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2015年12月 6日 (日)

年金積立金は誰のもの?

金曜の夜、連合地区協として年金積立金の運用見直しに関する労働講座を開きました。今年10月まで厚労省の社会保障審議会年金部会臨時委員を務められていた方をはじめ、連合本部総合政策局から二人の部長を講師にお招きし、たいへん中味の濃い講座を催すことができました。定員100人の会議室がほぼ満杯になる出席者の数でした。いみじくも下記のニュースが、この講座への関心を高めていたはずです。

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は30日、2015年7~9月期の運用損益が7兆8899億円の赤字に転落したと発表した。赤字は6四半期ぶりで、四半期の赤字額としては過去最大となった。8月以降、中国経済の減速懸念を背景に国内外の株価が急落したことで、保有する株式の評価額が大きく下落した。昨年10月に公表した資産構成の見直しにより、株式投資比率の目標を従来の約2倍の25%に引き上げたことも裏目に出た。

6月末に比べ円高が進行したことで、外国株や外国債券の円換算での赤字拡大につながった。運用実績を示す収益率はマイナス5.59%(4~6月期はプラス1.92%)に悪化した。記者会見したGPIFの三石博之審議役は「10月以降の市場環境は回復しており、今年度の直近までの収益額はプラスに転じる基調だ」と強調した。【時事通信2015年11月30日

8兆円近くの損失、GPIF側は一時的なものだと説明しています。そうであって欲しいと願わざるを得ませんが、連合は数年前から年金積立の運用見直しに対し、強い疑念の声を上げてきました。今回、四半期における過去最大の赤字額が明らかになったことにより、連合の懸念が裏打ちされていく動きに繋がっています。金曜の労働講座では、年金制度の現状や連合の問題意識を3人の講師の方から詳しく説明いただきました。

冒頭、連合が制作したにDVD『年金積立金はだれのもの?』が映されました。漫画家のやくみつるさんが描いた10分ほどのアニメを通し、連合の提起している問題点が分かりやすく理解できるようになっています。リンク先のサイトで閲覧できますので、お時間等が許される際、ぜひ、ご覧になってください。あわせて連合のホームページからのサイト「どうなってるの!年金保険料」「私たちの年金積立金が危ない!!」「私たちの年金積立金が危ない!! Season2」も参考までに紹介させていただきます。

続いて、講師から説明を受けた主な内容を書き進めてみます。公的年金制度は防貧機能として、加齢や障害などによる稼得能力の減退・喪失に備えるための社会保険です。2004年の法改正で将来にわたって制度を持続できるように年金財政のフレームワークを導入しています。少子高齢化が進行しても財源の範囲内で給付費を賄えるように年金額の価値を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入です。

2014年度の予算ベースで年金給付額約54兆円に対し、保険料収入約34兆円、国庫負担約12兆円、不足分約8兆円を年金積立金の運用収益で賄っています。年金積立金は約155兆円あり、そのうちの約133兆円を厚労大臣から寄託を受け、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が管理・運用しています。その収益を国庫に納付することで年金事業の運営の安定に資することを目的とし、GPIFは長期的に維持すべき資産構成割合(ポートフォリオ)を定め、安全かつ効率的な運用に努めなければなりません。

自主運用を開始した2001年度から2013年度までの累積収益額は35兆4415億円です。講師の方は「この額の何が問題なのか」と疑問を示されています。安全かつ確実な運用によってリーマン・ショックの時でも9兆3千億円の損失で済んでいました。GPIFは2014年10年に基本ポートフォリオを変更し、これまで安全資産とされてきた国内債券(主に国債)の比率を大幅に引き下げる一方、国内外の株式の比率を大幅に引き上げるなどリスク性資産割合を高めています。

この割合でリーマン・ショック並の痛手を被った場合、30兆円に及ぶ損失になるという試算があります。損失に対する責任や補償をGPIFや政府が担う訳ではなく、結局は被保険者・受給者に取り返しのつかない痛みが直撃することになります。そもそも基本ポートフォリオの見直しが「日本再興戦略」の中で経済成長を目的にした発想から生じています。厚生年金保険法等で運用は「専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」と定められています。

積立金が被保険者から徴収された保険料の一部でありながら、経済成長のために運用の見直しを掲げていることが大きな問題であることを講師の方は強調されていました。加えて、国民に対する説明が不充分なまま押し進めている政府の姿勢にも強く憤られていました。また、GPIFには「運用委員会」が設置されていますが、委員は法的にはあくまでも「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者」であり、ステークホルダーとして参画できる形態とはなっていません。

