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2010年10月16日 (土)

都議会議員との懇談会

このブログでは説明の必要な言葉が出てきた場合など、その言葉にリンクをはって解説したサイトへ飛べるようにしています。一方で、自治労や連合などという頻繁に使う言葉に関しては、普段から右サイドバーの用語解説リンクに並べていました。その連合も民主党の有力な支持団体として知名度を上げていますが、正式名称を答えられる人は稀だろうと思っています。

日本労働組合総連合会の略称が連合となり、各都道府県単位に地方連合会があります。各地方連合会の中に、いくつかの地域協議会があり、さらに数自治体単位の地区協議会まで地方組織が整えられています。連合東京都連合会、いわゆる連合東京には4つの地域協議会、29の地区協議会があります。このブログの中で、連合三多摩と言えば、三多摩地域協議会を指しています。

私どもの組合が所属する地区協議会は、4つの市内にある労働組合で構成されています。正式名称で呼ぶ人はあり得ませんが、ちなみに日本労働組合総連合会東京都連合会三多摩地域協議会多摩中央地区協議会という長さとなります。実は、もともと地区協議会の副議長を務めていましたが、先月末から12月の総会まで議長代行の役割を私が担うことになりました。

任務の重さなどを考え、あくまでも繋ぎ役として引き受けているところですが、地区協議会を代表して出席しなければならない会議が増えていました。木曜日には連合三多摩が主催した推薦都議会議員との懇談会に参加していました。このような場は貴重な情報が入り、こちらからの意見も率直に訴えられるため、意義深い機会だと受けとめています。ただ昼間に行なわれることが多く、有給休暇の残日数が目に見えて減っていく難点はありました。

その懇談会には多忙な中、連合が推薦している三多摩地域選出の都議会議員20名中17名もの方々に出席していただきました。連合三多摩の政策・制度要求の内容を柱にした意見交換が中心でしたが、この日は「三多摩格差」という言葉が大きな焦点となり、いろいろな問題点や現状を改めて認識する機会となりました。そもそも東京都は、東京23区、三多摩地域の26市3町1村、大島や三宅島などの島嶼部から成り立っています。

東京23区は特別区と呼ばれ、政令市の行政区とは異なり、首長は選挙で選ばれています。さらに2000年の地方分権改革で、法的にも市町村と同じ基礎自治体となっていました。しかしながら固定資産税の賦課徴収や消防責任を東京都が担うなどの独特の側面も残していました。合わせて、都区財政調整制度という地方税の特殊な分配制度があり、港区のような裕福な自治体も多いため、通常の市町村と比べれば財政面の厳しさは次元の違う話となっているようです。

1975年の都市町村協議会で「三多摩格差8課題」が設定され、道路舗装率や下水道普及率などが解消すべき現状だと認められました。その後、三多摩地域の都市化の進展などにより、掲げられた「格差」は解消されていきました。それでも懇談会の中で話題の中心となるように「三多摩格差」は現存している課題であり、三多摩地域選出の都議会議員の皆さんが「格差」を縮めようと日頃から努力されている姿勢を充分感じ取れました。

一方で、東京都側は「三多摩格差はない」という立場であり、都議会の一般質問の中に「三多摩格差」という言葉は使わないで欲しいとの要望まであったそうです。確かに35年前に設定した課題は、ほぼ解消されたのかも知れません。しかし、三多摩地域の特に南北交通網の脆弱さ、公立小中学校における冷房完備率、電話や高速道路の料金面など、数多くの23区との「格差」の事例が懇談会の中で紹介されました。

このような比較の視点は、常に23区内と地元三多摩の事情を間近に見続けている都議会議員の皆さんだからこそ、私たちよりも強く意識する点であろうと思いました。なお、簡単に解決できない理由などの説明も受けました。例えば学校への冷房設置に関しては、基本的に各区が予算を工面しながら進めてきた経緯がありました。それにもかかわらず、三多摩地域にだけ都の税金を投入するのは、都民全体の理解を得られないという理屈が立ちはだかるそうです。

