再び、職務に対する心構え
ココログの機能として、カテゴリー別に記事を分類し、サイドバーに掲げることができます。この機能に気付いたのは開設してから、かなり後になってからでした。その機能を活かすためには新規記事を投稿する時点で、カテゴリーを分類していく必要がありました。機能を充分把握しないまま記事を重ねていたため、すべて「日記・コラム・つぶやき」として投稿していました。途中で気付いた訳ですが、遡って以前の記事のカテゴリーを修正するのも手間であり、結局、ずっと「日記・コラム・つぶやき」で通してきています。
そのため、以前に書いたテーマ別の内容を探しやすくするためにも、インデックス代わりに時々、最新記事の中で関連する記事を並べてみることがありました。現在、配属されている職場は納税課で、徴税吏員として滞納整理を担当しています。これまで当ブログの中で、自分の仕事に引き付けた話題を何回か書き込んできました。今回、そのようなカテゴリーをインデックス代わりに並べてみましたので、お時間が許す際、ご覧いただければ幸いですのでよろしくお願いします。
- 2007年5月12日 ふるさと納税と三位一体改革
- 2008年1月13日 収納現場から見た税源移譲
- 2008年1月20日 もう少し税金の話
- 2008年1月26日 千円札の重み
- 2009年7月26日 徴税吏員としての職務
- 2011年4月11日 職務に対する心構え
さて、前回の記事「ブックマークしているブログ」の最後に予告的な意味合いで、あるブログを紹介しました。大田区の犬伏秀一区議の「激辛活動日誌」ですが、自分自身の仕事柄、先日、たいへん興味深い記事「大田区役所納税課は街金より怖い??!!!」に目がとまっていました。今回、その記事の内容を題材としながら、久しぶりに徴税吏員としての職務について取り上げてみます。記事タイトルは安直ですが、「再び、職務に対する心構え」として書き進めてみます。
まずリンク先の犬伏区議のブログ記事を必ずしも皆さんがチェックされるとは限りませんので、論点を明確にするためには記事内容の大半をそのまま掲げさせていただきます。なお、コメントやトラックバックも送れないため、犬伏区議に直接お知らせすることができませんが、たいへん恐縮ながら改行の仕方についてはオリジナルから少し変わっている点をご容赦いただければと思っています。
納税課長と担当係長を前に、本日はヤクザを演じてしまった。それは、ある区内中小企業A社の社長のボヤキから始まった。このA社は、いまでこそ復活したが、リーマンショックのあおりで、業績が悪化。従業員さんの源泉徴収した区民税を延滞していた。大田区納税課地区担当舎(原文のまま)との話し合いで、毎月10万円を分納していた。ところが、本年6月29日突如、A社所有の土地建物に大田区が差し押さえをしたのだ。突然!
当然、差し押さえ通知は担保設定している金融機関にも届けられる。受けた金融機関においては、A社の信用は下落するのは誰もが理解できるだろう。無論、源泉徴収した住民税は「預かり金」だから、流用してはいけないのはわかっている。しかしだ、中小企業の経営とは、そんな奇麗事ではすまないのも現実である。まして、分納中に差し押さえとはヤクザなみである。
私;ふざけんな!何考えているんだ。突然、差し押さえとは。
担当:いえ、ご説明したました。7月6日に。
私:何言ってんだ。6月29日に差し押さえをして、7月8日ご説明だと。そんなのは説明とは言わない。担当がかわったら、前の約束は反故にして差し押さえするのか。
担当:地区担当から特別徴収係(原文のまま)に担当が替わったご説明は4月22日に電話でしました。特別整理係に替わったことにより差し押さえをした。
私:あんたらは、中小企業を潰すのが仕事か?滞納を徴収するのが仕事か?あなたたちは、毎月15日にお給料をもらい、60歳になれば退職金を山ほどもらい、関係先へ天下って65歳までノンビリ。その給料を払うために納税している中小企業は必死なんだ。わからないだろうよ。この差し押さえで、金融機関は新規の手形割引は貸し出しは渋るだろう。つまり、倒産の危機もあるんだ。あなたが、この会社の死刑台のボタンを押したんだ。もっと、楽しい仕事にしようよ。
担当:差し押さえをしても、倒産などの危機は来ないと判断した。
私:なんだと!じゃあ、A社の財務諸表は見たのか。キャッシュフロー計画は見たのか?直近の試算表は?まして、それが読めるのか?
担当:いずれも見ていない。
私:じゃあ、どうやって判断したんだ!
