池田香代子さんの過激な発言
ゴールデンウイーク初日の土曜日、連合主催のメーデー中央大会に自民党の首相が13年ぶりに出席し、いつもよりマスコミからの注目が高まっています。同じ日、連合三多摩主催のメーデーも行なわれ、そちらに私どもの組合は参加していました。メーデーの会場内で、ある組合の委員長と挨拶を交わした際、「ブログ、見ていますよ」と声をかけていただきました。このような言葉を実生活の場面で伺えると、このブログを続けている大きな励みとなっています。
さて、前々回の記事「コメント投稿数が1万件突破」のコメント欄で、常連コメンティターのnagiさんから次のような見出しのニュース『「ソフィーの世界」翻訳者が「あ べ し ね」ツイートで炎上 反省口にした後も「くたばっちまえ アーベ」』が紹介されました。この後にシグ忘れさん、でりしゃすぱんださんのコメントが続いていましたが、機会があれば記事本文を通して私なりの感想を添えるつもりでした。前回の記事「自治労は討論しない?」ではそこまで触れられず、今回の記事で取り上げることにしましたが、まずニュースの全文を紹介します。
「ソフィーの世界」などの翻訳で知られるドイツ文学翻訳家の池田香代子さんが2014年4月15日、「あ べ し ね」という安倍晋三首相を批判するツイートを投稿した。該当ツイートを削除した後も「くたばっちまえ アーベ」と投稿するなど、全く「ぶれない」姿勢を貫いている。平和運動家としても活動している池田さんの過激な発言には驚きの声が上がり、ツイッターには批判的な意見も数多く寄せられている。
池田さんは15日夜、「あ べ し ね」との4文字を投稿した。すぐにフォロワーから「い、池田さんッ…!」「池田さんらしくない」「乗っ取られているのかな?と思いました」などとコメントが寄せられたが、池田さんは「はい、なんでしょう?」「私が怒りに乗っ取られてます。で、平常運転です」などと全く動じない。
つぶやいた理由については、「『安倍死ね』と言う人とお友達だなんて、如何なものか、と言われたので、『違います、ほんとは私が言うんです』と、まんまと挑発に乗って言ってしまった」と説明した。事前に誰かとのやりとりがあったようだ。もちろん、ここで言う安倍とは安倍首相のことで、全国のあべさんに言っているのか、という質問には「こんな事言われるのにふさわしいあべさんだけに言ってます」と答えた。
ツイートは時間とともに波紋を広げ、池田さんのアカウントには「これはアウトでしょう・・・」「『死ね!』っていうのは一番短いヘイトスピーチ。その言葉を使ったことであなたは安倍と同類」「『平然と人にしねというような人権軽視のクズに講演なんてさせるな』って主催者に抗議しないといけませんね」「池田さん、語るに落ちましたね。あなたを心から軽蔑します。最低です」などの批判的なコメントが相次ぎ、炎上状態になった。
すると池田さんは間もなくして、該当ツイートを削除した。それでも意見は曲げず、17日には「おはようございます。反省してます。これからは甘党を目指し、シュガーの『ウエディングベル』で行きます。♪くたばっちまえ アーベ」と、シュガーの「ウェディング・ベル」の歌詞にある「くたばっちまえ アーメン」をもじって再び安倍首相をけなしてみせた。
これが批判していた人たちのさらなる怒りを買ったようで、一連の発言は2ちゃんねるにも取り上げられた。ここでも「『死ね』とか『くばっちまえ』とか言う平和活動家w」「平和運動家という名のテロリスト予備軍」「公に言うとか狂ってるな」「ネトウヨのヘイトとなんもかわらんな」などと非難を浴びている。
今回、池田さんが安倍首相を批判した理由の一つには、安倍政権が進める集団的自衛権の行使に向けた憲法解釈見直しがあるようだ。問題のツイートを投稿する直前、池田さんはNHK「クローズアップ現代」で放送された「イラク派遣 10年の真実」について言及していた。フォロワーから、今後は自衛隊もイラク戦争での米軍と同様に、実際に手を下すことになるかもしれない、との趣旨の意見が寄せられると「だめです」と答えていた。
なお一連の炎上については、本人は好意的にとらえているようで、18日には「おかげで私と意見を事にする人がいっぱいフォローして下さったので、はりきってTWすることにしました。だって、意見の同じ人なら、聞いてもらっても『そうだね、それで?』でしょ?意見の違う人が私の意見を聞いてくれるって、たいへんありがたい事です」(原文ママ)とつぶやいている。【J-CASTニュース2014年4月18日】
