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2014年12月28日 (日)

言葉の力、言葉の難しさ 2014年末

自分のブログを開設してからインターネットに接する時間が増えています。以前「ブックマークしているブログ」という記事を投稿していましたが、ほぼ毎日、チェックしているサイトが多数あります。それでもスマホは持っていないため、四六時中、向き合っている訳ではありませんが、先日「年賀はがきの羊、12年かかってマフラー完成!」というニュースの見出しをネット上で目にしました。どのような話なのか興味を引き、さっそく詳しい記事内容を閲覧してみました。すると次のような話題が注目を集めていることを知りました。

2015年用年賀はがきの羊のデザインが話題になっている。03年の未年用はがきの切手の部分に羊を描いたデザイナーが再び手掛けた。当時は羊が編んでいる途中だったマフラーが今回完成した。購入者からは「12年の歳月を経た物語のようだ」と好評だ。えとをデザインする年賀はがきで、12年越しの“続編”は初めての試み。年賀状離れが続く中で、日本郵便は「年賀状を書くきっかけにしてもらえれば」と期待する。

03年用の年賀はがきで、編み棒を使って編み物をする羊の姿が、「遊び心のある組み合わせだ」「前例にこだわらない発想が面白い」と話題になった。日本郵便の切手デザイナーの星山理佳さん(40)が担当。15年用に構想を温め、出来上がったマフラーを羊が首に巻いた姿に決めた。はがきの下部には帽子と手袋を描いた。星山さんは「マフラーの完成を報告する羊をイメージした。帽子と手袋も編んでいたので12年かかったみたい」と話す。

年賀はがきの発行枚数は、ピークの04年用で約44億6000万枚あったが、14年用では約34億枚まで減った。年賀はがきの販売は郵便収入の大きな柱。日本郵便は年賀状離れが進む若者向けに魅力的なサービスを強化している。通信アプリLINE(ライン)上の友人に年賀はがきを送付できるサービスを導入。スマートフォンをかざすと「ハローキティ」の動画が楽しめる年賀はがきも販売して、15年用は前年並みの発行を目指す考えだ。【産経ニュース2014年12月16日】

「12年かかってマフラー完成!」という見出しを最初に見た時、上記のような内容を想像できていませんでした。羊が本当に12年間編み続けていたような話を思い描いていました。年賀ハガキのデザインの話だと知り、「なるほど」と思いながら心地好い遊び心に感嘆していました。12年前から構想していた訳ではないのかも知れませんが、デザイナーの素晴らしい着想だと受けとめています。同時に「12年かかってマフラー完成!」という見出しも光っていました。

ネット上でも、新聞や雑誌などの紙ベースでも、見出しの付け方一つで記事本文まで読ませるかどうかに繋がっていきます。端的な言葉の組み合わせで、どれほど注目を集められるかどうか、まさしく「言葉の力」を発揮できるかどうかだろうと思っています。このブログを長く続ける中で言葉の使い方や受け取られ方など様々な点について考えを巡らす機会が増えていました。今年で言えば「言葉の力、言葉の難しさ」「言葉の力、言葉の難しさ Part2」という記事を投稿していました。

特にネット上では言葉だけのやり取りとなるため、意思疎通をはかることの難しさが倍加していきます。私の書き込む言葉が、どうしてそのように理解されてしまうのか、苦慮する場面が頻繁にありました。このような傾向はコメントを投稿される方々も感じらているのかも知れません。繰り返し訴えても「私自身が変わらない、理解しようとしない」という関係性に徒労感を抱かれる方も多いはずです。そのような積み重ねの結果、このブログのコメント欄から去られた方も少なくないようです。

私自身、ブログのサブタイトルに掲げているとおり手厳しい批判意見に対しても謙虚に耳を傾け、改めなければと自覚した事例に関しては直ちに改めていく姿勢で臨んでいるつもりです。一方で、容易に受け入れられない批判意見に関しては、私自身の考え方を説明していく関係性に繋げています。この関係性が前述したとおり頻繁に生じるため、残念なことに投稿者の批判のボルテージを高めていくことになります。いずれにしても同じ言葉、同じ情報に接していても、基本的な視点や考え方が異なる場合、物事の評価が大きく枝分かれしていきがちです。