そのため、連合は被保険者の意思を反映できるガバナンス体制を求めています。保険料拠出者である労使代表が参画し、確実に意見反映できるガバナンス体制(労使をはじめとするステークホルダーの参画の下、合議制により意思決定する仕組み)の構築をめざしています。講師の一人は厚労省の年金部会臨時委員であり、「年金積立金の管理運用に係る法人のカバナンスの在り方検討作業班」に関わられていました。その作業班には証券会社の関係者も学識経験者として複数名関わっていたとのことです。

証券会社に近しい立場の委員は、どうしても130兆円は130兆円であり、どのように運用すれば利益を出せるかという発想が強く、被保険者から託されている公的年金保険料の一部だという意識が薄かったそうです。仮に損失が生じても手数料だけは確実に入る証券会社との関係性を疑問視し、利益相反の問題について語られていました。このような問題意識を踏まえ、講師の方は連合推薦委員の立場から作業班での議論の中で次のような主張を残されていました。

「専門家が執行機関等に入るとすれば、企業・団体籍を外す、あるいは一定期間務めあげたら同じ業界に何年間か戻らないようにするなどの措置が必要。また、在任中は出身元企業・団体との取引は禁止すべき」「守秘義務や利益相反の問題を明確にし、罰則も強化すべき」という主張です。連合は年金積立金の運用見直しの「目的」「内容」「進め方」を問題視し、反対の声が広がるよう世論喚起に努力しています。その一環として、地方議会での意見書採択にも取り組んでいます。

私どもの市議会でも連合推薦議員二人に尽力いただき、下記内容の意見書の採択ができるようめざしています。ただ残念ながら全会一致には至りそうにない状況だと聞いています。今回の労働講座を通し、現政権の進めている見直しに大きな問題があることを改めて認識する機会に繋がっていました。最後に、閉会の挨拶として議長代行の私から「誤った方向に進みそうな時、待ったをかけられる政治の場でのチェック機能が欠かせません。そのためにも巨大与党に対抗できる野党の存在が重要です」という要旨の言葉を出席者の皆さんに申し添えたことを紹介させていただきます。

年金積立金の専ら被保険者の利益のための安全かつ確実な運用に関する意見書

 公的年金は高齢者世帯収入の7割を占め、6割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しています。特に高齢化率の高い都道府県では県民所得の17%前後、家計の最終消費支出の20%前後を占めているなど、年金は老後の生活保障の柱となっています。そのような中で、政府は、成長戦略である「日本再興戦略(2013年6月14日閣議決定)」などにおいて、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、リスク性資産割合を高める方向での年金積立金の運用の見直しを求めています。

 年金積立金は、厚生年金保険法等の規定にもとづき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すべきものであり、日本経済への貢献が目的ではありません。まして、GPIFには保険料拠出者である被保険者の意思を反映できるガバナンス体制がなく、被保険者の意思確認がないまま、政府が一方的に見直しの方向性を示すことは問題であると言わざるを得ません。リスク性資産割合を高め、年金積立金が毀損した場合、結局は厚生労働大臣やGPIFが責任をとるわけではなく、被保険者・受給者が被害を受けることになります。

 こうした現状に鑑み、本議会は政府に対し、下記の事項を強く要望します。 

  1. 年金積立金は、厚生年金保険法等の規定にもとづき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すること。
  2. これまで安全資産とされてきた国内債券中心の運用方法から、株式等のリスク性資産割合を高める方向での急激な変更は、国民の年金制度に対する信頼を損なう可能性があり、また、国民の財産である年金積立金を毀損しかねないため、行わないこと。
  3. GPIFにおいて、保険料拠出者である労使をはじめとするステークホルダーが参画し、確実に意思反映できるガバナンス体制を構築すること。 

 以上、地方自治法第99条の規定にもとづき、意見書を提出します。

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コメント

管理人が書いているのは平成27年度の第2四半期のみをあげつらったものですね。

例えば、平成27年の第1四半期は約3兆円弱の黒字であり、
平成26年度全体では約15兆円強の黒字でもありまが、一切触れていませんね。
(このうち約10兆円がポートフォリオ見直し後の利益です)

何事も全戦全勝が有り得ないように
年金の運用実績を見れば、マイナスになってしまう事は珍しくありません。
特にリーマンショックの後では、年間で運用結果が-5兆円強、
-10兆円弱と2年連続で15兆円ほど損害を出した記録もあります。

この時に、時の民主党政権は誰か責任を取りましたっけ?


