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2013年10月27日 (日)

引き続き執行委員長に立候補

台風27号の接近に備えた金曜の夜、深夜には強い揺れがあり、目をさましていました。テレビをつけると福島県沿岸などに津波注意報も出されていました。その時点で地震や台風による大きな被害の情報は入っていませんでしたが、自然災害は人間の手でコントロールできないという思いを改めて巡らす機会となっていました。台風と地震、同時に襲われる事態を想定した防災計画も必要であり、ネットで検索したところ「日本における複合災害および広域巨大災害への自治体対応の現状と課題」という論文などがあることも知りました。

自然災害に見舞われた際、いかに被害の最小化に努められるのか、その視点での対策を中心にせざるを得ない現状です。遠い将来、台風や地震を発生させないという驚異的な科学の進歩があり得れば、たいへん喜ばしい話だろうと考えています。いつものことながら記事タイトルから離れた内容の書き出しとなっています。「日記・コラム・つぶやき」をカテゴリーとし、サブタイトルには「雑談放談」という言葉も付けたブログであるため、取りとめのない話が多くなりがちですがご容赦ください。

さて、前回記事「若手組合員との懇談会」の中で触れたとおり私どもの組合の役員選挙が始まります。残念ながら今回も執行委員の定数は満たせませんでした。したがって、組合員から過半数以上の賛同を求める信任投票となります。執行部全体の総数で見た場合、1名減ってしまいましたが、何とか1名減で踏みとどまれたという見方が正直な感想です。今期で退任の意思を示された方が複数名いる中、選挙が告示された段階でも新たに立候補を予定されている方は皆無でした。

そのような中、立候補受付の締切日直前、二人の新しい顔ぶれの方から執行委員の立候補届を出していただきました。一人は私と同じ職場で、いつも組合に関することで率直な意見を寄せてくださっている方です。私自身、組合の活動や方針に対し、組合員の皆さんの中に様々な見方があって当たり前だと思っています。だからこそ、執行部を構成するメンバーも多様な人材が必要であることを組合役員勧誘の際の説得材料の一つとしています。

このような言葉に理解を示していただき、執行委員の立候補を決めてくださったものと考えています。二人とも執行部の平均年齢を確実に引き下げていただける方であり、二人の加入は執行委員会の雰囲気を変える要素があるようにも感じています。一方で、「執行委員になってみたけどガッカリした」と言われないよう今後の執行部の運営に向け、二人を直接勧誘した私自身の責任は、より重いものと認識しています。

土壇場での二人の加入は来年以降、まだまだ働きかけによっては幅広い職場から多様な人材の担い手を見つけられる可能性があるという手応えにも繋がっていました。いずれにしても新たに立候補された二人をはじめ、いろいろな事情を抱えながらも引き続き立候補された皆さん、本当にありがとうございます。また、今期で退任される皆さん、たいへんお疲れ様でした。いろいろお世話になりました。退任後も組合活動へのご理解ご協力よろしくお願いします。

内向きな題材が、ますます内向きな話となり、たいへん恐縮です。上記のような言葉は実生活の場面で、それぞれ直接お伝えするものであることは言うまでもありません。ただ今までも当該の皆さんが当ブログを訪れてくださることも想定し、この場でも伝えたい感謝の言葉などを適宜添えていました。実は記事タイトルのとおり私自身、引き続き執行委員長に立候補し、次のような選挙広報の原稿を綴っていました。

20代の組合員の皆さんと懇談した際、最も多く耳にした言葉は「組合のことがよく分からない」というものでした。交渉の経緯や成果は『市職労報』などを通して詳しく伝えてきているつもりですが、紙媒体そのものの効果に限界があり、前述したような言葉の現状に繋がっています。一昔前は賃金闘争など組合員全体に共通する課題で座り込みや職場集会が頻繁にあり、組合活動を身近に意識できました。