いつも記事本文が長すぎる、回りくどい表現が多く、分かりづらいという不評を買いがちです。そのため、最初に結論的な感想を述べさせていただきます。「しね」という発言は問題です。「くたばっちまえ」も同様です。どのような文脈の中であろうとも、あるいは批判する相手が一般人ではなく権力者だったとしても使うべき言葉ではありません。まぎれもないヘイトスピーチであり、テロを容認するような語意にとらえかれません。
池田香代子さんには私どもの組合の講演会の講師をお願いしたことがあります。このブログでも「世界がもし100人の村だったら」という記事を投稿していました。当日は市民の方も含め、150人ほど集まり、興味深いお話を聞かせていただきました。決して攻撃的な性格の方ではなく、穏やかな話しぶりだった印象が残っています。そのため、「あ べ し ね」という過激な発言とのギャップが大きく、意外な気持ちを強めています。
一方で、このような発言が許されないものだったとしても、だから「平和活動家には遵法意識もマナーも品位もない」と十把ひとからげに決め付けた指摘にも違和感があります。立場が左であろうと右であろうと問題発言を行なう方はいます。具体的な固有名詞を示すと、また論点が拡散しそうですので抽象的な言い方にとどめますが、問題視すべき発言がNGであることは衆目の一致するところとなります。
NG発言がその方の資質を表したものとして、その方に対する今後の評価に大きな影響を与えていくのだろうと思います。ただし、問題発言を行なった方に対する批判が人格否定や誹謗中傷など行き過ぎたものであれば、その批判自体がNGになる場合もあり得ます。そもそも三段論法から導き出した批判が的外れだった場合、発した本人の意図とは反するものとなりがちですが、誹謗中傷の類いになる恐れもあります。
さらに今後の対応策などが必要な時、ミスリードした論理となりかねません。このような問題意識は過去の記事(断定調の批判に対する「お願い」など)の中で再三訴えさせていただいていました。犠牲者が多数出ている韓国の旅客船セウォル号の沈没事故はたいへん傷ましく、いち早く脱出した船長らの行動は厳しく批判されるべきものです。しかし、韓国の国民性まで問題視した批判の声を耳にすると、やはり強い違和感が拭えません。
池田香代子さんの発言から話を広げてしまいましたが、このような例示は頭の中で数多く思い浮かんでいます。いずれにしても池田さんの過激な発言は批判されて然るべきです。ただ池田さんの他の言動まで全否定するような性急さは避けるべきであり、 まして木を見て森全体を語るような属性批判は論外だと考えています。 念のため、繰り返しますが、 左、右、立場がどうであろうと求められていく心構えだろうと思っています。
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時間かかりました。大まかですが全部目を通しました。ですが、同じ質問を繰り返したいくらいです。不毛なのでやりませんが。そもそもリンク先のコメントにもきつい質問には答えないと書かれてるじゃないですか、それも何度も(笑 大体どの記事でもサヨク的な記事を載せる→コメントらんで噛みつかれる→管理人『じゃ、また来週!』もしくは『人生いろいろ、思想もいろいろ』でうやむやの繰り返しじゃないですか。
まぁ常連さんのnagiさんが聞いてる時点で過去の記事見ても分かるはずないだろうなぁとは思っていましたが。とはいえ、あの質問には答えられないのは分かっていましたよ。自治労の教義を守りつつ、かつ自分が攻撃されない回答は無理だと確信してましたからね。意地の悪いコメントでした。なぜなら、自治労の大会という名の洗脳集会に何度も行ったことがありますからね、私も。自治労の仲間(笑)として…。
せっかく一通り見させてもらったのでひとつ感想を。どの記事かの、mobileSEさん?だったかな、の自治労を強烈にこきおろしたコメントが一番印象的でしたね。言い方はキツいですが、内部から見てる私からすれば、まさに的確な表現だと思いましたよ。ここでもそうですが、自治労は討論をしませんもんね。まず結論、自治労の教義が頭にあり、その中で話をするだけですからね。まぁ組織として当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが。
なんていうか、異なる意見を闘わせてより良くしていこうっていう考えがないんですよね。自分の思想を垂れ流すだけ。つまり、本気で日本の将来について責任をもって考えていない。あ、いや、日本という国のことはどうでもいいんでしたっけ?愛国心とか、押し付けになりますもんね、思想の。税金を給料として貰っている公務員が例えプライベートだろうが愛国心押し付けんなって、結構ふざけた主張のように思いますけどね、ワタシの感覚では。【投稿: たま | 2014年4月 6日 (日) 10時45分】