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2011年9月18日 (日)

タイタニックにならないように…

私どもの組合の定期大会を11月9日に控え、役員人事を固める季節が巡ってきました。組合役員の任期は1年間のため、毎年、執行部の定数を揃える苦労や悩ましい現状に直面しています。このブログを通し、これまで「喜怒哀楽、組合役員の改選期」「組合委員長のためいき」という記事を投稿していました。

改めて読み返してみましたが、当時の状況や自分自身の問題意識はまったく同じであり、つまり組合役員の担い手不足という深刻な悩みは慢性化しています。一方で、留任をお願いした現職の方の多くからは早々に続投の返事を得られ、勇気付けられている側面があることも確かです。それでも中には家庭の事情などから退任を考えている方もいらっしゃり、一人でも多くの新しい担い手を見つけない限り、執行部定数の欠員解消までには到底至りません。

今回の記事は、このような内輪の話にとどまり、私自身の「ためいき」に過ぎない内容が中心となるはずです。興味のない方は読み飛ばされるのだろうと思っていますが、組合役員を経験されている皆さんにとっては共通の悩みを垣間見ていただける機会となり得るのかも知れません。ちなみに過去の記事には「組合役員になったイキサツ」や「組合役員を続けている理由」というものがあり、そのタイトル通り私自身のプロフィールを補うような内容を綴っていました。

冒頭に紹介した以前の記事も含め、お時間が許せる際、それぞれクリックしていただければ幸いですが、大半の方はリンク先の記事まで閲覧されないものと受けとめています。したがって、それらの記事の中で、どのような内容を書き残していたのか、簡単に紹介させていただきます。市役所に就職した当時は、なるべく組合とは距離を置こうと考えていました。あまり組合に対して好ましい印象を持っていなかったからでした。特に具体的な理由があった訳ではなく、単なる認識不足による先入観からの印象に過ぎませんでした。

それにもかかわらず、職場の先輩から強引に口説かれ、青年部の役員を引き受けることになりました。結局、1年後の改選期にも辞め損ね、ズルズルと続けているうちに組合の役割についての認識が徐々に改まっていきました。その中で最も重要で、貴重な役割だと感じたのは組合の交渉能力でした。経営側の発想や判断だけで労働条件の問題が決められた場合、働く者にしわ寄せが行ったり、結果的に住民サービスの低下を招く恐れもあります。

一職員の声は小さく、通常では市長や副市長らに届くことはなく、上司である課長にさえ遠慮がちとなるはずです。しかし、その声も組合という組織を通すことによって、労使対等な立場で話し合える対象となり得ます。組合役員を担ったことで、このような組合の存在価値を体感することができ、これまで「組合があって本当に良かった」という言葉を数多く聞ける経験を重ねていきました。そのため、「組合は大事、なくしてはいけない」という自分自身の思いが固まり、現在に至っています。

このような思いを抱いているのは決して私だけではありません。一緒に組合役員を担っている方はもちろん、多くの組合員の皆さんの中にも大なり小なりお持ちであるはずです。その一方で、執行委員の立候補は、あくまでも本人の自由意思であり、簡単に定数が埋まらないのも当然なことかも知れません。確実にプライベートな時間が割かれ、いろいろな意味で組合をとりまく情勢が厳しい中、率先して手をあげる方の減少は避けらない現状だろうと思っています。

また、賃金闘争など組合員共通の課題で成果を得られなくなった現在、組合の存在感が薄いと言われがちです。しかしながら厳しい財政状況の中、行革プランも多岐にわたり、決して組合役員の任務が楽になっている訳ではありません。以前と異なる苦労が増えているにもかかわらず、苦汁の決断を下す場面も多く、不本意ながら「組合も弱くなった」と言われることが少なくありません。