今、そのような時代ではありませんが、組合の存在価値が薄まった訳でもなく、ある面ではもっと高めなければならない厳しい局面だろうと思っています。このような現状や問題意識を新たにしながら引き続き執行委員長に立候補しました。なお、組合のことを少しでも知ってもらうための一助としてブログを週1回更新しています。その存在さえ知らない方が多いようですので、この機会に改めて紹介させていただきます。ぜひ、お気軽にご覧ください。よろしくお願いします。
Blog『公務員のためいき』URL  http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/

私どもの組合員の皆さんに対し、上記のとおり改めて当ブログのことをPRしていました。選挙広報は火曜日以降、職場回覧される予定です。この原稿を見て、訪れてくださった場合のトップページは、ちょうど今回の記事となります。これまでの例から極端に訪問者が増えるものではありませんが、今回の記事は私どもの組合員の皆さんが目にされていることを強く意識した内容に繋げています。同時に限られた選挙広報の紙面では伝え切れない様々な思いを書き足す機会としています。

ここまででも一般的なブログの中では相当長い記事内容となっているはずです。長文で、小見出しを付けることもなく、文字ばかりのため、取っ付きにくいブログであることを自覚しています。それでもリピーターの皆さんが大勢いらっしゃることも確かであるため、このようなスタイルを基本としながら今後も続けていくつもりです。と言う訳で、選挙広報に掲げるような内容をもう少し書き進めさせていただきます。

組合役員になったイキサツから考えた時、自分自身、ここまで長く続けてきたことに感慨深いものがあります。1年、1年の任期ごとに様々な思いを巡らし、これまで組合役員を担ってきましたが、この時期に「喜怒哀楽、組合役員の改選期」「組合委員長のためいき」「タイタニックにならないように… 」という記事に託したような問題意識を抱えるようになっています。組合の役割は大事だと考えているため、つぶしてはいけない、そのためには担い手が必要、ここ数年、そのような思いを強めながら執行委員長を続けています。

本来、同じポストに同じ人物が長く務めることは好ましい話ではありません。幸いにも、もしくは残念ながら(?)そのような批判の声を周囲から耳にすることはありません。きっと私が退任すれば、後任の新委員長を中心に組織はしっかり回っていくのだろうと思っています。大切な「バトン」を引き継ぐために努力しているつもりですが、ある面では割り切ることも必要な場合があるのかも知れません。とは言え、沈みかけたタイタニックからいち早く逃げ出すような無責任な対応だけは控えなければなりません。

そのため、引き続き組織の基盤を底上げすることに全力を注ぎ、沈まずに大西洋を横断できるタイタニック号にした上、次走者に「バトン」を渡せるよういっそう努力していくつもりです。前回記事の内容に対し、コメント欄で元役員さんから「なんて卑屈なんだ」「本当の労働組合じゃない」という批判を受けていました。よく分からなかった点は問い返したところですが、「よく現実を考えるべきだ」という問題意識は私自身も強く認識し、いろいろ試行錯誤を繰り返しています。

組合の機関紙に目を通さずに「組合のことが分からない」という若い組合員に対し、「これまでの先輩たちの努力で今の労働条件がある」というような上から目線での説教はいかがなものかと思います。別に卑屈になる訳ではなく、現実を踏まえて、組合の存在価値をアピールするためには、どのような伝達方法が効果的なのか、従来の手法にこだわらない発想や工夫が求められているものと考えています。

このように書き進めていくと際限なく続きそうです。重点を置くべき具体的な組合活動についても触れるつもりでしたが、次回以降の記事に送らせていただきます。今回、ブログのタイトルのとおり「ためいき」をついた話など、そもそも組織外の方々にとって興味のわかない内容だったものと思います。次回、このような話の続きとするのか、ガラッと話題を変えるのか、現時点ではまったく未定です。確実にお約束できるのは新規記事の投稿が次週の土曜か日曜になるという点です。ぜひ、またご訪問いただければ幸いですので、よろしくお願いします。

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2013年10月19日 (土)

若手組合員との懇談会

箱根駅伝の出場をめざしたランナーが市内を駆け巡った土曜日、その傍らを抜けながら私自身は担当地区を自転車で駆け回りました。現地に向かう途中、シードが常連だった出身校の旗を予選会の場で目にした際、往路で途中棄権した残念な場面を思い出していました。前々回記事「社会保障・税番号制度」の冒頭に「徴税吏員の職務の話では滞納繰越分と合わせ、現年度分についても目配りが必要な時期を迎えています」と記していましたが、今月から月1回ペースで休日訪問催告のための出勤が続きます。

