです。そのような中で、公務員やその組合に対する厳しい声を謙虚に受けとめながらも、主張すべきことは主張する目的を掲げながら続けています。さらにコメント欄を通し、様々な立場や視点からのご意見を伺えることも貴重な目的としています。厳しい批判意見があることを把握した上で、日常の活動を進めていく大切さを感じ取っています。
このような問題意識を抱えているため、三猿の真逆な心構えが欠かせないものと考えています。いろいろなことを見て、聞いて、多様な考え方や情報に触れることで、より望ましい判断や「答え」に近付けるはずです。その上で、問題がある場合は疑問や反対意見を言えることが重要です。労働組合も同様であり、幅広い声を集約し、問題点を使用者側に毅然と訴えられる役割が求められています。職員一人ひとりに関しても、職場の中で自由に意見を言い合える雰囲気が大事にされていかなければなりません。
さらに社会全体や政治の場面で、異論を唱えられることの重要性は言うまでもありません。安保法制や原発、労働法制、年金積立金の運用の問題などに対し、国民の中に反対や疑問視する声が多くあります。前述したとおりシロをクロと見誤らないためには多面的な情報をもとに判断していくことが非常に重要であり、今の政府与党にも幅広い声に耳を傾け、改めるべき点があれば率直に改める謙虚さを示して欲しいものと願っています。
「この道しかない」という自信は過信や慢心に繋がりかねません。チェック機能を効果的に働かせる仕組みが重要であり、「決められない政治」が批判されていましたが、与党多数の結果、問題点が修正されないまま「決められていく政治」のほうが余程批判を受けるべき話だと思っています。たいへん残念ながら現在の巨大与党に対し、チェック機能を充分働かせられないバラバラな弱小野党という構図になっています。
このような政治の流れを変えるためにも今年7月の参院選挙の行方が重視されていきます。場合によっては衆議院を解散し、ダブル選挙も取り沙汰されています。野党再編の動きは見通せませんが、昨年末の記事「なぜ、民主党なのか?」に託したような「働くことを軸として、安心できる社会を作っていく」という立ち位置を重視した動きが進むことを願っています。特に自治労組合員の一人としては組織内参院議員の江崎孝さんの奮闘に大きな期待を寄せています。
今年も実生活に過度な負担をかけないよう留意しながら、このブログは引き続き週1回、土曜か日曜の更新を基本としていきます。ちなみにお正月のみ少し変則な日程となり、次回の更新は1月9日又は10日を予定しています。きめ細かいコメント欄への対応がはかれずに恐縮ですが、一人でも多くの方にご覧いただければ誠に幸いなことだと思っています。ぜひ、これからもよろしくお願いします。それでは末筆ながら当ブログを訪れてくださった皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、新年早々の記事の結びとさせていただきます。
☆新春特別付録☆ 「2015年ブログ記事回想記」
年賀状バージョンの恒例となっていますが、今回も2015年に投稿した記事をインデックス(索引)代わりに12点ほど並べてみました。改めて皆さんに紹介したい内容を中心に選び、いわゆる「ベスト」ではありません。したがって、12点の並びも投稿日順となっています。それぞれ紹介した記事本文へのリンクをはってありますので、のんびりご覧いただければ幸いです。
- 岐路亡羊、2015年 ⇒ 今回と同じ年賀状バージョンです。未(羊)年の年頭に「岐路亡羊」という諺から、この道しかないと決め付けてしまうのも危ういことで、迷いながらも進むべき道は慎重に選ぶことの大切さを書き添えていました。やはり特別付録として「2014年ブログ記事回想記」も掲げました。
- 東京ブラックアウト ⇒ 『原発ホワイトアウト』の続編である『東京ブラックアウト』をはじめ、「福島の真実」の下巻にあたる『美味しんぼ』第111集と『いちえふ』を読んだ感想を綴っていました。
- 後藤健二さんが残した言葉 ⇒ 「イスラム国」の人質にされ、殺害された後藤さんがツイッターに残した言葉を紹介しました。「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり…」という憎しみの連鎖は武力で断ち切れないという後藤さんの思いが伝わる言葉でした。
