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2011年10月30日 (日)

ギリシャの危機に思うこと

以前の記事を読み返す時も少なくありません。特に直近の記事は投稿した後、何回か読み直しています。すると言葉が不足している箇所や、このように書けば良かったと思える表現などが目に付きます。前回の記事「ブログでの発言の重さ」も、そのような点がありました。要するに個人の責任で運営しているブログだとは言え、労働組合の委員長という立場を常に意識している点を強調したかった記事内容でした。

そもそも相対的な人事評価によって「成績の悪い職員の2割はクビにしろ」と訴えられても、組合役員の立場として到底容認できるものではありません。100%仮定の話となりますが、万が一、個人的な考え方として、そのような発想を支持していたとしても、ネット上で軽々しく発言できるものでもありません。かなり自由に個人的な思いを発信しているブログですが、組合員との信頼関係を損ねるような先走りには注意している点を「発言の重さ」という表現に託していました。

前置きが長くなると、また論点が分かりづらくなるかも知れませんので、さっそく記事タイトルに掲げたギリシャの危機について触れていきます。ギリシャの債務残高は2010年末時点で3300億ユーロ(約35兆円)とGDP(国内総生産)の1.45倍に達していました。ちなみに日本の借金は2011年度末に1024兆円と見込まれ、危機感を高めなければなりませんが、以前の記事「なるほど、国の借金問題」のとおりギリシャの切迫感とは今のところ切り分けて考えられるようでした。

いずれギリシャは借金を返せなくなるという懸念が強まり、欧州全体の財政・金融危機が叫ばれるようになっていました。ギリシャが破綻すれば、ギリシャ国債を大量に保有する欧州の金融機関が破綻に追い込まれ、欧州各国の国債も一気に信用を失うという危機でした。さらにユーロ不安が世界経済の大混乱を招く恐れもあり、ユーロ圏全体の安定化のためにギリシャの救済に欧州各国が乗り出していました。

各国首脳が夜を徹して話し合った結果、ギリシャ国債を保有する欧州の民間金融機関が5割の債務を棒引きする救済策をまとめ、ギリシャの債務を大幅に削減する見通しを立てました。事実上のデフォルト(債務不履行)だとも言えますが、ギリシャのパパンドレウ首相は「これで来年は国民の肩に新たな借金がのしかからない」と安堵の表情を浮かべたようでした。 一方で、フランスのサルコジ大統領からは「ユーロ加盟を認めたのは誤りだった」という辛辣な言葉も投げかけられていました。

このような支援を受けることになったギリシャ政府は、増税や歳出削減とともに脱税取り締まりの強化などを進めていくこととなっています。緊縮財政策の中味は、公務員3万人の一時帰休、公務員給与の2割引き下げ、高額年金受給者への支給額カット、所得税の課税免除額引き下げなどでした。この関連法案に反対し、キリシャの労働組合は48時間のゼネストに突入し、警官隊と激しく攻め合った大規模なデモが繰り広げられました。

5人に1人が公務員で、50代から年金が支給される制度のあるギリシャに対し、欧州内をはじめ、世界各国から冷ややかな視線が注がれていました。「あまりギリシャ人は働かない」という見られ方があり、ギリシャを寓話『アリとキリギリス』のキリギリスにも例えられがちでした。しかしながら反緊縮のゼネストやデモに立ち上がっているギリシャの人々からは「もう限界だ。さらに財政緊縮が強化されると、生きていけない」という切実な声が訴えられていました。

デモに参加した国営大手電機メーカーの技師の月給は、財政危機が本格化した2009年以降、約1900ユーロだった額が1200ユーロまで引き下げられていました。家賃の安いアパートに引っ越したとは言え400ユーロかかり、食費も月500ユーロ以上かかるため、その技師は子どもに服も買い与えられないと訴えていました。また、高層ビルの危険な職場で働きながら、この月給であり、「ギリシャ人は怠け者という海外の批判は的外れだ」と憤られていました。

年金生活者の受給額は財政危機で月1500ユーロまで引き下げられ、さらに今回の緊縮策で減らされる見通しであり、「ギリシャの年金暮らしは、外国人が思うほど優雅ではない」と反論する声も上がっていました。反緊縮のデモには労働組合員に限らず、生活苦と将来への絶望感を抱いている数多くのギリシャ市民も結集されていたようでした。このような声を耳にしていくと、ギリシャのゼネストなどは追い込まれた労働者がやむにやむれず決起したものであることを感じ取れます。

