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2009年12月 6日 (日)

年金機構への採用問題

実は前回記事の中で紹介した筆坂秀世さんの言葉は、あくまでも本題に入る前のイントロダクションのつもりでした。さらに紹介したかった言葉の前に昔話を置いてしまい、イントロの前にイントロを入れるような始まり方となっていました。いつものことですが、たいへん長い文章となるため、途中で予定していた記事タイトルを変更することとしました。

そのような顛末があり、記事タイトルを付けるのには思いのほか苦労しました。結局、「卵が先か、鶏が先か?」というマスコミの論調の移り気を主題としたタイトルに落ち着いたところでした。ちなみに前回記事のコメント欄で補足した言葉ですが、そのタイトルには「マスコミが世論を作るのか、世論がマスコミの論調を決めるのか」という意味合いをこめていました。

ここで改めて今回記事の本題に入る訳ですが、来年1月に社会保険庁の後継組織となる日本年金機構が発足します。その際、約1万人の職員の移行が決まっています。ただ前政権は過去に懲戒処分歴のある職員を一律不採用とする方針を掲げていました。この方針に対する私自身の考え方は、以前の記事「過ちとその処分のあり方」で示したとおり非常に不本意な話だととらえています。

年金のぞき見や交通事故などで戒告以上の処分を受けていた約300人の処遇が最終局面での課題となっていました。連合と自治労は、前政権の時から分限免職を回避するよう舛添厚労大臣らに要請していました。政権交代後の9月24日には古賀連合会長(当時は事務局長)と徳永自治労本部委員長が長妻厚労大臣に対し、何らかの形での雇用維持を強く求めていました。

しかし、長妻厚労大臣は「過去に懲戒処分を受けた職員は移行させない」とする従来の政府方針を踏襲することを表明しました。判断した理由として、長妻大臣は「世論の反発を懸念」したことを強調していました。この言葉を聞き、改めて長妻大臣の「ミスター年金」と評されてきた立場を思い返した上で、前回の記事「卵が先か、鶏が先か?」のような内容を当ブログで取り上げようと考えていました。

冒頭に述べたとおり前回は本題に行き着く前の記事内容にとどまりましたが、最近、「世論とは何だろうか?」との思いを巡らすようになっていました。そのような時、筆坂さんの「アンケートを取るなら、まず説明を聞いたか、から問うべきである」という言葉に接し、前回記事で世論の作られ方を自分なりに掘り下げてみました。つまり正確な情報や全体像が伝わっていない中で、物事の白黒が判断されているケースの多さを筆坂さんの言葉を借りて問題提起させていただきました。

とは言え、決して世論を軽視するものではなく、ことさらマスコミの報道の仕方を批判する提起でもありませんでした。私自身も含め、多種多様な情報の受け手となる側の当たり前な現実を踏まえ、さらに白黒の「印象」を先行させがちなマスコミ報道の習性や限界を理解した内容だったつもりです。要するに以上のような点を意識し、世論というものをとらえていく大切さを感じ取っていました。

先日の事業仕分けの中で、蓮舫参院議員が女性教育会館の神田理事長から「私の話を聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」と反発を受けました。この場面は繰り返しテレビで報道され、蓮舫議員は「生意気」「何様のつもりだ」などとの批判を浴びました。しかし、実際はその場面に至る前、神田理事長は30分近く一人で延々と話し続けていたため、蓮舫議員が一方的に説明をさえぎったという見方は少し違うようです。

それでも多くの人たちに対し、蓮舫議員は「気が強い」という印象を与えてしまったはずです。一方で、「切り込みの鋭さ」など肯定的な評価も高かったため、今回の蓮舫議員のケースは損な役回りだけではなかったことで救われています。過去、マスコミの偏った報道の仕方で、事実から離れた批判を浴び、ダーティーな印象を植え付けられた人たちの名前が数多く思い浮かびます。

反対に一度だけでも、たいへん価値あるホームランを放ったことによって、その好印象が保たれるケースも少なくありません。言うまでもなく、年金記録の問題を明らかにした長妻大臣もその一人ではないでしょうか。また、攻める側に回っている時の弁舌の切れ味は確かだろうと思います。それでも内閣の中で最も激務と言われる厚生労働省の最高責任者を担うことと、それまでの実績が見合ったものなのかどうかは正直なところ疑問を持ち、荷が重いように見ていました。

そのため、長妻大臣が年金機構への職員採用問題で「世論の反発」を口にした時、世論の力で押し上げられてきた立場を考えれば予想通りの話でした。「さすが長妻大臣」と評価する声も聞こえ、そのような判断が下されることを覚悟していましたが、やはり残念な結論でした。そもそも連合や自治労の要請は、組合員の雇用を守ることが大きな使命である労働組合として当たり前な行動であり、決して理不尽な圧力を加えていた訳ではありません。