担当:‥‥
私:課長さん、あなた納税課の方針に「特別整理係に担当替えを行うのは、滞納者と個別交渉を丁寧に行い」と書いてきたネ。どこが丁寧な対応なのさ。あまりに乱暴じゃないか。差し押さえをする前に、何回、A社と接触したのか。
担当:6月16日にご来庁いただいた。
私:あんたたちの仕事は、何ひとつ法令違反はないよ。公務員として立派だよ。でもさ、人として「感謝される仕事」をしようじゃないか。滞納額を減らすミッションは、最後は人と人の信頼関係だ。野州市(原文のまま)のような「丁寧な対応」は無理だとしても、電話1本、10円をケチるなよ。差し押さえは、公用だから登記費用もかからない。でも、財産のないヤツはどうだ。毎年、滞納者の大多数が「消滅時効」で、逃げ得になっているじゃないか。そいつらは確信犯だ。くやしかったら、確信犯も徴収しろよ。今回のA社は、必死に分納している善意の滞納者だろう。
この後、大田区の納税課長は「丁寧な対応を心がける」と答えていましたが、「ウソつけ!喝!」で犬伏区議のブログ記事は締められていました。犬伏区議は以前、旅行会社を経営していましたが、9・11テロの影響から業績が悪化し、倒産した経験をお持ちでした。そのため、A社の社長のボヤキを聞き流せず、感情移入した憤りを納税課長らに直接ぶつけたものと思われます。
最近、どこの自治体でも議員の口利きに制約を定める動きが強まっています。納税交渉や滞納処分のケースは、きわめて利害関係が左右されるため、議員の皆さんが特に自制心を働かせている領域だと受けとめています。そのような中、犬伏区議のようなストレートな行動は珍しくなっているはずです。言うまでもなく、犬伏区議に今回の処分を覆す意図はなく、あくまでも一般論としての業務の進め方に対して批判を加えているのだろうと想像しています。
議員の責務や立場から行政に対し、様々な注文を加え、制度や運用面を改めさせようとする動きは肯定すべきものです。ただTPOに注意しないと結果として、自分の支持者のための口利きに繋がる場合があります。いずれにしても今回の抗議によって、A社のバックに犬伏区議が控えていることを大田区側は否が応でも認識し続けるはずです。そのことで今後の公正さに影響を与えるとは思いたくありませんが、微妙な裁量の幅がある事例だった場合、あえて波風を立たせない判断を下してしまう可能性も否定できません。
本論から離れた内容が少し長くなりました。実は犬伏区議が指摘しているとおり大田区納税課に「何ひとつ法令違反」はありません。さらに大田区側の言い分を強調すれば、決して「突然」の不動産差押ではなかったはずです。そもそも国税徴収法第47条は、滞納者に対して「差押ができる」という規定ではなく、財産が見つかっていた場合、「差し押さえなければならない」と定めています。とは言え、杓子定規に運用している訳ではなく、納付の見通しが確認できている場合などは留保していました。
記事の中でA社の滞納総額が示されていませんでしたが、特別整理係に移した事案ですので間違いなく50万円以上だと見込まれます。さらに徴収猶予の規定などで1年以内という期限が大きな目安とされ、仮に10万円の分納で1年以内に完納できる額だった場合、土地建物の差押は見送られていたのではないでしょうか。つまり1年を超える分納の場合、担保的な意味合いで不動産を差し押さえるのが通常のパターンでした。したがって、ただちに公売を目的とした差押ではなく、あくまでも長期の分納を認めるための措置だったものと見ています。
地区担当者とA社との話し合いの中で示されていた正確なニュアンスも分かりませんが、1年以内の完納に至らない場合、ずっと10万円で良いという伝え方はしていないはずです。「当面、その額でやむを得ませんが、分納額の増額をご検討ください」「本来、不動産差押も執行しなければならないのです」というような説明を行なっていたのではないでしょうか。万が一、滞納額が100万円ほどで、約束が毎月履行されていたケースだった場合、見当外れな話となってしまいますが、まず以上のような前提は間違いないものと思っています。
続いて、交渉を重ねてきた地区担当者の心情に思いを巡らしてみます。地区担当者は上記の原則を承知していながらも、10万円ずつ納付が続いている場合、どうしても強行姿勢に切り替えづらい心情となりがちです。ある意味で、自分自身の姿に重なり合うため、良く理解できる心情でした。今回の大田区の事例は、地区担当から特別整理係に引き継いだタイミングがギアチェンジに繋がっていました。したがって、大田区納税課の立場としては、本来、行なうべきことを粛々と行なった点を強調したかったはずです。