さらにアテネ在住特派員の有馬めぐむさんの記事「財政危機はなぜ起こったのか?」によれば、閣僚の汚職や特権階級的政治が繰り広げられていたことに対する国民の怒りも理解できます。冒頭に記したとおり私自身が労働組合の役員であるため、ゼネストを打たざるを得なかった側の視点なども含めて概要を綴ってきました。ここまでで充分長い記事となってきましたが、記事タイトルのとおりギリシャの危機に接し、自分なりに思うことを少し付け加えさせていただきます。

これから書き進める内容は、前々回記事 のコメント欄で紹介した「特殊勤務手当の見直し」の中に記していた問題意識に繋がるものでした。まず普通に考えれば、少しでも給料や手当の額は「高いほうが良い」と大多数の方々が望まれているのではないでしょうか。中には報酬よりも「働きがい」や「誇り」を重視される方もいらっしゃるのかも知れませんが、積極的に「少なくて良い」と要求される方は少数だろうと思っています。

組合員の賃金や労働条件の改善をめざすのが、労働組合の本務です。その役割や立場を逸脱し、経営側の視点のみに傾いた賃下げや雇用軽視の姿勢はあり得ません。過酷な労働条件変更の提案を突き付けられた時、労働組合が無抵抗だった場合、組合員から失望されることは必至です。拳を振り上げるべき局面で、拳を振り上げなければ、労働組合の存在意義が厳しく問われることになります。

今回のギリシャのゼネストは当事者の方々にとって、そのような局面だったのだろうと見ています。一方で、労使間での自主的な交渉の幅が持ち得ない局面まで至らせたギリシャ当局の責任も重く、労働組合側も忸怩たる思いを抱いているのではないでしょうか。これまで日本の労使関係の中で、「組合が強くて、改める提案ができなかった」という当局側の言葉を耳にする時がありました。

20年前、10年前であれば、ある程度容認されていた話が時代情勢の変化の中で、批判の対象となる事例が少なくありませんでした。すでに他の団体が改めていた労使確認内容などを改めるタイミングを逸し、一気に表面化した際、強い批判にさらされた労働組合がいくつか頭に思い浮かんでいます。それぞれ「強い」と言われていた組合が多かったようでした。ギリシャの公務員組合も構成員が多いことからも、そのような「強さ」を備えていたのだろうと思います。

いずれしても労使自治が発揮できなくなる事態に追い込まれないよう改めるべき点は改めていくという姿勢は労使双方に求められ、情勢認識を磨く努力も欠かせないものと考えています。その意味で、私的なブログとは言え、たいへん幅広い視点や立場の方々から歯に衣着せぬ意見や批判が伺える場は貴重だと考えています。一つ一つの声に対し、すべて受け入れるような「答え」は前述したとおり難しい現状があります。

しかし、様々な批判の声があることを把握できることは、今後、どのように対応すべきか、組合で議論していく際の判断材料の一つになっていくことは間違いありません。また、「公務員は恵まれている」と思われている方からすれば、組合を抵抗勢力と見ているのでしょうが、組合員の皆さんからは「あまり物分かりの良い組合になって欲しくない」「組合費を払っている分だけ頑張って欲しい」という率直な声が上がりがちな現状も受けとめているところでした。

最後に、「襟を正してきた具体例」という以前の記事の中で、「組合員の目の前の利益を守ることが労働組合の重要な役割であることも間違いありません。しかし、とりまく全体的な情勢を見誤り、時代状況の変化に対応できなかった場合、より大きな組合員の利益を損ねる可能性もあり得ます」と記していました。今回の記事も長くなりましたが、言葉が不足している点なども多いはずです。これからも辛口なコメントが寄せられるのかも知れませんが、ぜひ、思い込みによる決め付けた批判だけは避けて欲しいものと願っています。

