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2012年6月23日 (土)

ある苦言とトラックバック

このブログは「OTSU」というハンドルネームで投稿していますが、私どもの組合員の皆さんをはじめ、知り合いの方々にとって匿名の扱いにはなっていません。そのため、記事の内容に対して意見や感想を直接伺える場面も少なくありません。週明けの月曜、会った早々に前回記事「消費税引き上げの問題」に対し、ある方から苦言が寄せられました。 

消費税引き上げを容認した内容に対する辛口な感想でした。その方は、マニフェストに掲げた約束を守らず、マニフェストに書いていない消費税引き上げを強引に進めている民主党を強く批判されていました。さらに私に向けて、「民主党を支援している立場上、そうなってしまうのですね」という言葉も投げかけていました。 

まず私からは前回の記事の中でも記したとおり「民主党政権だからという理由で私自身も含め、連合や自治労が消費税の引き上げを容認しているのではない」旨を改めて説明させていただきました。その上で、もともと消費税引き上げはやむを得ないものと思っていた経緯なども説明し、短い時間でしたが、その方と率直な意見を交わす機会となっていました。 

一方で、コメント覧では消費税引き上げに対する意見が思ったほど寄せられませんでした。その中で木曜の朝、シジフォスさんという方のブログ記事(「公務員のためいき」というブログを読んで溜息…)がトラックバックされていました。やはり消費税の引き上げに強く反対されている方で、「マニフェストでここまで嘘をついて、あげくの果てが国民から税金を泥棒のごとく集めようというのだから」と記しながら最大の支持母体である連合の責任は大きいとし、痛烈に批判されていました。

そのブログの中で、前回記事の大半を紹介された後に下記のような文章が続いていました。冒頭に取り上げた苦言の話と似通った「引っかかり」を感じていたため、合わせて新規記事の中で取り上げようと考えていました。特にトラックバックに対しては謝意を示す機会などを逸しがちであり、今回の記事を「トラックバック返し」させていただくつもりです。なお、長島昭久さんの漢字が誤っていましたが、原文のまま段落だけ区切り、ご紹介します。

まじめな委員長さんなのだろうが、今や自治労もこのように他の大産別と変わらなくなりつつあること(言い過ぎであるが、あえて…)に惨憺たる思いを抱く。「連合」の決まり文句に「顔合わせ・心合わせ・力合わせ」という、潮流の違う統一の中でも仲良く運営するという「作風」があることは、以前にも紹介した。結果、相互批判はしない、自己主張はしない、路線の違う対立を引き起こす課題は持ち込まない、という「仲良しクラブ」状態に陥り続けている。3.11以降、変わるのではないかと微かな期待をもったが、結果、変わっていないように見える。

上記の文中にでてきた長島和久・民主党衆院議員は、慶應大学応援指導部出身で米国一辺倒の保守主義者だが、それでも「民主党」候補者になれば、何の問題もなく労組との関係が保障される。そこには組合員の意識や国民の生活、さらには責任者たる労組役員の個人意思などは入る余地がないレールが敷かれている。紹介したブログには、多くの組合員からもアクセスとコメントがあるという。こんな時期、現役を離れていて、まさに無責任な言い方だが、自治労としての矜持を持ち続き得てほしいと思う。

最後の一文から自治労のOBの方のようにも受けとめています。そうではないかも知れませんが、自治労に所属する職員労働組合の委員長に対する期待があり、前回の記事はその期待を裏切り、深く失望させていることがシジフォスさんの文章から読み取れていました。いろいろお答えしなければならない言葉が頭に思い浮かんでいますが、シジフォスさんが描く「自治労の矜持」と私の「こだわり」は一致しない可能性もあります。 

それでも、めざしている方向性は大きく違わないはずです。その中で、個別各論の選択肢に対する「答え」が異なる場合、目的を実現するための進め方や手法が異なる場合など様々ではないでしょうか。「答え」の違いとなっている消費税引き上げに対する評価は前回記事のとおりでした。今回、後者の問題意識について少し掘り下げてみます。 

相互批判はしない、自己主張はしない、路線の違う対立を引き起こす課題は持ち込まない、そのような連合の「作風」をシジフォスさんは指摘しています。確かに象徴的な一例として、原発に対する評価の問題がありました。しかしながら現在、決してタブー視せず、連合内でも議論できる環境が整い始めています。自分自身が関われる範囲内でも、そのような動きを模索しています。 

