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2014年6月29日 (日)

民主党に期待したいこと

先週日曜、最近の記事「市議選まであと1か月」「市議選まであとわずか」でお伝えしていたとおり私どもの自治体の議員選挙が行なわれました。定数28に対して34名の立候補があり、泡沫候補が皆無に近い激しい選挙戦の中、組合が推薦した候補者(民主党公認)は1,261票を得て、26位で当選することができました。この間、ご支援ご協力いただいた皆さん、改めてありがとうございました。

投票率は市議選史上最低の41.67%にとどまりました。昼頃まで強い雨が降っていた影響もあるようですが、前回の49.13%から大幅な低下となりました。このような低投票率の中、組合が推薦した候補者の得票は前回の1,997票から736票も減らしていました。ただ前回より得票を増やした候補者も多く、政党や会派で見た際、自民党(8名擁立7名当選)、共産党(5名全員当選)は前回よりも得票数を伸ばしています。

これまで1議席しか得たことがなかった生活者ネットワークは候補者を2名擁立し、共倒れの恐れがささやかれていました。それが二人合わせた得票数は3,162票で、みごと2名とも当選を果たすことができました。前回2名擁立し、二人とも及ばなかった社民党は今回1名に絞りながらも912票にとどまり、議席を得られませんでした。公明党は堅実に立候補者7名全員が当選していますが、得票数は前回の16,282票から2,046票減らし、14,236票となっています。

市議会議員選挙は有権者の顔が見える中での一票一票の積み重ねによって、結果が左右されるはずであり、あまり「風」には影響されないものと考えていました。しかし、今回の市議選の開票結果は予想を大きく裏切る数字を示していました。民主党系は7名の会派でしたが、今回、現職6名(内1名は無所属の推薦候補)に絞って選挙戦に臨んでいました。先ほど組合推薦候補が736票減らしたことを記しましたが、他の候補者5名の結果も次のとおり予想以上の落ち込みを見せていました。

I候補は前回2,781票から1,064票減らし1,717票、連合も推薦しているO候補は2,305票から748票減らし1,557票、M候補(無所属)は1,899票から258票減らし1,641票、U候補は1,649票から459票減らし1,190票、T候補に至っては1,729票から959票減らし770票で議席を得られませんでした。今回、立候補しなかった女性市議の前回の票は2,525票でしたので、民主党系の得票数は14,885票から6,749票も減らしたことになります。

民主党の支持率は低迷したままですが、これほどまで市議会選挙に影響を及ぼすことについて事前に見通せていませんでした。本来、労働組合など団体からの支援を受けている候補者は投票率の影響が少ないはずですが、連合推薦の2候補者とも前回の票から大きく後退していました。もともと組合の政治方針を組合員全体に共有化していくことが難しい時代になっていますが、ますますギャップが深まっていることを受けとめていく機会に繋げなければならないのかも知れません。

このような結果を受け、民主党内では来春の統一地方選挙をにらみ、野党再編代表交代の話がくすぶり続けていくのでしょうか。これまで民主党を中心とする政権が発足した直後には「新政権への期待と要望」「民主党との距離感」 という記事を投稿し、連合や自治労が民主党を応援しているからと言って当たり前なことですが、その構成員すべてが民主党を支持している訳ではなく、私自身も民主党の方針に全面的に従う必要性がある立場ではないことなどを記してきました。

その上で私どもの組合員の皆さんに対し、民主党への支持を強く訴えてきた責任者であることを重く受けとめながら、このブログで「民主党を応援する理由」「海江田代表に願うこと」「民主党との距離感、2013年春」など民主党に絡んだ内容の記事を数多く投稿してきました。このような話題を当ブログで取り上げること自体、批判の対象になる場合もありますが、広く発信していきたい一つの問題提起として今までと同様、個人的な思いを個人の責任で気ままに書き進めさせていただきます。

