« 公務員給与削減の問題 | トップページ | 震災前に読んでいた『ドロボー公務員』 »

2011年5月29日 (日)

国家公務員給与削減へ

前回前々回の記事で国家公務員給与の削減問題を取り上げてきました。地方公務員に影響を及ぼす可能性がある問題ですが、差し当たっては国家公務員の組合やその組合員の方々が判断しなければならないものでした。そのため、事実関係の報告を中心にした記事の作成に心がけてきました。削減問題が一定の決着をはかったことを受け、今回の記事もニュースや公務労協の情報などをもとに綴らせていただきます。

東日本大震災の復興財源を確保するため、菅政権と連合系の公務員労働組合連絡会(連絡会)は23日、国家公務員給与の削減幅について合意した。課長以上の幹部を10%▽課長補佐・係長を8%▽係員を5%それぞれ削減する。ボーナスは一律10%減らす。給与法の改正後に適用し、2013年度末まで実施する。

菅政権は当初一律10%減で3千億~4千億円の確保を目指したが、削減幅で譲歩した。片山善博総務相と連絡会が同日協議し合意した。政権は労働基本権を拡大する国家公務員制度改革関連法案とともに、給与法改正案を6月3日に閣議決定したい考え。法案が成立すれば人事院勧告を経ない削減は初めて。 全労連系の日本国家公務員労働組合連合会は削減に反発し交渉が続いている。【asahi.com2011年5月23日】

連合系の産業別組合が公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)に結集しています。その下部組織として、公務員労働組合連絡会と国営関連部会があります。今回、総務省との削減問題の交渉は、自治労、日教組、国公連合などが結集する公務員連絡会が担っていました。その上で、国家公務員の皆さんが直接的な当事者となるため、国家公務員の組合の連合組織である国公連合が前面に出て、精力的な交渉が重ねられました。

国公連合に属する全財務の公式ブログを拝見すると緊急職場集会などを通し、短期間の中で組合員の皆さんとの丁寧な情報共有や合意形成に努められていたことが垣間見れていました。同時に組合員から「10%…」「こんなやり方、ありなのか…?」「突然そんなこと言われても…」というような率直な戸惑いの声も掲げられていました。最終的に上記の報道内容のとおりの決着に至った訳ですが、全財務労働組合中央執行委員長の「片山総務大臣との交渉を終えて」の中の次のような一文が厳しい情勢に対する認識を表していました。

私たち全財務をはじめとする労働組合は、組合員の生活改善、労働条件の維持改善を最大目的に掲げる組織であり、したがって、給与削減について反対の立場にあることは当然であります。一方で、昨年の参議院選挙の各党マニフェストや人勧深堀論にも見られるように、与野党を問わず国会での公務員人件費への厳しい攻撃、東日本大震災を受けた世論の動向などを踏まえた時、「給与削減絶対反対」を貫くことは戦術上可能ではあるものの、こうしたある意味強力な権限を有する政府・与党等との力関係を含めた情勢を考慮した場合、政府による一方的な給与削減の強行にとどまらず、1割削減以上の更なる人件費削減の攻撃に晒される懸念が強くあったことも事実です。

その一方で、別な役員から“ここからは個人的意見ですが、この度の給与カットは組合員の生活(私自身の生活も含め)を鑑みると、「とてつもない」厳しい内容になったことは言うまでもありません。しかし一方で、この交渉で得たものがあることも事実です。中でも、労使の合意でこの課題を決着させたこと、そして政府の責任で自律的労使関係の導入に係る法案を成立させるという約束を得たことは、「とてつもない」大きな収穫だと思っています。”という前向きな感想も示されていました。ここで、今回の総務省交渉で確認した事項について、改めて整理してみます。

  1. 一般職の国家公務員のボーナスについて一律10%、俸給について役職段階に応じて5%(係員)、8%(係長・課長補佐)、10%(課長以上の管理職及び指定職)を特例法案の成立後、施行から2013年度末までの間、特例的に削減する。
  2. 労働基本権付与の法案と特例法案を同時に提出し、同時に成立をはかる。
  3. 定員への配慮とし、新しい純減計画を作成する状況にはない。総人件費2割削減の見直しに向け、与党の政策責任者に伝える。
  4. 勤務をすれば手当が出るのが原則であり、超過勤務予算を確保し、不払い残業の解消に努める。
  5. 国が財政措置を一方的に決定し、財政面から地方を追い込むというのはふさわしくなく、地方公務員をはじめ、独立行政法人や国営企業等の給与が主体的、自主的に決められるよう注視していく。

