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2012年1月28日 (土)

連合会長も「寝耳に水」

週に1回、記事本文を更新する際には相応の時間を費やしています。土日ともに集中できる時間が取れないような場合のみ、平日の間に少しずつ書き進めていました。もちろんコメント欄の対応にも力を注いでいますが、せっかく貴重な提起を受けながら時間的な制約などから「短い言葉でレスするよりも、以前の記事を紹介させていただきます」「今後の記事本文を通し、自分なりの思いを綴らせていただければと考えています」などという一言にとどまっているケースも少なくありませんでした。

このブログが長続きしている理由の一つとして、実生活に過度な負担をかけないという割り切り方がありました。つまり集中した時間を作るのは週末に限っていました。そのため、直近のコメント欄での議論を踏まえ、新たな記事本文で私なりの考え方を綴るというサイクルが定着していました。それでも当ブログで扱うべき大きな動きがあった際など、新規記事の題材が絞られてしまい、「今後の記事本文を通し」という約束が速やかに果たせないこともありました。

決して宿題を疎かにするつもりはありませんが、このような事情についてご理解ご容赦いただければ幸いです。今回がそのようなパターンとなり、週の半ば、たいへん残念な動きを伝えるニュースを耳にしていました。昨年5月、3週連続で国家公務員給与削減の問題を当ブログで取り上げていました。この問題は年末の記事「泥臭い民主主義」の中で党利党略の材料とされている点を記していましたが、次の報道のとおり3党間での合意に至ったようです。

民主、自民、公明党が人事院勧告の実施で大筋合意したことにより、復興財源に充てるための国家公務員の給与削減がようやく実現する見通しになった。ただ、公務員の労働基本権拡充については話がまとまらず、給与削減を受け入れる条件としていた連合側は「寝耳に水」(幹部)と猛反発。肝心の民主党側の足元が揺らぐ可能性もある。

「あくまで(給与削減と権利拡充の)法案の一体的な成立に向け、きちんとやってもらえると信じている」。連合の古賀伸明会長は25日午後、首相官邸で野田佳彦首相と会談後、記者団にこう述べ、給与削減の先行実施をけん制した。公務員には、労働基本権のうち、労働条件や待遇についての取り決め(協約)を団体交渉で締結する権利が認められていない。その代わり、第三者機関の人事院が給与水準を勧告し、その内容に基づき、法律で給与を定めることになっている。

連合は昨年、人事院を廃止して公務員に協約締結権を認める「公務員制度改革関連法案」の成立を条件に、給与を7・8%削減する特例法案に同意していた。だが、自公は今回の大筋合意にあたって「(公務員は)労働協約権が手に入り、好き放題できる」(自民党の茂木敏充政調会長)と、改革法案の審議入りに応じない構えだ。

1948年の人事院発足後、人勧を超える公務員給与の削減は初めて。消費増税法案成立を優先する野田政権は、連合の抵抗を押し切って、「身を切る」改革に踏み出す姿勢は示した。とはいえ、昨年6月に国会に提出した特例法案は与野党協議の難航で、復興財源は7月~今年1月までの間の単純合計で1000億円以上も目減り。今年度の公務員給与は7.8%削減どころか人勧実施による0.23%削減のみで、100億円程度にとどまる。民主党政権は、国家公務員総人件費2割削減をマニフェストに掲げたが、実現の難しさがかえって露呈している。【毎日新聞2012年1月26日

このニュースの内容に対しては、様々な切り口から論評でき、解説すべき事項も多いものと思っています。公務員制度改革の詳しい中味についても触れるべきなのかも知れません。ただ今回は前回記事「旗びらきの季節」に託した趣旨、信頼関係というキーワードを軸に個人的な思いを書き進めてみます。その際、少し回り道となりますが、前回記事のコメント欄でも紹介したNHKスペシャル『ヒューマン なぜ人間になれたのか』を見て、とても印象に残った話から入らせていただきます。

地球上に人間が誕生してから20万年、これまで生き延びてきた理由を考古学や科学的な面から検証していた番組でした。他の動物との大きな違いは赤の他人とも協力し合える特質があり、肉食獣の脅威や食糧不足という過酷な環境を生き抜くために人間はお互い協力し合っていたことを伝えていました。そのような特質がある背景として、二足歩行によって変化した骨盤に注目していました。チンパンジーなどは一人で難なく出産できます。それが人間は他者の力を得ないとスムースに出産できないため、もともと協力し合うという本能があるという説明でした。

この番組に触れ、改めて人間同士は協力し合うことが重要であり、人類進化の原点に繋がることを知り、たいへん感慨深いものがありました。当たり前なことですが、協力し合うためにはお互いの信頼関係が欠かせません。協力し合うことで信頼関係が高まるという構図もありますが、お互いが敵対していた場合、簡単に協力し合えなくなるはずです。情緒的な見方となってしまいますが、連合系の組合である国公連合と民主党政権との信頼関係があったからこそ、国家公務員給与の削減が合意できていたものと受けとめていました。

たいへん厳しい提案内容でしたが、復興財源という意味合いなどを踏まえ、国公連合の皆さんは「国家の危機に協力する」という思いでの苦汁の判断だったのではないでしょうか。同時に応援してきた民主党政権に協力するという意識が働いていたことも間違いないはずです。組合員の皆さん一人ひとりのとらえ方は様々だろうと思いますが、あの局面で連合系の組合も含めて交渉決裂だった場合、それはそれで難しい事態に陥っていたようにも感じていました。

その後、民主党政権が労使交渉で決めた内容をしっかり履行しようとしていた姿勢や努力を否定しません。また、政治の場面でも相手がある話ですので、約束した内容がそのまま履行できなくなるケースも想定しなければなりません。しかしながら今回、3党合意のニュースから読み取れることは、連合会長も「寝耳に水」のような民主党側の一方的な方針転換だったという事実経過の問題でした。