同じ記事で「組合の活動では様々な点で多忙な季節となり、来月上旬には定期大会も予定されています。定期大会までが組合役員の任期となるため、例年通り新しい執行部体制に向けて悩ましい日々が続きそうです」とも綴っていました。これまで「喜怒哀楽、組合役員の改選期」「組合委員長のためいき」「タイタニックにならないように… 」という記事を投稿し、組合役員の担い手の問題について触れてきました。

このブログを閲覧されている多くの皆さんにとって、まったく興味のわかない話題だろうと思っています。一方で、同じような悩みを抱えている組合関係者の方も決して少なくないのかも知れません。いずれにしても組合活動に関わる題材を気ままに選択しているブログですので、たいへん恐縮ながら今回の記事でも内向きでマイナーな話を書き進めさせていただきます。まず「組合は大事、だから幅広く、多くの担い手が必要です!同時に貴重な経験を積める組合役員、ぜひ、手を上げてみませんか?」という見出しを付け、最近発行した組合ニュースの内容を紹介します。

定期大会から定期大会までの1年間が組合役員の任期です。今年も11月8日に第68回定期大会が開かれるため、その直前に組合役員の選挙が行なわれます。詳しい日程等は選挙委員会から改めてお知らせしますが、あらかじめ組合役員、とりわけ執行委員の担い手の問題について、組合員の皆さん全体に呼びかけ、ご理解ご協力を訴えさせていただきます。

公務員やその組合をとりまく情勢が厳しくなる中、労使課題で後退せざるを得ない局面が増えています。そのため、苦しい決断を下さざるを得ない時、組合役員が思い悩む場面も少なくありません。その上、定例の執行委員会は隔週水曜夕方の開催であり、プライベートな時間が割かれる面もあり、積極的に執行委員へ立候補する組合員の少なさはやむを得ないものと受けとめています。

一方で、組合員から人員アンケートや職懇等で寄せられる組合への期待は非常に大きなものがあり、よりいっそう労使交渉の大切さが高まっています。したがって、組合の責任や役割を充分に全うしていくためにも、やはり日常的な組合活動の基本を担う執行部の充実が欠かせません。ぜひ、このような情勢や趣旨にご理解いただき、組合員の皆さん一人ひとりのご協力を何卒よろしくお願いします。

なお、執行委員を務めることで、日常的な仕事だけでは経験できない貴重な機会を得られます。2週間に1回開く執行委員会を通し、身近な労使課題をはじめ、自治労や連合に関する幅広い情報が得られます。自分の職場以外の組合員の皆さん、さらに自分の勤める市役所以外の方々と交流できる機会も多くあります。

団体交渉の場では副市長や教育長に対し、自分自身の考え方や思いを直接訴えることもできます。貴重な組合費による限られた予算の範囲内とは言え、組合役員一人ひとりのアイデアや企画を形にしやすく、その成果や手応えを即時に実感できる経験を積んでいけます。何よりも組合員の皆さんから「組合があって助かりました。ありがとうございました」という声をかけられる時も少なくありません。

現在管理職となっている組合役員OBの皆さんも含めて「たいへんだったけど、やって良かった」という言葉が多く寄せられています。ぜひとも、少しでも関心のある方は最寄の組合役員までお声かけください。場合によって、各職場での集まりの際に呼びかけさせていただくことや、個別にお話をさせていただくこともありますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

その組合ニュースの最後に記したとおり最近、いくつかの職場の集まりで以上の点について直接訴えていました。さらに先日、今回の記事タイトルに示したとおり若手組合員との懇談会を開きました。このように改めて記すと若手組合員とのコミュニケーションが日常的に不足しているように見られがちです。正直なところ強く否定できない現状であり、あえて今回、組合に対する印象やイメージ、組合に期待したいことや要望などを若手組合員に直接尋ねてみる場を設けてみました。