そのため、「分かり合えなくても」「再び、分かり合えなくても」という記事の投稿に至り、自分自身の「答え」からかけ離れた異質な意見があることを認め合った上で、いがみ合わないことの大切さを強く認識するようになっています。このコメント欄の限界と可能性を踏まえ、投稿された内容に対し、私自身をはじめ、閲覧されている方々が、どのように感じ、共感するのか、反発するのか、個々人の判断や評価に委ねていく、そのような関係性の大切さを感じ取っています。

そして、批判意見と誹謗中傷の違いについての理解を求めながら、社会の小さな縮図として、せめて当ブログの場では分かり合えなくても、ヘイトスピーチが飛び交うような場にしたくないという思いを強めています。物事にシロクロを付けたい方、付けなければならないという使命感を高めている方にとって、このような考え方は問題であり、物足りない場に映っているはずです。それでも私自身は言葉の力を信じ、言葉の難しさに留意しながら、これからも当ブログを通して様々な情報や論点を提起していければと考えています。

最後に、この一年間、多くの皆さんに当ブログを訪れていただき、たくさんのコメントも頂戴しました。本当にありがとうございました。どうぞ来年もよろしくお願いします。なお、次回の更新は例年通り元旦を予定しているため、変則な日程となります。ぜひ、お時間が許されるようであれば、早々にご覧いただければ誠に幸いです。それでは少し早いようですが、良いお年をお迎えください。

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2014年12月20日 (土)

進むべき道を選ぶ師走、雑談放談 Part2

前回の記事「進むべき道を選ぶ師走、雑談放談」の冒頭に「最近、寄せられるコメントの数が減っています」と記しましたが、数年前まで常連だったあっしまった!さんをはじめ、複数の方から貴重なコメントをいただきました。あっしまった!さんからはいつも豊富な知識や情報を提供くださっていたため、久しぶりに投稿いただけたことを嬉しく思っています。他にも当ブログのコメント欄の常連だった皆さんが大勢いらっしゃいます。引き続き訪問いただけているようでしたら、ぜひ、お時間等が許される際、気軽に投稿願えれば幸いなことだと考えています。

さて、今回も前回の記事タイトルに「Part2」を付け、今、思うことを気ままに書き進めさせていただきます。先週日曜は衆議院選挙の投開票日でした。小選挙区の投票率は戦後最低だった前回の59.32%を大きく下回る52.66%となり、ワースト記録を更新してしまいました。熱狂的な支持を受けた5年前の政権交代後、国民からの信頼を失墜させ、自民党に対抗する受け皿に戻れない民主党の責任が大きいことを痛感しています。さらに「第三局」政党も前回のような勢いがなく、共産党以外の野党の準備不足から「与党対共産」の一騎打ちの選挙区も多く、低投票率に繋がったものと見られています。

選挙結果は事前の予想通りに与党が圧勝しました。ただ300議席を超えることも有力視されていた自民党の当選者数は290にとどまり、公示前の議席数に届きませんでした。維新の党が1議席減に踏みとどまって41、自民党よりも右寄りの立場を標榜した次世代の党は19から2議席まで大きく後退しました。公明党は小選挙区比例代表並立制で行なわれた選挙では最多となる4増の35議席を獲得し、共産党も公示前の8から21議席まで大きく伸ばしました。社民党は公示前の2議席を守り、生活の党は公示前の5から2議席に後退しました。

民主党は公示前の62から73議席へと増やしています。しかし、海江田代表が比例復活もできずに議席を失い、東京の小選挙区において長妻元厚労大臣以外は勝ち抜けず、比例東京ブロックでの獲得議席数は3にとどまっていました。私どもの組合も推薦している長島昭久さんは小選挙区での勝利を期待できる数少ない民主党の候補者でしたが、残念ながら今回は僅差で敗れて比例での議席獲得に至っていました。NHKが小選挙区での当確を誤報するという失態もあり、仮に長島さんが競り勝っていれば海江田代表は比例復活できた痛恨さや後味の悪さを残していました。