約束が守れなくなり、方針を変えざるを得ない場合、最低限、約束した相手側に対して事前に説明し、理解を求める手順が欠かせないものと考えています。そのような当たり前なことが疎かになっていくと、お互いの信頼関係が崩れ、協力し合う姿勢も薄れていきます。今回の3党合意の中味そのものも非常に残念な話ですが、それ以上に連合と民主党との信頼関係を大きく損ねるような顛末が、より残念な話でした。

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2012年1月22日 (日)

旗びらきの季節

忘年会の季節である12月よりも、1月のほうが外で飲む機会は多くなっています。新年会、旗びらき、新春の集いなど、毎週いくつもの会が予定されていました。加えて、飲み語り合うことが好きなほうであり、つい自主的な「もう一軒」も重ねてしまいながら疲れを倍加させているようです。そのような日は、お寄せいただいたコメントに対して速やかにレスできず、翌朝対応するようなパターンも続いていました。

金曜の夜は連合三多摩の新春の集いでしたが、久しぶりに来賓の一人として菅前首相にも足を運んでいただきました。地元の会という気安さがあったようで、伸び伸びと力のこもった挨拶を耳にすることができました。ただ個人的な印象として、首相在任中の期待感と現実との落差が大きかったため、挨拶の中味に関しては心に響きづらくなっていました。乾杯の後、歓談中に駆けつけられ、すでに酔いが回った中で拝聴していたせいだったからなのかも知れませんが…。

私自身、旗びらきなどで主催者を代表した挨拶は1回だけですが、来賓として挨拶する機会が何回かあります。地元の競輪労働組合の旗びらきで挨拶の機会を得た際、減収に苦しむ公営競技事業のもと厳しい労使交渉が強いられている話に触れさせていただきました。昨年末、競輪労組の一時金交渉は膠着状態が続いていました。これまでも同じ自治労に所属する組合同士、日頃から協力関係を築いていましたが、その時はもう一歩踏み込んだ連携に努めました。

私どもの市の競輪事業の責任者であり、開催執務委員長を担っている副市長への要請行動に私も同席させていただきました。その後、競輪労組執行部の皆さんの会議の場にも参加し、一時金交渉の解決に向け、いろいろ意見を述べさせていただいていました。最終的な決着としては、残念ながら要求していた昨年実績にわすがに届きませんでした。それでも最初の回答からは大幅に上積みできていたため、粘り強い交渉を重ねた成果であり、競輪労組の皆さんの尽力に敬意を表していました。

この時の印象を挨拶の中で語りながら、施行者側も厳しい経営状態のもとで苦慮している現状について触れていきました。競輪労組の交渉窓口に当たっていた職員をよく知っているため、従事員の方々の雇用や待遇面に関して真剣に考えている姿勢を垣間見ていました。このような内実も頭にあったため、競輪労組の旗びらきの挨拶では、前回記事(コメント欄での「ためいき」の理由)の中でも触れた次のような自分なりの問題意識を披露させていただいていました。

日頃から「押す引くがあるからこそ、交渉が成り立つ」という言葉をよく使っています。また、断固反対、徹底抗戦という姿勢を頭から否定しませんが、お互いが歩み寄れる幅を持っていない場合、際限のない消耗戦に陥る懸念があります。労使協調という言葉も誤解を招きがちですが、使用者側を敵視していく組合側の態度を私自身は是とせず、お互いの立場を尊重し合える信頼関係は重視していくべきものと常々考えています。

「皆さんの交渉相手が私と同じ市の職員であるため、肩入れしているような見られ方をされてしまうのは本意ではありませんが…」という前置きをした上での発言でしたが、どのように受けとめられるのか少し心配していました。さらに私の直後に挨拶された方が競艇労働組合の委員長で、「いつも当局側のやり方は姑息であり、組合員間を分断するような不当な攻撃を仕掛けてくる」というような論調でした。

これまで何年間も組合側が容易に受け入れることのできない厳しい提案が示され、真っ向から対立していた労使関係を踏まえれば、私の挨拶内容は「甘すぎる、現実を見ていない」という反発を持たれてしまったかも知れません。いずれにしても私の発言した趣旨と競艇労組委員長の挨拶は極端なコントラストを示していました。その後の懇談の中で、競輪労組の委員長に私の挨拶がどのように受けとめられたのか、率直に尋ねてみました。

幸いにも私の心配は意識過剰だったようであり、不信感を与えたり、頑張ろうとする決意に水を差すような発言には聞こえていなかったようでした。淡々と受けとめていただき、私の発言の趣旨についても一定の理解を得られていたようにも感じることができました。そもそも当たり前な話ですが、このブログに書き込む内容は実際の活動や日常の場面でも発言しているものでした。ネット上での言葉は確かに慎重に選んでいますが、基本的な内容や趣旨などについて実生活での発言と使い分けるようなことはしていません。

したがって、私どもの旗びらきでの組合を代表した挨拶の中では、少しの前の記事(再び、公務員批判への「答え」は?)に綴ったような内容にも触れていました。出席された100名ほどの組合員や来賓の皆さんを前にし、大阪市の動きを示しながら、公務員やその組合への批判を少なくするためには「何が批判され、どうすべきなのか」、あるいは「誤解による批判だった場合、どのように理解を求めれば良いのか」という趣旨の発言を行なっていました。

乾杯の後、会場内を回り、いろいろな方と歓談するように心がけています。顧問契約を結んでいる法律事務所からも来賓として、二人の方に出席していただいていました。他の組合の旗びらきにも顔を出されているようであり、意外な言葉をかけていただきました。「なかなか謙虚な挨拶でしたね。僕はこちらのほうが好きですね」という言葉でした。つまり他の旗びらきでの主催者挨拶は「厳しい情勢だからこそ、よりいっそう団結して頑張ろう」という力強さを前面に出していることが多い中、私の挨拶から得た印象は少し異なっていたようでした。

決して弱気な発言に終始していた訳ではありませんが、弁護士の方からの「謙虚」という言葉は肯定的な意味合いだったものと素直に受けとめています。一方で、このような対比の仕方について、他の組合の方々が不愉快に感じられる場合もあり得るのかも知れません。とは言え、たいへん恐縮ながら、それぞれ独立した組合が、それぞれの構成員の意思のもとに進め方や方向性を決めていく話だろうとも思っています。その上で、私どもの組合に関しては最も重い責任を託されている自分自身、このブログで綴っているような問題意識を今後も重視していくつもりです。