意識的にあまり広げた会とせず、少人数で率直な意見交換ができるような場に努めてみました。組合執行部側は私と執行委員一人で臨み、若手組合員側も三人というこじんまりとした雰囲気で開くことができました。議長経験者に限った訳ではありませんが、結果的に職場委員会の現議長二人(男性と女性)と前議長(女性)という顔ぶれで、ここ数年の間に入所された二十代の皆さんの参加を得られました。ちなみに職域ごとに選出される職場委員は1年ごとの輪番制が定着し、若手組合員が担う傾向は昔からの習わしとなっています。

職場委員会の定数80名ほどの中から議長を引き受けていただき、今回のような懇談の場にも出席くださる三人ですので、もともと積極性のある皆さんだろうと思います。したがって、その日の懇談会は非常に貴重な場となりました。それぞれ本当に率直な見方や感想を示していただき、笑い声もまじえながら懇談は1時間を超え、いろいろ盛り上がった会となっていました。

このブログのコメント欄を通し、組合や自治労を嫌う声を多数耳にしてきました。そのような声は私どもの組合員の皆さんの中でも潜在化しているものと見ていました。ある一定の先入観があって、できれば組合と関わりたくないと考えている若手組合員が多いのではないか、そのような見方を私自身は強めていました。今回の懇談会に参加された三人の方が全体の意見を代弁している訳ではありませんが、私自身の見方は少し誤っていたようです。

市役所に就職し、ほとんどの職員が組合にも入っているため、自治労に所属している市職員組合というものをよく知らないまま組合員になっていた、そのような話を三人が揃って述べていました。入所した時点で歓迎会を兼ねた組合の説明会を開いていますが、通り一遍な場にとどまっていることも仕方ありません。日常的な組合のことを伝える手段として組合ニュースがあり、赤い枠で印刷されているため、それは三人とも目を通されていました。

労使交渉の背景や経緯などをきめ細かく載せた機関紙を年に数回発行していますが、女性組合員の一人はその存在さえ把握されていませんでした。「労使交渉があったから、このような結果になった」という情報も、紙媒体中心では充分に伝達できていない現状がよく分かりました。組合に対する印象やイメージについても三者三様の言葉で語っていただきましたが、共通するのは「組合のことがよく分からない」というものでした。

あわよくば三人の中から執行委員に興味を示していただければという「下心」もあった懇談会でしたが、三人からすれば「よく分からないのに判断できない」という段階の問題だったようです。組合とは距離を置きたい、できれば関わりたくない、そのようなレベルの話以前として「よく分からない」という言葉がキーワードになりました。ただ今回のような場に顔を出してくださる皆さんでしたので、協力できることは協力していきたいという前向きな姿勢も見せていただいています。

また、率直な疑問や質問に対し、こちらから答えていく場となっていましたので「いろいろ勉強になって良かったです」という感謝の言葉も寄せられていました。結局のところ今回のようなフェース・ツー・フェースの場をいかに多く持てるかが重要であり、紙媒体が主体となる伝達方法で組合の認知度を高めていくのは非常に難しいという印象を持ちました。一昔前であれば一時金闘争が夏と冬にあり、組合員全体に共通する課題での座り込みや職場集会などが目白押しでした。

そして、皆が結集すれば大きな成果も出せる時代であり、それらの取り組みを通し、おのずから組合役員の顔を覚え、組合活動を身近に意識できる雰囲気があった頃でした。しかし、様々な意味で今はそのような時代ではありません。とは言え、組合の存在価値が薄まった訳でもなく、ある面ではもっと高めなければならない厳しい局面だろうと思っています。そのためにも組合ニュースで記したとおり組合役員の担い手の問題は深刻です。

それでも今回、若手組合員との懇談会を通し、悲観的な思いよりも、希望的な見方や糸口をつかみかけたように受けとめています。ごく一般的な感覚で組合員になった皆さんの中から、もっともっと多くの方が組合役員を担っていただけることを願っています。そのためには、もっともっと組合の役割などを分かってもらうための工夫や丁寧さが必要なことを今回の懇談会を通して知り得る機会となりました。

