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2010年8月 1日 (日)

高負担・高福祉のスウェーデン

議会を開かず、専決処分を連発している阿久根市の竹原市長は副市長まで専決処分で選任しています。厚生労働省の職員を対象にしたアンケートからは、長妻大臣ら政務三役の「指示に納得1%」という結果が明らかになりました。この1週間で目にしたニュースですが、それぞれ当ブログの記事として取り上げれば様々なご意見を喚起するような興味深い話題の数々でした。

とは言え、国の財政問題を切り口にした内容を掘り下げているところですので、前回の記事「なるほど、国の借金問題」を引き継ぐ内容で、今回も綴らせていただきます。前回記事の中で日本は低負担・低福祉の国であるという説を紹介しました。この見方に関しては評価は分かれるようですが、スウェーデンが高負担・高福祉の国であることは衆目の一致するところではないでしょうか。

最近の記事(もう少し「第三の道」の話)の中でも、財政再建と経済成長の二兎を追って成功した例としてスウェーデンを紹介していました。政府税制調査会専門家委員会の委員長を務めている東京大学の神野直彦教授が、スウェーデンは重化学工業からソフト・知識集約・サービス中心の産業構造にシフトでき、経済成長に成功した国であると述べています。そして、このような産業構造の変革は、強い社会保障が後押ししたと説かれていました。

私自身、スウェーデンについて漠然としたイメージで理解しているだけで、正直なところ詳しく調べたことがありませんでした。このブログでスウェーデンの話を取り上げながら、それでは問題だろうと思い始めていました。そのような時、立ち寄った書店で最近出版された「スウェーデンはなぜ強いのか」という新書が目にとまりました。たびたび研究のため、スウェーデンを訪問している明治大学商学部教授の北岡孝義さんの著書でした。

スウェーデンは社会保障が進み男女平等が徹底された福祉国家であると讃美するのも、税金が高く社会主義的な国であると批判するのも、一面しか捉えていない。「伝統的な家族」は崩壊してしまっており、母子家庭・父子家庭や片親の違う兄弟も普通のことだ。ボルボやサーブが破綻しても政府は救済しないなど、米国以上に市場原理主義的な国でもある。その特異な社会・経済を理解するためには、国家を支える理念と、それが生まれた背景を知る必要がある。

戦後の高度成長期に必要とされた「国民の家」の理念は、H&Mやイケアの企業戦略、年金制度改革などに、どう実践されているのか。スウェーデンは福祉を経済成長にもつなげている。しかし、それを表面的に真似ても、うまくはいかない。この国から学ぶべきは、個々の政策ではなく、政治・制度に対する国民の信頼という無形の社会資本を形成し、担保するしくみだ。日本がとるべき道を示唆する。

本の内容のポイントについては上記のとおり紹介されています。今回のブログ記事では、北岡さんの著書から読み取ったスウェーデンのことを細かく紹介できるものではありません。「この国から学ぶべきは、個々の政策ではなく」という上記の言葉のとおり日本の現状と将来に引き付けた視点で、あくまでも私自身が印象に残った内容を中心に掲げていくつもりです。もっとスウェーデンのことを知りたい方は、ぜひ、北岡さんの著書などをご覧いただければと思っています。

さて、スウェーデンの所得税は収入に対して55%までかかる場合があります。年金、医療、介護、失業保険などの社会保険料の個人負担は給与の7%で、企業負担が28.6%、残りが国の負担となっています。日本に比べて社会保険料の企業負担が高くなっていますが、法人税など企業課税は低く抑えられています。スウェーデンの企業は国民の経済的厚生の向上に貢献することが求められ、企業活動で得た利益は基本的に従業員や株主に還元すべきであるという考え方があるため、社会保険の企業負担が大きくなっているそうです。

さらに消費税率は25%(商品によって軽減税率も)という高負担ですが、それに見合った福祉制度が保障されています。最低保障年金制度があり、20歳以下の医療費無料、大学院までの教育費無料、託児所も無料、月額1万3千円の児童手当、在宅ケアを中心とした介護制度の充実など多岐にわたっています。そもそもスウェーデンの福祉は、育児、教育、医療、老人介護などは、原則として個人の負担ではなく、国の負担であるという理念があります。

