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2015年11月21日 (土)

組合の政治活動について

前回の記事「節目の第70回定期大会」に対し、たいへん多くのコメントをお寄せいただきました。コメント欄から距離を置くようになり、詳しい説明が必要な場合は記事本文を通してお答えするように努めています。様々な論点の提起や問いかけがあり、今回、すべて網羅できるかどうか分かりませんが、新規記事はコメント欄に寄せられた声を受けとめた内容を書き進めてみるつもりです。

まずハンドルネームを記載されていない方から「あれだけ親密さをアピールしていた長島氏すら民主党の解党を言い始めているという状況で、方針を抜本的に見直すことが出来ないのならば組織としては死に体としか思えないのですよ」「結局は、方針を変えることはありません。意見は聞いた振りをして、聞き流しています」という批判を受けました。定期大会の挨拶の中で私が「民主党の奮起を期待しています」と発したことに対する批判だったものと理解しています。

私どもの組合も推薦している衆院議員の長島昭久さんとの関係は、これまで多くの記事の中で綴ってきています。長島さんが民主党を解党し、野党再編をめざしていることは確かです。連合地区協の議員懇談会の中でも長島さんから少し話があったため、最近の記事「憲法の平和主義と安保法制」の最後に掲げたとおり私からは「単なる看板の付け替えや数合わせの野党の再編」では国民からの支持が広がらず、民主党として「政権を担った時の経験や教訓を踏まえた政党としての信頼感が高まるよう努力して欲しい」と要望していました。

定期大会の挨拶の中では意識的に「自治労や連合と緊密な連携をはかれる民主党」の箇所にアクセントを置いていました。民主党を見限っている国民が多く、私どもの組合員の皆さんの中でも同様な構図だろうと思っています。それでも現時点での私自身の率直な気持ちは「奮起を期待」であり、連合や自治労の方針を機械的に踏襲するものでもなく、一組合の主体的な議論や判断をもとに導き出している方針です。

匿名の方のコメントの最後には「組織の方針は既定事項です。組合員の総意だと信じて言うことを聞いていなさい。という事で宜しいですか?いや、そうとしか思えないのですよね」と問いかけられ、続いて寄せられた下っ端さんからのコメントも「余計な主張や活動が多すぎませんか?そこに、組合員が離れていってしまう、本質があると考えたことはありませんか?自民党も民主党も、どうでもいいです。政治に不満があるなら、別でやってください。組合員を巻き込まないでください。そう思う人が、大多数であることに気が付きませんか?」と手厳しい批判を受けていました。

このブログを長く続けている中で、お二人が示されたような問題意識や危機感は自治労に所属する組合の役員の中では人一倍強く認識しているつもりです。そのため、最近の記事「自治労都本部大会での発言」に掲げたような立場での問題提起に努めています。さらに機関誌を通して私どもの組合員の皆さんに対し、次のような考え方で政治的な活動に関わっていることを説明しています。その原稿の内容を参考までに「秋、あれから10年2か月」の中でそのまま転載していました。

なぜ、組合が反戦平和の課題にも取り組むのか そもそも論とも言える話から改めて入らせていただきます。労働組合の最も重要な役割は組合員の雇用や生活を守ることです。労働条件の問題は使用者側と労使交渉を通して決めていきます。一方で、組合員の暮らしに大きな影響を及ぼす可能性があったとしても、社会的・政治的な課題は一組合の力だけでは到底関与できない領域となります。そのため、社会的・政治的な課題に対し、歴史的にも国際的にも多くの組合が集まって大きな力を発揮できるようにしてきました。そのような中で私どもの組合は自治労や平和運動センターに結集し、平和で暮らしやすい社会をめざしています。具体的な取り組みとして軍事基地や原発の問題などがあり、それぞれ定期大会で活動方針を確認し、できる範囲内で取り組んでいます。

ただ多岐にわたる情報があふれる中、個々人の価値観は多様化しています。そのため、組合の活動方針と組合員の皆さんとの問題意識に溝が生じないように注意していかなければなりません。その溝が広がっていくと組合活動全体に対する結集力の低下に繋がりかねません。そのような事態を避けるためには政治的な活動の必要性や意義について、日頃から丁寧な情報発信に努めていくことが非常に重要です。「なぜ、取り組むのか」という率直な疑問に答えながら相互理解や信頼関係を高める組合運動がよりいっそう求められているものと考えています。「はじめに」にも記したとおり今回の特集記事が、その一助となれば本望なことです。