なお、公務員連絡会として“今回の措置は、人事院勧告制度の下で、勧告を経ずに給与を引き下げるという極めて異例な措置であるが、労働基本権の付与と自律的労使関係制度の確立を先取りする形であり、労使交渉で決着することが不可欠であったこと、政府との間で真摯で誠実な交渉を行ったことを踏まえ、今後、労働基本権が付与され、労使交渉によって公務員労働者の適切な賃金・労働条件を自律的に決定することを強く確信し、今回の給与引下げ措置を受け入れることとしたものである。”という見解を添えていました。

一方、全労連系の国公労連は「人事院勧告に基づかない給与削減は憲法違反だ」と断固反対の立場で、6月1日から3日まで総務省前で抗議の座り込み行動に取り組む予定です。それはそれで当該の組合の判断となる話ですが、省庁間で所属組合が異なるため、必ずしも「労使交渉によって決定」という原則には至らない悩ましい現状でした。このような点については、「EU労働法政策雑記帳」の記事「国家公務員の月給10~5%削減 震災財源で政労合意」のコメント欄でも話題になっていました。

いずれにしても今後、地方公務員は本当に影響を受けないのかどうか、まだまだ未知数な要素があります。石原都知事は「国がやるなら都庁もやる」と発言していました。さらに民間への波及の恐れもあり、経済への悪影響も懸念されがちです。ちなみに前回記事のコメント欄でも紹介しましたが、「週刊ポスト」2011年6月3日号の『公務員の給与カットに「ザマアミロ」というしっぺ返し来る』の中で記されていた一つの見方を改めて最後に掲げさせていただきます。

公務員の給与カットに胸のすく思いの国民は多いはずだ。が、「ザマアミロ」ではすまない。この震災賃下げが契機となって、民間にも減給の波が押し寄せ、「給与カットの連鎖」が起きる危険性があるからだ。経済評論家・奥村宏氏がこう指摘する。「企業はいま、とにかく人件費削減を進めたい。日本経団連が2007年にホワイトカラーの残業代をゼロにできる制度の導入を働きかけたように、人件費削減を狙ってきた。今回の公務員の賃下げは、経営者が組合や社員に震災後の業績悪化を補うための賃金カットを求める口実になる」

大震災以後、客足が激減している東日本の観光地の観光業界団体役員が語る。「宴会も減ったままだし、稼ぎ時の大型連休もパッタリでした。いつ従業員に賃下げを切り出そうかと考えていたが、国が範を示したからやりやすくなった」 製造業も震災による部品不足や夏の節電目標などで工場の操業率が低下しており、今期の業績大幅悪化が予測されている。大手から中小、零細企業まで広範囲に人件費削減が行なわれることを警戒しなければならない。

|

« 公務員給与削減の問題 | トップページ | 震災前に読んでいた『ドロボー公務員』 »

コメント

数ヶ月ぶり?のコメントです。
当方の単組でも、執行委員会のたびにこの話題です。ウチの場合、すでに独自賃金カットを実施しているので、すぐに影響出るとは思えませんが、当局から話が出たときの対処方を練っておく必要はありそうです。
個人的には基本給カットよりも時間外手当削減が先ではないかと思ってます。基本給は生活給ですから。

投稿: Hama | 2011年5月29日 (日) 17時30分

国公総連は国家公務員労組の中でも少数派。しかも元々が連合系で民主党とは仲がよい。
内輪だけで少数の労組と「合意したから労組の協力を得た」という言い分は通りますかね?
報道の見通し通り、これを口実に政府が法案を出し、通ったとしても全労連側が法廷闘争に持ち込んだ場合は結果はひっくり返る可能性も大きいと思います。

しかも「地方公務員給与への波及阻止」をやたら持ち出しているところも、労組の本分を忘れた自己保身のための、最近の労組に対する批判としては「既得権益の保護」そのままとしか見えません。
国公総連はその組織の規模から自治労などの協力なくしては影響力を維持できない。だからこうした主張になったのでしょうが、そこには削減に対する正当性の根拠提示をなにも求めていない。だらしのない組合です。

>政府の責任で自律的労使関係の導入に係る法案を成立させるという約束を得たことは、「とてつもない」大きな収穫だと思っています。

その発言をした役員は馬鹿ではないですか?
労働基本権の完全回復の確約もなしに労使交渉なるアリバイ作りにかり出されれば、政府がどこかで「論議は尽くした」と一方的に給与決定を図ることが今回のことで既成事実となってしまいます。労働三権がすべて回復されてのみ、互角な交渉ができるのです。