福祉が行き届けば、国民はやる気を起こさないと言われがちですが、スウェーデンの国民は勤勉で、労働生産性は日本より遥かに高いそうです。政府が学校、職場、地域、家庭のあらゆる場で、男女平等、人権・個性の尊重を訴え、自立心の強さが国民性として定着している背景からでしょうか。また、「大きな政府」であることは確かですが、スウェーデン政府の企業政策はアメリカ以上の市場原理主義的だと見られています。

企業のリストラに反対するどころか、スウェーデン政府は容認している立場でした。企業の経営破綻に際しては、スウェーデンを代表する自動車会社のボルボやサーブへの救済も拒んでいました。その結果、失業率は常に高い水準をたどっています。しかしながら失業保険と職業訓練が充実しているため、失業そのものがより良い職を得るための準備期間であるとポジティブに受けとめられていました。

このような積極的な労働市場政策のもと、低生産部門から高生産部門への移動が容易となり、前述したような神野教授の発言につながっているものと理解しています。一方で、市場の機能がうまく働かない分野には、国が徹底的に介入していました。例えば、教育や医療サービスの分野では市場の機能を使わず、原則として学校や病院は国立・公立での運営となっています。

高度経済成長期における女性の就業率の上昇は伝統的な家族のあり様を変え、離婚率や自殺率、若年層の犯罪率を高めたという見方があります。その対応策としてスウェーデン政府は、崩壊した家族の代わりに国家が家族の役割を果たそうと考える「国民の家」という理念を打ち出していきました。この理念のもと1960年代から増税政策に転換し、きめ細かい福祉施策が整えられ、高負担・高福祉の社会経済政策が始まったと言われています。

そして、「国民の家」の理念や高負担・高福祉の政策を進めるためには、政治への信頼が不可欠です。その信頼を担保する施策として、まず徹底的な情報公開があげられます。国会議員の活動経費にはすべて領収書が求められ、活動内容の細部がインターネットからアクセスできるようになっています。なお、スウェーデンが発祥の地であるオンブズマン制度の活動のすべては国費で賄われています。

また、国会議員の多くは議員活動を行なうとともに本業も続けています。政治家が実生活から遊離しない効果があり、国会議員は職業ではなく、一種の社会奉仕であるという認識も定着しているそうです。さらに意思決定の迅速性と効率性を求め、スウェーデンの国会は1971年に2院制から1院制に改められていました。このように政治家側のあり方が日本と大きく異なりますが、国民の政治への関心はもっと開きがあり、スウェーデンの選挙の投票率は軒並80~90%という驚くべき高さでした。

北岡さんはスウェーデンの歴史や現状を詳しく紹介した最後に、日本が学ぶべきことなども提起されています。そのあたりまで、ここで掲げてしまうのは好ましくありません。ただ今回の記事をお読みいただいた皆さん一人ひとりが「日本とは違うところ、学ぶべきところ」などを思い巡らしているのではないでしょうか。ちなみに「税金は高いけれど、安心だ」という福祉国家スウェーデンを築いてきたのは、圧倒的な長さで戦後政治を担っていた社会民主党政権でした。

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コメント

これ読んでみてください。

北欧福祉モデルの幻想を斬る! 少女趣味的北欧観
http://togetter.com/li/35033

投稿: | 2010年8月 1日 (日) 22時52分

あとこれも。

スウェーデンは「ナチ」か?
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-7380.html

スウェーデン人による日本人への差別意識
http://anond.hatelabo.jp/20090420014751

投稿: | 2010年8月 1日 (日) 22時59分

記事を読むと非常に判りにいのですが「OTSU」氏が推奨する社会民主党政権が誕生したのは94年9月です。その当時は今のような高評価の財政状況ではなく、深刻な財政赤字を抱えた状況でのスタートでした。