日本弁護士連合会も昨年12月、懲戒処分歴を理由に一律不採用・分限免職とするのは「二重の不利益処分で、違法の疑いが濃厚」との意見を表明していました。国労のような集団訴訟に発展し、国が敗訴する可能性の強さも指摘されていました。最終盤の局面では、連合や自治労の意向を受けとめた平野官房長官が、そのような対立や混乱を回避するためにも、長妻大臣に再考を促していきました。

不祥事を重ねた「社会保険庁は解体」「職員は総入れ替えすべき」という根強い世論があることを承知しています。しかし、感情論に流されることなく、冷静で客観的な判断ができることは政治家としての大事な資質の一つであるはずです。幸いなことに長妻大臣がその判断能力を発揮し、12月1日、最終的な決着をはかったことが報道されました。

「ヤミ専従」による処分を受けた職員約20人は厚労省にも再雇用しない方針が確認されましたが、その他の職員は非常勤職員への応募が認められました。この結果を受け入れた自治労の徳永委員長は「不当であり、訴訟を起こす職員はいるだろうが、労組が全体で裁判をするという立場ではない」と述べ、組織的な裁判闘争には否定的な考えを示しています。双方が歩み寄った解決策ですが、今のところ「連合や自治労のゴリ押し」などという世論の声は強まっていません。

このような事例に対しても「公務員は恵まれている」という感情的な反発を招くのかも知れませんが、こそこそ隠す話ではなく、前述したとおり自治労らの行動の正しさを確信しています。逆に連合や自治労が組合員の雇用を守るために最大限努力したこと、民主党を支援している組織として訴訟リスクを回避する責任を果たしたことなど、堂々と世論へアピールすべきものと考え、今回、あえて賛否両論あるようなテーマを投稿させていただきました。

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コメント

先週の記事にも関連しますが、最近のマスコミの論調には随分恣意的な部分を
感じており、報道のプライドは何処に行った?と思いますが、それでも報道の
多くは「中立」「公平」に疑問符は付くが、基本的には個人のキャラクターを
強調する論調であって、捏造までは行っていないと感じています。

さて、蓮舫参院議員については、事業仕分時の顛末について、かなりの印象操
作があったかも知れません。ですが、この事がなくても10年以上前から「な
まいき蓮舫」と言われて、それをキャラクターとされてきた人です。「火の無
いところに煙は立たない」のことわざ通りに、事業仕分けを快く思わない勢力
に上手に利用されたというのが実情でしょう。

そして基本的に今の日本においての世論とは、声を大きく発する人の意見であ
り、大多数の意見ではありません。以前にも書きましたが、大多数の人は未だ
静観している状況であって、これはちょっとしたキッカケで取り返しの付かな
い流れになる可能性が高いのです。すなわち日本という国は、まだまだ極端に
世論が変わる可能性が十分にあり、政治的には決して安定した状況になってい
ません。それを政治家は十分に理解しています。

それを踏まえて「年金機構への採用問題」です。現状では公務員は「スケープ
ゴート」になっているのは疑いようの無い事実であり、この状況での旧社保庁
問題職員の雇用維持は政権の自殺行為に近いと言わざるを得ません。誰が厚労
相になっても、何処が政権を取っても今の状況では問題職員は分限免職とする
他に方法は無いでしょう。

OTSUさんの記事中でも指摘されていますが、長妻大臣は確かに1発のホー
ムランで今の評価を得た人です(何の実績の無い友愛総理よりは救われる存在
ですが・・)。そして、その実績で得た評価を覆されないためにも、懲戒処分
を受けた職員への今回の分限免職には、「強い決意」を「判りやすい形」で国
民に示す必要があっただけと思います。現実に支持は上がった訳ですし。

判りやすい意見は自分の痛みにならなければ、支持を集めやすいものです。


なんにせよ、現状の民主党政権はアキレス腱ともいえる「国民新党」「社民党」
の(我侭な)意見に振り回されており、その批判をかわす意味でも「自治労」
と「日教組」への風当たりを強くすることは容易に想像できる事です。

先にも書きましたが「火の無いところに煙は立たない」であり、それだけ昔か
ら公務員の働き方には問題が多くあったという事を謙虚に受け入れなければな
りません(いつもの通り法的には問題は無かったと言うかも知れませんが、市
民目線では十分問題だったということです)。

そして記事の最後で、「不祥事を重ねた社会保険庁は解体、職員は総入れ替え
すべき」という言葉は、もう社保庁の職員に限らず、我々すべての公務員に向
けられている率直な言葉だということを肝に銘じなければならない時期に来て
おります。そして、その覚悟が必要なのです。


見返す時間が取れず、まとまりのない文章になっているかも知れません。また、
ほとんど自分の時間が取れない日々ですので、Lさんから頂いた先週のコメン
トについては、また後日書かせてもらいます。