この理屈は同じ民主党会派の中でも、23区選出の都議会議員との間で論点となることも付け加えられました。そもそも「三多摩格差」という問題は、全国的には大都市圏と地方との間に広がる「格差」の問題と同根であるものと受けとめています。つまり自治体間に広がる財政力の差が様々な「格差」の問題につながっていました。そのような中で、同じ東京都であるため、ことさら「三多摩格差」という言葉が強調される構図も否めませんでした。

ただ同じ東京都で考えれば、島嶼と23区の「格差」はもっと極端なものであり、あまりにも違いすぎるためなのか、「島嶼格差」という言葉は耳にしません。いずれにしても「格差」問題の解決のためには、都区財政調整制度のような再配分機能を工夫する必要性も示唆されていました。とは言え、「石原都知事は23区だけを東京だと考えている」という話をその懇談会の中でも聞くことになり、三多摩に住む都民としては非常に残念な現状でした。

「三多摩格差」以外の話題も交わされた懇談会でしたが、私から都議会議員の皆さんへ要望した内容の骨子を最後に紹介させていただきます。連合三多摩の要求書の中に「市民に必要とされる良質な公共サービスを保障し、公共サービスに従事する者の労働環境が適正に保持されるよう、公共サービス基本条例を制定すること」という一文があります。その趣旨を踏まえれば、最近の記事「非正規公務員の課題」でも取り上げていましたが、自治体内に急増している非常勤職員の待遇改善の問題を重視していかなければなりません。

しかし、非常勤職員の昇給制度の導入や手当支給に対し、総務省や東京都から「適切ではない」というような見解が示されがちでした。一方で、「非正規公務員の課題 Part2」の冒頭で示した枚方市の裁判結果では、非常勤職員への手当支給も「適法」と判断されていました。このような情勢を追い風とし、東京都が杓子定規な「指導」を各自治体へ行なわないためにも、非常勤職員の待遇改善に向け、よりいっそう都議会議員の皆さんのご理解ご協力が重要であるものと要望させていただきました。

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コメント

私は自治労や連合などの実態を全く知りません。ただ、労働組合とは「資本家と労働者」の階級闘争の為の組織であると思っていました。
但しあくまで私的な組織だから、(支持する)宗教・政治信条・政党・政策がどのような物であるかにコメントするつもりはありません。
従って「全世界の労働者の階級闘争」から、今回の記事のように「地域間闘争」に何故変遷(?)したのか?・・と疑問視するつもりもありません。又、公務員がはたして「資本家」に対峙する「労働者」と見做せるのか・・についての定見も持っていません。

闘争を背骨にしている以上、「彼我の格差」について敏感なのは当然です。それを踏まえて、少し刺激的な事を・・(笑)。

人間には必ず格差があります。100mを10秒で走る者もいれば、全く歩けない者もいる。相対性理論を理解出来る者もいれば、足し算が出来ない者もいる。その格差から逃げられない。問題はその「格差の評価法」です。

本来(組合活動は)「金と物の搾取」を客観的に評価し是正する。極めて単純で画一的。この客観的画一的評価法が「全世界の労働者が団結できる」根拠ですね。
実は日本人はこの方針を徹底的に貫きます。特に戦後では顕著です。その代表格が「偏差値教育」。何と「金と物」に留まらず、人間評価にも客観的画一的評価法を取り入れます。日本が「世界で唯一成功した社会主義国」と揶揄される所以です。
又、中央集権を最大限活用できた理由でもあります。日本全国を1つの政策で統治するには、この「客観的画一的評価法」が不可欠だったのでしょう。