- 生活困窮者自立支援法が施行 ⇒ 2015年4月に生活困窮者自立支援法が施行され、自分自身の職務である滞納整理の仕事に引き付けた問題意識を綴っています。あわせて『健康で文化的な最低限度の生活』などの書籍が面白かったことを書き添えています。
- 2015年初夏、節目の600回 ⇒ 投稿した記事の数は自分自身の労力を惜しみ出したり、続けていく熱意が冷めてしまった場合、停滞してしまう数字です。そのような意味で、これまで記事の回数が100を刻んだ時をメモリアルな節目に位置付け、このブログの位置付けや目的などを改めて書き込んでいました。
- 多様な声を認め合うことの大切さ ⇒ ブログを開設した直後に背景の色やイラストを一度だけ大きく変えた以降、ずっと同じレイアウトやテンプレートで続けていました。文字が横に広がり過ぎて見づらいという指摘を受け、記事表示列を「可変」から「500ピクセル」に改め、久しぶりにレイアウトを大幅に変更したことを記事の冒頭で伝えていました。
- 『感情的にならない本』から思うこと ⇒ タイトルや本文中の見出しにひかれ、購入した書籍に絡んだ内容を綴っていました。同じようにひかれる方が多いようであり、2015年の売れ筋ランキングの上位に入る書籍でした。そのため、最近、この書籍名のキーワード検索から当ブログを訪れる方々が増えていました。
- 戦後70年、終戦記念日に思うこと ⇒ 戦後70年という節目の年であり、3月に「戦後70年談話について」、4月には「再び、戦後70年談話について」という記事を投稿していました。8月15日を迎え、焦点化されていた安倍首相の談話について個人的な感想を書き添えていました。
- 砂川闘争から60年 ⇒ 最高裁の砂川事件判決が注目を浴びた年でしたが、私が勤務する自治体で繰り広げられた砂川闘争から60年の節目を迎えていました。その闘争について振り返るとともに11月に開かれる集会の案内も行なっていました。
- 安保関連法案が可決成立 ⇒ 「2015年末、今、思うこと」でも触れたとおり2015年最大のトピックであり、このブログを通して私なりの問題意識や主張を数多く発信してきました。「安保関連法案が衆院通過」「安保関連法案の論点」「8月30日に全国100万人行動」「安保関連法案に絡む問題意識」「憲法の平和主義と安保法制」などがありました。
- 秋、あれから10年2か月 ⇒ このブログを開設し、10年2か月、本当に幅広く様々な意見に触れることができました。コメント欄に寄せられた率直な声を受けとめ、記事本文に向き合ってきた年月は貴重な自己啓発の場に繋がり、多様な「答え」を認め合っていくことの大切さはブログを続けている中で強まっていきました。
- 節目の第70回定期大会 ⇒ 「10」という節目を刻む記事が多い年でした。過去に臨時大会がありましたので70年目ではありませんが、私どもの組合も大きな節目を刻んでいました。私自身の大会での挨拶をそのまま掲げたところコメント欄では様々なご意見をお寄せいただきました。
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コメント
新年早々に共和国の核実験とは本当に困ったものですね。
共産党、社民党、そして民主党内のリベラルの方々は反原発なんで、当然この核実験は非難する。非難するしか方法がない。しかしこの面々は共和国が大好きな方々です。だから共和国を非難することはできない。だから非常に微妙な言い回ししかできない。共産党の志位さんも、共和国に危険はないって言ったばかりなのに、とばっちりですね。w
それと、年末ぎりぎりで妥結した慰安婦問題の合意騒動も、この核実験で忘れてしまうのでしょうか。慰安婦を利用して政治活動している延対協の方々も大変ですね。
利用してると言えば、平和活動って名前の思想信条活動をしてる某フォーラムもとりあえず、非難声明を出すんでしょうね。どうせ内容は日本政府批判なんでしょうが。w
今年はどんな一年になるのでしょう。
投稿: nagi | 2016年1月 7日 (木) 18時15分
延対協ではなく挺対協ですね。訂正します。
投稿: nagi | 2016年1月 7日 (木) 18時18分
はじめまして、皆様。
大変な事をしましたね、北朝鮮は。
当然、労働組合の皆さんは”デモ”をして
朝鮮総連に抗議するのですよね?