最後に、笑いに繋がったエピソードです。このブログのことを尋ねたところ、残念ながら三人とも知りませんでした。「私の一冊」で記したような経緯があり、時々、組合の機関紙等で紹介していましたが、紙媒体の不充分さを感じ取る事例の一つだったようです。ただ意外な展開があり、説明を加えていくと男性組合員の方が「えっ、よく見ているブログですよ」と驚かれていました。「公務員の給与削減」などという検索ワードから訪れていたため、管理人が私だったことを知って驚かれたという展開でした。

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2013年10月13日 (日)

子ども・子育て新制度

先週の火曜日、午後から休暇を取り、調布市の文化会館「たづくり」で開かれた連合三多摩ブロック地域協議会の政策・制度討論集会に向かいました。プロジェクト委員の一人であり、早めの集合時間でしたが、乗り継ぎもうまくいき、遅れずに顔を出すことができました。2時15分から全体会が始まり、4時過ぎから二つの会場に分かれ、分科会を開く2部構成となっていました。

プロジェクト委員の役割分担として、私は第2分科会「地域実情に応じた子ども・子育て支援」の内容を後日報告するという任務が割り当てられていました。分科会の内容を文章にまとめて提出する期限は、まだまだ先で余裕がありますが、この機会にブログの新規記事でも子ども・子育て新制度について取り上げてみることにしました。今回、投稿した内容をもとに連合三多摩への報告書をまとめる予定であり、作業面で言えば一石二鳥の機会となります。

前回の記事「社会保障・税番号制度」の冒頭で「ブログに綴る内容は可能な限り資料等を確認し、うろ覚えな知識のままで投稿しないように努めています。その意味で、ブログに向かい合うことは自己啓発の一つの機会になり得ています」と記しましたが、子ども・子育て新制度に関しても同様な類いのテーマでした。知っているようで、突き詰めて考えていくと把握していなかったことが多い、そのような題材の一つだったようです。

「子ども・子育て新システム」を「子育て新システム」と略しても問題ないかどうか、保育士である書記長に尋ねたところ最近は「新システム」と呼ばないことが分かりました。指摘されて改めて分科会の資料を確認してみると、確かに「新システム」という言葉は見当たりません。また、支援する対象として、子ども自身と子育てする保護者らは別なものであり、「子ども・子育て」と並べて表記しなければならない点についても再認識しました。

このような一例があり、今回の記事タイトルは「子ども・子育て新制度」に落ち着いていました。さて、子ども・子育て支援に関する分科会は座長を連合三多摩政策・制度プロジェクトの主査が務め、連合本部の総合政策局生活福祉局の部長が連合としての取り組みの報告、NPO法人子どもすこやかサポートネットの代表からChildren firstを支える「子ども観」と政策への反映、三鷹市子ども政策部調整担当部長から三鷹市の子ども・子育て支援施策の展開について報告や提起を受けました。

まず分科会の内容に入る前に子ども・子育て新制度について簡単に説明させていただきます。3年前の1月、少子化社会対策会議の決定に基づき、子ども・子育て新システム検討会議が設けられました。昨年3月、その検討結果が「子ども・子育て新システムの基本制度について」としてまとめられ、ただちに消費税関連法案とともに開会中の国会に子ども・子育て関連3法案が提出されていました。関連3法案は8月10日に可決・成立し、8月22日に公布されています。

子ども・子育て支援法、認定こども園法の一部改正、関係法律整備のための法案が関連3法案と呼ばれていました。支援法では今年4月から市町村に子ども・子育て会議を設置することが努力義務として求められていますが、具体的な施策の本格実施は2015年4月以降とされています。消費税の5%引き上げによる社会保障充実のための財源が2.7兆円で、そのうち0.7兆円が子ども・子育て支援の新制度に充てられる予定です。