今年2月の記事「脱原発署名の呼びかけ」の中で「電力総連の皆さんとも忌憚のない議論を交わし、連合内が脱原発でまとまることの意義は非常に大きいものと考えています。逆に連合内での意思統一もできないようであれば、脱原発への道筋もたへいん厳しいものとなるように感じています」という問題意識を示していました。その際、対立が目的ではなく、お互いの立場を尊重しながら率直に話し合い、最適な「答え」を導き出す努力を最も重視すべきものと考えています。

長島さんとの関係も少し補足します。そもそも自治労は一つ一つの組合の連合体であり、中央本部や都本部の決定が必ずしも徹底できないケースもあります。長島さんを私どもの組合として推薦できないと判断すれば、そのような選択肢もあり得るのが自治労という組織の特性でした。いずれにしても組合方針の大半が一致できる候補者は極めて限られ、大きな方向性が合致した上で、基本的な信頼関係を築けるかどうかが大事な時代になっているものと思っています。 

したがって、長島さんの考え方と私どもの組合方針との差異があることを否定しません。しかしながら以上のような問題意識のもと、私どもの組合は長島さんを推薦してきていました。そして、推薦関係があるからこそ、自治労に所属する一組合の立場や要望を長島さんに直接訴える場を持ち得ることができていました。以前の記事「大胆な改革、オランダのダッチ・モデル」をはじめ、このブログの中で何回か長島さんは登場しています。機会があれば、このような関係性の話を改めて取り上げてみるつもりです。

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コメント

管理人さん、こんにちは。

消費税増税については色々な意見が出てますね。
でも、一つだけ気になることがあります。
消費税増税を反対する人達(政党)の意見です。

消費税増税は反対である!!

景気のことや、公約のことなど、理由は理解できます。
では、具体的に消費税を増税しないことで、社会保障や借金のことをどう解決していくのか?
そういった方策を掲げる政党や国民の意見を聞いたことがありません。

「今はデフレで不景気だから、増税する時期ではない」

こういう意見をよく聞きますが、では、このままずっと景気が回復しなかったら、ずっと増税は行わないということなのでしょうか?
社会保障も年金も借金まみれで続けていって、いずれ通貨危機で清算するウルトラCでも考えているのか・・・・

「増税以前に、他にするべきことがある」

他って、具体的に何ですか?この「具体的」を聞いたことがありません。
無駄の見直しと言いますが、どの道消費税は10%でも全然足りないと言われてます。
無駄の見直しは大事ですし必ずやる必要がありますが、それは最終的に消費税率を上げていく中で、数%の上げ幅を抑えるだけではないでしょうか。

そもそも、無駄って具体的に何が無駄なのか、実は誰もよくわかっていないのではないでしょうか。
何となく無駄ってあるんだ・・・・・という感覚が出来上がってますが、民主党の16兆円は無駄の削除で出来る!!が全く絵に描いた餅にしかならなかったように、本当にどこまで無駄があるのでしょうか。

増税が嫌なのは誰でも同じだと思います。
よく、「国民に負担ばかり押しつけて」という意見をニュースなどで見ます。
しかし、今の国民は子供や孫に借金を押し付けることによって、今の生活レベルを維持している現実を見ることから始めなくてはいけないのではないですか。

例え嫌われようと、将来のために自ら汚れ役に徹する。
方や、人気取りのためにいい顔をする。

大阪の某市長も、身内には超強気で改革の革命児的イメージを作ったものの、原発は支持を受ける地元企業からの突き上げに屈してあっさり白旗。
消費税も増税反対と言っているようですが、対案もなにもなし。

残念ながら、期待した気持ちもありますがパフォーマンスだけだったんですかね。


投稿: 下っ端 | 2012年6月24日 (日) 10時40分

下っ端さん、コメントありがとうございました。

消費税引き上げに関する私自身のとらえ方は前回記事でお示ししたとおりでした。確かに増税に反対する声が多数となっていますが、ぜひ、政治家の皆さんは「自分の選挙にとって、どちらが有利なのか」という発想から抜け出した判断を下して欲しいものと願っています。