そこで彼らが何をしたかというと、先ずは徹底的な歳出削減と増税を行っています。特に歳出削減では「歳出キャップ制」を即座に導入し例外のない削減を実行(財政規律の強化)したと聞いています。その時の合言葉が「負債を抱えた者に自由はない」というもので、それこそ「聖域なき構造改革」をし切ったと評価して良いかと思います。(日本は中途半端で止めてしまったのよね・・・・)

何の事はない・・スウェーデンは、あまのじゃく氏が常々指摘する「入るを計って出を制す」の実践例だという事なんですね。そして負債を減らした後に、初めて大きい政府とか小さい政府の選択があるというのも氏の指摘の通りです。やはり、これがすべての財政の基本でして、今EU内でしきりに叫ばれいる言葉は「スウェーデンが行った歳出削減や構造改革の例から学べ」だとの事です。


さて次にスウェーデンの高福祉(の一部)についてです。

スウェーデンは大変に個人主義的であることが有名です。そこには個人の自立が何よりも尊重されますが、家庭はあまり重要視されないという問題点があります。これはスウェーデンの離婚率と未婚率の高さからも証明されており、近年では生まれてくる子供の母親は大多数が未入籍という状況です。
そして、これが国が子供に対して不自由なく暮らせるように支援する制度が必要とされた背景です。要するに家庭の支援がなくても子供が生きていけるようにという事なんですね。一言でいうと家庭崩壊が一般的になっているといった感じでしょうか。

また、スウェーデンでは徹底した市場主義のせいもあって、相当数が非正規労働者です。そのため個人個人の収入は多くはありません。それでも個人主義ですので、自立がしたいがために、自分の子供や親を施設に預け働きに出ています。しかも職場の多くが福祉関係だから、金を貰って他人の子供や老人の面倒を見る・・・・これでは本末転倒ではないのかなと強く感じる部分です。

もちろん、高福祉が直接的に家庭崩壊に繋がるという断言ではありませんが、高福祉が個人の自立を助長するものであり、他人を必要とせずに生活できるとなれば結果は想像出来る範囲だと思います。
特にスウェーデンは選択制の夫婦別姓を早くから採用した国なのですが、なんだか日本でも似たような事をいう人が増えて来ているような気がしますよね。(個人的な願いなのですが儒教的な家族観を大事にして欲しいと思っていますので、家族の助けが必要な程度の低福祉の方が良いと思っています)


何だかんだと言ってスウェーデンが「社会福祉」の面ではお手本となる先進国の一つであることを否定しません。それに観察してみれば最近の日本よりは、よっぽど住みやすいのかも知れません。
ただ、今まで日本人は律儀なくらいの自己への強い戒めと責任感で難問を乗り越えて来たと思っています。それが自分が責任を取らなくても、社会が保護してくれるとなったならば、これからも日本人たり得るかどうかは凄く不安です。・・・・人間は弱い生き物ですからね。


最後にスウェーデンの財政の話なのですが、なかなか評判通りの福祉を維持するのも大変なようで、最近の財政状況は確実に悪化してきています。そのしわ寄せは既に表面化しており、例えば医療コスト等の見直しが日本同様に医療崩壊を起こしており、救急患者が待合室で数時間待たされ死亡などという事態も起きている様です。
財政状況により支出を削減するという「入るを計って出を制す」の徹底は見事と思いますが、なんにせよ身の丈に合わない福祉は、結果として維持できないという証明になりつつあるようで、天国のような国とは決していえない様です。


それにしても、財務省のレポートを軽く見た範囲では、スウェーデンより日本の方がよほど低負担高福祉なんですけどね。要するに日本はサービスに見合う負担がされていないというのは疑いのない事のようです。
さて、もう何も言わずに「とにかく支出を減らしましょう」という言葉がスタートラインで、ここ数か月の記事の結論になるような気がしています。

投稿: mobileSE | 2010年8月 2日 (月) 00時08分

2010年8月1日(日)22時52分と2010年8月1日(日)22時59分に投稿された方、mobileSEさん、おはようございます。いろいろな情報提供や多様な切り口となるコメントありがとうございました。