全労連は共産党色が強すぎる、それは私も思うところです。
ですが闘う組合は今のところ全労連しかない。とにかく全労連が徹底抗戦してこの話を消すことを期待します。

地方への波及は絶対あります。民間への波及もあるでしょう。約束の3年なんて守られるはずはありません。連合系の「労資協調」が最悪の形で発現しないことを祈るばかりです。

投稿: 奇天烈 | 2011年5月29日 (日) 17時36分

 連合系は国税が最大勢力の組合。国税全体の定員は5万5千人。議員先生の税務調査も担っており、税務署長の任務は先生の税歴把握にある。御用組合なので財務本省のコントロールが効きやすく、政治にも影響力を担保できるので、今回の合意は額面通り受け取れない。
 また、国税職員は、「税務職俸給表」なので、もともと俸給額が一般行政より1割程度高い。従って、1割削減は、一般行政職の方が手取りベースで悪影響をうける。
 俸給の高い国税中心の労組が勝手に政府と手を握ることは問題である。
 さらに、労組のない国家公務員である「検察庁や警察庁」等の職員との合意はどうやって行うのか。
 多くの官庁で労組の対象外とされている「6級以上」の職員(本省補佐クラス・地方支分部局課長クラス)との合意はどうするのか。
 人事院勧告以外の給与削減をするのであれば、そういった「労組」構成員以外の職員との合意をどう考えているのか、現政府・民主党は明確に職員に説明すべきであろう。
 以上を踏まえると、今回の給与削減手法は非常に拙速であり、民主的でもなく、後付で法案化され、仮に国会を通過しても、後々まで禍根を残す可能性がある。

投稿: | 2011年5月29日 (日) 20時22分

奇天列さんの
<民間への波及もあるでしょう。>

弊社はここ2年間赤字でしたので給与はダウンでしたが
今期は業績改善が見込めますので幾分か戻す予定です。

公務員給与削減を旗印にして削減する民間企業もあるかもしれませんがごく一部では無いでしょうか

公務員給与削減といっても定昇はあるわけでしょう!!

赤字の中小零細企業は、定昇が無いところも結構多いと思いますが。

投稿: 小企業オーナー | 2011年5月29日 (日) 21時55分

Hamaさん、奇天烈さん、2011年5月29日(日)20時22分に投稿された方、小企業オーナーさん、コメントありがとうございました。

この問題で合意に至った労組側も苦汁の判断であることは間違いありません。国公労連は異なる対応をはかっていく訳ですが、仮に双方の組合が合意していたとしても、すべての国家公務員の代表組織ではない側面もありました。とにかく様々な問題があることは確かですが、国公連合が結集する公務員連絡会の決断を重いものと見ています。

なお、国公総連の組合員数は少ないのかも知れませんが、国公総連が加入する国公連合の人数は10万人を超え、国家公務員の組合の中で最大であるとHPには掲げられています。

投稿: OTSU | 2011年5月29日 (日) 22時15分

定昇など1割削減の前には吹けば飛ぶようなものです。
元々人事院勧告がマイナスなので、定昇も抑えられているはずですよ。

それより「定昇があるから俺たちはいいや」と考えてるとしたらそれこそ国公総連の考え方と同じです。自分に降りかかる火の粉が減ればあとは知らないというエゴです。
労組は組合員全体を考え、たとえば同年齢の人が、現在と未来で大きく有利不利が出ないように考慮しなければなりません。
つまり去年40歳の職員と比べて、3年後の40歳の職員が大きく給与が下がっているのなら、それは労組全体の問題とする、そうした姿勢がなければ労組はエゴの塊となってしまいます。


>今期は業績改善が見込めますので幾分か戻す予定です。
あなたの会社の話を一般的なものとされても困ります。

>公務員給与削減を旗印にして削減する民間企業もあるかもしれませんがごく一部では無いでしょうか
一部でも給料を減らす企業があれば、それは給与所得者の収入の平均値を下げ、労働者の地位をさらに弱めます。

>赤字の中小零細企業は、定昇が無いところも結構多いと思いますが。
だからなんだと言うのでしょうか?
公務員は最悪の状態の企業に常に歩調を合わせなければならないという理由はありますか?

