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2011年1月 1日 (土)

2011年、兎年に思うこと

Usagi_2 あけましておめでとうございます。 

今年もよろしくお願いします。 

毎年、元旦に年賀状バージョンの記事を投稿しています。いつも文字ばかりの地味なレイアウトであるため、せめてお正月ぐらいはイラストなどを入れ、少しだけカラフルになるように努めています。2005年8月に「公務員のためいき」を開設してから374タイトル目となりますが、必ず毎週土曜又は日曜に更新し、昨年1年間で52点の記事を投稿していました。

このブログへのアクセスの累計は現時点で110万件に迫っています。昨年元旦までの数が77万件近くでしたので、1年間で約33万件のアクセスがあったことになります。あまり意識しないまま100万件という大台を超えていた訳ですが、一昨年6月に阿久根市の話題を取り上げてから日々のアクセス数は一回り増えていました。Yahoo!のトップページに掲げられた際は、アクセス数10510件、訪問者数7192人と1日あたりの記録を一気に更新していました。

普段は1000件前後で推移していますが、阿久根市の竹原前市長が注目を浴びると、その関連する検索ワードから訪れる人たちが増える傾向をたどっていました。ことさらアクセスアップにこだわっている訳ではありませんが、やはり多くの人たちにご訪問いただけることは正直嬉しいものです。特に当ブログは不特定多数の方々に公務員側の言い分を発信する必要性を意識し、個人の判断と責任でインターネット上に開設してきました。したがって、より多くの人たちに閲覧いただき、たくさんのコメントを頂戴できることは本望なことでした。

更新が週1回にもかかわらず、毎日、たくさんの方々にご訪問いただき、ブログを続けていく大きな励みとなっています。中には記事本文よりもコメント欄に寄せられるご意見を楽しみにされている方もいらっしゃるようです。私自身もコメント投稿者同士のハイレベルな議論に接した時、一閲覧者となって興味深く見守らせていただくことも少なくありませんでした。ちなみにコメント数の累計は5000件を超えていました。改めて当ブログをご注目くださっている皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

このブログの目的や位置付けは、「2009年末、改めて当ブログについて」で詳しくお伝えしていました。とりまく経済情勢の厳しさが増す中、公務員への風当たりが強まっています。公務員やその組合に対する厳しい声を謙虚に受けとめながらも、主張すべきことは主張する目的を掲げながら続けています。寄せられたコメントに対しては一つ一つお答えするように心がけていますが、必ずしも「ご指摘はその通りであり、すみやかに改めます」というレスに至らない場面が多いことも確かでした。

そのため、いくら訴え続けても私自身の姿勢が「変わらない」という批判を受ける場合もありました。そもそも当ブログを運営するにあたり、多様な考え方があることを大前提としています。つまり私自身が正しいと思う内容を訴えているつもりですが、ブログを閲覧されている人たち全員から共感を得られるようなケースこそ稀だろうと見ています。あくまでも当ブログの記事内容やコメント欄での議論に接した人たちが、どう受けとめるのかが重要であり、そのような関係性を皆さんからご理解いただけるよう常々お願いしてきました。

このように述べながらもコメント欄を通し、様々な立場や視点からのご意見を伺えることも貴重な目的としていました。厳しい批判意見があることを受けとめ、日常的な活動を進められる大切さを強く認識していました。そのような本音の声を把握できないまま、公務や組合活動を担うのは、街路灯のない夜道を歩くようなものだと考えていました。特に組合活動の中で様々な判断を下す際、ブログのコメント欄を通して得てきた「実感」は非常に価値ある蓄積だったものと受けとめています。

今年は兎年(卯年)ですが、インターネットで兎にちなんだ諺を調べてみました。知らなかった言葉が多い中、「兎の逆立ち」が目に留まりました。兎が逆立ちすると、長い耳が地面に擦れて痛いため、そのことから「耳が痛い」「嫌味に聞こえてつらい」という意味で、江戸時代によく使われた洒落だったそうです。その兎年にあたり、改めて「兎の逆立ち」となる辛口のコメントも歓迎する立場で、このブログに向き合っていくつもりです。