つまり消費税の引き上げが見送られた場合、この新制度の本格実施も先送りとなる関係性だったようです。分科会で講師が触れた内容とも重複していきそうですが、もう少し新制度の目的や中味について書き進めていきます。新制度の趣旨は、保護者が子育てについて第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、すべての子どもの良質な成育環境を保障し、子ども・子育てを社会全体で支援する一連の制度や財源を一元化し、総合的に推進するというものです。

認定こども園、幼稚園、保育所を通じた施設型給付に加え、地域型保育給付(小規模保育等への給付)を創設します。認可外だった保育施設も市町村の認可制とし、給付対象にする制度改正です。幼保連携型認定こども園の設置主体は、国、地方公共団体、学校法人又は社会福祉法人とし、既存の幼稚園及び保育所からの移行は義務付けられません。市町村が地域のニーズに基づく計画を策定し、給付や事業を実施する主体となります。念のため、こども園の場合、子どもではなく、正式名称で「子」が平仮名となるようです。

いつものことですが、文字ばかりで長々とした記事内容になっています。たいへん恐縮ながら、これからが予定した本題です。分科会の開会に際し、座長から連合三多摩の子ども・子育て支援に対する考え方が示されました。次世代を担う子どもたちが心身ともに健やかに成長していくためには社会全体や地域から支えていく仕組み作りが必要で、これまで毎年取り組んでいる自治体に向けた政策・制度要請書の柱に子どもに関する施策を掲げてきたことなどが説明されました。

連合本部の部長からは、結婚や出産は当事者の選択であり、国や行政が介入すべきではないことを基本とし、安心して産み育てられる条件や子どもが健やかに育つ環境の整備の重要性を連合として訴えていること、また、障がい児など特別な支援が必要な子どもも含め支援の対象にすべきことなどを様々な場面で主張してきた話を伺いました。特に印象深かった話の一つとして、次のような事例の紹介がありました。

子ども・子育て支援法に基づく基本指針の作成に向け、当初、国から示されたタタキ台には子どもの安心や健やかな成長のために「質の確保」という視点が欠けていたそうです。そのことを連合選出の委員が指摘した結果、「子ども・子育て支援事業の質の確保及び向上を図ることが必要」という言葉が加わりました。その具体的な定義としては幼稚園教諭や保育士等の労働条件と職場環境の改善を想定しています。

ちなみに当ブログでは保育園に関する記事をいくつか取り上げてきました。「保育園民営化の問題点」「保育園民営化に賠償命令」「保育園が倒産」などですが、子どもを単に「預ける」ではなく、「育てる」ためには保育者の力が重要であることを訴えてきました。質の確保とベテラン保育士の確保は表裏一体であり、連合選出の委員が指摘したような問題意識は非常に貴重な点だったものと思っています。

さらに連合という組織は、多くの組合員が子育ての支援を受ける立場である一方、様々なサービスを提供する働く側の声を直接把握できる強みがあることを強調されていました。そのため、今後、それぞれの市町村に設置される予定の子ども・子育て支援会議に各地域の連合役員らが、できる限り手を挙げていくことの意義を連合本部の部長は訴えられていました。

連合本部の部長の話も特徴的な内容に絞って紹介した訳ですが、このペースであと二人の講師の話と質疑応答まで触れていくと、いつもの長さに輪をかけた相当な長さとなってしまいそうです。したがって、たいへん勝手ながら、二人の講師の話は私自身が最も印象に残った内容のみに絞らせていただきます。まったく個人的な話となりますが、必然的に連合三多摩への報告書とは切り離し、その作業は別に改めて時間を取ることにしました。

子どもすこやかサポートネットの代表の話の中で、子ども・子育て支援の充実は貴重な社会資源の最小化に繋がるというものがありました。配布されたリーフレットに「子ども時代、体罰など一度も受けたことのない人たちが、社会で成功しています」という言葉が掲げられています。子どもに対する暴力の撲滅をはじめ、障がいのある子どもや多様な保護者の下で暮らす子どもたちへの支援は、その子どもたちのためであることはもちろんですが、成人してからの一人ひとりの社会生活を左右していくという見方が印象に残りました。