このような選挙結果を受け、民主党は勝利したとは到底言えず、関係者の皆さんは沈痛な思いを抱えていたはずです。それでも民主党に対する冷めた見方の多さが劇的に解消されていた訳ではなく、一部のメディアで三桁に届く予想もあったため、期待を膨らませ過ぎていたことを省みています。その意味では公示前の議席を減らさず、何とか11議席増やすことができ、次回以降、引き続き挑戦者となれる立場を維持したことも確かです。小選挙区の制度上、自民党は48%の得票率で75%の議席を占有しています。このような仕組みは矛盾かも知れませんが、どこの党も同様な恩恵を受けることができるルールの問題に繋がっています。

今後、風向きが変われば振り子現象のもと一気に政権交代を起こせる可能性を秘めた選挙制度だと言えます。最近の記事の中で度々綴ってきましたが、政治の場面で的確なチェック機能を働かせるため、やはり民主党の役割に期待しています。そのような思いを託した記事「衆議院解散、民主党に願うこと」を「Part2」まで投稿していました。そのためにも民主党には政権を担った時の経験や数多くの反省点をバネにし、今回の選挙で望んだほど勝てなかったかも知れませんが、決して負けなかったことを糧に頑張って欲しいものと願っています。

総選挙翌日の月曜夜、連合地区協の定期総会が開かれました。閉会の挨拶を行なう役割があり、上記のような趣旨の話を添えていました。さらに野党の再編が進む可能性にも触れ、その際、組合員の皆さんに対して自信を持って推薦できる政党であって欲しいという点を付け加えていました。民主党と維新の党との合流が取り沙汰されていくはずですが、橋下市長が大きな影響力を持っている限り、慎重に判断すべきものと考えています。橋下市長自身、労働組合を排除した民主党の一部との合流を望んでいるようですが、この問題に関しては次のようにとらえています。

そもそも異なる政党同士が合流する場合、基本的な政策の方向性や理念が一致できない限り、野合という批判を受け、合併してからもギクシャクした組織運営を強いられていくはずです。また、しがらみがないことを強調し、権力を握れば何でも一気に改革できるという発想の危うさを指摘しなければなりません。これまで「約束を踏まえた先に広がる可能性」「現実の場面での選択肢として」という記事を投稿していましたが、維新の党の公約の数々は政権交代後に迷走した民主党と同じ轍を踏む気負いを感じています。

今の大阪市の混乱ぶりが象徴的な姿だと思っています。このような点について、どれだけ維新の党側が認識できるかどうかを注視しています。そして、橋下市長に関しても同様だと考えています。労働組合を敵視し、そのことで支持を得ようとしている姿勢も問題だと思っていますが、政治的な信条に繋がる話であり、敵視されている側から改めるべきと言えるものではありません。しかし、不当労働行為を連発し、次々と第三者機関で不当性が認定されている事実に対しては、もっと謙虚になって深く反省すべき点だと考えています。

今年6月、組合活動に関する職員アンケートを中労委(中央労働委員会)は労働組合法が禁じる支配介入にあたる不当労働行為と認定しました。認定を不服として提訴する議案が野党会派の反対多数で否決されたため、中労委の命令が確定していました。つい最近も、入れ墨調査を拒否して戒告処分となった職員の処分取り消しなどを求めた裁判の判決が大阪地裁であり、戒告処分などの取り消しと110万円の損害賠償を市に命じています。橋下市長は「最高裁の判断を仰ぎたい」と控訴する方針を示していますが、裁判等に関わる費用や職員の労力など余計な負担をかけ続けていることに橋下市長は真摯に向き合うべきではないでしょうか。

橋下市長には根強い人気があり、影響力の大きさを軽視できません。野党再編の中で橋下市長の動きが鍵になっていくことも充分予想できる話です。石原元都知事が政界引退を正式に表明した会見で橋下市長を「彼は天才。あんなに演説がうまい人はいない。若い時の田中角栄、若い時のヒトラーだね」と絶賛していました。話が横道にそれますが、「若い時のヒトラー」は問題発言であり、石原元都知事のヒトラーに対する嫌悪感の薄さを表しているように感じ取っています。