毎年、個人的に出す年賀状の中にも、十二支にちなんだ言葉を添えてきました。今年の年賀状を仕上げる際、真っ先に思い浮かんだ言葉は「二兎を追う者は一兎をも得ず」でした。「同時に二つのことをしようとすると、どちらの成功も得られないという戒めでした。とは言え、私自身の置かれた立場上、しっかり二兎を追わなければならないものと思っています」と記していました。職員組合の委員長という責任を負っていますが、組合専従ではない限り、職務にも全力を注ぐ決意を託していました。

2011年は、民主党を中心とした政権が国民からの信頼を取り戻せるのかどうか、難しい正念場を迎えていきます。年頭の通常国会から厳しい局面となり、都知事選をはじめとした4月の統一自治体選挙が大きな試金石となる見通しです。この夏には私どもの市の首長選挙も予定されています。1月16日の阿久根市長選も含め、強い関心を示さざるを得ない自治体選挙が目白押しの年だと言えます。このような話題を書き進めていくと際限なく広がっていきそうですので、このあたりにとどめ、また別な機会に触れさせていただきます。

今年も二兎を追い続けるためには、いっそう集中力を高め、充実した1年だったと振り返れるよう頑張っていこうと考えています。合わせて、実生活に過度な負担をかけないよう留意しながら、このブログは引き続き週1回更新していくつもりですので、これからもよろしくお願いします。それでは末筆ながら当ブログへご訪問いただいた皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、新年早々の記事の結びとさせていただきます。

        ☆新春特別付録☆ 「2010年ブログ記事回想記」 

年賀状バージョンの恒例となっていますが、今回も2010年に投稿した記事をインデックス代わりに12点ほど並べてみました。改めて皆さんへ紹介したい内容を中心に選び、いわゆる「ベスト」ではありません。したがって、12点の並びも投稿日順となっています。それぞれ紹介した記事本文へのリンクをはってありますので、のんびりご覧いただければ幸いです。

  1. 2010年、虎穴に入らずんば ⇒ 今回と同じ年賀状バージョンで、リスクを恐れずにチャレンジする気持ちを大事にしていく決意を綴っていました。やはり特別付録として「2009年ブログ記事回想記」も掲げました。
  2. 沈み行く太陽、日航の倒産 ⇒ ナショナル・フラッグ・キャリアを誇った日本航空の事実上の倒産、山崎豊子さんが著した『沈まぬ太陽』を読み終えた感想なども含めてJALの抱えていた問題点を取り上げました。
  3. 職務に対する心構え ⇒ 二兎のうちの一つが徴税吏員としての職務です。仕事に対する自分自身の率直な思いを綴っています。それまで投稿した関連記事の一覧も本文の中で紹介していました。
  4. 普天間基地の移設問題 ⇒ 鳩山政権の致命傷となった普天間基地の問題について、沖縄の歴史から現状などを自分なりの視点でまとめてみました。
  5. 沖縄に揚がる自治労の旗 ⇒ 平和や安全保障の問題に対しては賛否両論、激しい議論がコメント欄で交わされがちでした。その議論内容を踏まえ、私自身と自治労との距離感などを綴った記事でした。 
  6. なるほど、国の借金問題 ⇒ 細野真宏さんの『最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!』を読み、その内容の紹介を中心にまとめていました。 
  7. 国債問題に対する私見 ⇒ 参院選の前後から集中的に日本の経済や財政に関する書籍に目を通し、ブログでも取り上げていました。その一つの仕上げとして、素人なりの見解を記していました。
  8. 減収に苦しむ公営競技事業 ⇒ 私どもの市財政に寄与してきた収益事業、さらに自治労の仲間である競輪労働組合の皆さんとの関係性から、あたためていた問題意識などを綴っていました。 
  9. 混迷を深める阿久根市の夏 ⇒ 阿久根市の話題は、いつもコメント欄に多くのご意見が寄せられていました。その中でも、この記事に対するコメント数は156件、これまでの記録を間違いなく塗り替えていました。
  10. 非正規公務員の課題 Part2  ⇒ 直前の記事で、朝日新聞の編集委員兼論説委員である竹信三恵子さんの講演を取り上げていました。その続きとして、同じ自治体で働く非正規公務員の待遇改善に向けた課題を綴っていました。    
  11. 新しい公共 ⇒ 鳩山政権以降、「新しい公共」という言葉が注目を集め、菅首相は雇用の創出と結びつけていました。ただ一定の責任と役割を背負った担い手に対しては、ボランティアだから低賃金という構図には懸念を示した記事でした。
  12. 登録ヘルパーの組合 ⇒ ボランティアを想定した登録ヘルパー制度の不安定な処遇の改善に向け、労働組合を立ち上げ、その解散までを見届けた経験を綴っていました。