三鷹市の部長からは、三鷹市が進めている具体的な子ども・子育て施策の数々を紹介いただきました。その中で、民生委員を兼ねる児童委員110人ほどの方々が乳児家庭全戸訪問事業を担っている話を伺いました。地域による見守りネットワークの一画に児童委員の方々が位置付けられ、何か子育てで困ったことがあった場合、すぐ近所の方に声をかけられるという仕組みの貴重さを三鷹市の部長は強調されていました。

質疑応答の時間では三鷹市の部長の出番が多く、参加者の皆さんの関心は具体的な施策の現状や今後の動きに集まっていたようです。全体を通し、自分自身にとって、たいへん有意義な分科会となっていました。少子高齢社会が進む中、子ども・子育て支援の重要性は誰もが認めている課題だと思います。新たな枠組みが決まり、今後、具体的にどのように施策を進めるのか、各論での議論や判断が求められていきます。その意味で、三者三様の立場から非常に参考になる話を伺えました。講師の皆さん、関係者の皆さん、ありがとうございました。

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2013年10月 6日 (日)

社会保障・税番号制度

10月末までがクールビズ期間ですが、ここ数日で急に気温が下がっています。薄着のまま過ごしてしまい、カゼをひきやすい季節の変わり目ですので注意しなければなりません。徴税吏員の職務の話では滞納繰越分と合わせ、現年度分についても目配りが必要な時期を迎えています。組合の活動では様々な点で多忙な季節となり、来月上旬には定期大会も予定されています。定期大会までが組合役員の任期となるため、例年通り新しい執行部体制に向けて悩ましい日々が続きそうです。

さて、前回の記事は「言葉の難しさ、言葉の大切さ」でした。不特定多数の皆さんに発信しているブログの場では言葉の選び方が大切であることを綴らせていただきました。同時に書き込む内容そのものにも一定の責任を負わなければなりません。ただ一個人の責任による運営ですので、これまで思い違いや事実誤認となる内容を掲げていた時もあったかも知れません。それでもブログに綴る内容は可能な限り資料等を確認し、うろ覚えな知識のままで投稿しないように努めています。

その意味で、ブログに向かい合うことは自己啓発の一つの機会になり得ています。今回、社会保障・税番号制度について取り上げますが、マイナンバー法と記したほうが通りやすいのかも知れません。今年5月24日に「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」をはじめ、番号関連4法案が参議院で可決・成立し、5月31日には公布されていました。自治体の業務に大きな影響を与える法律だったため、このブログの記事で取り上げることで、自分自身の頭の中を整理してみようと考えていました。

前述したとおり生半可な知識では扱えないため、夏以降、投稿するタイミングを見計らってきました。9月末に私どもの市職員向けに「社会保障・税番号制度の導入が地方公共団体へ与える影響について」という説明会が開かれました。私も出席し、内閣官房社会保障改革担当室の方から直接お話を伺える機会を得られていました。制度の詳細はリンク先の内閣官房のサイトで確認いただければと思っていますが、このブログでも概要や課題について少し触れていきます。

また、先週木曜夜には東京自治研究センターも社会保障・税番号制度に関する学習会を催していました。あいにく別な会議と重なり、私自身は足を運べませんでしたが、資料だけは出席した方から入手することができました。「社会保障・税番号制度を巡る課題」という演題で、講師はNPO法人情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子さんでした。その資料を通し、内閣府の担当者による説明会では強調されていなかった課題や問題点についても押さえることができました。

まず社会保障・税番号制度、番号制度と略していきますが、番号制度の導入趣旨は複数の機関に存在する個人の情報を同一人であるということの確認を行なうための基盤とし、社会保障・税制度の効率性・透明性を高めることを目的としています。国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤(インフラ)に位置付け、番号制度を通して、より正確な所得把握が可能となり、社会保障や税の給付と負担の公平性がはかられる効果を期待しています。

各種手当の申請時に必要とされる添付書類が不要となる国民側の利便性、住民に提供するサービスの受給判定に要する業務コストの軽減化などの利点も掲げられています。社会保障と税分野以外で、大災害時の被災者支援でも番号制度が活用されます。逆に言えば、番号制度の活用は社会保障、税、防災に関する事務に限られています。その3分野を担う行政機関が、それぞれの個人情報を共通の番号で管理し、これ以外の目的で民間事業者等が番号を収集することは禁止されています。