まず労使交渉を通して体感してきた思いがあります。立場や視点が異なる者同士、対等な立場で率直な議論を重ねていくことの重要性です。協議事項を多面的に検証することで、問題点を改められる機会に繋がります。経営者側の目線だけでは見落としがちとなる点、もしくは働く側にとってアンフェアな提案に対し、労使交渉という手順を踏むことで、より望ましい修正や改善がはかれるようになります。

このような仕組みは政治の場でも同様に求められているものと考えています。例えば労働法制の見直しの問題では、あまりにも経営者側の視点に偏ったまま進められていくことを危惧しています。他にも具体例をあげれば切りがないほど政府与党が示す法案等に対し、視点を変えれば問題が大きい場合もあります。見方を変えれば、民主党政権の時も同様な問題があったろうと思います。物事の是非に対して絶対的な「正解」は簡単に見出せないものと考えています。

だからこそチェック機能を効果的に働かせる仕組みが重要であり、より国会審議の場などで発揮して欲しいものと願っています。「決められない政治」が批判されていましたが、与党多数の結果、問題点が修正されないまま「決められていく政治」のほうが余程批判を受けるべき話だと思っています。現在の巨大与党に対し、チェック機能を充分働かせられないバラバラな弱小野党という構図になっています。さらに今後、総選挙の際、いつでも政権交代できる緊張感を持った2大政党制の必要性からも野党再編が取り沙汰されています。

先日、民主党の前原元代表は報道番組で大阪市の橋下市長との合流について「(確率は)100%だ」と言い切られていましたが、非常に強い違和感を抱いています。以前の記事「海江田代表に願うこと」の中でも綴ってきましたが、日本維新の会、みんなの党との選挙協力の問題などについて疑問視しています。「強い者を優遇し、もっともっと強くして、勝ち上がった一握りの大企業や大金持ちが日本経済を活性化させる」「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透する」という競争を過度に重視した路線に異を唱えたのが民主党政権だったものと理解しています。

その点で見れば、日本維新の会、みんなの党は自民党よりも新自由主義の色彩が強いように感じています。加えて、労働組合との関係性をネガティブな「しがらみ」だと批判している点では結いの党も同様であるため、めざしている野党再編の動きには常に違和感が生じがちです。アメリカの民主党は一般的に中道からリベラルの立場の議員が所属し、労働組合が応援している政党です。イギリスの労働党は文字通り労働組合が支持基盤となっています。

いっそのこと労働組合との関係性をいっそう深めるべきと言うつもりはなく、せめて労働組合との関係性を決して負の側面だととらえず、逆に強みとし、そこを起点にした理念や政策の再構築を願っています。「働くことを軸として、安心できる社会を作っていく」という言葉は民主党と連合が共通認識に立っているものです。また、野田前首相は総選挙戦で「強い言葉で外交・安保を語る風潮が強まってきたが、極論の先に解決策はない」と訴えていましたが、民主党そのものの立ち位置を表した言葉だと思っています。このような立場性一つ取っても、今の自民党との対抗軸をしっかり打ち出していけるものと考えています。

そもそも自民党との対抗軸が曖昧なまま、野党の再編が進んでしまった場合、単なる与党の補完勢力にとどまり、前述したような視点や立場の相違からのチェック機能を充分働かせられない恐れもあります。もちろん野党だから「何でも反対」と言って欲しいという訳ではありません。もともと備えている民主党としての基本的な立ち位置、リベラルな色合いを持ちながらもイデオロギーが前面に出ない政党としての存在感を高めることで、おのずから自民党との対抗軸が浮き彫りになっていくように見ています。

付け加えれば、各選挙区には捲土重来を期している民主党の候補者が数多く控えています。そのような現状の中で進む野党再編やギブ&テークを求められる選挙協力について、どうしても懐疑的な思いが付きまといます。大きく後退した市議選の結果から書き進めているため、失笑されてしまうのかも知れませんが、明確な対抗軸の打ち出し方によっては改めて政権交代の受け皿になり得る潜在的な基盤や可能性があることを民主党には期待しています。