さて、現時点のポートフォリオは諸外国の年金運用実績と比較しても
危険な投資をしている訳でもなく、特に不自然さはありません。
むしろ、まだ安全資産に重点を置いているとさえいえます。

今後も当然に、その時々の情勢に併せて投資先が検討されていくでしょう。


結論からいうと、こちらの管理人は、
現政権を批判できればネタは何でも良いのかしれませんが、
一面だけあげつらって全体を批判するようなことは
不適切なミスリードとしか思えません。

木を見て森を批判することばかりしているから、
自分たちにブーメランのように批判が帰ってくるのだと
気がついたほうが良いと思いますよ。

投稿: | 2015年12月 7日 (月) 00時41分

年金運用に関しては、もっともな疑問だと思いますけどね。
ある一面では、国債への過度な資金移行が、国の借金体質を助長している面もあると思いますが、これは別の話になると思います。

反面、運用にステークホルダーとして意思を反映させようとするスタンスも疑問ですね。公益性が高いとの理由からだと思いますが、それだけは同じく公益を担う公務員の労使交渉にも、住民はステークホルダーとして意見を述べれることになるし、労使ともに意見を尊重しなければならなくなります。

ちょうど先日の水害に係る職員の残業手当てが報道されていますが、市会議員が指摘した災害時の対応は職員もボランティアとして無償奉仕!などという意見も、ステークホルダーの意見として労使交渉で尊重出来るのでしょうか?
管理人さんの今回の主張は、これと同義だとわかって言われているのか。すごく疑問符?です。

投稿: いつも疑問符? | 2015年12月 7日 (月) 12時43分

> いつも疑問符?さん
水害の時間外手当の例の場合、最も重要なステークスホルダー(利害関係者)は職員であって、職員の意見が尊重されるべきだと思います。

投稿: 御坊 | 2015年12月 8日 (火) 12時35分

(脱線します。予め。)

水害の超勤と年金資金運用を一緒にされると、ただの利害関係の話と、そもそも「公」とは何か、「バリュー」とは何かという「そもそも論」になってしまうと思います。

年金の資金運用や、家計における運用においても、マネーを運用するということでは7日投稿の方がおっしゃられているとおりであり、年金資金自体が巨大なファンドとみなせるとするならば、ある程度の期間中の増減は致し方のないところだと思います。

もちろん、安定運用は重要です。その辺のリスクテイクが完璧ならば、資金運用というものは必ず利益を生みます。ローリスク・ハイリターンが期待できる分野は、そうそうめったにない。これは、もう20年ほど前に政府部内でも議論されてきました。金融工学も流行りましたが、結果は、今のご時世のとおりですね。

政府系金融機関が政府上部の意向で、ポートフォリオや短期運用先を変えることはウワサとして聞こえますが、ここは法上の守秘義務です。

話変わって、豪雨水害時の超勤等についてですが、当地は甚大な被害を出した、北関東の某市です。
私は、非常時の地方公務員のマンパワーのボリュームの確保が、財政問題によってないがしろにされていると感じています。
一方で市民主体のボランティアの活動は、ほぼ手弁当です。ボランティア保険も自腹です。装備も宿泊費用、交通費も自腹です。
地方公務員の場合、公務災害として法で手当されている実情があるにもかかわらず、やることは、現地調査・調達・調整事務。実働部隊はあるていど公務員も参加しますが、かなりの数のボランティアの参加を必要とします。
つまり、実働面においては、公務員もボランティアもまったく実務面で同じであるにもかかわらず、公務員は給与と社会保障、装備品等が受けられ、ボランティアではほとんどすべて自腹です。
私も給水活動に参加しましたが、私は、給水所にいらっしゃる方は「お客さま」に見えるのですが、水道事務の公務員の方は被災者に一声かけたりすることはなかったです。これでも、ボランティアは無償無保険で、公務員は給与・社会保障があります。

日本では有償ボランティアの考えが薄く、ボランティアといえば無償です。日本に本部を持つ海外ボランティア団体では有償ボランティアが主体です。日本国内ではボランティアで儲けるという思想がありません。そのため、公の部分は公務員が始末をするのが当たり前という考えがあります。

これ以上、地方公務員を財政面の理由で人員削減することは危険です。もちろん、窓口等は機械化し縮小はできます。災害などでの人員確保にタダの労働力として自治体や社協が安易に無償ボランティアを充ててはいないだろうかと思います。案として予備公務員などマンパワーが必要な時の有償専門部隊の設置などが必要なのではないかと思います。