投稿: 奇天烈 | 2011年5月29日 (日) 22時28分

奇天烈さま
>だからなんだと言うのでしょうか?
>公務員は最悪の状態の企業に常に歩調を合わせなければならないという理由はありますか?

老婆心ながら、これを言っちゃあお終いよという気がします。
おそらく今回の顛末に憤懣やるかたないお気持ちから出たお言葉でしょうし、そのお気持ちは充分に解るつもりです。
私も国家公務員と呼ばれる一下級役人ですから。
しかしこう言った言い回しは官民それぞれの溝をより深くえぐる結果しかもたらさないものだと思います。
小企業オーナーさまの発言は「公務員は最低賃金以下で死ぬまで働くのが当たり前」みたいな事を本気で叫んでいるよ
うな人も多いなか、まだまだ充分に穏当なものではないでしょうか?
残念ながら、この小企業オーナーさまの言葉が国民の大多数が持つ気持ちを表しているのでしょうし。

・・・しかしまあ、今回の一件は止むを得ないことでしょうが、まあ3年の約束などは絶対守られないし、処遇はまだ
まだ切り下げられるでしょうね。そして国民の大多数はそれで大喜び。本当に残念ですが。

個人的には給料が下がればそれに合わせて生活を切り詰めるし、クビになったらハローワークに行くしかないし、職が
無ければ死ぬしかない。もうみんなの好きなように、やりたいだけすればいいじゃないか、という気持ちです。

投稿: てにおは | 2011年5月30日 (月) 00時54分

奇天烈さん、てにおはさん、コメントありがとうございました。

いつも申し上げている点で恐縮ですが、言葉が不足しがちなコメント欄では具体的な書き込みが少なくなることをご容赦ください。特に直接的な問いかけではない場合など、一閲覧者の立場で皆さんから寄せられたコメントを読ませていただいています。

また、その積み重ねが次回以降の記事内容に繋がっていました。次回は国家公務員の給与削減問題から少し離れるかも知れませんが、必ず関連した論点での投稿となるはずですので、これからもご注目いただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2011年5月30日 (月) 21時49分

どうも情勢がますます不透明になってきましたね。
国家公務員の給与削減のみが先行し、国会で関連法案の成立見通しの立たない労働基本権の回復はまるっきり棚上げとなりそうな気配も出てきています。
この状況は、与野党の現況から政府首脳にとって予測不能な状況とは言えませんから、連合系労組との「労使交渉が誠実なもの」であったといえるかも怪しいものとなりそうです。

実際そうなった場合、反対姿勢を崩さない全労連系労組はさておき、実質的に合意を反古にされることになる連合系労組はどういう対応をとるのでしょうか。

妥協を重ねた苦渋の合意すら反古にされても、なお、給与削減のみを粛々と受け入れるというのでは、労働組合としての存在意義も問われるのではないでしょうか? 
実際、連合系労組の執行部は組合員に対してどのように、説明し、責任をとるつもりなのか疑問に思います。

投稿: Thor | 2011年5月31日 (火) 00時32分

Thorさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

合意にあたって、大きな前提条件とした手前、たいへん苦しい場面となります。合わせて、そのような情勢を強いられる場合、国会の中で「5-10%の削減では不充分だ」という声まで出てくる恐れもあります。いずれにしても公務員やその組合にとって、厳しく、悩ましい局面が続きそうです。

投稿: OTSU | 2011年5月31日 (火) 07時01分

民主党政権につきまとう「いきあたりばったり」、「ルール無視」、が給与削減での交渉の場で説明にならない説明になっていると思います。八ツ場ダム(2010年12月2日、12月上旬にダム建設事業の資金が枯渇するとこととなり、直轄事業負担金の支払いを保留していた東京都、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県、栃木県の6知事は馬淵澄夫国土交通大臣と会談を持ち、保留を解き支払う意向を示した。ただし、支払いはダム本体の建設が前提であり、万が一、建設されない場合は訴訟を含めて国の責任を追及するとの条件が付けられた。東京新聞、読売新聞)諌早干拓事業(民主党内でのねじれ)など・・・まあ、いまさらですが・・・

OTSUさんが、「5-10%の削減では不充分だ」という声まで出てくる恐れもあります。そのとおりだと思います。それゆえこの「ルール無視」、給与削減分が「結果として復興にあてられる」(片山大臣の発言。要するに、何に使われるかはわからないということです。)など「本当に復興にまわされるのか」といったことについて追及していかなければと思います。
財政状況云々を言われますが、今日も職場に届くいわゆる「バラマキ」の法案、通達は一体何なんでしょうね・・・

