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2010年10月31日 (日)

台風が近付く中、自治労都本部大会

急に涼しくなり、秋を実感する季節となっていたため、前回の記事は「秋本番、多忙な季節へ」でした。ところが、秋本番どころか、先週は一気に真冬並みの寒さとなり、震える日が少なくありませんでした。地球温暖化の影響なのか、穏やかな四季の移ろいが薄れ始めているようです。また、甚大な被害を受けた奄美大島など、かつてない規模の豪雨に襲われる地域が増えています。そのため、異常気象という見方ではなく、日本列島全体が亜熱帯化しているという極端な話も否めなくなっているのかも知れません。

さて、自分自身の忙しさは相変わらずで、台風14号が関東地方に接近している土曜の午後、自治労都本部の定期大会に出席しました。早々に六大学野球の早慶戦や東京競馬場の開催中止が決まっていましたが、幸いにも鉄道のダイヤに大きな乱れはなく、強い風雨にさらされることもなく、市ヶ谷にある自治労会館を往復することができました。自治労会館に着き、ばったり参議院議員の江﨑孝さんとエレベーターを乗り合わせました。「ブログ、いつも拝見しています」という言葉が思い浮かびましたが、結局、短い時間の中では台風絡みの会話だけ交わしていました。

以前、自治労都本部の定期大会は平日の朝から夕方にかけて行なわれていました。「ヤミ」と批判されるような参加があった訳ではありませんが、数年前から土曜日の開催となっていました。さらに今年は午後1時から夕方までの半日で、すべての議事を終わらせるという過密な日程設定でした。それでも来賓の人数は例年通りの多さで、来賓挨拶が終わったのは午後2時36分、大会の約3分の1が挨拶の時間となる長さでした。

私自身は自治労本部委員長の挨拶をはじめ、いろいろな話を伺える機会だと考え、来賓挨拶の長さにそれほど抵抗感を持っていません。あまり中味のない型通りの挨拶が続くと飽きてしまうのでしょうが、話し上手な方が多いため、集中できる時間帯でした。一方で、平日夜に開く私どもの組合の定期大会は、なるべく来賓の人数は少なくし、挨拶の持ち時間にも協力いただきながら、できる限り来賓挨拶の時間が短くなるように努めています。

どのような会議でも同様なことだと思いますが、長々と続ける会議は好まれません。仮に新鮮な情報や意義深い議論に触れられず、事前に配布された資料が読み上げられるような時間となった場合、睡魔との闘いとなりがちです。幸いにも土曜日の都本部大会は、提案者それぞれがメリハリを付けた簡潔な説明に努めていただき、10人近くの代議員の発言が示されながらも、ほぼ予定した時間に終わることができています。

自治労都本部の方針案は多岐にわたっています。代議員からも幅広い内容の意見や質問が複数示されていましたが、特に質疑討論の中で印象に残ったのは政権与党との距離感の問題でした。人事院のマイナス勧告を上回る給与削減、「深堀」と呼ばれているそうですが、このような動きが示されること自体へ不信感を募らせているという意見も少なくありません。労使交渉のルールが確立されていない中、どれだけの「深堀」が妥当なのか、可能なのか、どのように決めるのか、まったく曖昧でした。

結局、公務員連絡会等の反対によって、今年度の人事院勧告はそのまま閣議決定される見通しとなっています。ただ来年度以降、国家公務員賃金の水準について労使で話し合うルールを定めた上、「深堀」議論が本格化することになっているようです。これまでも総人件費2割削減のマニフェストの問題など、自治労の会議の中で民主党を「これだけ応援してきたのに」という苛立ちや失望の声が上がっていました。

しかし、そもそも民主党は幅広い層からの支持を受け、政権交代を果たしています。当たり前なことですが、公務員組合の言い分だけ聞いて政策判断していく訳ではありません。一方で、自治労や公務員連絡会が直接政権与党と話し合えるパイプを持っていることも確かでした。今回、賃金労働条件の変更は「労使で決める」という原則を民主党側が受け入れた結果、人事院勧告の「深堀」は来年度以降に見送らせることができたものと理解しています。

このように対話できる関係性を築けていることについて、私自身は一定評価しています。もともと過度な期待は膨らませず、労働組合が民主党に注文を付ける際も「ゴリ押し」と見られないような謙虚さが必要だと考えていました。今回の「深堀」の問題も労働組合側に少なからず「是」があったからこそ、民主党側も方針転換した訳であり、国民の皆さんに向けても堂々と説明できる理由となっているはずです。

よく野党側は、労働組合から支援を受けていることが民主党の弱点であるような批判を繰り返しています。それに対し、ぜひ、民主党は労働組合との信頼関係があるからこそ、適切な公務員制度改革ができるという反論を加えて欲しいものと願っています。さらに自治労とのパイプは、各自治体の現場に根付いた問題提起や情報を得られる機会だと見ていただければ幸いなことでした。

自治労都本部大会での議論を改めて振り返りながら、このような思いを巡らしています。自分自身、大会での発言は見合わせていましたが、執行部や多くの代議員の問題意識は基本的に信頼を置けるものでした。台風が近付く中で行なわれた大会、とりまく情勢は自治労の先行きを暗示した見方となりますが、必ず台風一過の素晴らしい青空を見上げられる日が来ることも信じているところです。