加えて、突然かどうかで考えれば、文書や直前の来庁相談の中で必ず差押については触れられていたのではないでしょうか。ここまで書いてきましたが、犬伏区議の批判が少し一方的すぎるように感じていたため、同じ職務を担っている立場上、大田区納税課側の言い分を代弁する展開となっていました。ただ「中小企業を潰すのが仕事か?」という犬伏区議の問いかけに対しては、自治体職員の立場から「否」と即答しなければなりません。
一方で、徴税吏員の立場からは原則にそって職務を遂行しなければならず、その前提は公平性を貫くことだと考えています。土地建物を差し押さえた結果、その会社の倒産する可能性がゼロと言い切ることはできません。しかしながら滞納整理の研修では「自らの滞納処分によって会社が倒産してしまうのではないかと心配する必要はありません。差押を受けて倒産するような会社は、遅かれ早かれ潰れてしまうものです。顧客として評価できる会社であれば、銀行が簡単に潰しません」という話が出るようなシビアなものでした。
たいへん長い記事となってきましたが、最後に犬伏区議が例示した野洲市のような「丁寧な対応」の話について触れてみます。人口4万人の野洲市では「多重債務相談受付の流れ」とういうマニュアルを整え、税金、国民健康保険、給食費の滞納などの情報を市民相談室が一元管理し、その他にも借金があるかどうか本人に確認していました。その上で、関係各部局が一堂に会し、滞納解消と借金返済について協議し、弁護士、司法書士に取り次ぐ対応をはかっていました。
その結果、平成21年度から22年度までの2年間で、取り戻した過払い利息は1億1900万円、払わなくて済んだ借金は1億5000万円、税金滞納への充当が1100万円という実績を上げていました。ちなみに野洲市の足元にも及びませんが、私どもの市でもそれに近い対応をはかるように努めています。納税相談を行なう中で、法律相談や生活保護申請への案内などを職員一人ひとりが適宜判断していました。ただ組織的・体系的な整備は、まったく行なっていないため、今後、野洲市の事例を参考にしながら検討していければと考えています。
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コメント
徴収猶予の担保確保なら、分納に応じている法人のようですし、交渉・同意の上で抵当権の設定でも良かったのでは、とは感じます。(抵当権設定なら金融機関へは通知もいかないですし)
いずれにしろ詳細がわからないので確実なことは言いにくいのですが、ブログのとおりならあまりに杓子定規なやり方とは感じます。
とは言え、現場の職員にしてみれば、一人が大量の案件(一般的には職員一人で1000件以上が多いですね)を抱え、細かい対応も困難という現実もあるし、異動期間も短いことから、職員のスキルも下がっている現実もあり・・・・
全国の自治体の徴収現場の抱える問題であり、私の抱える問題でもあります。
野洲市の例は参考になるので勉強してみます。
投稿: 元役員 | 2011年8月 7日 (日) 09時42分
元役員さん、コメントありがとうございます。
確かに詳細が分からない中で、私の文章も推測で論理を展開している側面があり、そのような見方も否めないことを少し反省しています。また、ご指摘のとおり各自治体それぞれ担当件数が多くなっている中、きめ細かい対応が難しくなっている事情もありますが、相手側にとっては死活問題となる可能性もあり、言うまでもなく「丁寧な対応」に努めていかなければなりません。
いずれにしても自分の仕事にかかわる話題だったため、書き始めると予想以上に長い記事となってしまいました。それにもかかわらず、改めて読み返した時、言葉不足や訴えたかった内容を充分伝えられていなかったように感じています。大田区側に肩入れした印象が先立った内容となっていますが、犬伏区議の問題提起を頭から否定するために綴った訳でもありません。
機会があれば、また徴税吏員の職務について取り上げてみるつもりです。そのことを通し、自分自身の日常的な仕事、足元を見つめ直す機会に繋がっていくものと考えています。ぜひ、これからも貴重なご指摘やご意見をよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2011年8月 7日 (日) 10時28分
私の話は無視して貰っても結構だし、反論があれば受け付けるし、若し皆さんの参考になればそれだけで充分だ。
竹原氏のやった事は『ノイジーマイノリティが決める仕組みをサイレントマジョリティに開放した』・・と(某ブログで)書いた。
ブログの持ち主に改革の志がある事を(私が)確認した以上、もう(そのブログに)書き込む事はないだろう。
正確に言い直しと『ノイジーマジョリティで全てを決めよう』と訴えたのだ。これを理解しないと何一つ彼を理解出来ないだろう。
名指しは避けるが、一部彼と袂を別った人達は「この志」を理解していなかった。
