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2013年7月 6日 (土)

タバコの話から一言二言

参議院議員選挙が木曜日に公示されました。前回記事「参院選公示前、今、思うこと」の中でも触れましたが、インターネット選挙解禁となっても当ブログでは今までどおり候補者の固有名詞は控えるなど一定の制約を課していきます。地方公務員の立場を明らかにしている管理人によるブログであり、不特定多数の方々に特定の候補者の支持を呼びかける、つまり選挙運動を行なっているような誤解を招かないための大事な心得でした。

とは言え、これまで選挙期間中、いっさい政治的な話をタブーにしてきた訳ではありません。マスメディアでも取り上げているような一般的な話題などについては、このブログでも題材にしてきました。したがって、今回も記事タイトルに直接関わりませんが、参院選絡みの話題を冒頭に少しだけ(?)触れさせていただきます。このニュースに接した時、たいへん驚き「何だかなぁ」とつぶやいていました。

定数5の東京選挙区には民主党の現職二人が立候補を予定していました。候補者を複数擁立したため、共倒れが目立った都議選の結果を教訓とし、民主党執行部が候補者の一本化を進めていたことはよく知られていました。しかし、公示日の2日前の段階で、本人からの同意を得られないまま公認の取り消しを決めた手際の悪さは本当に残念なことです。結局、民主党の公認を外された現職も無所属で立候補することになり、共倒れのリスクは相変わらずで、逆に高まった側面があるように感じています。

それでも公認候補者が当選を果たし、土壇場で一本化を決めた民主党執行部の「英断」が称えられる可能性もあるのかも知れません。確かに結果がどのように出るのか分かりませんが、現時点では公示日直前の段階で非情な判断を下し、関係者や支援者に大きな混乱や戸惑いを与えた民主党執行部を評価する声は極めて少ないようです。聞くところによると話し合いでの一本化が果たせず、最終的に直前の支持率調査で決めるという考え方をそれぞれの候補者に伝えていたそうです。

候補者自身が納得していた話かどうか分かりませんが、民主党執行部としては手順を踏んだ上での苦汁の決断であり、決して一方的な押し付けだった訳ではないようです。そうは言っても、このタイミングでの一本化は、どうしてもマイナス面のほうが大きかったように危惧せざるを得ません。そもそも都議選とは異なり、公認候補二人が切磋琢磨することで比例選の民主党票を増やしていくという派生的な相乗効果も期待できたはずです。

その上で、お互いの陣営が全力で競い合い、何とか最低限、1議席の確保をめざすという戦略でも良かったように思えています。いずれにしても私どもの組合をはじめ、労働組合側は政党の判断に直接左右されることなく、当初の基本方針を軸に選挙戦に臨んでいるところです。やはり少しだけに「(?)」を付けたとおり本題に入る前の話が長くなりました。それでも今回は記事タイトルを差し替えず、予定した題材の内容を書き進めていきます。実は最近、次のような報道を目にしていました。

大阪市で、市職員の勤務時間中の喫煙に対する厳罰化が進んでいる。橋下徹市長の号令のもと、「隠れたばこ」を取り締まる査察チームも結成。喫煙による停職処分は1年で50人にのぼり、依願退職に追い込まれた職員もいる。「まるでたばこ狩りだ」。愛煙家の職員たちから悲鳴が上がる。大阪市役所のすぐ南側を流れる土佐堀川沿いの遊歩道。昼休みになると、多いときで20~30人の市職員が集まり、紫煙をくゆらす。市役所周辺は「路上喫煙禁止地区」だ。市役所内にも喫煙スペースはない。ぎりぎり禁止地区外にあたる遊歩道が愛煙家職員のオアシスになっている。

市が勤務時間中の喫煙を内規で禁じたのは昨年5月。4月に市営地下鉄の駅長室で助役が喫煙して火災報知機が作動し、電車が遅れたことがきっかけだった。 激怒した橋下市長は「服務規律を厳格化する市長のメッセージを無視した。厳罰でいく」と表明。交通局は助役を停職3カ月とし、それから「勤務時間中の喫煙は停職」が定着した。「昔はトイレ休憩のついでに吸っていたのに」とぼやく50代の職員は、昼休みに吸えるだけ吸う。人事室によると、例えば40代の職員が停職1カ月の懲戒処分を受けると、140万円以上の生涯賃金が減る。村上龍一副市長は「たばこ1本100万円」と禁煙徹底を呼びかける。【
朝日新聞2013年7月2日