話を戻し、野党再編の重要なキーパーソンの一人である橋下市長には、ぜひ、この機会に労働組合との距離感を冷静な視点で見つめ直して欲しいものと願っています。橋下市長は「今後も労働組合の異常な部分は正し、正当な権利は守る」と述べられていますが、当たり前な言い分です。指摘されるまでもなく、労働組合側が「異常な部分」は率先して改めていかなければなりません。したがって、異常ではないものも異常として決め付け、労働委員会や裁判所から勇み足の多さを指摘されている点について、橋下市長が重く受けとめ、適切な関係構築に努めていただくことを強く望んでいます。

維新の党の江田共同代表は火曜日の会見で「私も民主の公務員労組依存には批判的な立場」と前置きした上で「働く者の権利、立場を守ることは維新としてもしっかり対応する。私自身、労組との付き合い方を再編の流れの中で考えないといけない」と発言されています。このような発言や方針転換が批判を受けないようにするため、よりいっそう労働組合側の的確で丁寧な情報発信が求められていくものと考えています。民主党の代表選が年明けに行なわれますが、今回の記事に託したような問題意識を新たな代表にも考慮していただければ本当に幸いなことだと願っています。

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2014年12月14日 (日)

進むべき道を選ぶ師走、雑談放談

最近、寄せられるコメントの数が減っています。ブログの管理人がコメント欄から距離を置いているため、以前のような賑わいを望むほうがおこがましい話だと思っています。それでも時々、貴重なコメントが寄せられ、おかげ様で完全に閑古鳥が鳴いている訳でもありません。週に1回、土曜か日曜のみに集中しているブログであり、このような現状が身の丈に合ったペースなのだろうと考えています。

ただ意外に思われるかも知れませんが、アクセス件数や訪問者数は特に減っていません。先週は「人事院勧告 差額」というような検索ワードから訪れる方も多く、1日あたりの訪問者の数は900前後で推移していました。コメント投稿数の多い頃は訪問者の概ね倍の数がアクセス件数でした。それに対し、前回記事「改正労働契約法の活用」へのコメントは0件だったため、水曜は訪問者958人にもかかわらず、アクセス件数は1168にとどまっていました。

記事タイトルに「雑談放談」を付けたとは言え、閲覧されている皆さんにとって「どうでもいい話」から書き始めてしまい申し訳ありません。以前の記事に「このコメント欄の限界と可能性」があり、「説得力のある主張は閲覧されている皆さんの考え方や実生活における行動パターンにも影響を与えていく可能性があることも信じています」と記していました。その上で、私自身の主張の場は記事本文となります。そのため、多くの方が訪れてくださっている場であることに感謝しながら、今回の記事本文にも様々な思いを託してみようと考えています。

さて、2年前の衆議院選挙前日の土曜には「政治が動く師走、雑談放談 Part2」という記事を投稿していました。あくまでも個人的な心情をつぶやいた「雑談放談」でしたが、投票日前を意識した内容に繋げていました。今回、その時の記事タイトルが頭にあり、「師走」の前に付ける言葉をアレコレ考えてみました。野党側の力不足から政権選択の総選挙戦に到底至らず、事前の予想でも与党の圧勝が伝えられ、とても「政治が動く」と付けられるような情勢ではありません。

アレコレ考える中で、自民党の「この道しかない」というキャッチコピーに絡め、その道が正解なのか、不正解なのか、「進むべき道を選ぶ」という言葉を付けることが思い浮かんだところです。もちろん個々人で「この道」の評価は大きく分かれ、消極的な支持も含め、不正解とは見ていない方々が多いため、自民党だけで300議席を超えるという事前予想に繋がっているはずです。念のため、言うまでもありませんが、そのように判断されている方々を批判するつもりは毛頭ありません。

最近の記事「衆議院解散、民主党に願うこと Part2」の中でも記しましたが、安倍政権の進めている政策を全否定や「結論ありき」のレッテルをはった批判は控えるべきものと思っています。その上で、安倍政権が目指すべき方向性の是非やブレーキをかけるべき点の有無について、国民一人ひとりが評価や判断を下していく関係性だろうと見ています。このような発想は、このブログを長く続ける中で培ってきたものです。一人ひとりが正しいと信じている「答え」を持ち、その「答え」が必ずしも「正解」とは限らないという発想です。