記事本文でも書き込んだとおり北岡さんの著書から読み取ったスウェーデンのことを細かく紹介できるものではなく、また、北岡さんの著書がスウェーデンについてすべて語っているものでもありません。前回と今回の記事、あくまでも日本の財政問題などを自分自身が考えていく上で、様々な素材として取り上げています。

その上で、記事をお読みいただいた皆さん一人ひとりが「日本とは違うところ、学ぶべきところ」など、それぞれの思い巡らしていく機会になっていただければ幸いなことだと受けとめています。もちろん、今後、それでは「自分自身はどう考えていくのか」という一つの「答え」も、このブログを通してお示しできるよう自問自答しているところです。

投稿: OTSU | 2010年8月 2日 (月) 07時56分

何故殊更スウェーデンをモデルにしようとしているのでしょうか?
民族の生業を分類すると「農耕」「狩猟(含む魚漁)」「交易」・・そして「略奪」。
まあ「土着性」という観点から「狩猟から略奪まで」を明確に区別出来るのかは別にして・・・・。
日本は典型的な農耕民族ですが、スウェーデンはなんと「バイキング」で、日本人とは対極の文化を持っているんですよ。

若しあなたたちが「弱い者は去れ」とか「戦いで死んだ戦士の子供を社会で育てよう」とか「あれだけ略奪して大した奴だ」という感性や文化を持っているなら、スウェーデンを参考にしても構いませんが、日本人はその対極にいるのですよ。

「出る杭は打たれる」「僅かな格差に嫉妬の嵐」「15の春は泣かせない」人達は「ばくち打ち」にはなれません。

第一、「スウェーデンでは教育・医療などの市場機能が働かない分野に国が介入」と自ら認めているのに、これを「第3の道」と称して経済発展の原動力と考える事自体、既に論理矛盾を起こしています。

投稿: あまのじゃく | 2010年8月 2日 (月) 12時22分

私も「OTSU」氏が、どうしてスウェーデンなのか、継続可能な福祉施策という面ではオランダの方が参考になると感じていますので、疑問に思っています。

確かにスウェーデンの高福祉は魅力的に映りますが、実際には市場経済主義による貧富の差、行き過ぎた個人主義による家庭の崩壊、移民受入れに伴う近年の犯罪率の増加等の問題があり、さらには「医療・介護」の分野が経済成長に寄与しないという事が証明され初めている状況等も見れば、貧困がない社会が健全で豊かな社会という氏の考えとは矛盾していると感じる部分も多いからです。全部が満足する魔法は存在しないのですよ。(親類や家族が崩壊し国家に頼りきらなければ生きられない・・国家に従属しているのではないか・・それで自立とか幸せと言えるのか・・とかね)

また外交面を見ても、スウェーデンは武装中立国家で自国の防衛は核攻撃を受けることすらも前提に入れ、強力な軍隊(以前は徴兵制もあった)を持ち、一線級の武装の独自開発や輸出をしています。また、近年では中立の旗を下ろす柔軟性も持っています。このように自国を守るために極めて現実的な選択を厭わない部分も、非武装中立を掲げる者とは相当に矛盾しているように感じます。平穏のコストは無料ではないということです。

ならば、社会民主主義政党が作り上げた福祉国家という名称部分に惹かれたのかなと思いましたが、それも紐解いてみれば「支出削減」と「増税」という当たり前の事を当たり前にした後の話であり、これは氏が否定する「小泉・竹中路線」と目指した所は一緒です。
ただし「小泉・竹中路線」では「支出削減」は手がけられましたが、小泉総理の支持率をもってしても大幅な「増税」には踏み切れませんでした。この部分は日本では「公への信頼」が何よりも不足している事を示しています。
これが日本に足りないものの正体で、スウェーデンを標榜することは、常々「私たちにお任せください」と言えるように、皆が納得出来るだけ身を正せと指摘して来ている私の持論に繋がっていたりもします。