しかしこの気運が変化します。人々は「客観的画一的」から「主観的多様的」を望み始めます。No1からonly one・・という訳です。
それが「中央集権」から「地方分権」を望む理由です。東京人から「おらが村」の評価をして貰う事なんて「まっぴら御免」・・という訳です。
時々、地方分権を「地方内中央集権」と勘違いしている人がいる。「道州の中心になりたい」と意欲を燃やしている人です(笑)。
地方分権とは権力を「受益と負担を切実に感じる人達に移譲する」ことを指します。つまり「より末端」に権力を移譲する事です。
まあ「道州の中心」という「中間管理職の悲哀」が楽しいマゾヒストなら止めませんが・・(笑)。

ここまで書くとお分かりでしょう。組合が連合のように団結する必要があるのか?何故、地域間闘争が題材にされているのか
私は組合は変わってゆくのだろうと思います。決して悪い事とは思いません。

その為には「給料は少ないが、綺麗な空気と美しい自然に恵まれている人」と「給料は多いが、雑踏と喧騒の中に暮らす者」をどう評価するのか・・を早く見出す事です。客観的画一的に縛られれば、前途多難と感じる次第です。

投稿: あまのじゃく | 2010年10月18日 (月) 17時04分

>「給料は少ないが、綺麗な空気と美しい自然に恵まれている人」と「給料は多いが、雑踏と喧騒の中に暮らす者」をどう評価するのか・・を早く見出す事です。

全面的に同意します。
私的なことで申し訳ないが、自分らが公務員になったころ、公務員希望者は少なかった。他に倍ぐらい金が貰える職があったからだ。金を採るか、地元に残りきれいな空気を吸うかは、40数年前の決断が必要だった。その後、例の列島改造施策で民間の給料は更にアップし、それに乗じて、公務員の給料もアップした。(ここまでは公務員叩きなど起きていない)ところがバブルが弾け、民間給与ががた落ちした昨今、公務員の給料の下げ幅は鈍化している。ここに今、官民格差が問題になっていると思われるが、結果だけで評価して良い物か、40数年前、長い目で私は公務員を選んだが、結果は現状です。ただ格差は、地域の実態を詳細に調査し今の官民格差を是正するのに異論はないし、そうするべきだと思っています。地域、地域の公務員給与の決め方のマニュアルなんてできないのでしょうかね。

投稿: 昔公務員 | 2010年10月18日 (月) 19時05分

あまのじゃくさん、昔公務員さん、コメントありがとうございます。

コメントを頂戴することで、記事本文で分かりづらかった点を補足できる機会となっています。このブログは日記(週記)のような位置付けでもありますので、今回の記事内容に至っています。三多摩選出の都議会議員ほど私自身は「三多摩格差」が喫緊の課題だと見ていません。間接的な言い方でしたが、「格差」の問題で考えれば、もっと深刻な地域差があるものと思っています。

私自身、最も問題視しているのは最後に記したような非常勤職員の処遇改善です。この問題も大きな総論の中で、各論の一つだろうと思いますが、司、司の立場から今後も重視していくつもりです。

投稿: OTSU | 2010年10月18日 (月) 21時20分

昔公務員さんも歴史があるのですね。当たり前でした(笑)。
私も幾つかの選択と決断がありましたが、「まあ、こんなもんだろう」ってな感じですね。

単に「官民格差」といって「給与」ばかりを正確に丁寧に調べても、決して「解」は出てこないように思いますし、常勤と非常勤にしても当然「その他の要素」を加味しないと「解」は出てこないように思います。

以前OTSUさんが「常勤・非常勤」の話をした時も、多くの人から「民間の実態もそこに入れるべきだ」という意見が出たのも、ある意味必然であろうかと思います。
格差を論じるのは当然ですし、理不尽な格差を是正すべきなのも当然です。

しかし、今の格差論議の俎上にも上がっていないが、広い視野で見てみたら『理不尽な格差が隠然と存在する』と多くの人が(主観的に)感じ取って、それに苛立っているんだと思います。本当の意味でそこを直視しメスを入れないと、決して日本は良い方向には進まないし、非難は激しさを増すでしょう。