そして、組合役員を担ったから人事上の評価が上がる訳でもありません。私のように長く務めていれば、確実に役所の階段は同世代の方より遅れることになります。自分自身の選択や決断であり、そのことを悔やむつもりはありません。しかし、若い職員が組合役員を担う際、「人生の選択」となるような過剰な重さは避けたいものと考えています。とは言え、新たな担い手が容易に見つけられないため、現職役員の慰留が中心となり、結果的に「簡単に1年で辞められない」という見られ方があることも否めません。

そのような見られ方は、ますます新たな担い手の獲得に苦労するスパイラルに入っていました。いずれにしても組合執行部を担う役員がいなければ、事実上、組合はつぶれることになります。私自身も1年、1年、迷いながら続投を決めています。ここまで長く続けていると周囲から「好きでやっているのだろう」という見方もされがちです。正直なところ嫌々続けている訳ではありませんが、責任持って大事なバトンを継承できるタイミングを常に探っているつもりです。

実は前々回記事「どじょうの政治に期待」のコメント欄で、筋を通してるのは日本共産党と全労連だけさんから「目を覚ましてください。あなたたちはこういう人に利用されてるだけです」という意見が寄せられていました。あまり身構えた使命感や献身的な姿勢を強調するつもりも毛頭ありませんが、たいへん不本意なコメントでした。そのハンドルネームの付け方から批判されている理由を想像してみました。まず私自身が民主党への支持を最優先に考え、民主党の勢力拡大のために組合員を利用しているという決め付け方が思い浮かびました。

他にも私自身が何かステップアップの目的を持ち、組合員を利用しているという思い込みからの批判だったのかも知れません。ちなみに私からは「民主党との距離感や市長選における振舞い方から、そのような批判に繋げているものと想像しています。いずれも組合員にとってプラスとなる選択肢を最優先にして判断しています。さらに独善的に決めている方針ではなく、執行委員会、職場委員会、定期大会などを通し、組織的に確立している範囲内で判断し、行動しているところです」と答えていました。

あまりにも筋を通してるのは日本共産党と全労連だけさんのような見方と自分自身の意識とのギャップが顕著だったため、改めて今回の記事本文でも取り上げさせていただきました。なお、「公務員に組合はいらない」とお考えの方からすれば、「組合員にとってプラス」という言葉には嫌悪感を持たれるのかも知れません。さらに私自身の悩みなどに興味はなく、「なり手がいないのなら、つぶしてしまえば良いのではないか」という一言で切り捨てられるのだろうと見ています。

それでも私にとって「組合は大事、なくしてはいけない」という思いは前述したとおりであり、役員改選期、一喜一憂しながら裾野を広げる努力を重ねていくつもりです。ところで、土日にかけて定期大会に向けた議案討議があり、私どもの組合の特別執行委員3名の方にも夕食の席に顔を出していただきました。それぞれ自治労都本部委員長、中央労働金庫副理事長、東京自治研究センター副理事長という重責を担われ、2名の方は自治労都本部の書記長も経験されていました。

よく他の組合の方から「そうそうたる先輩が揃っていて、すごい組合ですね」という言葉を投げかけられていました。確かに65年以上の歴史もあり、「すごい組合」なのだろうと思います。ただ現状は組合役員の担い手不足に悩み、そのような評価との落差が大きい内実でした。このような問題意識があったため、乾杯の際、私から「タイタニックにならないように頑張っていきます」という一言を添えていました。

立派な豪華客船だったとしても、沈没させてしまっては元も子もありません。悲観ばかりしている訳ではありませんが、ここで踏ん張らなければ、それこそタイタニックと同じ運命をたどってしまうという危機意識を強め、一人でも多くの新たな人材を発掘できるように努めていく決意を託した言葉でした。このブログをご覧になっている私どもの組合員の皆さんの中で、組合役員に対して少しでも関心がある方は気軽にお声かけください。いろいろお話させていただきますので、ぜひ、よろしくお願いします。