消防団は高齢化と都市部縁辺部の過疎化のために、機能するのが難しくなっています。それにこのご時世、みなさん、家計のやりくりに忙しい。

「新たな公」という言葉が、特に日本学術会議や官邸周辺から聞こえてきますが、普通地方公共団体自体を改造しないと、いろんな意味で回らなくなってしまう。このままでは、なにが「自治」なのかよくわからなくなってしまいます。

地方自治体は国のイヌじゃないんです。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2015年12月 8日 (火) 23時27分

付け加えると、私は、労働対価としての「価値」を表すのに「マネー」を使うのはそろそろ限界に来ていると思います。
個人の信用も信用度には「マネー」が使われていたりします。CICあたりでクレジットカード・割賦の信用供与額を見ると分かりますが。

いくら、マテリアルが取引されようとも、マテリアルを採集・栽培・製造するのは人間で、やはり、人件費=労働対価がマネーに変換されています。

これが投資・投機の世界の一面だけを見ると違います。ただの紙切れであり、電子情報であり、SWIFTでの資金交換であり、そこには、労働対価という言葉はなくなっています。

遠い将来、私は、人間の価値を表すのに「マネー」という尺度を使わない時代が来るのではないかと考えています。共産主義とも違う、まったく新しい何かです。

人間は機械化によって、企画しかしなくなります。企画のできない人間は、虐げられるのではなく、幸福を享受する・・・現代でいうところの、ごいんきょさんのような悠々自適な暮らし。

なんとなく、私の生きている間には、マネーが今のようには重要視されなくなって、マネーそのものが変質するか、マネーではない何かがこの世の中を変えていく。でなければ、おそらく財政問題も年金問題も解決しそうにないのかなと。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2015年12月 8日 (火) 23時50分

議論と直接関係ありませんが、

話題になっている常総市の議員さん。
ブログで「(報道は)言葉尻だけを抜き出し、質問の内容を正確に伝えていない」「職員に残業手当を支給することを批判したものではない」と言っていますので、参考まで

http://blog.goo.ne.jp/fumie-endo

投稿: 御坊 | 2015年12月 9日 (水) 12時25分

御坊さん。あえて、お返事します。少しずれています。

常総市ですか。私の住んでいる市には、かなり近いのですが、市職員数も当市の半分くらいですし、豪雨では、あちらには、地理院や河川局、大学がかなり入ったと聞いています。常総市の職員気質はわからないので、なんとも言い難いです。うちの県も地理院と災害協定しろ!と県議に吠えていたら、あっさり協定できました。

公務員の労働時間については、さまざまな見方があります。
私も元・現業の企画部門の公務員でしたから、他の官庁にはない36交渉があり、各種協定でがんじがらめになっていました。企画管理部門といえども、指定職員ではないので労組に加入していたこともあり、管理者を経験していますし、公務員の超過勤務手当未払いにかかる裁判(国敗訴)も見聞きしていますので、非常に複雑でナイーブな問題だと思っています。

特に、36交渉があったとしても、基本的に企画部門職員や災害対応などがあると、超過勤務はまぬかれません。無償ボランティアのみなさんが奉仕であるのに対し、正規職員は実務遂行が職務上の義務なのです。私も僭越ながら、超過勤務手当が36交渉の範囲内で本俸を超えることが常時といっていいほどありました。

一方、現在はドロップアウトして若くして隠居の身ですので、行政経験者として委員など市民参加することがありますが、その際、報酬が出ます。しかしながら、すべて、いったんいただいたうえで、源泉徴収分も含めてすべて市に寄附しています。働いた感覚がないので必要のないカネはいただかないことにしています。

そういういろんな立場で書きますので、どうしても、実情と、法制度とのかい離。予算と実施額のかい離に矛盾が生じていることは大変気になります。本音とタテマエの世界です。はがゆいです。

よく公務員時代に上司から言われたことは、定員1のこなす仕事は、できるヤツもできないヤツもそこの席に座れば定員1なのだと。なぜなら、人間平等だから訓練すればできる仕事のはずだから。・・・そんなことは絶対ないんです。
ただ、給与計算においては、拘束時間に対して支払われるので、簡易ベッドでごろ寝して国会待機してようがなにしてようが、拘束時間は拘束時間。給与計算の対象です。100%支出なんて国ではあり得ませんが。40~60%くらいですかね。