投稿: OTSU | 2012年6月24日 (日) 21時58分

正官民を問わず、皆さん独自に生業を得るためうごめいていらっしゃるのは理解できるのですが、詭弁が過ぎると信頼度が地に堕ちるのは、消費税の増税に対する胡散臭さの原因でしょうね。

>生きていけないという家族を助けるのは誰? 「日本人の美徳が希薄に」
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120625/osk12062514100007-n2.htm

親の面倒くらいはその子が見るのが当たり前だと思っていましたが、そんな観念は封建的な慣習を刷り込まれたに過ぎなかったようです。
橋下が富裕層の年金カットや相続税の課税枠を大幅に増やすことなどをぶち上げていますが、皮肉にも左翼的政策の財源として強ち的外れとも言えませんね。
政府の大小を問わず、総背番号制を導入すれば査定作業の効率は上がるはずですが、社保庁がトラウマになっているのか?
農地開放ならぬ同一労働同一賃金による搾取的な労働慣行からの開放も必要ですね。
解雇要件を緩和して、雇用の調整弁として行政が直接雇用をしなければ円高による労働者の受け皿の流出と転換には対応できないでしょう。

投稿: リアリスト | 2012年6月25日 (月) 15時34分

下っ端さんが橋下氏にガッカリしていらっしゃるようですが、マスコミの報道ではなく肉声を聞けば熟慮していることが分かりますよ。

http://www.dailymotion.com/video/xrobf7_2012-6-21-yynews-ten-yyyyyyy-1_news

投稿: 上っ面 | 2012年6月25日 (月) 21時42分

労働組合に所属していますが、消費税をあげるより先にあるんじゃ?って感じがします。
民主党になって変わったって言ってますが、暫定税率は?どうなったんですか?
野党が与党になるとおんなじなんだね。 悲しい。
この不景気な時代に消費税をアップしたら、一番困るのは、国民ですよ。
解散総選挙になったら、間違いなく民主党への労働組合票は激減する。
特に公務員関係の労働組合は、民主党を応援して、応援した人の給与10%カットしてるから
激減だ

投稿: | 2012年6月26日 (火) 23時37分

速報

>将来の政界再編で民主党支持見直しも…連合会長

投稿: さよなら民主党 | 2012年6月28日 (木) 14時39分

増税より先にやるべきことってなんだろうね。
そして、本当にそれは増税の前にやらないと駄目なことなんだろうか。
端的に言えば、同時並行じゃだめなんだろうか。
私も、下っ端さんの意見に同意です。


ちなみに民主党は信用してないけど、中にはいい人もいる。

この人は言ってること、やってることがずっと納得できることばかりなので、
民主党の人にしては珍しく信用できると思っている。
http://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entry-11287869975.html

投稿: | 2012年6月28日 (木) 22時36分

最近疲れ気味なのか、名前を入れ忘れることが多いようです。
すみません。

投稿: とーる2号 | 2012年6月28日 (木) 22時37分

リアリストさん、上っ面さん、2012年6月26日(火)23時37分に投稿された方、さよなら民主党さん、とーる2号さん、コメントありがとうございました。

もう少しコマメにレスできる環境が整っていますが、中途半端なコメントは行ないづらく、週末を迎えつつあります。そのような対応が定着しつつあることをご容赦ください。今回もコメントくださった方々への謝意の一言だけ添えさせていただきました。

投稿: OTSU | 2012年6月29日 (金) 07時14分

増税よりも先にやること・・・

国債発行とデフレ脱却でしょうね。
デフレ脱却の具体策としては、日銀が札を刷ること。それだけ。
円安を誘導し、貨幣流通量を増やして、物価を上げる。
これでOKだと思います。

借金は増えますが、震災後の緊急措置として、やむをえないと思います。また、現状では、破たんの可能性は極めて低い。国債が90%以上国内発行だからです。
消費税増税は、現役世代、特に貧困層に過酷な犠牲を強いるもの。国の役割放棄とも評価できると思います。


ところで、社会保障の不足は、消費税の税率を20%台に上げないと賄えないと聞いたことがあります。しかも、増税によって消費機会が落ちないことを前提にして。
とすると、今回の増税は、財源としての意味は薄い。
震災とデフレで苦しんでいる庶民を、徒に苦しめるだけの効果しかないわけですな。

やっぱり、消費税増税のタイミングはおかしいと思います。

投稿: かもめのじょな | 2012年7月11日 (水) 19時41分

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