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2012年1月14日 (土)

コメント欄での「ためいき」の理由

このブログを定期的に閲覧されている皆さんの中で、コメント欄はあまり開かないという方も少なくないようです。開設した当時からご覧くださっている知り合いの方が「一度もコメントは見たことがない」と話された際は、とても驚きました。私自身、コメント欄で様々な声に触れられることが、たいへん貴重な機会だと考えています。そのため、よく知り合いの方々に「記事本文よりもコメント欄が面白いですから、ぜひ、ご覧になってください」とアピールしていました。

ご存知の方も多いものと思いますが、右サイドバーの「最近のコメント」に並んでいる名前をクリックすると、そのコメントに飛ぶことができます。コメント欄を開いて、スクロールする手間が省け、コメント数が多い場合、たいへん便利な機能となっています。さて、前回記事「橋下市長VS大阪市の組合」に対しても、数多くのコメントをお寄せいただきました。大阪市の職員の方からもコメントを頂戴できるなど、いろいろ参考になるご意見が多く、投稿くださった皆さんには、いつも心から感謝しています。

前回記事のコメント欄で、少し愚痴めいた「ためいき」を連発していたため、いろいろご心配やご指摘をいただきました。誤解を受けないよう改めて強調させていただきますが、批判は批判として受けとめていく場ですので、批判意見について閲覧者の皆さんに対して自制を求める意図は毛頭ありません。記事タイトルに掲げたとおり前回のコメント欄で「ためいき」を重ねた理由を説明しながら、投稿者の皆さんにご理解やご協力を求めたい点を改めて示させていただくつもりです。

「自治労は何か別の目的を持った組織」と言われても別に違和感はないな〜。むしろ納得かも。組合の組織の長ならば木を見て森を語られたり、森から木を決められたりは宿命でしょ。だったら説明し切ってみせれと思うなあ。逆に答える内容を絞るならば、そもそも阿久根市長を批判したり、大阪市長に疑問を呈するべきでは無かったんでしょ。政治に踏み込んだのだから、せめて説明責任はまっとうするべきでは無いかな。

つぶやきさんから上記のようなご指摘を受けました。ちなみに今回の記事で、皆さんから寄せられたコメントを引用する場合は赤字で示させていただきますが、レイアウトの関係から改行などについて原文と異なっていますがご容赦ください。「自治労は何か別の目的を持った組織」と感じられている方々が少数ではない点など、知り得る機会は貴重なことだと受けとめています。また、そのような見られ方に対し、釈明できる機会を持てる点からも、率直な声をコメント欄に寄せていただけることを前向きにとらえています。

したがって、記事本文で発信した内容に絡みながら寄せられた自治労に対する批判コメントなどに関しても、私自身が責任を持てる範囲で丁寧な説明を今後も努めていくつもりです。ただ自治労全体を代表している立場ではなく、もちろん90万人近くの構成員の考え方も千差万別です。決め付けた言い方ができない現実の問題があり、「私自身がとらえている自治労方針の中で、そのような極端な色彩はありません」というような表現にとどまりがちでした。このような言い方に対し、名無しさんから次のようなご指摘を受けていました。

私は、管理人さんを初め組合側の言い分には致命的な矛盾があると感じています。例えば、管理人さんに「思い込みから事実を見ずに決めつける」趣旨の言葉をいただいたことがあります、では上のような偏りの事例に対し、管理人さんが「先ほど述べたような対抗軸での違いはあり得ない」と言うのは、思い込みから事実を見ずに決めつける行為ではないのでしょうか。

確かに自治労組合員の中に「米艦船の寄港反対、中国の艦船は容認」という発想の方が皆無ではないのかも知れません。しかし、私が把握できる組織的な手続きを経て確認している自治労方針の中で、そのような色彩がない点は事実だと言えます。「自治労は何か別の目的を持った組織」という言われ方も同様ですが、中には革命的な思想を抱えながら自治労運動を利用している組合役員が存在しているのかも知れません。

そのような事実関係は100%把握できないため、私の立場から責任持って答えられる言葉で対応していました。それが「思い込みから事実を見ずに決めつける行為」と切り返されたため、ほとほと疲れながら「今後、名無しさんへのお答えは私自身、もしくは私どもの組合に限る内容に絞らなければならないものと考えています」というレスに繋がっていました。この言葉の真意が誤解され、つぶやきさんのコメントが寄せられたものと理解しています。

繰り返しの釈明となりますが、自治労に関する内容について、今後も私自身が責任を持てる範囲内でお答えしていくつもりです。その中で名無しさんに限っては、断言できることと、断言できないことの切り分けを明確化しなければならないものと考え、上記のような言葉を発していました。本来、このように特定の方に絞った特別な対応は好ましくなく、ある意味で失礼な話であることも自覚しています。

さらに日頃から感情を抑えたコメントを皆さんにお願いしながら、少し熱くなっていることも反省していました。しかし、これまで名無しさんとの数多いやり取りを通し、決定的な失望感を募らせていました。どのように懇切丁寧に説明責任を果たそうとしても、流し読み(そのように受けとめざるを得ません) され、異質な意見にはまったく耳を傾けようとはなさらず「結論ありき」のご自身の主張を繰り返されていることに憤りを覚えていました。

このような言い分は、もともと大きな「溝」がある者同士、お互い様の話と言われるのかも知れません。それでも結論が「自治労は何か別の目的を持った組織」であるような陰謀論に戻されてしまう点には苛立ちが募っていました。これまでも他の方々との議論が延々と平行線をたどりながら、感情的な軋轢に至っていたケースもありました。その中でも今回、名無しさんに対する失望感は際立っていました。