これだけ私には矛盾している様に感じるのですが、それでもスウェーデンな理由が判りません。例えば労働組合がしっかり機能している数少ない国だからであるとか、労働人口に占める公務員の割合が突出して多く「OTSU」氏にとって都合が良いからとは流石に言わないですよね。
コメントの中で氏は「日本の財政問題などを自分自身が考えていく上での様々な素材」というように、別の回答を持っているかも知れませんので、大どんでん返しを期待して次回以降の記事を楽しみに待ちたいと思います。

それにしても「労働者が苦しむような構造であれば、それは改めるべきもの」という「OTSU」氏が、どうしてスウェーデンなのか、何故オランダではないのか疑問が積み上がっています。


そして、スウェーデンは「スウェーデンのために、時代と共に」という標語が表すように、良いと思われる施策を次々に導入して、新しい価値観に挑戦し続ける国でもあります。氏とは、何から何まで対極の様に感じてしまいますが、出来れば氏の価値観も柔軟に変って欲しいもので・・、これも私が常々指摘する部分ですね。


最後に日本であっても負債を返済し財政を立て直した後ならば、高福祉を目指しても何の問題もありません。でも私は個人主義よりも家族でいられる社会の方が好きですので、行き過ぎた高福祉はまったく必要としていません。

投稿: mobileSE | 2010年8月 2日 (月) 18時11分

あまのじゃくさん、mobileSEさん、コメントありがとうございます。

今回の記事は、これまで当ブログでも話題に取り上げていたスウェーデンのことをもう少し知ろうと考え、北岡さんの著書を手にしたところでした。その著書の中で、紹介できなかったスウェーデン企業の社会的責任の話などにも感心していました。厳格な品質管理と生産工程の監視、被雇用者の労働環境の整備、地球環境に対する配慮など、国民に商品の安全と安心を提供していくことをスウェーデンの各企業は重要な位置付けとしています。

このような点や国民の信頼に応える政治、政治に強い関心を示す国民の姿勢などは、日本もスウェーデンに学ぶべき事例だと思っています。一方で、すべて無条件にスウェーデンのような国家をめざすべきという論調ではなかったはずであり、あくまでも「日本とは違うところ、学ぶべきところ」などを思い巡らす機会にしていたつもりです。

いずれにしても今回の記事を投稿したことにより、スウェーデンに対する様々な見方が寄せられ、たいへん意義深く感じています。なお、記事本文の最後の一言、ちなみに「税金は高いけれど、安心だ」という福祉国家スウェーデンを築いてきたのは、圧倒的な長さで戦後政治を担っていた社会民主党政権でした。~は日本の社民党へのエールとともに複雑な思いをこめていました。さらに分かりづらくする一言だったかも知れませんが、ご容赦ください。

また、現在読み進めている本は『日本経済の真実』(幻冬舎)で、辛坊治郎さんと辛坊正記さんが兄弟で執筆していました。「日本沈没を食い止めた小泉・竹中改革」という章もある著書です。次回以降の記事が「大どんでん返し」となるのかどうか分かりませんが、そろそろ自分の言葉を中心に綴ってみようとも考えています。

投稿: OTSU | 2010年8月 2日 (月) 21時59分

いろいろリンクを貼った者です。僕は今この本を読んでますが、面白いです(古いけど)。OTSUさんにはぜひ読んでほしいと思いました。

アメリカの保守とリベラル (講談社学術文庫)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061590723/sr=8-1/qid=1280763684/ref=olp_product_details?ie=UTF8&me=&qid=1280763684&sr=8-1&seller=

投稿: | 2010年8月 3日 (火) 00時45分

2010年8月3日(火)00時45分に投稿された方、おはようございます。本のご紹介、ありがとうございました。

Amazonの内容の説明から察することですが、その時代ごとに政治や経済に対するベストな考え方を模索し続けている歴史と現実があるのだろうと見ています。その意味で、なかなか絶対的な正解は見出しにくいのかも知れませんが、とりまく情勢などを踏まえながら最適な選択肢を探していく努力は欠かせないはずです。