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コメント

私は今ある労働組合は大嫌いです。それでも労働組合が必要な意味は理解しています。と前置きをして話を始めます。
管理人さんは労働組合の本務を仰られておりますが、私の見た範囲で拳を振り上げなければならない局面で拳を振り上げている例を見たことはありません。まして、その局面は反核平和運動でもありません。今年に限って言えば政府の提案を拒絶して、これからも国家公務員給与を人勧に準拠させる言質を取るべき場面がそうでしたね。しかし、組合員や組合の属してさえいない職員の待遇すら売り払い、結果は賃下げのみが先行で協約締結権については棚上げが確定的です。この結果は、組合の自業自得な部分が大きいことで、それ見たことか的な出来事だと思います。
さて、職員の給与を下げてまで欲した協約締結権を何に使うつもりだったのでしょうね。少なくとも近い将来の範囲までを含めても、今の人勧制度以上の待遇は、国民が絶対に認めるはずはなく、それを理解してまで欲した協約締結権は、実は職員の待遇向上に使えない事は、組合の上層部は確実に織り込み済みだったはずです。
今ある労働組合の存在意義って何でしょう。いったい何が目的で今の組合幹部は居られるのでしょう。さてさて、はてはて、疑問は強まるばかりですね。これって労働組合じゃなく、労働組合を語る別の何かだと、私には強く思えます。
ギリシャの件は非常に簡単なことです。要は「入るを量りて出づるを制す」という基本が疎かにされた結果です。この結果責任に経営者も労働者も関係ありません。全体責任です。そして、これは近い将来の日本の姿でもあります。今は色々と難解な考え方や耳に良い言葉を並べてごまかしていますが、借金はどこまで行っても借金で返さなくてはなりません。これは人としての基本でもあります。
管理人さんは「改めるべき点は改めていくという姿勢は労使双方に求められる」と仰っています。正に今がその時だと思いますよ。
最後に、更新お疲れ様でした。

投稿: 名無し | 2011年10月30日 (日) 17時30分

名無しさん、さっそくコメントありがとうございました。

今回の記事も行間に思いを込め過ぎているため、読まれた皆さんの受けとめ方が枝分かれしていくのかも知れません。また、今回の記事を綴りながら、国家公務員給与削減の問題も頭に浮かんでいたことも確かです。非常に悩ましい苦汁の判断を強いられていた訳ですが、「労働組合じゃなく、労働組合を語る別の何か」という陰謀のような話はあり得ません。国家公務員の給与の問題を「政争の具にしたくなかった」という組合側の声も耳にしていますが、参考までに以前投稿した記事も紹介させていただきます。

2011年5月29日(日) 国家公務員給与削減へ
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2011/05/post-bed7.html

投稿: OTSU | 2011年10月30日 (日) 22時00分

別の何かだと思うもう一つの理由もあるのですよ。
それは労使交渉において半数にも満たない組合との交渉結果だけで、給与を削減しても良いとされたこと。そしてそれを自治労を初めとする連合が認めて、さらには履行を執拗に求めたことです。
労働基本権に制約があるなかで、この様なことをすることは、どんだけ自殺行為的な行いかと判ってやっているのだろうなと思います。
つまり、管理人さんのところを例にとれば、数名の職員を引き抜いて第二組合でも作り、そことの交渉結果のみで待遇を切り下げしても、自治労は文句を言いませんと宣言したに等しいということです。そのうえ抗議するにも元々手段は制限されてますし。
これらは私のような考えの者には、今後すごく攻めやすくなることでしたので歓迎すべきことでしたが、組合は構成員のこと考えてないでしょと感じた出来事でした。だから、私は何か別の目的を持つ組織と思えるのですよね。

投稿: 名無し | 2011年10月31日 (月) 06時48分

名無しさん、おはようございます。

連合系の組合だけでは国家公務員全体の過半数に及ばない点は憂慮すべき事態だと思っています。一方で、復興財源の問題と絡む中で、連合系の組合は「押す引く」がある交渉を通し、何らかの結論を出さなければならないという立場だったように見ています。

原則論で一歩も引かなかった非連合系との違いは、やはり政権との距離感の違いが大きいことも確かです。しかし、それよりも今回の記事本文の最後に記した「全体的な情勢を見誤り、時代状況の変化に対応できなかった場合、より大きな組合員の利益を損ねる可能性もあり得ます」という大局観のもとに苦渋の決断を下されたとも見ているところです。

投稿: OTSU | 2011年10月31日 (月) 08時09分

今週の記事とは関係ないですが、興味深い記事を読んだので。

小金井市のゴミ問題を新聞で読みました。経緯は省きますが
このことは日本全体の縮図に思えます。
嫌なことは遠ざければ良い、また政治家もそれを煽る。
議会も提案せず非難ばかりし、市民もそれに乗っかる。