名無しさんから「誤解」というレベルによる「お詫び」の一言が添えられたコメントもあり、「これ以上、昨年末のコメント欄でのやり取りは蒸し返さないようにします」とお答えしていました。ただ何を私が憤っているのか、同時に閲覧者の皆さん全体に対し、どのような点にご理解ご協力を求めたいのか、論点をスッキリさせるためにも、その時の内容を振り返らせていただきます。

なお、名無しさんにとって不愉快な紹介の仕方になる可能性もありますが、インターネット上にご自身の主張を掲げる重さを受けとめていただき、一つの題材とすることをご理解ください。実は徒労感を強めたのは「2011年末、今、思うこと」のコメント欄でのやり取りからでした。閲覧されている皆さんから客観的、かつ公正な評価を受けるためにも、なるべく原文をそのまま引用させていただきます。赤字が名無しさん、青字が私のコメント内容となります。

>まず質問ですが、「北朝鮮にも自治労にも同じような気持ち悪さを感じている人は結構多い」と思われる点は、どのような部分を指されているのでしょうか。

例えば管理人さんが、話し合いを尽くせたものと見ておられる国家公務員の給与削減交渉で自治労は、実は国家公務員の半数に及ばない組織なのに、あたかも公務員職員組合の代表のように振る舞ったとか。(将軍様は国民の支持を失っているのに正当な支配者として振る舞っていますね)

そんな組織との交渉結果をもって、あたかも正式な労使合意と強弁してみたり。(支持が無い将軍様でも、その命令は正当で絶対としています) その労使合意としたことに、他組織から疑問の声えがあるにも関わらず無視し、履行を盲目的に求め続けたり(将軍様の決定に他から疑問を挟むことを絶対に許しませんね)

合意履行が暗礁に乗り上げ、もう確実に実施は無理な情勢になっても、それを認めず、下部組織からも批判の声すらあがらなかったり(将軍様の判断は常に正しく批判をすれば厳しく処罰されますから声などあがるはずもありません) これだけの判断ミスやミスリードをしたにも関わらず代表者たる委員長は責任を追求されないし辞任もしないこととか(将軍は崇拝するもので責任を追求する対象たりえないですね)

とまぁ、同じような部分は多々指摘できますよね。オマケ。自分には何もメリットも無い反核平和運動の旗降りにあたかもマスゲームのように参加させたりとか。オマケ二つ目以降はキリが無いので止めておきますが、管理人さんの質問には、これくらいで十分ですか?共に閉鎖された組織ですから自然と似通るものですよ。

上記の名無しさんのコメントに対し、私からは次のようにお答えしていました。

やはり名無しさんへお尋ねして良かったものと思っています。先入観や思い込みから自治労と北朝鮮を同列視していることが分かりました。当然、内心の自由や言論の自由がありますので、個人的にどう思い、思っている内容を発言することは許される行為です。

言うまでもなく、この場も自由に書き込めるという点で同様ですが、事実に反した思い込みによる批判が、他の閲覧者の皆さんに事実と思われることは防がなければなりません。そのような意味合いからも、相互に意見交換できるコメント欄の意義を改めて感じ取っているところです。

さて、具体的な反論を加えさせていただきます。今年5月に国家公務員の給与削減問題は記事本文としても取り上げていました。詳しい経緯は改めてご参照いただければ幸いですが、国公連合が中心となって削減問題の交渉に当たりました。この点からThorさんのご指摘のように自治労は直接的な当事者ではありません。

自治労も参加する公務員連絡会には、その国公連合も結集しています、そのため、節目の総務省交渉に自治労の代表も出ていたようですので、別の側面からも説明を加えていきます。国公連合が前面に出た交渉結果の責任は自らの組織化している組合の範囲内であり、「あたかも公務員職員組合の代表のように振る舞った」という話は一切耳にしていません。付け加えれば、国公連合が他の組合の交渉の行方などに内政干渉はもちろん、批判している話も聞いたことはありません。

国公連合以外の組合と交渉し、どうまとめるかは政府の責任であることが常識です。一方で、交渉で約束した事項の履行を求めるのは当たり前な話であり、「盲目的に」という表現は不適切だと指摘せざるを得ません。また、「下部組織からも批判の声すらあがらなかったり」など、自由に意見が発せられないようなイメージで語られていますが、自治労の単組や本部レベルの諸会議では喧々諤々の議論が日常茶飯事です。まったくの思い込みであり、誹謗中傷の類いの発言であることをご理解ください。

「自分には何もメリットも無い反核平和運動の旗降りにあたかもマスゲームのように参加させたり」という指摘も、このブログを頻繁に訪問されている方の発言とは思えません。組合員を強制的に参加させているような組合は極めて少ないはずです。90万人近くの組織ですので、半強制的な雰囲気を残す組合動員が皆無とは言えないかも知れませんが、それでも北朝鮮と同列に扱う見方は大きな誤りであることだけは確かです。

あまのじゃくさんから「自治労の悪口を言われると色をなす」と指摘を受けましたが、事実と反するコメントにはその都度訂正しなければ誹謗中傷された内容が一人歩きしがちです。したがって、それ以上でもそれ以下でもない立場で、釈明していることをご理解いただければ幸いです。

たいへん長い記事となって恐縮ですが、この後の名無しさんとのやり取りに失望感を強めていきました。

管理人さんから誤りの指摘があったので見返してみましたけど、国公連合と国公労連を取り違えているならともかく、連合系の労組が一々別組織ですと言われましてもねえ。一般の感覚では、文章の誤りを指摘されたつもりが「です・ます」体と「だ・である」体の違い程度を指摘されただけで、その文章の意味には影響ありませんでしたというくらいのことでした。確かに本人たちからすれば大きな違いなのかも知れませんね。でも、小さいなぁ。

名無しさん、どうも私の文章をすべて読んでいただけていないようです。読んでいて、あのようなレスであれば、私自身の常識とは程遠い不誠実さを感じています。なお、直前の名無しさんのコメントから判断すれば、全体的にじっくり読まず、ご自身の主張を展開されているように受けとめざる得ないことを付け加えさせていただきます。