一個人のブログが何か影響を与えるような可能性は皆無だとしても、大多数の皆さんから理解を得られるような「答え」を見つけていくための議論は意義深いことだと思っています。800兆円の借金と向かい合うための「答え」、非常に難問ですが、もう少し当ブログでのテーマとしていく予定です。

なお、コメント欄での呼びかけを行ないやすくするためにも、ぜひ、名前欄の記入についてご協力くださるようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2010年8月 3日 (火) 08時02分

農耕と狩猟の関係をもう少し詳しく書かないと分からないですね。

農耕民族にとって最も怖いのは「米を夏までに食いつくす事」です。それは死を意味するからです。
だから「勤勉」を好み「浪費」を戒め、「貯蓄」(ストック)が第一。「ごくつぶし」なんて論外。

狩猟民族にとって最も怖いのは「獲物の絶滅」です。
だから「勤労」を戒め、「フロー」が第一。(狩猟を勤勉に行うと獲物が絶滅する)

だから「安息日」なんて働かない日を決めてるし、夏にはバカンスを取るし、昼から酒飲んでる。
あんなキリギリスを参考にしちゃ駄目駄目(笑)。

何故「捕鯨問題」が解決しないのか?それは「クジラの絶滅」というキーワードが狩猟民族のDNAを揺さぶっているからです。
あの連中のDNAなんぞに興味は無いし相手にする必要もないが、若し捕鯨問題を「解決」したいのなら「絶滅していない主張」ではなく「絶滅させないスキーム」を日本が提示する事です。そうすれば解決する。それが「主体的に動く」という事だ。(注1後述)

よく「社会保障を充実させれば日本人は安心して消費する」と主張する人が居ますね。日本人の特性を知らないバカのセリフです。
もうお分かりですね。日本人は「ストック」を持たないと(どんな美辞麗句を言っても)安心しないのです。
だから借金を返すのが最も良い方法なんです。借金を抱えている内は日本人は動かない。

日本人の危機管理の要諦を知っていますか?それは「じっと耐え忍ぶ」です。
農耕の最大の危機は「台風」「干ばつ」「洪水」のように「人智の及ばないもの」です。
だから「耐え忍ぶ」のが唯一で最高の方法(笑)。
(注1)だから主体的に動かない。だから捕鯨問題は日本発では解決しない(笑)。

早く借金を返す事です。少なくとも返す算段を整える事です。それが唯一で最高の方法です。

投稿: あまのじゃく | 2010年8月 3日 (火) 09時41分

先日から急に注目を集めている高齢者の居所不明の件は、年金詐欺との勝手な批判も加わって、例によって厚労相の思い付き指示と関係者への責任の擦り付けが行われている様に私の目には写っています。いつも通りに「ためいきばかり」氏の嘆きが聞こえて来るようです。
現場を知らない人間の主観なのですが、あの方は何を目的として誰にどう行動させたいのかという、業務における「スタート」と「ゴール」の定義があいまいである様に感じています。評価されることだけが目的というか・・、端からみているとコンパスの壊れた船を操縦させられているようなもので、職員は大変だろうなぁと同情しております。
嵐の中だろうと何だろうと方向さえしっかり指し示すコンパスがあって、行動をキチンと評価してくれる船長が居れば、乗組員は無理と無茶の中でも意外と頑張りが効くものなのですけどね・・・・。(本来は評価すべき立場の者が評価を気にしてるので末期的なのだけど)

それに批判する側も、例えば刑法ならば「してはならない」を定義し、記述無き場合ならば「しても良い」だけれども、官を制御する各法は「しても良い」を定義し、記述無き場合は「してはならない」となるのだろうなとか・・、だから警官を伴って行ってもどうにも出来ないのだろうなとか・・、法の不備と理解して官が動けるようにするには何が必要なのかとか・・、もう少し想像力を働かす事は出来ないものなのですかね。
逆に、新法や新条例により人権が侵害されるなどと言うときは、妄想とでもいうべき斜め上の想像力は逞しいのに・・・・。ほんとため息が出ています。(しかし今回の件は厚労省の中では待ってましたと考える人が居るかもとか・・、すでに改正法の原案が用意されてるのではとか・・、別の想像も尽きないわけで・・)