いろいろな「答え」を認め合い、自分自身の「答え」からかけ離れた異質な意見も頭から否定せず、まして上から目線の蔑むような批判は慎むべきものと考えるようになっていました。もちろん間違った見方や考え方を指摘していくことは必要であり、厳しい言葉で批判していくことを一切慎むという発想ではありません。特に選挙戦の場面で他党の公約や政策への批判は当たり前な話だと思っています。批判意見の応酬の中から評価や判断するための材料を国民一人ひとりが見出していくことになります。

要するに批判意見と誹謗中傷の違いを意識していくことが最も重要であり、いわゆるヘイトスピーチなどを論外とした当たり前な心構えの問題です。自分自身の「答え」から遠く離れた方々にも届く言葉、「なるほど」と思わせる説得力のある主張の競い合いが、あらゆる場面で求められているのではないでしょうか。当然、このような私自身の発想や「答え」が絶対正しいとは限りません。賛同や共感があり、反発や批判もあるのだろうと予想しています。

抽象的な話が続いていましたので、具体例をいくつか紹介させていただきます。私自身の峻別として、安倍首相が「戦争をしたがっている」「戦前のような軍国主義をめざしている」という言葉は問題だと認識しています。「レッテルはり」や誹謗中傷の類いとなる恐れがあります。しかし、自民党の改憲草案では国防軍を明記していることからも、安倍首相が日本国憲法の「特別さ」を徐々に削ぎながら「普通に戦争ができる国」を目指していることは紛れもなく、その方向性の是非は総選挙戦において問われるべき論点だと思っています。

麻生副総理の「子どもを産まないのが問題」という発言が批判されていました。完全に言葉足らずの失言であることに間違いありませんが、発言した時の場面や全文に目を通してみると「高齢者の皆さんが悪い訳ではない」という趣旨に重きを置かれていたようです。そのため、「産みたくても産めない人もいるのに、おごり、慢心の極みだ」とまで批判してしまうと、少し言い過ぎなような気がしていました。

それよりも「(利益を出せないのは)よほど運が悪いか、経営者に能力がないから」という発言のほうが麻生副総理の本音であり、過剰な競争も「是」とした新自由主義の思想がそのまま表れたものと見ています。したがって、その経済政策の方向性の是非を問う中で、野党側は麻生副総理の本音発言を取り上げるような批判に繋げて欲しかったものと思っていました。「雑談放談」と記しながら生々しい話に広がってしまいましたが、これから日本が進むべき道を選ぶ大事な衆議院選挙です。ぜひ、投票所には足を運ばれるようよろしくお願いします。

最後に、来年は戦後70年という節目の年です。さらに日本が「対華21か条要求」を中国に示してから100年という大きな節目の年でもあります。その要求を出したことから中国はもちろん、欧米各国とも険悪な関係となり、後戻りできない戦争への道に突き進んでいきました。このような記述の仕方に反発や反感を持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、歴史的な事実を教訓化しながら、現在進行形の外交のあり方についても評価していくべきものと考えています。

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2014年12月 7日 (日)

改正労働契約法の活用

今年の新語・流行語大賞は、お笑いコンビ「日本エレキテル連合」の『ダメよ~ダメダメ』と『集団的自衛権』が年間大賞を受賞しました。この二つの言葉がセットで選ばれたことを知った時、審査員の意図を深読みしていました。すると「まるで『集団的自衛権』を『ダメよ~ダメダメ』と言わせているような意図が透けて見えました。審査員の挨拶にもそんなニュアンスを感じましたよ」という報道も目にし、話のネタの一つに繋げられるような自分自身の想像がそれほど的外れではなかったことを知りました。