彼らの言い分は『仲間の言う事を聞く事が人間として最低の礼儀だ』・・である。
もうお分かりのように、袂を別った人達は「自分達がノイジーマイノリティ」になりたかったのです。彼ら達は善良で「善良なノイジーマイノリティ」になろうとしたのだけれど、残念ながらこれでは本質的な解決にはならないのです。だから竹原氏は(彼らを)切り捨てた・・と思われる。
さて、ここまでが前振り。
国税徴収法第47条に『滞納者に対しては差し押さえなければならない』と規定しているにも関わらず、「差し押さえの是非」を議論する事自体が余りにも「傲慢」である。
若し差し押さえに問題があるのならば「国税徴収法の是非」を「ノイジーマジョリティ」で議論すべきである。
(ここに書き込む)皆さんはきっと「善良で良心的なノイジーマイノリティ」だろう。しかし残念ながらそれでは日本の問題を解決出来ないのです。
竹原氏が改革したかったのは、正に「この部分」であり、その流れは決して止まらないだろう。
投稿: あまのじゃく | 2011年8月 8日 (月) 11時15分
あまのじゃくさん、コメントありがとうございました。
先日申し上げたとおり総論的なお話に対しては、あえて私からコメントしない間合いについてご理解ください。その上で、1点だけ釈明させていただきます。
国税徴収法第47条に「差し押さえなければならない」と規定されながら、差押の是非を議論すること自体「傲慢」という指摘を受けました。確かに「ならない」とされていますので、厳格に文理解釈すれば、差押ができるのに見送っていた場合、行政の不作為を問われる可能性を否定しません。
この条文に限れば、行政側に裁量権があるという釈明を行なうつもりもありません。一方で、国税徴収法には換価の猶予など徴収における緩和制度も設けられています。さらに法律を目的論的解釈でとらえた際、一定期間後に滞納金を徴収できるのであれば、機械的に差押を執行していくことの不合理さや非効率さが考えられます。
分かりやすい例を上げれば、制限速度1キロオーバーの運転手を全員摘発することが望ましいことなのかどうか、現状はそのような交通違反の取締りは行なわれていません。公平性が損なわれるのは、5キロオーバーが見逃され、1キロオーバーで違反とされるケースが生じてしまう時です。
1点だけの釈明が随分長くなってしまいました。結論として、様々な業務に対する運用の幅が、より統一的に執行されることが公平性に繋がるものと思っています。そのような意味合いからも、私自身、今回のような事例を議論することが「傲慢」だとは考えていないことを釈明させていただきました。
投稿: OTSU | 2011年8月 8日 (月) 22時18分
>あまのじゃく 様
あまりにも本質を突いたご指摘です。
法律は(国)国会が決め、執行は地方自治体。
この板挟みで悩み、あるいは体調を崩し・・・地方自治体職員の苦しむところです。
地方自治体の末端の一職員が声を上げても、中央が動くかといえば、・・・まあ無理ですわな。
しかし、「お目こぼし」で恩恵を受けている人が大勢いる、世の中が上手く回っていることもあるという評価もできると思います。
何でも細々と法律で決めることにも限界がありますので、なかなか難しい。
竹原氏は・・・ご都合主義な人としか見えないので、評価しません、私は。
投稿: 地方の公務員 | 2011年8月 8日 (月) 22時54分
最初のコメントがOTSU氏への問いかけのみになってしまったので誤解を与えたようです。
国税徴収法は「差押しなければならない」としていますが、例外として猶予規定を設けています。
それが徴収猶予や換価猶予です。
徴収猶予をした場合はその期間は差押をすることはできません。
ただし一定額以上は原則として担保を徴することが必要となります。
大田区の例は、差押をしたのですから猶予にはあたらないのでしょうが、もし差押を受けた法人がこれに該当するなら、行政庁にも不作為の一面があるのかなと思います。
ただし、これを厳密に適用している自治体や徴税吏員は少数派でしょう。
その意味で、あまのじゃく氏の指摘はもっともなことです。
ところで、氏の1000兆円問題ですか、歳出の削減も必要でしょうが、歳入の増も貢献できるものと考えます。
地方税だけでも、不能欠損額は地方自治体全体で年2261億円(平成16年のデータです、いまはもっと増えているはずです)
国のデータは手元にありませんが、相当額になると思います。
これらを減させることで、実質的な歳入増になります。
そういう意味では、厳しい徴収も国民全体のタメになるとも考えられます。
投稿: 元役員 | 2011年8月 9日 (火) 06時59分
滞納者は問答無用で布団の上では死なせないというくらいに追い込んで欲しいものです。