海江田代表は「団結した民主党が中心にいることが極めて重要だ。他党との共通項を広げる流れを作りたい」とし、民主党主導の再編に向けて党の結束を訴えられています。たいへん危機的な状況であることに間違いありませんが、支持率が低迷しているとは言え、5%前後のコアな支持者がいる政党であることも確かです。ぜひ、このような根強い期待感をはじめ、政権を担った経験や各選挙区に再起をめざす候補者がいるという心強さを自覚され、特に民主党国会議員の皆さんには一致結束して頑張って欲しいものと心から願っています。

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コメント

今週の記事を読んで、もう一度、民主党の歴史を見ました。
民主党は、政権を自民党から奪うのを目的で結集した政党であると
理解していました。目的を果たした途端に瓦解するのもまあ
自明かもしれません。

総選挙から1年半経ち、いまだに新しい民主党の姿が見えません。
集団的自衛権についても、賛成か反対かよくわかりませんでした。
相変わらず内部では揉めているようです。
そのような政党に何を期待すれば良いのでしょうか。

一度は政権をとる目的を果たした以上、もう民主党の役目は終了しました。
この経験を糧に、政権を奪取し、〇〇な日本に変える、と理念が一致した
方々が新しい政党を産むほうがよいでしょう。
そこにリベラル勢力を結集し、保守勢力と対峙し、二大政党制になれば
素晴らしい。

今の民主党には理念も目的も、何をしたいのかすら見えません。
民主党を創った三人が表舞台から去ったのですから、生まれ変わる
チャンスだと期待しています。

投稿: nagi | 2014年7月 2日 (水) 11時30分

日本のパワーバランスとして、中道〜左派の勢力は必要だと思います。
なんだか、昨今、翼賛会ができそうな雰囲気の中、民主がまるで表舞台から消えてしまって、しかも、連合は与党までメーデーにご招待している。ご丁寧にも。
労働組合は必要です。上意下達の社会システムではない、労働者目線のシステムがあってもいい。
しかし、階級闘争なんて古臭いことをやっていると、一般組合員からそっぽを向かれると思います。
労組はなんでも闘いにしてしまう。悪い癖です。
そいでもって、なんでも勝ち負けにしてしまう。ドローはあまりない。
今の40代以下は、人間はそもそも平等であると教育されてきた。その上で、職場の上下関係については、平等の上に成り立つしくみであると教えられてきたのです。家庭科も技術科も男女ともにやってきたような世代です。
そういう人たちに、階級闘争という言葉は、生理的に受け付けないのではないかという気がします。気がするだけです。
そういう労組なんかの団体が主要支持団体になっている民主党という政党が、国民ウケするのか?一度すべった政党が復活するのか?見ものではあります。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2014年7月 2日 (水) 15時10分

このブログのよいところは、タイムマシンに乗って
数十年前の時代の人と会話している感覚になれる
ことではないかと思いました。

民主党。。まだあったんですね(^_^;)
ぶっちゃけてしまえば反自民の選挙互助会。
しかも外国人参政権や献金に代表される外国に
阿る政党・政治家。
上層部の売国左翼をばっさり捨てなければ
塩をかけたナメクジのような運命になるでしょう。。


投稿: たろう | 2014年7月 4日 (金) 00時48分

たまにはきな臭くない話題にも参加しようかな

民主党低迷の原因は主義主張ゆえでは無いと思います。
冷静にみれば自民党のウィングの広さとどっこいどっこいでしょう。

なら、いまの体たらくの原因は何?と言ったら結局のところ、

「決められない」「やっと決めた事も守れない」「口だけはご立派」

が全ての元凶じゃないでしょうか。
まあ同僚にいたら一緒に仕事したくない典型例ですね。


で、政治を担う組織として役に立たないと国民に見切られた故に浮上出来ない。
キツイ言い方をするなら、民主党は嫌われているのじゃなく軽蔑されているんですよ。


巻き返しを図るなら、まずは党内をきっちり統制して統治して見せる事。
失った信用は地道な努力で成果を見せる事で取り戻すしかありません。

投稿: どうでしょう | 2014年7月 4日 (金) 12時41分

くだけて言うと、なめられているんですよ。民主は。
どうせなにもできやしない連中だと「思われて」いる。
それが、民衆や他の政党だけならいい。
敵に回しちゃいけない実働部隊≒官僚からもバカにされている。
それは、センセイ個々人の問題としてではなく、組織としてだからたちが悪い。