散々アメリカ、日本政府に平和を守れだの、オスプレイを飛ばすな、など”デモ”してきたのに、
紙切れ一枚の抗議文を出して終わりでは無いですよね?
投稿: す33 | 2016年1月 8日 (金) 21時04分
nagiさん、す33さん、コメントありがとうございました。
すでに確認済みかも知れませんが、平和フォーラムの声明は下記のリンク先のとおりです。このブログの新規記事で直接的な題材にする予定はありませんが、このような問題について必要に応じて来週以降の記事本文で取り上げていくことも考えています。
http://www.peace-forum.com/seimei/160106g.html
投稿: OTSU | 2016年1月 9日 (土) 21時15分
>OTSU氏
反応があると思っていなかったのですが、紹介があったので晴声明を見ましたが、やはり予想どおりですね。その声明より3800人が参加した記事のほうが興味がありましたね。
法案反対で3800人が参加するならば、より戦争行為に近い共和国の核実験の抗議活動には何人集まるのか注目ですね。
それとちょうど連休の土曜日に恵比寿さんをひやかしに難波に行ったらちょうど参議院議員の福島瑞穂さんが演説と署名活動をしておりました。私はスルーしたのですが、信号待ちをしてると通行人が署名活動してる人につっこみしてる人が何人もいましたね。
中東の対立、共和国の核実験や軍事行動。それらに対してどう行動するのか、平和団体及び平和活動する人々は、ものすごく注目されていますよ。
頑張ってほしいですね。
投稿: nagi | 2016年1月12日 (火) 09時25分
>OTSU氏
やっぱりね、左翼の集まりですね。
紙切れ1枚で終わりですか。
平和フォーラムは中国か北朝鮮の団体ですか?(笑)
中国の尖閣侵略・軍拡、北朝鮮の核実験・拉致、
韓国の竹島にはまったくデモ、抗議集会やってないじゃないですか。
デモの相手は日本政府、アメリカばかり。
70年代~80年代の左翼活動とまったく変わってないですね。
これでよく平和とか言えたものですね(笑)
投稿: す33 | 2016年1月12日 (火) 20時40分
平和運動をする人々が注目されている旨のnagiさんの指摘は私もそう思います。
専門家の人々の意見では、次は日本海へむけてミサイルだのなんだのいわれていますが、こんだけとちくるったキタの首脳陣のことですから、あるいは、竹島周辺に一発お見舞いすることも考えられるでしょうし、ヨンビョン島は定石だとしても、領土係争地、しかも海上で、自衛隊とアメちゃんを動かす可能性のあるところが標的にされる可能性もあるのだろうと思います。
あとは、長距離弾道弾として沖ノ鳥島ですか。自然海岸が消滅するくらいの正確性があれば(あるとは思えないが)、これもまた人的被害を出さずに権益を奪うのにはキタからすれば挑発行為にはよいのでしょう。
いくら、日本国内で平和運動をやっていても、実力行使されれば終わりです。ドクトは韓国のモノだからキタは撃った。日本じゃないから、ドクト。あ、そう。では済まされない。
実際に撃たなくたっていい。口先だけで、撃つぞと宣言されれば、日本国内の動揺はかなりのものになる。
日本国憲法は国内法であり、国外の愚連隊には通用しないばかりか、国内に愚連隊ができて破られた場合にも憲法が何もかも守ってくれる実力阻止できるものではありません。御名御璽を経たただの紙切れです。紙切れが実力行使を抑止するわけはありません。現場と一体となってはじめて抑止ができるのですから。
投稿: でりしゃすぱんだ | 2016年1月13日 (水) 12時24分
nagiさん、す33さん、でりしゃすぱんださん、コメントありがとうございました。
前回のレスで記しましたが、このような論点について機会を見て記事本文で改めて取り上げたいものと考えています。今日中に投稿する新規記事では直接触れませんが、ご理解ご容赦くださるようよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2016年1月17日 (日) 07時14分