改めて紹介させていただきましたが、このブログも「丁寧な情報発信」のツールの一つとして位置付けています。インターネット上であるため、組合員の皆さんをはじめ、不特定多数の方々からも自治労の進める運動について一定の理解が得られることを願いながらブログを続けています。それに対し、「理解できる訳がない、労働組合の本務のみに専念すべきだ」という反発や批判の声が多く寄せられ、その都度、今回の記事のようなやり取りに繋げていました。

これまで「沖縄に揚がる自治労の旗」「組合活動への疑問や批判」などを通し、組合が政治的な活動に関わる経緯や理由を綴ってきています。ただ残念ながら「おかしい」と思われている方々にとって必ずしも充分納得が得られる記事内容だったとは言えないようです。それぞれの基本的な視点や立場から導き出している「答え」は容易に変えられるものでもなく、それぞれの「答え」の正しさの判定も簡単ではありません。前回記事のコメント欄でもアンディ・ベムさんからは労働組合が「政治に対しても何らかの影響力を持とうとすることは必要」というご意見をお寄せいただいていました。

私どもの組合の中でも様々な声があります。安保関連法案に反対する取り組みに際しては「組合ニュースでの取り上げ方が少ない、もっと積極的に集会参加を呼びかけるべきだ」という声も上がっていました。その一方で、組合ニュースの大見出しに反対集会の呼びかけを掲げた時は「ちょっと、これは…」と違和感を示す声が寄せられていました。いずれにしても組合の政治活動に対し、違和感を持たれる下っ端さんのような組合員が少なくないことを意識しながら「丁寧な情報発信」に心がけているつもりです。

御坊さんから「労働組合の本来の仕事は給与労働条件の向上で、付属的に政治的な平和や人権の運動も」という説明を加えていただきました。私どもの組合もまったくその通りであり、日常の活動の中で政治的な課題が占める割合はごくわずかです。このブログでは政治的な話題の投稿が多くなっているため、職務や労働組合の本務を疎かにしているのではないか、そのように誤解されないよう「集団心理のデメリット」の冒頭のように時々釈明させていただいています。

「すべて網羅できるかどうか分かりません」と前置きしながら、最初に寄せられたコメントのレスに当たる内容から書き進めてしまったため、ここまでで相当な長さとなっています。たいへん恐縮ですが、ここからは少し論点を絞り込みます。nagiさんから「公務員で構成する団体において、政治活動に特化してる団体なら違法で、労働組合が政治活動するのは適法となると、なんか不思議な気持ちになりますね。看板だけ掛け替えたらOKなのか」という疑問が示され、私からの見解を求められていました。

前回のコメント欄でも、あっしまった!さんから様々な論点や事例に対し、詳しい解説を加えていただいていました。管理人がコメント欄から距離を置く中、たいへん有難く、私自身も閲覧者の一人として「なるほど」と勉強させていただいています。私からnagiさんの問いかけに答える場合、真っ先に以前の記事「再び、地公法第36条と政治活動」が思い浮かびました。詳しい説明はリンク先の記事をご覧いただければ幸いですが、端的に答えれば次のような要旨となります。

地方公務員法第36条で、地方公務員は特定の政治的立場に偏らず、中立であることが求められています。ただし、この法律をもって地方公務員の政治活動が一切禁止されている訳ではありません。地位利用による選挙運動の禁止や公務員のままで立候補できない点、さらに当該職員が属する区域での選挙運動などが制限されている程度です。さらに地公法第36条は職員の政治的行為の制限を定めていますが、この規定は労働組合の政治的行為を制限するものではありません。組合が特定の選挙へ向けて、特定の候補者の支持や推薦を決め、組合員へ周知することは組合活動の範囲とされています。

地公法第36条第1項で、職員は政治的団体の結成に関与できないようになっています。その上で、上記のような規定の範囲内で「できること」に関与しています。労働組合として政治的な活動の必要性について組合員間で意思決定し、組合活動の一つとして政治活動に関わる、そのような手順や位置付けだと言えます。政治活動への関与の是非は前述したとおり様々な評価や見方がありますが、従前の方針を変えるのかどうかは当該組織の構成員一人ひとりの意思となります。

長々と綴ってきましたが、充分な説明に至っていないものと思っています。以前の記事へのリンクも多く、目新しい内容が乏しいことも否めません。もっと具体的な事例や話題に広げながら、まとめようと考えていましたが、ここで今回は一区切り付けさせていただきます。このブログは過去の記事の積み重ねのもとにあり、皆さんからのコメントを受けとめ、これからも可能な限り続けていきます。ぜひ、このような連続性にご理解いただき、今一つ、まとまりのない記事本文にご容赦ください。

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