投稿: ためいきばかり | 2011年5月31日 (火) 22時24分

ためいきばかりさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

ご指摘のとおり不満や不安が少なくない政権運営であるものと感じています。それでも労使交渉など問答無用で押し切ろうとする政府与党ではないことも確かです。公務労協情報から復興財源に充てる確認なども取れていますので、交わした約束が確実に履行されるよう見守っていこうと思っています。

投稿: OTSU | 2011年6月 1日 (水) 07時56分

 本日、国公労連との交渉は平行線の6月3日閣議決定予定となったようです。片山総務大臣が「時間切れ」(一定の結論をださなければならないことは理解していますが・・・)で交渉をうちきった印象は否めません。
労組側が、「これまで意を尽くして説明してきた私たちの主張が理解されないのは残念だ。この結果を被災地で今も職務に専念している組合員にどう説明してよいものか苦慮している。政府はあくまで賃下げ法案の決定を強行する構えだが、国会での審議段階では、各議員にも訴え、政府と私たちのどちらに大義があるかを判断してもらうつもりだ。国民にも同様に判断してもらう。政府は誠意を尽くして交渉するといったが、時間がきたから国会に出すというのでは、労使関係制度のいいとこどりでアリバイ作りの交渉ではないか」と、改めて政府側の姿勢を厳しく追及しました。
 しかし、大臣は「今回に至っても合意に達しないことは大変残念だ。せめて臨時・異例の措置に賛成はともかく理解はしてほしかった。あらかじめ内容、スケジュールを決めて交渉に臨んだのではなく決してアリバイ作りではない。地方公務員への波及問題は交渉を通じて確信したことだ」「残念な結果だが(法案を)国会に出すことになるが、皆さんの主張は堂々と言ったらよい。政府としても国会の場で事情や考え方を話すし、結果は国会での結論に従うことになる」と回答・コメントするにとどまりました。
                                              以上
 

 私の職場の青年層(20代はほとんどいませんが・・・)にも深刻な事態です。「家庭が持てない」など「少子化問題」にもつながる課題に「恵まれている」といわれている公務員ですら(給与削減前の状態で)直面しているのですから・・・
 私自身、40代に近づきつつあり、収入も横這いからマイナス。民主党は「デフレでよい」(景気には悪いそうですが)「少子化で良い」と正直にいってくれれば、私個人は、今回の提案はその「正直さに」免じて了としましょうか・・・
 3年たって誰が大臣がどの政党が政権与党であっても誠実(3年たったら元に戻すとは書いてませんので)に交渉して欲しいと思っていますが・・・
 「総理大臣に辞職はあっても、一家の大黒柱に辞職はないぞ」と言い聞かせながら明日も仕事に励みたいと思っています。

投稿: ためいきばかり | 2011年6月 2日 (木) 23時02分

結局、総務大臣の交渉態度は不誠実であったとしか言えないと思います。
OTSUさんには失礼ですが、最初から結論ありきで、短期間の期限付き、なおかつ、交渉が合意に至らなければ政府与党の思惑通りに強行するというのは、「誠実な交渉」とはいえません。

これは、客観的に言って、対等な「交渉」ではなく、労組に対して一方的な「譲歩」を迫るだけの「見世物」に過ぎません。

OTSUさんの勤務先で、「合意に至らなくても絶対に強行するけれど、承諾してくれ。返答期間は3週間。」と自治体のトップが言ってきたら、労組役員は「誠実な交渉」態度だと思いますか?

もちろん、真に緊急性があり、実行が避けられない施策であれば、こういった交渉態度でも止むを得なしとする余地はありますが、今回の国家公務員給与削減は震災対策ではなく、政府与党の政治的な思惑によるものしかありません(このことは、公表されている交渉過程で、総務大臣もはっきりと認めています。)。

OTSUさんにとって、今回の労使交渉が「誠実な交渉」であったとするなら、その明確な論理付けを知りたいものです。

投稿: Thor | 2011年6月 3日 (金) 05時35分

ためいきばかりさん、Thorさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

今回の政府提案に賛意を示している当事者や組合関係者は皆無だろうと思っています。その中で、組合の判断が分かれたのは情勢認識等の違いであり、合意した側も苦汁の決断だったことは間違いありません。また、言うまでもありませんが、「合意に至らなくても絶対に強行するけれど、承諾してくれ。返答期間は3週間。」という態度が「誠実な交渉」である訳はありません。