市長の手腕に期待したいですねえ。今更謝罪や撤回など
せず、できないなら辞任すれば良い。それかゴミを
あふれさせて市民に考えさせるのも方法かも。

投稿: nagi | 2011年10月31日 (月) 10時06分

「全体的な情勢を見誤り、時代状況の変化に対応できなかった場合、より大きな組合員の利益を損ねる可能性もあり得ます」
しかし、今回のようなことが続くと「国の出先機関廃止」と言われたときにもはや何の抵抗もしないのではないかと想像してしまう
のですが・・・(連合が「国の責任」で行うことを主張していることは私自身は評価しています)
地方移譲についても全国知事会と全国市長会、全国町村会ではそれぞれ温度差がありましたが・・・
閣議決定や総務大臣の談話等も公務労協のHPから閲覧しましたが、「懲戒処分」も同然の決定では気持ちが萎えてしまう自分がいることも確かです。
そして、この提案を受け入れた組合(批判するつもりはありませんが)に自分がいたとして組合から間違いなく脱退していただろうとも思っています。今回の提案をうけいれても「国の出先機関は廃止」、破たんしたマニフェスト「国家公務員人件費2割削減」に固執し震災対応の人的支援もなし(非常勤職員増員等で対応するも業務が追い付かず)いろいろありますが、必死に努力して目標を達成しても報われない職場になっていることは給与削減以上に悲しいことであると思っています。

投稿: ためいきばかり | 2011年10月31日 (月) 19時41分

名無しさん、鋭い指摘ですね。

国会情勢を考えても、震災後の現状や、野田内閣のメンバー構成
を見ても、公務員労組側の作戦ミスだったと思わざるを得ません。

人勧捨てて、労働協約締結権をもらうのは確かに公務員労組の
悲願でしたが、今の労組の力量から見たら絵に描いた餅である
ことは明らかなので、現段階では人勧死守が最も優先されるべ
き課題だったと、私も思います。

震災復興もあり、難しい局面ではありますが、野田政権の本質
を見た思いもありますね。

通りすがりの放言失礼しました。

投稿: 通りすがりです | 2011年10月31日 (月) 20時14分

nagiさん、ためいきばかりさん、通りすがりですさん、コメントありがとうございました。

労働基本権の回復は公務員組合の悲願でしたが、決して誰も「バラ色」の幻想は抱いていないはずです。逆に「イバラの道」に踏み出す覚悟を持っているものと思っています。それでも今回の決着を連合系の組合が選択したという意味合いは、国民目線や財政の厳しさなどを熟考した判断だったのではないでしょうか。

ためいきばかりさんらの直接的な影響を考えると、このような言葉が失礼にあたるのかも知れませんが、ギリシャのように拳を振り上げる局面でなかったこともやむを得ないものと見ていました。

投稿: OTSU | 2011年10月31日 (月) 22時31分

「ギリシャのように拳を振り上げる局面でなかった」かもしれませんが、OTSUさんの意見を肯定した場合、3年後もまた「公務員は多いもっと減らせ」、「賃金は高い」と今回の苦渋の決断は「無かった」ことになる可能性も高いと感じています。その時は、政府、労組が責任をもって交渉すべきだと思います。
 正直、今回の給与削減が実施されると自分の基本給は「大学初任給」に若干プラス程度になってしまいます。これでは家族は養えませんが、労組側はきちんと説明できるのでしょうか?できなければ私は組合を辞めます。3年後に「イバラの道」であっても希望のもてる内容であることを労組側は示せるのでしょうか?実際には「国の出先機関は廃止」のため「お払い箱」の可能性があるため「ではどの時期に拳をあげればよいのか」(これは極力さけるべきだとは思いますが)、「結局、最後まで泣き寝入りするのか」などいろいろ考えています。
 「原則論で一歩も引かなかった非連合系」かもしれませんが、同時に破たんしたマニフェストに固執する政府側も「一歩も引かなかった」ことにより労使の信頼関係が損なわれたことも看過するわけにはいきません。

投稿: ためいきばかり | 2011年10月31日 (月) 23時39分

ためいきばかりさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

今回の記事の中では書き込めませんでしたが、後退を余儀なくされる労使決着に至る際、組合員の皆さんと情勢や問題意識を共有化し、合意形成をはからなければなりません。その意思疎通が不充分だった場合、組合執行部と組合員との信頼関係が揺らいでいくことになります。