投稿: でりしゃすぱんだ | 2014年7月 4日 (金) 17時24分

政党には、2つのグループがあると思います。数の力を重視し政策には多少の妥協をする大政党と、政策を重視した小政党。

政権を取るためには、「数の力が必要」。一方で右から左まで取り込んでしまえば矛盾を内包するのは当たり前で、
政権を取った後は、「数の力」が今度は逆向きの力として動く訳です。
それを何とか現実的な妥協点を探ってバランスをとってうまくやりくりしてこれたのが自民党で、政権を取った勢いでやりたい放題やった結果、
信認を失いひっくり返ったのが民主党。
あるいは、誰も期待していなかった原理原則の追求を現実を無視してやった結果ひっくり返ったのかもしれませんが。

いわば、長いつきあいがあるので、ある程度製品に信用はあるが、最近失礼な態度の目立つ取引先と、飛込営業できたその競合相手。
一度当社の製品を試してくれないか?と頼まれたので、ものは試しと買ってみたらとんでもない欠陥製品をつかまされた。
普通は、期待通りの製品を取引で積み重ねるからこそ、信用は積み重なっていく訳で、次は直しますから、ぜひ取引の継続をお願いできませんか?とお願いされたからといって、
最初の取引で欠陥品をつかませた(しかも金は払わされた)相手と取引を続ける会社がどの程度いるのでしょうか。

既に信用が最初の時点よりかなり大幅にマイナスになっている以上、少なくとも有権者側の信用を再構築するには、解体した方がマシかもしれないくらい、
長い時間かけて小さなことでもコツコツと、信用を再構築していくしかありません。
他の政党のようにハンタイハンタイ言っていたら、政権担当能力が無いと見なされて、その可能性すら無くなるでしょう。


所属議員個人をとってみればまともな人も少数いるかもしれませんが、右から左までそろっている以上、足並みがそろうのは外敵がいて、
利害関係が一致するときだけ。呉越同舟もいいところでしょう。

以前のはやり言葉で言えば、目指すのは要するに自民党2.0なのに、現実は自民党0.2といったところ。

同じような政党であれば、マシな方が1つあればいいわけで、多数の主張や利害を包含しつつ調整するというような大政党は自民党でもうおなかいっぱいなんですよ。
むしろ今足りないのは、政治的主張がはっきりしており、かつ「現実的な問題処理能力のありそうな」小政党です。正直、維新の会がいいところ行くか?と期待はしていたのですが・・
(今これからの活躍に一番期待しているのは西宮維新の会です。どれくらい笑かしてくれるか、ですが)

冗談はともかく、主義主張がハッキリしており言行一致していれば、多数の支持は得られなくてもある程度強力な支持基盤を確保することや、流れの中でキャスティングボートを握ることも可能でしょう。
そういう政党への投票結果によって、投票者の意向が反映していければ、投票結果への有権者の期待値もあげられるのではないでしょうか。

投稿: とーる2号 | 2014年7月 5日 (土) 08時19分

nagiさん、でりしゃすぱんださん、たろうさん、どうでしょうさん、とーる2号さん、以前の記事に投稿くださったくたばれ成果主義さん、コメントありがとうございました。

民主党に対する厳しい評価、私自身も同様な見方を抱いています。皆さんから寄せられた至らなさが克服されない限り、二度と政権を担う資格はないものと思っています。その一方で、与党時代の民主党や今の自民党よりも危うさを感じるような野党再編の動きは、もっと好ましくない政治に繋がるような懸念があります。そのような問題意識のもと今回の記事「民主党に期待したいこと」の投稿に至っています。

新規記事、やはり今、いろいろ思うことを徒然と綴らせていただくつもりです。今夜中に投稿できないかも知れませんが、ぜひ、またご訪問いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2014年7月 5日 (土) 21時19分

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