ただ一方で労使交渉に限らず、お互いの置かれた立場なども斟酌しながら、決着点を見出す努力を尽くすことが交渉の要諦だろうと考えています。お互いの結論を一歩も崩せない場面も少なくないのかも知れませんが、押す引くがあるからこそ、交渉が成り立つという思いを以前から持っているところです。

投稿: OTSU | 2011年6月 3日 (金) 06時46分

組合の判断が分かれたのは情勢認識等の違いであり、合意した側も苦汁の決断だったことは間違いありません。私もそう考えています。今後、法的措置も視野に入れた行動がでてくるかどうかははっきりしませんが、私の所属する単組は、これまでの「政治判断」に全労連系とはいえ、一定「政治判断」に対しては相当部分、「理不尽ではあるが労組が介入できない」として苦渋の決断をしてきました。
 次は、地方出先機関廃止で「お払い箱」行きの可能性もあるため、労組としてどのように行動していくのか注目しています。
公務労協の交渉過程で、「国家公務員全体へのメッセージだが、ぜひとも出してほしい。使命感が継続できるよう、引き続き頑張らなきゃならないという気持ちが萎えないよう、総理大臣がいいと思うが、心のこもったメッセージを発してもらうことを改めて求める。」
とありましたが、もはや辞任予定の総理大臣のメッセージを受け取っても「心になにも響かない」と感じています。(公務労協の意見を否定、批判するつもりではありません。)
 一連の政治のごたごたで、一番被害を受けるのは被災地の国民です。
 OTSUさんに図々しいお願いですが、ぜひ政局ではなく「被災地の国民」のために団結して欲しいと、民主党の議員さんと懇談する機会があれば「ブログにこんな意見があった」と伝えていただけないでしょうか?
 

投稿: ためいきばかり | 2011年6月 3日 (金) 21時04分

ためいきばかりさん、コメントありがとうございました。

ためいきばかりさんをはじめ、国家公務員の皆さんは本当に苦しく、理不尽さが残る提案を実際に受け入れざるを得ない心情を思うと、たいへん切ない気持ちで一杯です。ご要望の件ですが、ちょうど日曜日に連合地区協推薦議員の方々との懇談会が予定されています。

残念ながら国会議員は出席されませんが、民主党所属の都議や市議の皆さんへ、そのような思いを伝えたいものと私自身も考えています。また、別な機会に三多摩選出の国会議員にも伝えられればと思っています。菅首相も連合三多摩の推薦議員ですが、直接訴える機会はあり得ないでしょうが、間接的に届くことを願いながら「被災地の国民のため」という最優先課題を強調していくつもりです。

投稿: OTSU | 2011年6月 3日 (金) 22時25分

民間の労働者でも御自身の給与を本当に真剣に考えている方は安易な公務員バッシングに加担しません。私の周囲にもそういう方は多くみえます。
ただ経営者はどうでしょうね。やはり週刊ポストの記事のように「公務員給与削減は絶好のチャンス」ととらえている人も多いのではないでしょうか。

>てにおは様
>こう言った言い回しは官民それぞれの溝をより深くえぐる結果しかもたらさないものだと思います。

いやもう私は正直そんな気持ちになっているのですよ。
感情的にはてにおは様と同じです。「まあ好きなようにせいや!」と言ったところです。公務員を叩きたければ叩けばいい。全労連のように「市民は必ず理解してくれる」などという甘い期待も持っていません。というより公務員がルサンチマンにかたまった世論に迎合してももはや仕方ないと思うのです。
給与が減らされれば支出を減らします。経済が冷え込もうが、他人の給与が連動して下がろうが知ったことではありません。自分の身を守るが先です。

憲法が労働基本権を認め、その代替措置として人事院勧告がある以上、それを無視する政府は許せません。
よって世論が公務員バッシングしようが、労組側は労働基本権を回復させないのであれば法廷闘争で徹底的に叩き伏せるしかないと思われます。そこに多数決やら浅薄な世論やらの入る余地はありません。
強烈な言い方ですが、人権とはそういうものです。

投稿: 奇天烈 | 2011年6月 3日 (金) 23時27分

奇天烈さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

様々なご意見を伺えることが当ブログのコメント欄での貴重さだと受けとめています。したがって、奇天烈さんのような考え方も一つの「答え」であることは確かです。ただ「ルサンチマンにかたまった世論に迎合してももはや仕方ない」という見方に対しては、迎合する必要はありませんが、世論も含めた情勢などを見誤っても問題だと思っています。