番号制度は2016年1月からスタートし、氏名、住所、生年月日、性別、個人番号、本人の写真が表示された個人番号カードの交付も始まります。各市長村が住民票に11桁の住民票コードを記載した時、12桁の個人番号を付番する流れとなります。個人番号カードの有効期間は10年間とされ、容姿の変動が大きい20歳未満は5年間となる予定です。個人番号カードが発行された際、それまで利用した住基カードは廃止され、2枚持つことはありません。なお、13桁の法人番号の付番等は国税庁が所管します。

各市町村は番号制度の開始までに必要な条例等の改正、情報保護評価の準備・実施、システムの設計・開発などを急がなければなりません。決して3年先という時間のある話ではなく、内閣官房の資料のスケジュール(想定例)では今年度から各市町村の行なうべき事項が数多く示されていました。一方で、あくまでも番号の共通化であり、情報の一元化ではなく、情報連携が制度の基本です。その軸となるコアシステムの運用・管理は、来年4月に設立される地方公共団体情報システム機構が担います。住民基本台帳ネットワークを管理していた地方自治情報センターが衣替えし、新たな名称の機構になるそうです。

実は説明会に出席するまで住基ネットとの関係性を充分把握できていませんでした。かなり前に「メリットがない住基ネット」という記事を投稿していました。番号制度の導入が決まり、ますます住基ネットの存在価値が疑問視されるように思えていました。しかし、実際は住基ネットを土台にして新たな番号制度が構築されていくように感じ取っています。内閣官房のサイトで「なぜ住民票コードをそのまま使わないのですか?」という質問があり、「住民票コード」はもともと今回のような利用を想定しておらず、運用の大幅な改変が必要になることや、パブリックコメントの多数意見が「新しい番号の利用」だったこと、等が主な理由と答えています。

国民総背番号制に対する根強い批判や情報漏洩のリスクが問題視される中、一歩一歩、進めてきたという見方が成り立つのかも知れません。確かに今回、住基ネット導入の際には沸き上がっていた反対の声があまり聞こえてきません。世間を騒然とさせるような決定的な情報漏洩などの事故がなく、住基ネットへの参加を見合わせていた杉並区や国立市なども接続し、現在、接続していない自治体は福島県の矢祭町のみとなっています。このあたりの変化について、相互リンクしている「地方公務員拾遺物語 別館」の記事「それは半世紀をかけて世に出てきた。」の中で興味深く語られていました。

続いて、課題や問題点を紹介します。これまで住基ネットで大きな情報漏洩はありませんでしたが、今後も絶対起こらないと言い切れるのかどうかという懸念があります。個人情報の質や範囲が広まったため、事故や犯罪に利用された際のリスクや影響が高まっています。韓国では2008年からの4年間で1億2千万人分の個人情報が流出していました。番号を使って勝手に買い物をしたり、番号を通知することで公的機関の職員と信用させ、金をだまし取ったりする詐欺事件の多発に繋がっていました。

次に費用対効果の面でも疑問が残されています。民間の利用を制限しているため、金融機関は個人番号を共有しません。これまでと同様、口座に資産を隠していても把握できないため、ほとんど税収増には繋がらないものと見られています。したがって、より正確な所得把握が可能という謳い文句ですが、あくまでも申告に基づく名寄せに対する効果に限られるようです。ちなみにイギリスは共通番号制度(国民IDカード制)の廃止を決めています。その理由は、高額な運用コストに見合ったメリットがない、プライバシー侵害への懸念などが上げられています。

最後に、番号制度に対する評価も個々人で枝分かれしていくものと思います。しかし、すでに法律は成立し、導入に向けて具体的に動き出している最中です。一自治体の職員の立場としては制度の万全なスタートに向け、担当する業務の中で精一杯努力していくつもりです。組合の役割としては諸準備に携わる職員の態勢が充分なものかどうか点検し、労使交渉を通して必要な措置を求めていくことになります。

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