ためいきばかりさんがどちらの組合に所属されているのか分かりませんが、今回の決着を国家公務員の皆さん全員が納得しているものとは到底考えていません。ただ繰り返しになりますが、民主党のマニフェストというよりも復興財源の問題と絡む中で何らかの結論を出さなければならない難しい局面だったものと見ています。

付け加えれば、労使交渉を尽くした中で、一律10%削減の提案を若年層は5%に改めさせるなどの「押す引く」もあったものと思っています。いずれにしても、このブログのコメント欄で、ためいきばかりさんのような当事者の声を直接伺える機会は非常に貴重なことだと受けとめています。ぜひ、これからも異論反論含め、率直なご意見をお寄せいただけるようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2011年11月 1日 (火) 08時08分

ご無沙汰しておりますが、「復興予算のため」という屁理屈に労組の立場で乗っかるのは、いろいろと問題があると思います。その理屈では、復興すべき地域の地方公務員ほど、給与削減により復興予算を確保すべき、ということにもなりかねないでしょう。

なぜ、まず、国家公務員の給与原資が復興予算に割り当てられるべきなのか、合理的な説明はできないと思いますが、如何でしょうか?

そもそも、復興目的の増税等の前に「政府が身を切る」から公務員給与削減というのは非常におかしな話でして、公務員給与は労働の対価であって、私的財産に属しており、本来、政府の裁量下にあるものではない訳です。

また、以前にも指摘したように、復興目的の増税の痛みは、公務員も等しく負担することになる訳であり、結局、復興目的の給与カットは「公務員」という属性ゆえの二重負担を強いるものであり、一種の差別的な取扱いであって、人勧無視とは別の意味でも憲法の理念から外れたものと思います。

さらに、正直なところ、連合が国家公務員の問題に口出しをしているのは、一体、何の資格があるのかも疑問です。OTSUさんには失礼ですが、連合系労組は、国家公務員の組織率が過半数に行かないどころか、中央省庁に至っては少数派でしかありません。どっちかと言うと、国の地方機関の方が主体だと思います。

投稿: Thor | 2011年11月 1日 (火) 21時18分

Thorさん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。

ご指摘について、大半がその通りだと思っています。私自身も含め、連合系の組合役員が皆、今回の決着を好ましいものとは考えていないはずです。それでも…、という苦汁の判断だったことは言うまでもありません。

今後、人件費削減の問題がここで本当に大きな区切りとできるのか、ズルズルと後退を余儀なくされるのか、それこそ国民の皆さんからのご理解をどのように広げていけるのかにかかっています。その意味で、平均8%程度の削減では生ぬるいと思われている皆さんに対し、訴えていける言葉を見つけていくことが重要です。

特に当ブログは公務員に対し、冷ややかな視線を浴びせている方々が多数閲覧されています。したがって、今回のThorさんのようなご意見をはじめ、多様な見方が提起し合えることは非常に貴重なことだと受けとめています。いろいろお忙しいと思われますが、ぜひ、これからも時々、コメントをお寄せいただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2011年11月 1日 (火) 22時36分

OTSUさん お忙しい中ありがとうございます。

率直にいって、自治労の単組役員の中で、OTSUさんほどの問題意識を
持っていらっしゃる方は少数派だと思います。

私も元専従経験者ですので、中央本部の定期大会や都道府県本部の定期
大会に参加して、その問題意識の高さには敬服するところですが、それ
以外の大多数の労組の方々は、そもそも今、そういう状況にあるという
認識すら持っていないはずです。

そういう大多数の客観的情勢を無視して、問題意識の高い人たちに囲ま
れていると、ほかの人たちも全部そうなんだ、と思ってしまうところに
罠が隠されている、とはお思いになりませんか?