「民間の労働者でも御自身の給与を本当に真剣に考えている方は安易な公務員バッシングに加担しません」というような理解や支持を広げていく努力も欠かせないはずです。その広がりがない限り、裁判闘争で勝てたとしても長期的な意味合いでの展望が開けたとは言えないものと考えています。

投稿: OTSU | 2011年6月 4日 (土) 08時25分

国家公務員といってもかなりの割合で自衛官・消防・警察等が含まれます。
がんばってる!という反面で給与カットというやり方はあまり良いやり方とはおもいません。
ちなみに大卒・事務官・3年目で手取りが12万円という現実ですし・・・

手当ては基本的に0です。

現状はやる気があるなら自腹切れ!の理論で領収書を切る習慣さえありませんから

ちなみにこの3年は残業代0円です。

公務員は恵まれすぎ・・・というのは幻想ですから

投稿: ふぅ・・・ | 2011年6月20日 (月) 19時54分

ふぅ・・・さん、コメントありがとうございました。

労使交渉の論点にもなった若手職員の実情が示されたご意見だと受けとめています。なお、今回の記事で報告したとおり「勤務をすれば手当が出るのが原則であり、超過勤務予算を確保し、不払い残業の解消に努める」という回答を政府側から引き出しています。ぜひ、せめて実際に勤務した時間外手当は請求するように心がけてください。そのことが拒まれるようでしたら組合に相談されることをお勧めします。

投稿: OTSU | 2011年6月20日 (月) 21時06分

>給与が減らされれば支出を減らします。経済が冷え込もうが、他人の給与が連動して下がろうが知ったことではありません。自分の身を守るが先です。

当然です。
お金もないから、義援金も払いません。
被災地がどうなろうと知ったこっちゃないです。

投稿: 情録 | 2011年7月23日 (土) 12時33分

情録さん、はじめまして。

コメントありがとうございました。

(追記)国家公務員の方だろうと思いますが、率直な一言に対し、レスする言葉が見つからずご訪問いただいた謝意だけ示させていただきました。

投稿: OTSU | 2011年7月23日 (土) 22時11分

 公務員に対してのバッシングについては、恐らく天下り時の高額な退職金が問題で
あり、公務員の給与削減はその余波を受けているものである、と思います。
 したがって、この問題解決については、第一に、給与算定にあたり、5%程度の一流上場企業ベースで算定するのではなく、全業種の企業の平均ベースで算定するべきだろう。それなら、民間企業の給与ベースも軒並み連動すると思います。(これなら、公務員に対する批判も和らぐでしょう。)
 第二に、天下り時における退職金については、法改正を行い退職金を月々分割で支払ったらよいのではないでしょうか。天下り特権を手放す事は、恐らく今後批判しても、手放す事はないでしょう。そうすれば、国・自治体・公益法人等の財政負担も幾分和らぐでしょう。もしくは、退職金に見合うだけの国債を、退職金の代わりに支給したら良いと思います。そうすれば、一時的ですが、印刷代だけで済むので、国家財政の負担軽減になると考えられます。(ちなみに、私は求職中の身ですが…)

投稿: やまぴろ | 2011年8月28日 (日) 13時16分

やまぴろさん、コメントありがとうございました。

天下りの問題など、いろいろなご意見があろうかと思います。そのような中、労働条件にかかわる問題は、労使交渉を尽くす必要があるという意見を当ブログで訴えています。同時に労使交渉の判断材料に繋げていくためにも、幅広い声が伺えることの貴重さを感じ取っています。ぜひ、これからも機会がありましたら、このブログをご注目いただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2011年8月28日 (日) 17時17分

「ものつくり県」と言われている某県の地方公務員です。

8月から、給与見直しとなり、月額3万5千円の減額となりました。
来年も予定では月額1万円以上の減額のようです。本当の話です。
残業手当はもう何年も支給されていません。

現在47歳ですが、もう、40代に入ったころから名目昇給してもそれ以上の給与カットのため、手取りは下降です
これ以上カットしないでください。生活できません。

投稿: aakkbb47 | 2011年9月18日 (日) 09時11分

aakkbb47さん、コメントありがとうございました。

記事本文にあるとおり今回の話は、地方公務員へ直結するものではありません。すでにaakkbb47さんの自治体のように独自な削減を行なっている所が多いことも、その理由の一つとされているようです。

投稿: OTSU | 2011年9月18日 (日) 19時20分

軍隊もない国家の割りにに公務員の数日本は多すぎ
リストラと民間並みの平均年収500万の給与体型にしろ

役所と福祉・生活保護を50パーセントほど削れ!!