以前、このブログで「タバコ1本で懲戒免職」という記事を投稿した際、いろいろな意見を伺うことができました。ここまで厳しい管理強化を進めたことについても肯定的に評価される方と「極端すぎるのではないか」と疑義を示される方、個々人によって見方が分かれていくのかも知れません。初めに私自身や私どもの組合の考え方などについて説明させていただきます。まず私自身、いっさいタバコは吸いません。若い頃、口にくわえたこともありましたが、ふかしていた程度だったため、やめようと思い立ったらすぐやめられました。

長い間、他人のタバコの煙を気にすることはありませんでした。健康増進法によって受動喫煙の防止が強調される少し前頃から、できればタバコの煙からは離れたくなっていました。そのため、様々な場所で分煙や禁煙が進んでいることを歓迎し、これまで労使協議の場では受動喫煙防止のための環境整備の必要性を訴えてきた立場です。また、喫煙者本人の健康のためにも、節煙や禁煙の機会に繋がる流れを望ましいものだと考えています。

一方で、喫煙される方々に対し、勤務時間中、一服もさせないという考え方は否定的に見ています。私どもの市の本庁舎は現在の場所へ3年前に移転しました。その数年前から新庁舎への移転に向け、安全衛生委員会などの場を通して労使協議も重ね、組合からの様々な要望や考え方を市側に伝えていました。詳細なレイアウトを市側が検討している段階で、全体的にスペースが不足している事情もあり、新庁舎への移転を契機に喫煙場所をなくすという案が浮上しました。

それに対し、組合は「分煙を徹底しながら喫煙者のニーズに応えることも重要であり、これまでどおり庁舎敷地内に喫煙場所は確保すべき」という主張を市側に訴えました。愛煙家だった当時の副市長に私から「喫煙場所がなくなったら副市長も困りませんか」と問いかけたところ「この機会にタバコをやめようと考えているんだ」という返事でした。「はぁ、それは良いことですが、現実的な判断として喫煙場所、やはり必要ではないですか」というやり取りを交わしたことを覚えています。

結論として、組合の主張が受け入れられ、現在の庁舎に喫煙場所は確保されました。ちなみにタバコをやめようと考えた副市長も、庁舎移転後、その場所を活用されていたようです。あえて質問したことはありませんが、喫煙場所をなくすという市の方針に対し、すでに退任された副市長ご自身、本音のところでは少し迷われていたのかも知れません。そのため、ある意味で組合の主張は副市長にとって「渡りに船」だったという見方も的外れではないような気がしています。

組合は快適な職場づくりを方針化しています。喫煙場所確保の問題はタバコを吸われる組合員の皆さんにとって大きな関心事であり、その当時、「組合には頑張って欲しい」という声が数多く寄せられていました。快適な職場づくりという方針も踏まえ、組合は喫煙場所の確保を求めてきた訳ですが、最近の大阪市のような動きには非常に悩ましいものを感じています。自分の机で喫煙できた時代では考えられなかったことですが、勤務時間中の喫煙が職務専念義務との絡みで問題視されるようになってきました。

分煙の徹底化とともに喫煙場所が遠くなり、どこの職場でも移動時間がかかるようになっているはずです。そのため、喫煙している時間と合わせ、自席を離脱している時間を厳格に突き詰めていけば大阪市のような判断に繋がっていくのかも知れません。今のところ勤務時間中の喫煙を全面的に禁止している自治体のほうが圧倒的に少数であるようです。ある自治体では住民からの問いかけに対し、総務課人事室が次のように回答していました。

職員の勤務時間内の喫煙については、社会通念上批判を受けない範囲で、かつ業務に支障がないよう、特に勤務時間の開始及び昼の休憩時間直後などは自粛するよう周知しているところであり、職員は市民の方が不信感を抱く行動は慎まなければならないと考えております。職務専念義務は、公務員のもっとも重要な義務でありますので、勤務時間内は、喫煙も含め職員1人ひとりが節度ある行動を心がけるよう今後も注意喚起してまいります。

いろいろ他にもインターネット上で調べましたが、喫煙者に有利になるような情報はあまり得られません。そもそも喫煙の自由や権利はなく、勤務時間中に喫煙を禁止することも法的にはまったく問題がないようです。中には「タバコ吸ってる数分間に仕事の段取りを考えている」「喫煙でリフレッシュして仕事の能率を上げている」「喫煙場所での部署を越えた情報交換や会話が役立っている」という喫煙者側からの利点を目にする程度でした。

本当に今のところ「社会通念上」という範囲内での問題であり、大阪市のような動きが全国に波及していった場合、組合として現状を守り切れるかどうか正直なところ難しい面があります。それでも個人な思いとして、タバコを吸うための離席時間程度は職場内で認め合いながら、それ以上に日頃から支え合っていける組織としての強さや懐の広さがあることを理想視しています。タバコ1本を監視し合うギスギスした雰囲気では息が詰まり、職員の士気が上がるようには思えません。