しかし、それでも「さらに法律を目的論的解釈でとらえた」と言われるのであれば、管理人さんには地方公務員法等をしっかり目的論的解釈でとらえて、組合としての政治的活動や、一視点から決めつけたような反戦平和運動を即座にやめるべきでしょうね。
なぜなら、法の運用にあたっては判断過程の「見える化」が必要で、証拠を残しておかなければなりませんが、一々すべての判断の証拠を残していないでしょう。だから目的論的解釈を個々で行うのは無理なんです。
あなたの言うことは矛盾が多く、自分の都合だけでの法解釈はやめるべきです。今回に限って言えば、「ご都合主義」の法解釈をしてるのはどちらなのか。言うまでもありませんね。
投稿: 名無し | 2011年8月 9日 (火) 08時17分
以前どなたかに「あまのじゃくの見方は恣意的だ」と指摘された事があります。答えは「yes」。人間は恣意性から逃れられない。
恣意性を回避する1つの方法が異論を戦わせる事だ。「君のこの考えはおかしい」。
私の恣意的な見方によれば、今の日本の惨状は「恣意的なノイジーマイノリティ」に対して「マジョリティがサイレント」であったからだろうと思う。
従って「恣意的で極悪非道なノイジーマイノリティ」を「恣意的で善良なノイジーマイノリティ」に変えても日本の問題は解決しないだろう。
それどころか「善意の恣意的なノイジーマイノリティ」が惨状を拡大したとさえ言える。
OTSUさんの記事にある『最近、どこの自治体でも議員の口利きに制約を定める動きが強まっています』を見ても、如何にノイジーマイノリティが恣意的であったかが分かります。・・当然議員も自治体職員も恣意的だという意味です。
地方の公務員さんが指摘しているように「恣意性が悪い」と言うつもりはありません。
その恣意性が全体の調和を歪め、遂には今の日本の惨状の元凶と感じているから問題提起をしているのです。
「区民税を納めたが故に、倒産した人達の存在」と公平性は保たれていますか?・・との「異論」は「違った側面」を照らすだろう。
更に視野と想像力を膨らませて、生まれた瞬間から1000万円の借金を背負わされた者と、1000万円の果実を貪った者の「公平性」はどうなっているのだ?・・という異論に耳を傾けてみては如何だろう?
投稿: あまのじゃく | 2011年8月 9日 (火) 10時44分
「そこまで言って委員会」という番組があります。先日「日本国憲法の問題点」を議論していました。
ある論客が次のように言っていたのが印象的でした。
『憲法には軍隊を保持しないと書いている。同時に自衛隊という明らかな軍隊を保持している。今の若者がこの矛盾に直面して何を思うだろう?法治の最高位の憲法さえ「嘘」が書いてある。つまり決まり事なんて「出鱈目」な「綺麗事」が書いてあるだけだ・・と若者が考える事が最大の問題点だ』
私はひどく納得した。
投稿: あまのじゃく | 2011年8月 9日 (火) 11時38分
地方の公務員さん、元役員さん、名無しさん、あまのじゃくさん、コメントありがとうございました。
名無しさん、お久しぶりです。どうしても一視点から決め付けた批判を受けているように感じてしまいます。「ご都合主義」と指摘されている点もピンときません。ぜひ、感度の鈍い者にも「なるほど」と感服させるようなコメントをいただければ幸いです。
投稿: OTSU | 2011年8月 9日 (火) 21時53分
私のブログを基に様々な議論をしていただきありがとうございます。
ほとんどいるのかいないのか、首長の諮問機関のような痴呆議会、いえ地方議会に
波風を起こすのが私のミッションだと思っています。
したがって、言葉は乱暴、ときには議会で「動議」が出たりします。
しかし、残念ながら、あまりにも杓子定規、あまりにも前例主義、あまりにも
事なかれ主義のお役所という摩天楼には、激震が必要だと思っているのです。
ブログへのコメントが炎上したため、しばらく鎮火のため書き込み禁止にしておりますが
どうぞ、メールでご意見をお寄せいただければ幸いです。
投稿: いぬぶし秀一 | 2011年11月 1日 (火) 08時07分
いぬぶし秀一さん、コメントありがとうございました。引用させていただいたことをお知らせできず、申し訳ありませんでした。ご本人からこのようなコメントをいただき、たいへん恐縮しています。
私自身、自治労に所属する組合の役員という立場ですが、特にネット上では多様な考え方に触れるよう努めています。その一つとして、いぬぶし秀一さんのブログをいつも興味深く拝見しています。なお、お時間が許される際、またご訪問いただければ幸いですので、よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2011年11月 1日 (火) 12時30分