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コメント

 先日の「どじょうの政治に期待」では、私が、コメントで、事例をいくつかあげたりして記入したり、引用部分に文言を付け足すなどすれば良かったのではないかと反省しています。(不快に感じての引用ではありませんので)
 役員選出では、どこの労組も苦労していると思われます。私たちの単組でも「組合も弱くなった」という言葉がたびたびでできます。
役員選出で組合の機関誌にこのような記事が掲載されていましたので、若干紹介させていただきます。
 「役員問題は組合員全体で考えましょう。(略)「関係ない」とか「興味がない」ではなく。(略)でも、いつも役員問題が難航して
いる以上、みんなで考え解決せねばならないと確信しています。」その他、今回の記事と共通するものが多く、役員経験者であれば、同じ思いを持たれている方が多いのではないかと考えています。
 
 

投稿: ためいきばかり | 2011年9月18日 (日) 22時41分

ためいきばかりさん、さっそくコメントありがとうございます。以前のコメントを特にそのように受けとめていませんでしたので、ご心配なさらないでください。

「役員問題は組合員全体で考えましょう」というご指摘は本当にその通りだと思います。この考え方の延長線で、選出方法を各職場からの輪番制のような仕組みに改める必要性も感じ始めています。そのような変更に際しては、それこそ「組合員全体」で検討していく課題だろうと考えています。

投稿: OTSU | 2011年9月18日 (日) 22時59分

お疲れさまです。投稿は久しぶりですが、いつも読ませていただいてます。

私の単組も役員選挙は9月末、定期大会は11月です。
私は合併前の旧町役場出身で、その町役場出身者の中からの選抜で執行委員になりました。合併前も組合活動には積極的に参加してきたので、そんなに嫌ではありませんでしたが、大好きというわけでもなく(苦笑)ただ、青年部等の下部組織の役員を経験することなく、いきなり親組合の役員でしたから、最初は戸惑いました。

私自身は今年で執行委員を退任させていただくことになりました。
後任選びは苦戦しました。率先して手を挙げる者はおらず、3役と退任役員とで、やってくれそうな組合員の説得に歩き回りました。プライベートな時間が割かれてしまうのは、どうしようもありません。しかし、県内の他単組の方とも知り合えますし、人の繋がりは確実に広がりましたので、デメリットばかりではなく、メリットもあることをネタに口説いてました。

私の役員期間は5年間と他の方に比べると短い期間でした。
この間、主には組織教育宣伝部長として組合機関紙(ウチは日刊です)を担当してきました。
執行委員が交代で毎朝、本庁舎は全職場を1枚1枚手配りで配布しています。私が執行委員になった頃は配布してもすぐゴミ箱へ入れられる組合員さんも少なくありませんでした。どのようにしたら機関紙を読んでもらえるか、組合に興味を持ってもらえるか、試行錯誤の毎日でした。
というわけで??いまは定期大会での退任挨拶を考えているところです(笑)
退任後も組合員は当然続けますし、こちらのブログも読ませていただきたいと思っています。

投稿: Hama | 2011年9月18日 (日) 23時24分

Hamaさん、コメントありがとうございました。

毎日、機関紙を発行される苦労は並大抵なものではなく、たいへんなことだったろうと思います。その組合役員を退任されるということで、本当にお疲れ様でした。このブログを通したお付き合いは、ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2011年9月18日 (日) 23時36分

初めて投稿させていただきます。

東北の私立大学で教職員組合の委員長をしています。
うなずきながら読ませていただいています。僕の職場・組合とは事情はさまざまに異なりますし、こちらは怠惰な活動しかできていないのですが、組合が必要であるという確信と、役員のなり手を捜すことの難しさ、これは同じかなと。

一つお願いがあります。組合機関紙で、こちらのブログを紹介させていただいてもいいでしょうか。アクセスが突然増えるなどということは(残念ながら?)ないと思いますが・・・。

投稿: えふかた | 2011年9月23日 (金) 15時28分

えふかたさん、はじめまして。コメントありがとうございました。

このブログは多くの方に目を通していただけることを願いながら続けています。したがって、そのようにご紹介いただけることは大歓迎ですので、よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2011年9月23日 (金) 18時56分

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