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コメント

台風の中、定期大会お疲れ様でした。江崎さんの質疑も拝見しましたが、現在検討されている「地方分権」でもっとも欠落している部分を指摘されているように感じました。「深堀」の話にしても「政治主導」の名のもと労使交渉がおろそかになるようでは先の段階に進まないのではと感じています。「必ず台風一過の素晴らしい青空を見上げられる日が来ることも信じているところです。」私もぜひみてみたいですね。労使の丁寧な話し合いは全く期待していませんが、「政治主導」であるなら大臣などの政治家が交渉の場に出てくることも必要ではないかと思います。いずれにしても議論を尽くすことが求められていると考えています。

投稿: ためいきばかり | 2010年11月 5日 (金) 22時59分

ためいきばかりさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

労使交渉について理解が不足している国会議員も多いのだろうと見ています。だからこそ連合などの出番であり、直接話せるパイプを活用して欲しいものと思っています。その上で、私たち労働組合側の姿勢や発想に関しても、ある程度見つめ直す必要性も感じているところです。

このような自分なりの問題意識について、次回以降の記事で綴る予定ですので、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2010年11月 6日 (土) 07時14分

「職責を十二分に全うした者」に対して「それに見合った待遇や報酬」を提供する事は大歓迎です。
これは同時に「そうしなかった者」に対して「厳しい査定」を行う事を意味します。
これを「信賞必罰」と言い、それを失った組織は「末期的」とも言われます。
民間組織は「市場原理」という冷徹な掟が、信賞必罰を支えています。勿論、多くの例外がありますが、あくまで例外であって、例外が増えれば組織が消滅し、「組織自体」が信賞必罰の掟に晒されます。
そう言う意味で、金融・放送・社会インフラ会社などの様に一部の業界や一部の企業の既得権は改革しなければなりません。

公益の為に死力を尽くした公務員が「億の単位」で報酬を貰う事に、全く異論はありません。
同時に公益の為に働いていない者は退場すべきでしょう。
公務員に限らず「公」の為に働く「議員」や「首長」も例外ではありません。

OTSUさんが書いておられる「労使で決める」の「使」・・・つまり「使用者」は「公」です。
敢えて具体的に書けば「市民全て」です。それを念頭に置いておくべきでしょう。

自治労は私的な組織と考えていますが、若し役割があるとすると「労使」の中の「労」と同時に・・否、それ以上に「組織内部の信賞必罰」を徹底できるか・・が「自治労の存続」のカギを握っていると思いますよ。
それが出来ない場合は「組織自体」が信賞必罰の掟によって処分されるでしょう。

最後に、昔の偉い商人は政治と結びついて繁栄を願う同業者を「政商」とか「フィクサー」とか呼んで忌み嫌い、同時に蔑んでいました。
何故なら、結局は政治に振り回されて消滅するからです。お忘れなきよう。

投稿: あまのじゃく | 2010年11月 6日 (土) 09時27分

あまのじゃくさん、コメントありがとうございました。

ご指摘のとおり旧態依然とした組織では未来が展望できません。一方で、労働組合が労働組合の役割や責任について、広く啓発していくことも重要だと考えています。そのような問題意識について、次回以降の記事で掘り下げていくつもりです。あまのじゃくさんのご提起に対して適切にかみ合っていけるのかどうか自信ありませんが、ぜひ、またご注目いただければ幸いです。

投稿: OTSU | 2010年11月 6日 (土) 20時55分

あまのじゃくさんのおっしゃることはごもっともも思う反面、それが殆ど反映されていないのが公の組織でもあります。
すべての要因が自治労にあるとは思いませんが、使用者(市民という意味でなく)や議会も含めてことなかれにすませてきた経緯がそれを継続していると考えます。
かつては同一労働(本当に同一かは別として)同一賃金というスローガンで引っ張ってきた組合も右肩上がりの時代が終わり、それに異を唱える人が増え、ある者は組合を脱退していく時代になっています。
全員2割下げ等とはいわず、功ある者は2割以上の引き上げがあり、益無いものは2割以上の引き下げがあり、害ある者は退席いただく、いままでの組合の理論からは受け入れがたいでしょうが、そういった思い切った転換も考えないと、公機関の組合は、それ自体が害ある団体と外からでなく、中からの批判にさらされることとなるでしょう。

厳しい時代ですが、古い歴史に引きずられることなく、新しい道を模索してください。

投稿: 元役員 | 2010年11月 7日 (日) 06時57分

元役員さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

従来と異なる人事制度が模索されている動きそのものを否定できません。その上で、過去のブログ記事を通して様々な問題意識を綴っていました。参考までにいくつか紹介させていただきます。

2008年3月29日(土) ベストは見出せない人事制度
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2008/03/post_ec6f.html

2008年4月 6日(日) 脱成果主義の動き
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2008/04/post_1d10.html

2008年6月29日(日) 新たな人事評価制度
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2008/06/post_cb8c.html

投稿: OTSU | 2010年11月 7日 (日) 08時24分

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