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コメント

始めまして。

福祉系公務員を目指している者です。

現在の民主党政権の福祉政策に関して

支持団体である自治労はどう考えているのか

自治労としてはどのような福祉を目指しているのか?

その辺も少しずつで良いので聞いてみたいです。

私は福祉学科の2年なんですが、そんな私でも感じるほどデタラメな福祉政策だと思います。

理念も国民の意志もなにもないように感じます。

こども手当、年金制度。

なにより社会政策とリンクしていない。


福祉は社会政策がきちんとしていれば必要ないと私は考えます。

完全雇用で国民一人月収100万という社会政策が実現できたとしたら

現在働けない・年金受給世代を除いて

社会保障制度は必要ない

と私は考えます。


しかし

そんな社会政策など到底無理なので社会保障制度が必要ですが

現在の政権は根本の社会政策を変えようとせず

枝葉の社会保障制度を肥大化させているように感じます。


目先の選挙に勝とうとしてやっているのか

ただ曲げられないだけなのかわかりません。


小沢さんが『選挙3回勝たなければダメだ』と以前おっしゃっていたように思いますが

勝ちたいなら自民党や公明党みたいにもっと利用して票を集めなきゃいけないと思いますが

そのような姿勢も感じられません。


このように理念なき集団が今後の日本をより良い方向に導けるのかわかりません。

初めて政権をとってわからないなら

恥を忍んで

小沢さんや亀井さんなど

政権にいた人間を利用しなければならないのでは?


社会保障制度改革は待ったなしです。

もっと長期的展望をもった考えを

自治労からも出して頂きたいと考えます。


拙い文章で申し訳ありません。

投稿: 高田 | 2011年1月 6日 (木) 03時00分

高田さん、はじめまして。コメントありがとうございました。

自治労が結集している公務労協と神野直彦東大教授とは以前から連携し、一昨年に施行された公共サービス基本法などの成立に力を合わせてきました。昨年、菅政権が発足した直後に提唱した「第三の道」は、その神野教授の影響を受けていたことは間違いありません。このあたりについて当ブログでは、次のような記事を投稿していました。

2010年7月11日(日) もう少し「第三の道」の話
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2010/07/post-8feb.html

強いものをより強くする新自由主義、公共サービスなども含めて競い合わせることを「是」とする市場主義、それらと距離を置いた民主党政権に対し、自治労や私自身、強く支持してきました。その路線の中で、社会福祉政策が語られることを願っているところです。

したがって、基本的な方向性の上で現在の政権を突き放したいとは考えていません。しかし、高田さんも指摘されているとおり理念がないように見られがちであり、つぎはぎな面が多々あることは否めず、たいへん歯がゆさを感じています。

また、自治労も雇用を重視した福祉社会をめざしています。高田さんの問題意識のとおり雇用面が安定した社会であれば、再配分機能となる福祉制度への財政出動も緩和されていくことになります。そのような面においても、菅首相の雇用政策重視の路線は的を射ているものと考えています。

それにもかかわらず、歯がゆさが付きまとう焦燥感…。お尋ねに対して、的確な答えになっていないかも知れませんが、今回、たいへん貴重な提起をいただきました。限られた朝の時間に思う向くまま、書き連ねてきましたが、できれば次回以降の記事本文でも掘り下げてみようと考えています。ぜひ、言葉足らずの点などは、ご容赦いただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2011年1月 6日 (木) 08時15分

貴ブログの主に2010年の国家財政赤字関連のエントリを拝読しました。ふだんブログには全くと言っていいほどコメントしないのですが、プロフィールに『三多摩のある市職員労組委員長』とあることから、このエントリとはあまり関連しないかもしれませんが、1度だけコメントすることにしました。