なお、この後に専門職さんから次のような名無しさんあてのコメントが示されていました。やはり赤字で示させていただきます。

>せめて相手の文章はしっかり読みましょう。(「国家公務員給与削減へ」への名無しさんのコメント)と管理人さんに言っておきながら、自分の理解不足で>国公連合と国公労連を取り違えているならともかく、連合系の労組が一々別組織ですと言われましてもねえ。>小さいなあと言われたのは残念です

意見は相容れない面はあるが主張は一貫している名無しさんに対しては、巨大掲示板で根拠無く批判している輩とは違い、ある意味敬意を持っていたのですが… 普通は国家公務員の労組が「国公連合」と「国公労連」の2つあることの方が知られて無いんですけど… まあ残念の一言です

この専門職さんのコメントに対し、名無しさんは次のように答えていました。

残念な思いをさせてすみません。でも、これからも残念な思いはさせてしまうと思います。組合の活動に関して、そもそも広く一般的には連合系と全労連系すら別けて認識されていないのが実態ですから、自治労と国公連合が共に連合の繋がりがある中では、敢えてどこも一緒という扱いをしています。この便利な認識は、すみませんが、これからも利用させてもらいます。実名を晒す行為を誘った等、個人的に人の道に外れると思う行為には謝罪するし撤回もしますが、それ以外は、例えば特定の立場の者が集まる組織の利益代表者に「不誠実」と言われる程度は、今後もするかも知れません。

要するに名無しさんは、私に対して「不誠実」と言われる程度の行為を今後も続けることを宣言されていました。そもそも自治労と国公連合との関係性も踏まえて、私なりの言葉で説明していました。そのような点をまったくスルーされ、自分勝手な理屈でご自身の意見の正当化に終始されていたことに失望していました。それに輪をかけ、この「不誠実」宣言によって名無しさんに対する決定的な不信感が植え付けられました。

このような記事内容も「公務員」議論から逃げるためという批判が繰り出されるのかも知れません。また、第三者の方々からすれば、私自身の過剰反応だと見られてしまう可能性も否定できません。いずれにしても誤解を受けたくない点として、このブログで名無しさんのような意見をお持ちの方がコメントをお寄せくださることを歓迎しています。その上で、立場や視点が異なる間柄であっても、最低限の礼節を尽くし、信頼関係を築いていければと願っていました。

前回記事のコメント欄では、菊池正人さんから「労と使はどのような関係にあるべきか」というお尋ねがありました。私自身はそれぞれの立場が異なっていても、信頼関係だけは維持すべきものと思っています。もちろん癒着や談合という見られ方は論外であり、徹底的な対話、つまり労使交渉を基本にお互いの決着点を見出すべきものと考えています。

日頃から「押す引くがあるからこそ、交渉が成り立つ」という言葉をよく使っています。また、断固反対、徹底抗戦という姿勢を頭から否定しませんが、お互いが歩み寄れる幅を持っていない場合、際限のない消耗戦に陥る懸念があります。労使協調という言葉も誤解を招きがちですが、使用者側を敵視していく組合側の態度を私自身は是とせず、お互いの立場を尊重し合える信頼関係は重視していくべきものと常々考えています。

話が横道にそれたように思われたかも知れませんが、以上のような経緯の中、私にとって名無しさんとの信頼関係は崩れていました。そのため、中国艦船に絡んだコメントが示された時、「名無しさんの主張に対しては、これまでの記事本文やコメント欄を通して、いろいろお答えしてきました。ぜひ、改めてお読みいただければ幸いです」という素っ気ない一言にとどまっていました。

すると「なるほど、過去の記事本文にもコメント欄にも同じ友好なのに米軍と中国軍への対応差の理由は書かれていませんでした。つまり、広く一般に説明できない理由があるとお認めになったということですね。判り易いご回答を、ありがとうございました」と貶めるような解釈をされてしまいました。名無しさんから「答えられないから答えない」と決め付けられ、逃げているような見られ方をされるのは不本意でしたので、その後は改めて極力丁寧な対応に努めていきました。

このような経緯に徒労感を高めていましたが、その後の名無しさんのコメントの中に「本当は反核平和運動などどうでもいいことでした」という言葉が付け加えられていました。結局、「不誠実」宣言も示されていた中、自治労に所属する私自身を攻撃することが目的化しているように感じてしまい、「ためいき」が前面に出たコメントを重ねた1週間となっていました。その一方で、他の皆さんから思いが伝わっていることを確かめられるコメントも数多くいただけることで、またパソコンの画面に向かうことができていました。

今回、名無しさんというハンドルネームの特定の方のコメントを大きく取り上げてしまい、違和感を持たれた方々もいらっしゃるかも知れません。それでも一般論の話として、このようなネット上の場でも信頼関係を大事にしたいという甘っちょろい私自身の思いがあったため、具体的なやり取りを長々と綴らせていただきました。このような趣旨についても、ご理解いただければ幸いですので、よろしくお願いします。

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2012年1月 7日 (土)

橋下市長VS大阪市の組合

新規記事を投稿した直後に次回の記事内容を決めている時は、ほとんどありません。週末に向かう中で、時事の話題や日々の活動を通して感じたことを題材として取り上げていました。また、コメント欄での意見交換を重ねる中で、次回記事の内容が絞られていくパターンも少なくありませんでした。前回記事(「竜頭蛇尾」としない2012年へ)のコメント欄も同様な流れがあり、次のような書き込みから今回の記事タイトルに繋がっていました。

大阪府知事から大阪市長に転じた橋下市長は就任早々、下記の報道のとおり職員組合との対決姿勢を強めていました。その話題が前回記事のコメント欄で触れられた際、私から「弁護士である橋下市長が繰り出すカードは、それぞれ非常に強力なものだと見ています。そのまま押し切られ、公務員組合の常識が木っ端微塵に砕け散る懸念も否定できません。そのため、たいへん荷が重い局面ですが、これまでニッチな情報を提供してきた当ブログとして、次回の記事で大阪市の話題を取り上げてみようと考えています」と書き込んでいました。