投稿: あまのじゃく | 2010年10月19日 (火) 09時30分

あまのじゃくさん、コメントありがとうございました。

「理不尽な格差」は是正すべきものであり、何が「理不尽な格差」であるのか、そこから議論や合意形成が欠かせないもの考えています。その上で、まずは自分の目の前にある課題、自分の手の届く範囲で取り組める課題について、対峙していくつもりです。抽象的な言い回しで恐縮ですが、このような思いを強めている今日この頃でした。

投稿: OTSU | 2010年10月19日 (火) 21時10分

懇談会お疲れ様でした。地方からみると「東京」で一括りにしてしまうのですが、改善する点も多いようですね。
さて、私の職場では行政暴力の発生(時間延長に伴い体制が手薄になっている時間帯の出来事でした)など対応に追われる
日々でした。先日、時間外職場集会で取り上げた情勢報告では、連合等が要請している国が責任をもって行うべき公共サービス維持を放棄するような「地方分権」が行われる恐れがあるというものでした。(実際、首長の発言が業務を理解していない等、不安な気持ちになりました)そのほかにも新規採用が大幅減(地方出先では8割新規採用抑制)で職場に定員削減が小泉政権以上のものが来る可能性など、その一方で景気の悪化で爆発的に増えた業務量は一向に減少の兆しは見えないなど、閉そく感が漂うことばかりでした。国のままでいても、地方に移管されても前途は真っ暗、非常勤職員の数は増加していますが、正直な気持ち
「非常勤職員の人件費があればその範囲で正職員が雇用でいるのでは?」と思うことも多く、「最小不幸社会」とはなにかと考えることもあります。あいかわらずまとまりがありませんが、労組の活動を通じて、連合等に働きかけることもますます重要になってくると感じています。

投稿: ためいきばかり | 2010年10月19日 (火) 22時22分

ためいきばかりさん、コメントありがとうございます。

いつも国家公務員職場のたいへんさが、ためいきばかりさんのコメントから伝わってきます。総人件費2割削減の民主党マニフェストは、それだけが今後も一人歩きしていくと、ますます様々な問題が生じそうですね。いずれにしても公務員や労働組合のためだけではなく、国民生活にとってもプラスとなるよう連合と民主党との信頼関係が意義深く活用されることを私も願っています。

投稿: OTSU | 2010年10月19日 (火) 22時48分

そもそも”都”のありかた自体、歴史的経緯から”都制”が継続してるという側面もあって、今の地方自治法では従前の”都制”の継続を立法上の当然の前提としているというか、ある意味明確でない部分も無いとは言えないという説もありますからねぇ。だからこそ、他の道府県が”都制”を施行しようとすると、法改正が必要だとされている訳で。

23区は、平成12年の地方自治法改正によって、基礎的自治体と明示されたものの、しかしながら特別地方公共団体であって、その他の市町村=普通地方公共団体とは、やはり趣を異にしますよねぇ。(特別区職員としての)23区の職員採用が(都道府県としての)都の職員とは別に一括採用されたりしますし。
東京府+東京市=東京都となった根拠である”東京都制”と言う戦前の法令も、原則廃止されたもののごく一部の規定はまだ効力を有しますし。(地方自治法原始附則)

「東京都=23区」というイメージは、結構一般的なのかな?と思います。私の周辺でも、「東京都には23区と別に市町村がある」という認識の薄い人だっていますし。そうなると、東京都の所謂”地域格差の問題”と言われて直ぐに閃く人って、以外と少ないのかも知れません。
東京都というのは非常に広くて、23区以外に市町村もあるし、沖ノ鳥島、南鳥島や硫黄島だって東京都なんですけどね。

投稿: あっしまった! | 2010年10月24日 (日) 20時58分

あっしまった!さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。

拙い記事本文の補足となる説明には、いつも感謝しています。また、「東京都=23区」というイメージのご指摘、その通りなのだろうと思います。

投稿: OTSU | 2010年10月24日 (日) 21時08分

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