このブログでも今年7月に集団的自衛権を閣議決定した前後、関連した記事を数多く投稿し、集団的自衛権の行使に対して疑義を示してきました。一方で、それらの記事に様々なコメントが寄せられ、安倍政権の進めている政策や政治的な判断を強く支持されている方々が多いことも実感する機会となっていました。それでも来週の衆議院選挙、新聞各社の事前調査では自民党の獲得議席が軒並300を超える予想となっていますが、実際の民意とのギャップを感じがちな数字だと思っています。

そこまで安倍政権が国民多数から積極的な支持を得ているのかどうか疑問ですが、事前調査の予想通りに自民党が大勝するようであれば、安倍政権の2年間は信任されたことになります。同時に安倍首相が進める政策や目指している方向性も国民から信任されたことになり、今後、ますます安倍首相のカラーが前面に打ち出されていくのではないでしょうか。最近の傾向としてアンダードッグ効果よりもバンドワゴン効果のほうが顕著であり、あと1週間で情勢を大きく変えることは難しいのかも知れません。

いずれにしても現行の選挙制度から示された結果は厳粛に受けとめていかなければなりませんが、5年前の政権交代後、国民からの信頼を失墜させた民主党の責任が重いことを痛感しています。それでも的確なチェック機能を果たせる議会制民主主義を高めるためには、やはり民主党の役割に期待し、前回前々回記事の投稿に繋げていました。今回、記事タイトルから離れた前置きが長くなりました。時節柄、ご容赦願いながら、これから綴る内容の中にも少し関連した記載もあろうかと思いますが、重ねてご理解ご容赦ください。

さて、衆議院選挙が先週火曜に公示されましたが、その前夜、解散風が吹く前に予定した連合地区協議会主催の労働法講座「改正労働契約法の活用」が開かれました。講師は日本労働弁護団の幹事長を務められていた弁護士の水口洋介先生にお願いしていました。まず水口先生から有期労働契約と無期労働契約の違いが説明されました。1年契約や6か月契約など契約期間の定めのある労働契約を有期労働契約とし、パートやアルバイトにかかわらず、フルタイムの嘱託、派遣、契約社員なども有期契約労働者となります。

それに対し、無期契約労働者が正社員に位置付けられます。正社員の定年は期間ではなく、期限であるという説明も加えられています。有期契約労働者が非正規と呼ばれ、1984年は全雇用者4195万人のうち正社員3333万人(84.7%)、非正規604万人(15.3%)でしたが、2013年には全雇用者5210万人のうち正社員3302万人(63.4%)、非正規1906万人(36.6%)となっています。ちなみにアベノミクスの2年間で雇用が100万人増えたと言われていますが、非正規が123万人増え、正社員は22万人減っていました。

有期契約労働者の問題点は、雇用の不安定、更新拒否の不安、将来の生活への不安、低い労働条件(低処遇)があり、根本的に是正するためには「人間らしく働くルール」(ディーセント・ワークの確立)や有期労働契約締結に客観的・合理的な理由を要件とする「入口規制」の導入、雇用形態を理由とする不合理な労働条件の禁止が必要であると水口先生は説かれています。そのような問題意識を日本労働弁護団幹事長の立場から訴え続け、2012年の改正労働契約法に繋がっていました。

厚生労働省のホームページの説明文にも「有期労働契約の反復更新の下で生じる雇止めに対する不安を解消し、働く方が安心して働き続けることができるようにするため、労働契約法が改正され、有期労働契約の適正な利用のためのルールが整備されました」と記されています。改正労働契約法のポイントは次の3点で、それぞれ水口先生から詳しい説明を受けましたが、このブログでは概要を報告させていただきます。

  1. 無期労働契約への転換 … 有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた時は、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。労働契約法第18条に定め、2013年4月1日に施行されています。5年のカウントは2013年4月1日以降となり、申込みの方式に制限はなく、口頭でも問題ありません。
  2. 「雇止め法理」の法定化 … 最高裁判例(パナソニックプラズマディスプレイ事件)で確立した「雇止め法理」がそのままの内容で法律に規定されました。客観的、合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない時は使用者による雇止めが認められないことになるルールです。労働契約法第19条に定め、2012年8月10日、法律の公布と同時に施行されています。新たに有期契約を締結する際に不更新条項を設定したり、就業規則に更新の上限を定める場合、直ちに無効とならないため、入口規制を導入しなかったことが最大の弱点とされています。 
  3. 不合理な労働条件の禁止 … 有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。労働契約法第20条に定め、2013年4月1日に施行されています。基本給、各種手当、休憩、休暇、労働時間、安全規定、労災補償、教育・訓練、食堂利用など、すべての労働条件が対象となります。 