大阪市の橋下徹市長は4日、幹部職員への年頭あいさつで、市役所と職員組合の関係を適正化する条例案と、職員が政治関与しないことを定める条例案を市議会に提案する方針を明らかにした。これに先立ち、最大労組「市労働組合連合会」(市労連、約2万8000人)の中村義男執行委員長と面談し、庁舎内にある組合の事務所について、退去するよう求めた。

条例案について、橋下市長は記者会見などで「中堅や若手の職員が、組合が人事に介入していると感じている。組合ににらまれると冷遇されるという不安感を抱かせる組織はだめ。市役所と組合の関係をルール化する」と説明。市と組合の交渉を全面公開することを定めるとした。更に、大阪府では橋下市長が知事になった08年まで、知事選で府職員に、現職候補のマニフェストを書かせるなど政治活動をさせていたと指摘。「政治と行政を区分けする」として、職員が政治関与しないことを定める市条例案も別途、提案する方針を示した。

一方、面談では、昨年11月の市長選投開票前、市交通局庁舎内で平松邦夫前市長の推薦人紹介カードが出回っていたことについて中村委員長が「あってはならないことで、責任を感じている」と深々と頭を下げて謝罪。政治活動をした職員を当面、役員活動停止処分にしたことを伝えた。橋下市長は「権力闘争に出てきて、しかるべきリスクを負うのは当然。けじめをつけてもらう」と退去を求め、それまでの間、現行の賃料の減免も認めないとした。中村委員長は非公開での面談を要望したが、橋下市長は「見えないところでは決められない」と一蹴。中村委員長が退室する際に握手を求めても「改めて考えを聞かせてほしい。その時に握手できればいい」と応じなかった。

市の職員組合は21あり、10が市労連、5が市労働組合総連合(市労組連、約2000人)に加盟。市役所本庁舎(同市北区)地下1階には、市労連、市労組連のほか4組合が事務所を構える。計約750平方メートルの賃料は6割減免されて年間約1440万円。法的根拠はなく、便宜供与として行われてきた。中村委員長は終了後報道陣に「今日は市長の話を伺っただけ。結論は出ていない」と話し、退去については明言を避けた。【毎日新聞2012年1月4日

橋下市長は「組合の法的に認められた活動を否定する訳ではない」と話しながらも、市労連などが正規より6割減額した賃料で市本庁舎の地下に入居していることを「公金によるサポートだ」と指摘していました。「純粋に労使交渉だけをやる組合であれば納得できるが、政治活動に公金を投入するのは市民が納得しない。公の施設から出て活動してほしい」という理屈を添えて退去を求めていました。

それに対し、中村委員長は「大阪市を良くしようという気持ちは労働組合も方向は同じ。社会貢献もやってますので、現場を見に来ていただいたらありがたい」と話し、再度の面会を求めています。この組合事務所退去の問題に接した時、阿久根市の竹原前市長のことが頭に思い浮かんだ方も多いのではないでしょうか。やはり阿久根市の職員組合に対し、竹原前市長が市庁舎内にあった事務所の退去を求めていました。

裁判で争われた結果、市側が敗訴し、いったん外に出ていた阿久根市の組合事務所は市庁舎内に戻っていました。竹原前市長の動きが取り沙汰された時、このブログでも「ブログで有名な阿久根市長」「もう少し阿久根市長の話」という記事を投稿し、コメント欄でも数多くのご意見を頂戴していました。また、組合事務所の問題に関してはブログを始めた頃、「便宜供与と不当労働行為」という内容の記事も投稿していました。

改めて申し上げますが、違法な行為を正当化するつもりは一切ありません。その上で、法的にも社会通念上の常識からも批判に値しない事例まで問題視されそうな点について、私なりの論点整理に努めさせていただきます。まず大前提となる公務員組合の常識、つまり私自身が正しいと考えている「答え」として、「公務員の組合も労働組合である」という基本線があります。

確かに非現業職員の組合は労働組合法ではなく、地方公務員法の適用を受け、職員団体という名称が正式なものとなります。さらに労働基本権も一部制約されていますが、法的にも社会通念上の見方からしても、公務員の組合が労働組合であることを断言できます。前回記事のコメント欄で、地方の公務員さんが総務省の資料「一般の非現業職員に認められている団結権の法的効果について」を紹介し、労働基準法に関しても原則適用で一部適用除外がある旨を記されているとおりでした。

一方で、この出発点から疑義を示される方々がいらっしゃることも承知しています。要するに公務員が労働組合を結成すること自体、批判されている方が少なくないことも当ブログを通して知り得ていました。これまで何回か紹介している労働政策の研究者である濱口桂一郎さんのブログ記事「労働組合兼従業員代表機関の逆説」の中では、労働組合のあり方などを問題提起されながら組合事務所の問題を論じられていました。

いずれにしても「公務員の組合も労働組合」という見方が一般的なものであり、労働基本権拡充の課題が法案となっている現状からも明らかだろうと考えています。この見方を起点とした際、そもそも使用者が労働組合の運営のために経理上の援助を与えることは不当労働行為として法律で禁止されていますが、最小限の広さの事務所の供与は認められていました。したがって、官民問わず、大半の組合が使用者側から組合事務所の貸与を受けている現状を押さえた上、大阪市の問題を見ていく必要性があるはずです。

先ほど紹介した総務省の資料の中でも「庁舎内における職員団体のためのスペース使用:行政財産の目的外使用の許可の範囲内で可能(地方自治法第238条の4⑦)」と記されています。当然、弁護士である橋下市長は、このような位置付けを百も承知だろうと思います。ちなみに使用者は労働組合に対し、組合事務所を必ず貸与するように定められている訳ではありません。原則として貸与するかどうかは、使用者側の判断に委ねられていました。

阿久根市の竹原前市長が裁判で敗訴した要因として、いったん組合に事務所の使用を認めていながら年度途中に突然退去を求めた乱暴さが大きかったようでした。今回の橋下市長の場合、昨年末に「市の労働組合6団体に対し、庁舎内での組合の政治活動は認めないとして、早ければ来年3月末までに庁舎内にある労組事務所からの退去を求める」という方針を報道陣に示していました。つまり年度単位で交わす使用許可の期限を大きな区切りとしているため、阿久根市の事例とは切り分けた判断が組合側に迫られていました。