裁量労働制も東京なら分かるんです。地方でそれをできるかはわかりませんし、公務員にいたってはどうなのかと。
特に人事考課システムがきちんと機能しているような職場では、それは構わないのでしょうが、んー。難しいですね。人事考課システムをきちんと動かすと、管理職が悲鳴を上げますから。

ですから、私が最近思うのは、その人の能力のキャパシティーをバリューとして転換できないかということなんです。まず、マネーの性質が、その人の人格や約束事を順守できる人かの信用度に転換していく・・・現在はこの段階・・・その途上に、マネーは軽視され、極めて人間的な部分が「バリュー」として利用されるような気がします。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2015年12月 9日 (水) 23時18分

OTSU氏が政権を批判したくて年金運用の話題を記事にしたとはとても思えません。単純に年金運用に関する勉強会があり、内容がよかったので紹介したのと、自身が考える問題点を綴ったのだと思います。

利害関係者をどこまで関わらせるかは本当に難しい話ですよね。範囲が広がると議論がまとまらない。それに利害関係者はどこまで責任を分担するのかも気になります。

投稿: nagi | 2015年12月11日 (金) 10時50分

ものすごく良い記事を読んだので紹介します。

>http://agora-web.jp/archives/1663453.html

この記事にあるように、立場によりかかって非難の
応酬をするのではなく。平和で豊かで、ある程度は公平で
平等な社会になるような議論が深まることを願います。

投稿: nagi | 2015年12月11日 (金) 16時26分

この問題は、どういう途を執ったとしても、異なる途を推す立場の人から、批判がくるんで、おそらく万人が納得する解はないのでしょう。

管理人様のようなスタンスの方も多々居られますし、今の政権のようなスタンスの方も居られます。

これまで、日本の公的年金積立金の運用は、かつて民主党さんが理想とされていたスェーデンのそれと比べても、「多くは儲からないが、損失も少ない。(ただ、規模が大きいので、他国と比して少ない損失割合でも金額は大きく見える。)」という実績でしたが、積極的な方向にも、堅実な方向にも現状よりは踏み出してみようという意見は、常にあります。
※スウェーデンは、同国の現行方式導入後、運用難(経済難)の時期に、2年間で7・8%の年金額削減という経験をしています。

とりあえず、政治・行政・独法の何れが主導して決めたことでも、厚生労働省に批判が向くという構図も不変な気がします。
が、今回の記事は、政治が主導したこととして、政治に対する意見という体裁で述べられていて、”名宛人の正しさ”と言う一点で、支持したくなるというか・・・。(汗;;

投稿: あっしまった! | 2015年12月11日 (金) 22時38分

2015年12月7日(月)00時41分に投稿された方、いつも疑問符?さん、御防さん、でりしゃすぱんださん、nagiさん、あっしまった! さん、コメントありがとうございました。

このコメント欄を通し、いろいろな見方や情報に触れられることをいつも貴重な機会だと感謝しています。8兆円近くの年金積立金損失の問題は記事本文に記したとおり四半期における一時的なものであり、そうであって欲しいと願っています。その上で現状の目的や手法などを問題提起しています。したがって、一面だけあげつらって全体を批判している意図もありません。

2015年12月7日(月)00時41分に投稿された方へお願いがあります。ぜひ、もう一度、先入観を持たずに読み返していただければ幸いです。加えて、IPアドレスから最近何回かコメントをお寄せくださっている方だと理解しています。これまでも何回かお願いしていますが、ぜひとも、名前欄の記入だけはご協力くださるようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2015年12月12日 (土) 21時26分

仮に、結果として積極的な運用が奏功するとしても、そしてそれが年金財政に資する(目的に合致する)としても、
「経済成長を目的にした発想から生じて」という動機の部分が眞であれば、筋が違うだろうというのは私も思います。所謂「株価のPKO」目的?みたいな。

時々では損することも益することもありつつ、結果として益であれば良いのが運用ですので、一時の損失がある程度はやむを得ないものではあるのですが。

将来、振り返ってみて、結果OKになるとしても、”動機”と”法定された本旨”との乖離ってのは、政治の手法という観点からは、引っかかりを感じはします、ワタクシなども。

管理人様の意図するエントリの本旨がその辺りにあるのであろうことも、感じ取ってはいましたが、それは間違ってはいなかったようです。

投稿: あっしまった! | 2015年12月13日 (日) 02時02分

あっしまった! さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

新規記事はまたガラッと題材を変えて書き進めてみるつもりです。ぜひ、これからも貴重なご意見やご感想などをお寄せいただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2015年12月13日 (日) 07時24分