さて、来週以降の「OTSU」氏の話になりますが、自分の言葉を中心に綴って下さるとの事なので、期待して楽しみに待ちたいと思っています。その際には、出来れば「現状の何を問題と捕らえて」「何処を目指したいのか」という「スタート」と「ゴール」を体系立てて判りやすく書いていただけると助かります。さらに、可能ならば「ゴールする為に何が必要で」「何故それを必要とするのか」「それをどのように用意するのか」等を加えて頂けると理解しやすくなると思っています。(そういう面で、先ほどの「あまのじゃく」氏のコメント「農耕と狩猟の関係の話」は面白く読ませて頂きました。大変参考になる話で感謝しております)

逆に、先日の「OTSU」氏の記事の様に、偽装請負が問題化する中でキヤノンの役員賞与を数年間で1億3千9百万円から2億2千万円まで引き上げたことを「モラルのなさ」の一言で纏められると、どうしても拒否反応が先に来てしまいます。

そうは言いつつ、私も役員報酬の安易な高額化を批判的な目で見ています。それは、ある程度の規模の企業になれば短期的に高利益を計上させることは非常に簡単だからです。経営のスリム化と称して、人を切り設備を売却してしまえば、最高利益を更新させる事などは猿でも出来ます。経営者の腕はそれを長続きさせる事なのですが、現状はその視点が欠けているような気がしてなりません。言うまでもなく、それが一番難しいことなのに・・。
役員の報酬が、その手腕に見合うならば幾ら高額化しても構わないと思っています。しかし一定以上の金額を国にでも供託させて置くことを義務付け、10年後もその利益でいられたならば残額を渡しましょうという程度の規制はあってしかるべきですね。もちろん利益が保てない場合は没収かつ金額に応じて処罰ということで・・・・。

勝手な事を申しておりますが、対案のない批判とか具体性(現実性)の無い理想論を見ると、どう我慢しても直ぐに沸点を超えてしまうもので・・・・、こういう記述での高額化批判ならば理解も出来るし賛同もしますということです。

まぁ新規記事に対する個人的な要望とさせて下さい。

投稿: mobileSE | 2010年8月 3日 (火) 22時26分

あまのじゃくさん、mobileSEさん、コメントありがとうございました。

あまのじゃくさんの具体例を示しながら、難しい話を分かりやすく説明する論法には、いつも感心しているところです。mobileSEさんからは次回記事に対し、過分な期待をお寄せいただいています。そのハードルの高さに応えられるかどうか自信がありませんが、マクロとミクロ、総論と各論、それぞれの視点を意識しながら自分なりの宿題に臨んでみるつもりです。

本を読めば良いという訳ではありませんが、今夜、『絶対こうなる!日本経済』という榊原英資さんと竹中平蔵さんの対談を田原総一郎さんが責任編集した書籍を購入しました。この間、多様な考え方に集中(一夜漬け?)的に触れながら硬くなっている頭の中で、あれこれ自問自答を続けています。

投稿: OTSU | 2010年8月 3日 (火) 23時05分

こんなところも参考になります。
http://fukushi-sweden.net/index.html

高負担だろうが低負担だろうが、つまりは中身が大事です。
われわれは当然日本の中身がわかりますが、スエーデンの中身はわからないでしょう。
私も、参考にしたWEBページだけが真実だとは思わないので、あくまでも参考です。
果たして真実はどこにあるのか…

投稿: どっこいしょ | 2010年8月 4日 (水) 23時57分

どっこいしょさん、おはようございます。

2010年8月3日(火)00時45分にも投稿された方だと受けとめていますが、スウェーデンに関する新たなサイトのご紹介ありがとうございます。また、名前欄記入について、ご理解いただきありがとうございました。

投稿: OTSU | 2010年8月 5日 (木) 07時45分

日本と夕張は酷似している。
1:「石油によって夕張石炭の価値が下落した事」と「中国や韓国の台頭で日本製品の価値が下落した事」

2:両者とも「不況には公共事業を(刺激剤として)景気の回復を目指すべきだ」というケインズの言葉の(刺激剤として)の部分を「読み飛ばして」、公共事業や箱もの行政「だけ」で景気を維持しようとした事。