ただし警察は削ってはいけない! 治安維持のために不可欠だから

投稿: なまぽ | 2011年11月 5日 (土) 07時32分

なまぽさん、コメントありがとうございます。

国際比較で日本の公務員数が少ないという指摘は、どのような統計資料によるものなのでしょうか。また、自衛隊員数はどのようにとらえているのでしょうか。短いコメント内容ですが、他にも疑問点が数多くあります。

いろいろな問題意識をお持ちなのだろうと思いますが、もう少し理性的な訴えをいただければ幸いです。合わせて今回、なまぽさんの意見表明だと受けとめ、個々の見解も添えませんがご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2011年11月 5日 (土) 21時01分

なまぽ さん→公務員の数日本は多すぎ

管理人さん→日本の公務員数が少ないという指摘

???

投稿: クレーマー | 2011年11月 6日 (日) 18時38分

クレーマーさん、コメントありがとうございます。

公務員数の国際比較では次のような調査報告書がネット上から調べられます。少し古い資料ですが、人員削減を柱とした行革を進めている日本の数字は当時より減少しています。

http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou030/hou21-1.pdf

合わせて以前の記事「公務員数の国際比較」があり、私自身は日本の公務員数は相対的に少ないという認識です。ちなみに注目されているギリシャでは5人(4人という説も)に1人が公務員だと言われています。

http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2005/10/post_8fa1.html

投稿: OTSU | 2011年11月 6日 (日) 19時34分

ちゃんと日本語を読みましょうよ。管理人さん。
上でコメントされた方は、元々の「日本の公務員は多い」という意見に対して、管理人さんが読み違えて「日本の公務員数が少ないという指摘はどのような統計資料によるものなのでしょうか」と返されているので、???としているのですよ。
どちらかと言うと揚げ足取りの指摘に近いですが、管理人さんが相手の文章をしっかり読めば、このような指摘も受けずに済むはずなのですけどね。
それを自分の読み間違いに気が付かずに、過去記事を紹介するなどしてミスを重ねるのは、少しお粗末だと思います。せめて相手の文章はしっかり読みましょう。
実は、管理人さんこそ相手の文章を思い込みで読んだつもりになっており、相手が例えを用いるなどして出来るだけ判り易く問題点を指摘しようとしても、いつも相手の真意を汲み取ろうとされません。その姿が管理人さんに問題点をすり替えられたとか、煙に巻かれたとの批判に繋がっているのですが、実は、故意ではなかったのでしょうか。逆に心配になります。
それにしても、このような思い込みで相手を決めつけ真意を汲み取ろうとしない実例を、少なくない数繰り返す管理人さんが、よくも「ぜひ、思い込みによる決め付けた批判だけは避けて欲しいものと願っています」などと言えるなと思います。
管理人さんには、ぜひ思い込みによる決めつけを避け、相手の真意を汲み取って回答して欲しいと願っています。

投稿: 名無し | 2011年11月 6日 (日) 22時18分

名無しさん、いつも当ブログを注目いただき、ありがとうございます。

たいへん失礼致しました。なまぽさんへのレスで、国際比較で日本の公務員数が「少なくない」又は「多い」とすべきところを「少ない」と記していました。さらにクレーマーさんからのコメントに際し、その前の自分のコメントを改めて確認することなく、「管理人さん→日本の公務員数が少ないという指摘」に対する説明を加えていました。

確かに今回、私の不注意によるミスであり、反省しています。ただ一言、やはり添えさせていただきますが、このような「書き間違い」だった訳ですが、「読み違い」と思い込まれるのもいかがでしょうか。さらに「このような思い込みで相手を決めつけ真意を汲み取ろうとしない実例を、少なくない数繰り返す」とまで決め付けられてしまうことは非常に残念でした。

今後、このような指摘を受けないよう短いコメント一つ一つに対しても、よりいっそう細心の注意を払うよう努めていきます。それでも完璧な人間ではありませんので、一切ミスしないとは言い切れない点も何卒ご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2011年11月 7日 (月) 07時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/130697/51796807

この記事へのトラックバック一覧です: 国家公務員給与削減へ:

« 公務員給与削減の問題 | トップページ | 震災前に読んでいた『ドロボー公務員』 »