そのような力関係の中で、勤務時間内に政治活動していた役員の問題では、市労連の中村委員長が深々と橋下市長に頭を下げていました。その姿が広く報道された中、世間の声は圧倒的に組合側にとって厳しい逆風になっているはずです。言うまでもなく、大阪市の組合が行き過ぎた活動を進めていた場合、速やかに改めていかなければなりません。ただ政治活動の問題も、組合が推薦している候補者を組合員に対して周知すること自体は組合活動の範疇に入るものと理解してきました。

今後、大阪市の組合がどのような対応をはかるのか分かりませんが、正当性のある組合活動まで一緒くたに問答無用で全否定されるような動きには毅然と抗して欲しいものと願っています。当面、組合事務所の問題が差し迫った争点となりますが、まずは橋下市長の「組合の法的に認められた活動を否定する訳ではない」という言葉を正面から受けとめ、個々の活動の正当性を真摯に議論していくべきであり、聞く耳を持っているはずの使用者である橋下市長が話し合いそのものを拒まないことを信じています。

論点整理に努めると述べながら、あまりまとまらない記事内容だったろうと思います。もう一点だけ付け加えれば、労使交渉の当事者となる組合の事務所が庁舎内にあることは一般的な話だと説明させていただきました。念のため、自治労都本部や自治労中央本部などの上部組織は、そのような貸与とは一切無縁であることを申し添えさせていただきます。なお、その他にも説明や言葉が不足している点などは、コメント欄を通して補っていければと考えていますので、ご容赦くださるようよろしくお願いします。

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2012年1月 1日 (日)

「竜頭蛇尾」としない2012年へ

あけましておめでとうございます。 Tatsu

今年もよろしくお願いします。

毎年、元旦に年賀状バージョンの記事を投稿しています。いつも文字ばかりの地味なレイアウトであるため、せめてお正月ぐらいはイラストなどを入れ、少しだけカラフルになるように努めています。2005年8月に「公務員のためいき」を開設してから426タイトル目となりますが、必ず毎週土曜又は日曜に更新し、昨年1年間で52点の記事を投稿していました。

このブログへのアクセスの累計は現時点で145万件に迫っています。昨年元旦までの数が110万件近くでしたので、1年間で約35万件のアクセスがあったことになります。週に1回の更新ですが、毎日千件前後のアクセス数で推移しています。これまで時々、いきなりアクセス数が急増する場合もありましたが、Yahoo!のトップページに掲げられた際のアクセス数10510件、訪問者数7192人が1日あたりの最高記録でした。

ことさらアクセスアップにこだわっている訳ではありませんが、やはり多くの人たちにご訪問いただけることは正直嬉しいものです。特に当ブログは不特定多数の方々に公務員側の言い分を発信する必要性を意識し、個人の判断と責任でインターネット上に開設してきました。したがって、より多くの人たちに閲覧いただき、たくさんのコメントを頂戴できることは本望なことでした。

更新が週1回にもかかわらず、毎日、たくさんの方々にご訪問いただき、ブログを続けていく大きな励みとなっています。中には記事本文よりもコメント欄に寄せられるご意見を楽しみにされている方もいらっしゃるようです。私自身もコメント投稿者同士のハイレベルな議論に接した時、一閲覧者となって興味深く見守らせていただくことも少なくありませんでした。ちなみにコメント数の累計は6400件近くとなっています。改めて当ブログをご注目くださっている皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

このブログの目的や位置付けは、「2009年末、改めて当ブログについて」で詳しくお伝えしていました。とりまく経済情勢の厳しさが増す中、公務員への風当たりが強まっています。公務員やその組合に対する厳しい声を謙虚に受けとめながらも、主張すべきことは主張する目的を掲げながら続けています。寄せられたコメントに対しては一つ一つお答えするように心がけていますが、必ずしも「ご指摘はその通りであり、すみやかに改めます」というレスに至らない場面が多いことも確かでした。

そのため、いくら訴え続けても私自身の姿勢が「変わらない」という批判を受ける場合もありました。そもそも当ブログを運営するにあたり、多様な考え方があることを大前提としています。つまり私自身が正しいと思う内容を訴えているつもりですが、ブログを閲覧されている人たち全員から共感を得られるようなケースこそ稀だろうと見ています。あくまでも当ブログの記事内容やコメント欄での議論に接した人たちが、どう受けとめるのかが重要であり、そのような関係性を皆さんからご理解いただけるよう常々お願いしてきました。

このように述べながらもコメント欄を通し、様々な立場や視点からのご意見を伺えることも貴重な目的としていました。厳しい批判意見があることを受けとめ、日常の活動を進められる大切さを強く認識していました。そのような本音の声を把握できないまま、公務や組合活動を担うのは、街路灯のない夜道を歩くようなものだと考えていました。特に組合活動の中で様々な判断を下す際、ブログのコメント欄を通して得てきた「実感」は非常に価値ある蓄積だったものと受けとめています。

特に今年は公務員組合にとって大きな正念場を迎えていくものと思っています。昨年11月末には大阪府と大阪市のダブル選挙があり、「大阪維新の会」の両候補が圧勝しました。橋下市長が進めようとしている「改革」は大阪市の組合にとって、簡単に受け入れられない内容が多く含まれています。今後、厳しい労使交渉が見込まれる大阪市の現状は決して私どもの組合にとって「対岸の火事」ではありません。

一方、広範な支持を得られているかどうかで見れば、公務員組合は圧倒的に出遅れた位置にいます。そのため、ますます「何が批判され、どうすべきなのか」、あるいは「誤解による批判だった場合、どのように理解を求めれば良いのか」という相互に意思疎通できる機会が様々な場面で欠かせないものと考えています。たいへんマイナーなサイトですが、そのような機会の一つになれることを願いながら、今年も当ブログを続けていくつもりです。