ここの管理人さんは、意見が偏りすぎです。
中国経済の失速にともない、管理人さんがあげつらった時期の日経平均なんて20%近い下落ですよ。
5~6%ぐらいの損失にとどめたのはむしろ上出来。
10月以降また株価が回復しているので、この損失もほぼ回復しています。というか、ご自分で株価ぐらい確認して、現時点での評価を含めて記事を書いて下さい。

2014年は、15兆円ぐらい利益が出ていますけど、そちらには何故言及しないのでしょうか。

平成13年~27年度の運用実績は↓のリンクにありますが、こちらはご覧になりました?
http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h27_q2.pdf

実名だろうが匿名だろうが、自分の書く内容はせめて精査して下さい。デマを広めたいのであれば、とくにもう言うことはありませんが。

投稿: 管理人さん、がっかりです。 | 2015年12月13日 (日) 11時24分

管理人さん、がっかりです。さん、コメントありがとうございました。

偏っているかどうか分かりませんが、このブログを通して私自身の問題意識を率直に訴えさせていただいています。その問題意識が、管理人さん、がっかりです。さんとは大きな隔たりがあるような関係性だろうと受けとめています。ただ訴えている主旨や言葉が正しく伝わらないまま「デマを広めたいのであれば」というような批判は非常に悩ましいものを感じています。

投稿: OTSU | 2015年12月13日 (日) 18時35分

風説の流布や裏付けのない市場操作的なお話は、金融の世界ではご法度ですのでね。私見ならば私見と、きちんとされたほうがよろしいかと。公務員ならばなおさらです。きちんとOTSUさんの本文を読み砕いたわけではありませんが。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2015年12月13日 (日) 21時08分

何か運用付近の事情通に通じるハナシをしている・・・と、とらえられても、仕方のない話ですので。
金融をやったことがある人間からすれば、資金運用というマーケットの世界に、公務員労組が首を突っ込むのはおやめになられたほうが良いと考える方々が多いと思います。ファンダメンタルズに公務員労組がタッチできるのは、労組資金でどこかの安定株主になるかとくらいですかね。かつてのKDDのような。
資金運用の世界で、常に勝ち続けるなんてナンセンスですし、そもそも運用のプロが頭をひねっても必ず利潤が上がるような単純な仕組みならば、それは計画経済に似ています。ケインズ大先生のいうことさえ、かなりアヤシイ世の中にあって、現代の金融経済のサマを知らない方々が、金融に対し団体交渉みたいなことでで圧力なんて変な話をしないほうがよろしいかと、私は思います。私見です。
ただ、民衆の監視は必要です。年金資金のいわゆる手数料(運用経費)のような部分で、職員の厚生物品を盛大に買っているとかという類の話です。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2015年12月13日 (日) 21時31分

以前からコメント欄に参加してますが、OTSU氏であれ、私であれ、他の方であっても、みんな偏ってると言えます。それぞれが依拠する考えや立場に基づいて発言する以上、偏りはしかたないことです。

それを踏まえた上で、OTSU氏は自分の考えや思いや憂慮すべきことがらについて記事にしてるのであり、デマを広げてることなどありません。自身の問題意識を記事にする以上、どの部分を取捨選択するかは裁量の範囲であり特に問題はありません。もちろん取り上げなかったことがらに対して指摘や非難を受けることもあるでしょう。

それを正面から受け止めていることから、極めて公正で公平な態度と思いますよ。

OTSU氏とほとんど反対の立場の私ですら、このように思いますがね。

投稿: nagi | 2015年12月14日 (月) 12時01分

でりしゃすぱんださん、nagiさん、コメントありがとうございました。

これまでも表明してきていることですが、このブログは個人の判断や責任で発信しています。しかしながら匿名という意識は一切なく、発言の重さやコンプライアンスの側面などにも留意しながらの投稿に努めています。

その上で私自身の考え方や立場を率直に示しているため、無味乾燥なブログではないことも確かです。そのため、視点や考え方の相違から厳しい批判を受ける時も多々あります。しかし、自分自身の言葉による記事内容に関してはレッテルを貼った批判や見当外れな「願望」が含まれないように心がけています。

このような点について、nagiさんからはご理解いただけていることを改めて知り得て心強くしています。あわせて過分な評価もいただき、たいへん恐縮しています。また、それぞれの「答え」の違いがあるからこそ、意見交換できる機会が貴重なことだと考えています。そのような意味合いからも、ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2015年12月19日 (土) 10時27分

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