このような言い分も「甘い、屁理屈だ」という批判を受けるのかも知れません。さらに批判を覚悟しながら最後にもう一言だけ付け加えさせていただきます。首長は特別職で勤務時間の概念がありません。しかし、部下である職員に厳しい規律を求めていくのであれば、率先垂範という言葉があるとおり自らの行動も厳しく律して欲しいものと考えています。役所の勤務時間中、公務とは無縁のツイッターを連続して投稿する首長には批判の声が寄せられています。それに対し「時間の割き方は僕の自由。だめだったら有権者が落としてくれたらいい」と反論されていましたが、そのような言葉にも賛否が大きく分かれるのではないでしょうか。

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コメント

管理人さん、ご無沙汰しております。

我が市にはまだ喫煙場所があります。
ちょっとした息抜きや気分転換で、ミニリフレッシュに繋がっていると思っています。

しかし、毎日のように役所に来ては色々な指摘をされることが大好きな市民の方より、このような指摘を頂いたことがあります。
「勤務時間中に机の上にお茶のペットボトル等があるのは、どういうことだ?」「要は勤務中に飲み物を飲んでいるのだな。それは職務に専念する義務違反になる、すぐに止めさせろ」・・・・と。

そこまですることが、本当に市民のためになるのか。
そこまで指摘することが、本当に意味のあることなのか。

市民の声といっても、色々と考えさせられる事例でした。

投稿: 下っ端 | 2013年7月 6日 (土) 20時57分

下っ端さん、さっそくコメントありがとうございます。

勤務時間中、職務に専念することは当然ですが、やはり社会通念上認められた範囲内での「遊び」も必要だろうと思っています。念のため、この場合の「遊び」は車のハンドルの接合部等におけるものですが、自席でお茶を飲むことも批判されるようであれば行き過ぎた話だと感じてしまいます。

投稿: OTSU | 2013年7月 6日 (土) 21時36分

心配せんでも、分煙はあっても禁煙は難しいやろ実際。
大阪市はな、警報器が鳴ったからやのうて、橋下市長に恥をかかせたから、厳罰になったんや。ココには書けん噂もあるねんけど、要するに「王様」なんよ。
いやいや、役人も大変やね。

投稿: K | 2013年7月 6日 (土) 22時17分

Kさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

「ココには書けん噂」とは興味深いお話ですね。なお、今回の記事本文の中では触れませんでしたが、定められたルールを守ることは当然で、守れなかった場合、相応のペナルティを課せられるのも仕方ありません。ただタバコ1本で懲戒免職は論外でしたが、いきなり停職という処分の重さについても議論の余地が残されているように感じています。

投稿: OTSU | 2013年7月 7日 (日) 07時00分

私はタバコは吸いませんし,嫌いです。また,他人の近くで喫煙する人にも腹が立ちます。
それでも,大阪市のやり方は良くないと思います。
真に職員の業務効率を考えてではなく,単に世論に迎合しながらリーダーシップの強さを誇示したいだけでしょう。
橋下さんの「ダメなら選挙で落とせばいい」にも,いつも腹が立ちます。
次の選挙で落としたからといって,やったことを元に戻せるわけではないのですから。
特に彼は政治家が本業ではなく,選挙で落ちたからといって,人生に対する痛手は小さいでしょうから,政治家としての失敗に対する社会的制裁は大して受けないでしょう。
ただ無責任に「やれるうちにやりたいだけやる」というスタンスにしか見えません。

投稿: WontBeLong | 2013年7月10日 (水) 19時18分

WontBeLongさん、一つの前の記事と合わせ、コメントありがとうございました。

記事本文の内容に対し、閲覧された方々のご意見や感想を伺えることを有難く思っています。管理人自身がコメント欄から距離を置いているため、投稿される皆さんにとって手応えのない場となっているはずです。そのため、勝手な話で恐縮ですが、お時間等が許される際、これからも気軽に投稿いただければ幸いですのでよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2013年7月13日 (土) 21時47分

税金で国民に養われている人間がいっぱしの口をきくな。
お前らは成績が悪くても屁理屈を言える最後の聖域だ。
まあもう風前の友支部だがな。
世の中の冷水に投げ込まれても屁理屈を言えたら大したものだ。
その際は年金を返上するのを忘れるなよ。
国家の寄生虫ども。
公務員もある意味反社会的勢力だと私は思う。

投稿: 税金で食っているんだろ?? | 2013年7月14日 (日) 21時16分

いえいえ,OTSUさんのスタンスはよく理解していますから,全く気にしないで下さい。
悪い意味ではなく,レスポンスを期待してコメントしてはいません。
自分の意見を言える場を与えて頂いて有り難いと思っています。

投稿: WontBeLong | 2013年7月16日 (火) 23時36分

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