3:「夕張メロンという新たな価値を作った事」と「日本リゾート構想で新たな価値を創造しようとした事」
但し、これは今までの産業に取って代わる程の大きさにはならなかった事。

4:2の結果、大きな財政赤字を抱えた事。

5:そして最も愚かで恐ろしい事は、「夕張は財政赤字を取り戻す為に、スキー場やホテル経営を役人がやって、数百億のお金を騙し取られた」が、お国は「第3の道」と称して同じ過ちを繰り返そうとしている事です。

上の経過の中で評価出来るのは「3」だけです。
大事なのはみんなの知恵で価値のある物を沢山創造する事です。それには試行錯誤が必要で時間もかかります。
トヨタ自動車も最初は「安かろう悪かろう」だったのです。それが今では世界一。

そして行政や議会や学識経験者と呼ばれる連中が(思いあがった)「過剰な保護と規制」で、その意欲を削がない事です。
我々日本人が「失敗や猥雑さや結果の貧困」を許容出来るかどうかに全てがかかっていると言って良い。出来ないなら終わりだ。

最後に繰り返します。様々な理由があるにせよ、(一義的には)行政が予算を上程し議会が決めたから800兆円を超える借金を背負ったのだ。
だから「行政と議会のあり方」が最も問われているのですよ。阿久根市で起こっている様に。
この本質から目を背けていると地獄行きは近いよ。

投稿: あまのじゃく | 2010年8月 5日 (木) 11時22分

どっこいしょは2010年8月3日(火)00時45分の投稿者とは異なります。

欧州では寝たきり老人が少ないと聞きます。それは日本と違い、生かそうとしないかららしいです。日本では食べられなくなっても流動食、点滴などあらゆることで長生きをさせます。欧州では食べられなくなったらもう食べさせずに神の御心に従うべきという考えがあるようです。
いい点、悪い点が日本にもスエーデンにもあるわけですが、それを考慮に入れていない薔薇色な話には眉につばをつけています。
スエーデンでは、教育費や福祉が充実しているため安心して働くことができるという反面、若い人の活力がなくなっているという話もあります。もちろん逆に活力があるという話もあるわけで、ものの見方によるのでしょう。

とはいえ、私もちょっとWEBで調べた程度ですので上っ面だけで議論はできません。様々な見方からよい方法を導き出してほしいものです。

投稿: どっこいしょ | 2010年8月 5日 (木) 18時24分

あまのじゃくさん、どっこいしょさん、コメントありがとうございました。

どっこいしょさん、「こんなところも」という切り出しから火曜夜に投稿された方だと勘違いしてしまいました。たいへん失礼致しました。

土曜まで予定が過密のため、日曜に更新する次回記事は日本の財政のあり方などについて自分なりの考え方をまとめてみるつもりです。あまのじゃくさんらのご期待にそえるかどうかは、力量的にも方向性の問題に関しても甚だ自信ありません。それでも出来る限り多様な情報を取り入れた中で、一つの叩き台として示させていただこうと考えています。

ちなみに「叩き台」を電子辞書で調べたところ「よりよい成案をめざして意見や批判によって練り上げてゆくための、もとになる案」と書かれていました。そのような趣旨を強調しながら、肩の力を抜いて新規記事に臨んでみるつもりです。

投稿: OTSU | 2010年8月 5日 (木) 21時57分

次の書き込みを期待してます
私は火だるまみたいですがね(笑)
色々な意見があって良いのでは良いですかね
また傍観者のように否定されるのかもしれませんが(笑)

投稿: 元役員 | 2010年8月 6日 (金) 21時50分

元役員さん、コメントありがとうございました。

私自身、元役員さんのコメントは頷ける内容が多かったところです。いずれにしてもご指摘のとおり様々なご意見が伺えることの貴重さを感じています。ぜひ、これからも遠慮なさらず、よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2010年8月 7日 (土) 20時51分

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