敵は、そういう大多数の客観情勢をみた上で、動いている。そういう問
題意識こそ、高い意識の労組役員の方々に持っていただきたいし、そう
であれば、そこで決着する前の作戦立案のときに、落としどころを考え
ていただきたい、と切に考えています。

今、労働基本権、とりわけ労働協約締結権を取りにいくときなのか、そ
れとも、臥薪嘗胆で、人勧を守る方向にいくべきなのか、そこの判断を
大事にしてほしかった、と思うのです。

ちなみに、この状況でも取れるかなぁという権利は、消防職員の団結権
と、7年の専従制限の撤廃、そこらへんが落としどころじゃなかろうか、
とそこまで追いつめられている、と考えています。

ではでは。

投稿: 通りすがりです | 2011年11月 2日 (水) 23時34分

いつも楽しく読ませていただいています。
OTSUさんの穏やかな語り口にほっとさせられたり,飛び交うコメントに感心させられたりしています。
何より,立場が違うっておもしろいって思わせてくれます。
私の立場は女子組合員ですが,わたしにとって組合は賃金交渉や選挙がらみということだけでなく,もっと身近なものです。
遠距離通勤の亭主が大病したとき,近い勤務先に移れるよう働きかけてくれました。
同僚が妊娠して体調を崩したとき,きちんと休めるよう動いてくれました。
弱い立場の人に,上司がパワハラまがいのことをしていたとき,職場会で意思統一して
申し入れをしてくれました。
確かに組合費は高いし,組合活動は面倒くさいと思うことがあります。
でも私たちを守ってくれる大切なものだと思っています。

組合をこのように思っている人間も結構いるということを伝えたくて,コメントしました。
でも今までの論点から外れてしまい,申し訳ありません。

投稿: ako | 2011年11月 3日 (木) 02時18分

通りすがりですさん、akoさん、おはようございます。 コメントありがとうございました。

それぞれ違った側面での貴重な意見をお寄せいただきました。このような声を直接伺える場となっていることが当ブログを続けている醍醐味です。これからも気になった点などがありましら、ぜひ、お気軽にコメントくださるようお願いします。

投稿: OTSU | 2011年11月 3日 (木) 08時31分

こんばんは、ご無沙汰しています。
しばらく遠ざかっていたのでとーるだったかとーるさんだったか微妙ですが。。

今回の書き込みを見ていると、ほとんどが関係者らしき皆さんで、非常に興味深かったです。
特に出先機関にいる方は職を失う瀬戸際で大変そうだな、と。
<道州制やるから地方出先機関をそっちに移管>じゃないんですね。

ところで誰も指摘しないのですが、
1.国営大手電機メーカーの技師の月給は、約1900ユーロが1200ユーロまで引き下げ。
2.年金生活者の受給額は月1500ユーロまで引き下げ、さらに減らされる見通し。
というところは皆さんスルーですか。

現行レートで1ユーロ=約107円と考えると、確かに低い額だけど、不労所得者層が所得水準が
高ければ、その理不尽さに労働意欲落ちてもしょうがないと思うんですけどね。
日本でも、高齢者の一人勝ちというか、世代間格差の問題は似たような雰囲気がありますけど。

まあ、円高で苦しい日本から見たら、ドイツなんて、ユーロ安の恩恵を一番受けてるだろうから、
補填してもいいじゃん・・とは思いますね。

なんかうまく纏まりませんが、とりとめも無い感想ということで。

投稿: とーる | 2011年11月 3日 (木) 22時27分

とーるさん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。

今回の記事を綴りながらご指摘のような問題意識は特に抱きませんでした。やはり幅広い視点から様々なコメントをいただけることは、このブログのコメント欄の面白さだと思っています。ぜひ、これからもお時間が許される際、とーるさんの視点からのご投稿よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2011年11月 4日 (金) 07時50分

下の2つのリンクについて、これが管理人さんのような方が労働組合と称する組織の成果です。結局、職員Ⅰの待遇(それも国家公務員の枠を出て地方公務員も巻き込んで)を売り払って得る物はゼロですよ。
私のような者から見ても、成果主義の導入に触れられず、職員Ⅱ共々一律に下げられるのでは職員Ⅰがあまりにも可哀そうです。
さて、管理人さんを初め労働組合の真似をした何か別の組織(私にはそういう組織としか思えません)の幹部さん方や、自治労のお偉いさんは、どう責任を取られるつもりですか?
ここまで読み間違ったら経営者であれば、間違いなく更迭ですけれど、私は自治労などの組織で責任を取った例を見たことがありません。(起訴された事例を除きます)
さて、管理人さんはどうされるのでしょう。なぜなら、ブログに寄せられるコメントから世論を読み解いていれば、こうなるのは初めから明らかだったでしょう。
一つ目引用 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011111300062
二つ目引用 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111113/plc11111314000019-n1.htm

投稿: 名無し | 2011年11月13日 (日) 22時51分

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