私は昔、1970-80年代初め極左派と言える立場で三多摩で政治活動していました(要するに過激な共産主義者でした。今は共産主義にコミットしたことをアホだったと悔いています)。三多摩各地の自治体にもよくビラ入れに行ったものです。当時、三多摩には多くの極左派が生き残っていましたからね^^)。

それから約30年過ぎて、私の立場は180°変わりました。現在は、政治的には保守、経済的には新自由主義と言っていいかと思います。職業は商品先物や株先物の個人相場トレーダーです(つまり左寄りの人々が最も忌み嫌うであろう金融投機家の1人というわけです^^)。

現在の私のような立場の人間からは、日本の国家財政赤字の解決手段はギリシャ・アイルランド型解決法しかありません。(ギリシャとアイルランドが追い込まれた対策には微妙な相違がありますが、今それには立ち入りません。)

日本の国家財政は破綻しません。技術的かつ法的に不可能なので、私は預金封鎖といったことも想定していません。現在1000兆円近くにもなる負債の(100%全部ではありませんが)大部分は、左翼用語で言えば『大衆収奪』として、家計部門からの増税・社会福祉支出の削減・インフレ、及び公的部門の支出削減(ここには申し訳ありませんが、公務員の賃金削減も含まれます)といった経路で返済されます。ほんの僅かですが、国家資産の売却と債券投資家(銀行とか生保など)の債権放棄もこれに加わりますが、まあ95%以上の国家債務は家計部門が負担することになります。

なぜとか聞かないでください。他に道はないのです。その過程で、株と国債と円相場のかなり厳しい下落(円については一時的に1ドル=200円を上回る円安)と、数年に渡る年率5~10%程度のインフレを予想しています。

今の私は経済的には新自由主義者ですが、それを上に述べたような危機の発生以前に日本国民が受け入れるということは想定していません。日本国民の多くには金融リテラシーが欠けていますので。

問題なのはこうした危機がいつ起きるかです。たぶん3~5年くらいはまだ大丈夫かと思いますが、民主党政権の財政規律の破たん状況は、すでに海外の経済・金融ブログにも盛んに取り上げられるようになりましたので、3年は持たないかもしれません。

国債などを売買対象にしたヘッジファンドは、今のところPIIGS市場で忙しいため、日本総攻撃という体制にはなっていません。しかしやがてヨーロッパの財政問題が片付いた暁には、世界中のヘッジファンドが日本国債の空売りで大儲けできるのではないかと、ハイエナのように群がってきます。日本人の個人金融資産残高に国家負債残高が近付くこと、また日本国債の格付けが引き下げられること、こういったニュースがいつ危機の引き金を引くかは分かりません。

日本国債の流通市場は極めて大きいです。いくつもの数兆円規模のヘッジファンドが、数千億円規模の空売りを仕掛けるくらいの余地が十分にあるということです。1990年代のソロスファンドによる英ポンド売りは、一説には一兆円規模だったと言います。これに似たことが日本の株と国債と円相場で発生することに、私は100%の確信を持っています。

ただし、私はこうした危機をいったん経たあと、つまり今からだいたい15~20年後以降の日本には希望を捨てていません。1998年のロシア財政危機以降、ロシアは(原油価格高騰という幸運はあるにせよ)経済的にはほどほどに復活しました。私は、日本もいったん地獄を見たあとは意外と改革が進むのではと思っています(なぜそう思っているかは、ここではこれ以上は書きません)。

貴重なお時間を無駄にさせたかもと思うと、長々としたコメントで申し訳ありませんでした。書いているうちに、そもそもブログ主のOTSU様も絶対受け入れないであろうこんなコメントを、なぜわざわざしているのか自分でも分からなくなってきました^^)。冒頭述べましたように、『三多摩』に感じたノスタルジアかなと思います。

投稿: 通りすがり | 2011年2月11日 (金) 06時59分

通りすがりさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

私の記事内容は付け焼刃で読んだ書籍からの感想や素人の意見に過ぎませんので、このように詳しい説明をいただけることを心から歓迎しています。ぜひ、これからもお時間等が許される際、ご訪問いただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2011年2月11日 (金) 08時15分

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