当然、公務員組合と一口で申し上げても、私自身がその全体を代表している訳ではありません。あくまでも私どもの組合に対する責任、産別に加わっている関係上、自治労運動の中で前述したような問題意識を大事にしていきたいものと考えています。その中で、とりわけ労働条件の問題は官民問わず、労使で決めるという原則が重要であることを広く訴えていく必要性を強く認識していました。

さらに職員組合の委員長という役割を担っていますが、組合専従ではない限り、職務にも全力を注ぐ決意であることは言うまでもありません。いずれにしても処遇に見合った働きぶりであることを住民の皆さんから評価いただき、仮に不充分だった場合は改める努力とその実践が欠かせません。合わせて労働組合に対しても適切な評価を得られるよう努力することが私自身に課せられた司、司の責任であり、これからも自分のできること、できる範囲内で全力を尽くしていく決意です。

今年は竜年(辰年)ですが、それほど竜に絡む諺は多くありません。前回記事「2011年末、今、思うこと」の中で「登竜門」について触れましたが、今回は「竜頭蛇尾」という言葉をご紹介します。電子辞書に「最初は勢いがよいが、終わりはまったく勢いがなくなること」と記されています。したがって、竜年の2012年、年頭に託した決意が「竜頭蛇尾」とならないような1年を過ごせればと考えています。

ところで2012年は、アメリカ、フランス、ロシア、中国、韓国などでトップの改選期を迎えます。日本においては衆議院の解散がない限り、大きな選挙が予定されていない年でした。しかしながら政局の行方は混沌とし、衆院議員の多くが「自分の選挙をどう生き延びるか」という価値判断での動きを加速していくように感じています。そのため、ますます人気の高い橋下市長の率いる「維新の会」などの主張が注目を浴び、国民から批判の対象とされがちな公務員にとって、いっそう受難な年となることも覚悟しています。

このような話題を書き進めていくと際限なく広がっていきそうですので、このあたりにとどめ、また別な機会に触れさせていただきます。今年も実生活に過度な負担をかけないよう留意しながら、このブログは引き続き週1回更新していく予定ですので、これからもどうぞよろしくお願いします。それでは末筆ながら当ブログへご訪問いただいた皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、新年早々の記事の結びとさせていただきます。

        ☆新春特別付録☆ 「2011年ブログ記事回想記」 

年賀状バージョンの恒例となっていますが、今回も2011年に投稿した記事をインデックス代わりに12点ほど並べてみました。改めて皆さんへ紹介したい内容を中心に選び、いわゆる「ベスト」ではありません。したがって、12点の並びも投稿日順となっています。それぞれ紹介した記事本文へのリンクをはってありますので、のんびりご覧いただければ幸いです。

  1. 2011年、兎年に思うこと ⇒ 今回と同じ年賀状バージョンで、職務と組合委員長の役割という二兎を追い続けるため、いっそう集中力を高めていく決意を綴っていました。やはり特別付録として「2010年ブログ記事回想記」も掲げました。
  2. 市長選後の阿久根市 ⇒ 今でも「阿久根市」という検索ワードから多くの方が当ブログを訪れています。これまで阿久根市に絡んだ記事を数多く投稿していましたが、 この記事が一つの区切りとなっていました。
  3. 公務員の職務と責任  ⇒ この記事だけで99件のコメントをお寄せいただきました。公務員一人ひとりが自分の職務の目的や責任をしっかり認識し、前例踏襲にとどまらない仕事の進め方などを常に探り続ける姿勢の必要性を訴えていました。
  4. 巨大地震後に続く難局  ⇒ テレビの画面を通して目にした大津波による凄惨な被害の状況、被災された皆さんの悲しみや苦しみ、大地震が発生した時から始まった苦難ですが、必ず復興できるという希望だけは投稿する記事に託していました。
  5. 原発議論と電力問題  ⇒ 福島第一原発の事故は深刻な放射能漏れの被害をもたらしています。もともと原発は事故を起こさなくても、捨て場所のない放射性廃棄物の課題などがあり、電力問題との関係性を踏まえた問題意識を綴っていました。 
  6. 国家公務員給与削減へ  ⇒ この直前の記事も2回にわたって国家公務員給与の削減問題を取り上げていました。国公連合としては自律的労使関係制度を先取りする形で、平均7.8%削減という苦汁の判断を下していました。 
  7. ベターをめざす人事制度 Part2  ⇒ ベストな人事制度は難しく、常にベターを模索していく柔軟さが求められ、いかにチームとして力を発揮していけるのか、行き過ぎた成果主義の問題性などを2回にわたって綴っていました。 
  8. 400回、改めて当ブログについて  ⇒ 100回の節目に当ブログの位置付けなどを改めて説明していました。記事の最後には金子みすゞさんの『こだまでしょうか』も掲げていました。なお、このペースが続けば、500回目は来年6月頃となります。
  9. 再び、職務に対する心構え  ⇒  これまで徴税吏員としての職務の話も何回か取り上げていました。具体的な差押の事例を切り口として、「Part2」にかけて「丁寧な対応」を重視した自分なりの問題意識を綴っていました。
  10. どじょうの政治に期待  ⇒ 国民からの評価を過剰に意識した派手さよりも、地味で堅実な姿勢を前面に出した野田首相のどじょうの政治が期待され、内閣支持率は70%を超えていました。残念ながら、その後は下降の一途をたどっていました。 
  11. ギリシャの危機に思うこと  ⇒ ギリシャの財政危機に際し、労働組合が48時間のゼネストに突入しました。その経緯をはじめ、組合員に限らず多くのギリシャ市民もデモに参加していたことなどを記しながら、日本の現状に照らし合わせてみました。
  12. 「大阪秋の陣」の結末は?  ⇒ 橋下市長と堺屋太一さんとの共著『体制維新―大阪都』を読んだ上で、大阪のダブル選挙の行方を注目した記事でした。その結果や今後に向けた個人的な思いは今回の記事本文の内容のとおりとなっています。

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