2011年末、今、思うこと
月曜の昼休み、北朝鮮の金正日総書記死亡のニュースに接しました。社会主義国家でありながら世襲が続き、核開発などを切り札とした瀬戸際外交を得意とした国の最高権力者死亡のニュースは驚きをもって世界中を駆け巡ったようです。その日の夜、前回記事(再び、公務員批判への「答え」は?)の議論の流れからそれた内容で恐縮しながらも、次のような一言をコメント欄でツイートさせていただきました。
昼休みに知ったビッグニュースには驚きましたが、橋下新市長の初登庁した話題が霞むこととなりました。自らコメント欄の流れを外し、誠に恐縮ながら「独裁者」を失った国が民主化に向かい、拉致や核問題などが解決していける分岐点になれるよう切望しています。
かなり前に「拉致問題を考える」という記事を投稿していました。なぜ、そのようなテーマを取り上げたのか、疑問に思われる方々もいらっしゃるはずです。実は直前に連合地区協議会が特定失踪者問題調査会代表の荒木和博さんを講師にお招きし、そのタイトルの学習会を開いていたからでした。とは言え、そもそも連合が拉致問題の学習会を催すこと自体、驚きの対象となるのかも知れません。
学習会の中で荒木さんも訴えられていましたが、拉致問題は立場を超えて多くの方々に関心を示していただきたいという基本的な考え方がありました。そのような趣旨を踏まえ、地区協内の各構成組織の組合員にも広く参加を呼びかけ、200人以上が会場に足を運ばれたことを思い出しています。この頃、私自身は拉致問題に限らず、強制収容所や主体思想など北朝鮮に関する書籍を読み漁っていました。
知れば知るほど理不尽な国家体制に憤りを覚え、「避けて通れない拉致問題」という記事の中で「拉致や北朝鮮との問題は、平和や人権を重視する運動体ならば絶対避けて通れないものと思っています」と綴っていました。北朝鮮の国民が金正日総書記の死を悲しみ、号泣している映像が流されていますが、そのように演じないと罰せられるという話は極めて信憑性が高いものと思っています。
このような問題意識があったとしても、労働組合の本務は労働条件の維持向上に努めることですので、継続的に「何か」行なえてきた訳ではありません。幅広いテーマの中の一つとして、心の片隅に引っかかっていた課題だったと言えます。それでも強い関心を寄せていた国からの大きなニュースでしたので、月曜の夜、その時に思い浮かんでいた言葉をコメント欄に残させていただきました。もちろん、その思いは今も変わらず、懸案課題が好転するチャンスになって欲しいものと心から願っています。
公務員の働きぶりや成果主義について強い関心をお待ちの方々からすれば、今回の記事内容は唐突であり、違和感を抱かれているものと思います。ただ以前から常連の皆さんはご存知のとおり「ルワンダの悲しみ」や「アフガンの大地から」など公務員の課題に絡まない内容の記事も数多く投稿していました。そもそも「雑談放談」をサブタイトルに掲げているとおり当ブログは「書きたいことを書く」という自由さがあり、そのような気軽さも定期的な投稿が長続きしている理由の一つだろうと自己分析しています。
ぜひ、ご理解願いたいことは、前回記事までの議論の流れを断ち切りたいために話題を転換している訳ではありません。これからも成果主義の問題などを正面から取り上げた記事も投稿し、これまでの記事のコメント欄で直接的な問いかけがあれば、私なりの考え方を示させていただくつもりです。あくまでも今回、金正日総書記死亡に絡んだ内容に触れたかったという管理人の気まぐれに過ぎませんので、ご理解ご容赦ください。
もしかしたら「独裁者」というキーワードから、大阪市の橋下市長の話題に繋がることを予想された方がいらっしゃるかも知れません。少し前の記事(「大阪秋の陣」の結末は?)の中で綴ったとおり橋下市長の発想や手法の強引さは支持できませんが、「ハシズム」と非難されるような独裁ぶりや非常識さは強く指摘できないものと見ていました。したがって、そのような繋げ方は、あまり適切ではないため、あえて今回の記事では触れないことにしました。
ちなみに橋下市長に対して、いろいろ物申したいことはありますが、また別な機会に掘り下げられればと考えています。記事タイトルを「2011年末、今、思うこと」とした関係上、本当は八ッ場ダム建設継続の問題などには触れるつもりでした。しかしながら、このように書き進めていくと、どこまでも長い記事となりそうですので、結びの話題として東日本大震災に絡んだ一言を添え、まとめさせていただきます。
年賀状の文章を考える際、毎年、十二支にちなんだ諺を調べていました。来年は竜(辰)年ですが、十二支の中で唯一実在しない生き物でした。有名な諺には「登竜門」があり、中国の黄河上流にある流れの急な竜門を鯉が昇り切れれば、竜になれるという言い伝えでした。3月11日の東日本大震災以降、たいへんな難局が続いています。ぜひ、2012年は必ず「登竜門」を果たすことで、素晴らしい年になることを祈念しています、と自分の年賀状に記したところでした。
最後に、これから大晦日までコメント欄への投稿があった場合は逐次お答えしていくつもりですが、記事本文の更新は今夜が最後となります。この1年間、多くの皆さんに当ブログを訪れていただきました。本当にありがとうございました。どうぞ来年もよろしくお願いします。なお、次回の更新は例年通り元旦を予定しています。ぜひ、早々にご覧いただければ誠に幸いです。それでは少し早いようですが、良いお年をお迎えください。
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