水口先生は特に労働契約法第20条が画期的な法改正であることを強調し、民主党政権だったからこそ実現したという感想も添えられていました。労働者側に優位な法改正だったため、経営者側の立場を代弁する弁護士の方から「ここまで大きな改正だとは認識していなかった。厚労省にだまされた」という言葉を投げかけられたそうです。2年前に自民党政権に戻り、一転して「企業が世界で一番活動しやすい国」を作ることが目的化され、労働者保護ルールの見直しが進んでいます。

水口先生から現在の労働法改悪の動きも説明を受けましたが、衆議院選挙で自民党が勝利すれば一気に加速していくことは必至です。この労働法講座の閉会の挨拶は私が担当しました。その中で「水口先生から改正労働契約法を分かりやすく説明いただき、連合と連携をはかっていた民主党政権時代の成果の一つを改めて知る機会に恵まれました。ただ残念なのは、このような成果を民主党が効果的に広くアピールしてこれなかった点です」という一言を添えていました。

解散前の臨時国会で民主党は野党4党で「同一労働同一賃金推進法案」を衆議院に共同提出していました。(1)雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇を受けられるようにする(2)正規労働者への転換を含め、希望する雇用形態での就労の機会が与えられるようにする(3)労働者がキャリアプランを作り、職業を自己選択できる―という3点を理念としています。理念はまったくその通りですが、すでに改正労働契約法で一定の前進をはかってきた内容と重複しているようにも見えます。

さらに維新の党が掲げる問題意識と必ずしも一致していないように見受けられた点を懸念していました。維新の党は公務員人件費3割削減を公約にしていますが、正社員の賃金水準を引き下げて非正規との格差を縮めながら「同一労働同一賃金」をめざしていることが明白です。この発想は非常に危うく、労働者全体の賃金水準や待遇が低位に押し下げられる結果を招きかねません。たいへん長い記事になっていますが、最後にもう一つ関連した話に繋げさせていただきます。

金曜の夕方、以前執行委員を担われていた女性組合員の方から全国一般東京東部労組に加盟しているメトロコマース支部の闘争について話を伺いました。東京メトロの100%子会社であるメトロコマースの地下鉄駅売店「メトロス」で働く非正規(契約社員B)の女性たちが結成した組合で、その役員の一人と女性組合員は知り合いだということです。今年5月、メトロコマース支部は労働契約法第20条を根拠に正社員との賃金差額(ボーナスや退職金を含む)などを会社に請求する裁判を起こしています。

メトロコマースには正社員、契約社員A、契約社員Bという雇用形態があるそうです。同じ駅売店で同じ仕事をしているにもかかわらず、正社員や契約社員Aとの間で労働条件の著しい格差があり、有期雇用を何年も反復更新しながら賃金はほとんど上がらず、月の手取りは12~13万円、退職金は1円も出ない一方で、正社員と同じ65歳の定年退職を迫られ、ストライキに立ち上がっていました。このような経緯や平均年齢60歳を超えながら元気いっぱいの組合員の皆さんの姿を映し出したDVD『メトロレディーブルース』は評判だとのことです。

ちょうどブログの新規記事で改正労働契約法を取り上げる予定でしたので、メトロコマース支部の話にも少し触れてみることを私のほうからお伝えしていました。今回、水口先生の講演やメトロコマース支部の話を受け、私どもの市役所の中にも正規と非正規の間に大きな隔たりがあることに思いを巡らしています。労働契約法第20条の理念に照らし合わせれば、大胆な是正を求めていかなければなりません。タイミング的にも嘱託職員の独自要求をまとめているところであり、多くの非正規の方々が直接組合加入している強みを活かしながら交渉を進め、賃金水準や手当支給などの待遇改善をめざしていきます。

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