投稿: むかし民間、今・・ | 2009年12月 6日 (日) 23時33分

追記です。

過去に懲戒処分を受けた約320人のうち、民間応募者と同一基準で採用を決
める300人についても、長妻厚労相は当該職員を非常勤職員への応募させた
結果、民間応募者の採用基準に満たないとして大部分を不採用にするだろうと
いう前提で書いています。
もし採用すれば骨抜き批判で沈没しかねず、厳しい言い方になりますが、相当
の覚悟と説明力が試される事態になることと思います。それをする長妻厚労相
の姿も見てみたい気がしますが・・。

投稿: むかし民間、今・・ | 2009年12月 7日 (月) 00時03分

むかし民間、今・・さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

いつものことながら、むかし民間、今・・さんの強い問題意識が伝わってくるご意見だと受けとめています。その上で私自身は、今回記事の趣旨のとおり連合と自治労の動きは正しいものであったと考えています。

そして、そのような点を適確に主張しなければ、単なる「ゴリ押し」と見られ、連合が民主党政権の「アキレス腱」と言われる材料に使われかねません。前回の記事から続く思いとして、世論は作られる面、自然発生する面、その両面があることを踏まえた上、正確な情報を発信しない限り「偏った世論」となる恐れがあります。

その一助になれることを願いながら、このようなブログを続けてきました。ささやかな発信ですが、自分の正しいと考えた主張に対し、まったく異なる角度からご意見をいただけることも貴重な機会だと思っています。その意味合いからも、むかし民間、今・・さんのようなコメントを歓迎しているところです。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年12月 7日 (月) 07時10分

長妻さんの件はやはりここに行き着きましたね。
どのような人材を雇い入れるかは使用者の裁量ですから長妻さんとしては、公務員の身分を残しておいた方がやり易かったかもしれません。

世論について気にされているようですが、株価や支持率のグラフみたいなもので、一時的に過度に振れてもその内容が明らかになっていく過程で本質的なところに落ち着くと思います。
公務員バッシングがいつまでたってもなくならないのも相応の理由があるからでしょう。
鳩山政権についても総選挙前からいろいろと論評がされてきましたが、内輪からの突き上げに弱すぎて、個人的には予想より早く期待が冷めてきました。
鳩山家の騒動や社保庁のその後を見ていると課税されないようずさんにやるのが賢いようです。
最近「一身独立して一国独立す」という言葉に出会ったところですが、日本では通用しないようです。
阿久根市長は終に自爆しました。おめでとうございます。
98年以来暗い世相が続いていますが、ここから暗い世相の二番底が予想されます。それでも日本人は大人しいのでデモよりは自殺など泣き寝入りするだけなのでしょう。
いっそのこと自営業者を含め所得を公務員並に保障し、そのために国が強制的に資本注入したらどうですか?

むかし民間、今は・・・さん。
私のコメントを気に留めていただきありがとうございます。
私ならその理不尽な人間関係と長時間労働が重なれば精神を病んでしまうところですが、くれくれもご自愛下さい。

投稿: L | 2009年12月 7日 (月) 13時18分

公務員バッシングは今後何年も続くでしょうね(派遣切りした企業のバッシングはもうしないのでしょうか?)
民間企業の場合、「企業の経営判断」で容赦なく派遣切りをしたうえ、助成金はしっかりもらいますからね。
さらに気になることは地方自治体(国もしているかもしれませんが・・・)がその派遣会社に「業務委託」をしていることも多く、税金で助ける必要があるのかなと疑問に思うことも多々あります。(委託費も税金なのでその事業を「やめる」ということも必要ではないのでしょうか?)
社会保険庁も私の周辺では受け止め方は様々です。(基礎年金番号すら法律で定められているものではないうえ、法律もつぎはぎと職員レベルではどうにも解決できないものが一気に噴き出したのですから)
私がもしその立場なら裁判で決着をつけるのかもしれません(「のぞき見」処分された職員も自分が操作をしていないのに連帯責任で処分された。(はやく仕事を覚えるために有名人などで検索しなさいなど)もちろん、情報をリークするのは論外です。交通事故で補償もすみ解決しているのに再雇用されないのはどうかと思いますが・・・)

投稿: ためいきばかり | 2009年12月 7日 (月) 21時36分

Lさん、ためいきばかりさん、コメントありがとうございます。

業務以外での年金記録の「のぞき見」や交通事故における過失など、相応の処罰を受けています。そのことをもって免職という判断の理不尽さは、ためいきばかりさんのご指摘のとおりでした。幸いそのような極端な突き放し方は避けられたのが、今回の決着でした。この結果をどのように見るのかは記事本文で提起したとおりだと思っています。

Lさんから「阿久根市長は終に自爆」という一言がありましたが、竹原市長のブログでの障害者に対する差別発言の問題を指されているものと思います。最近、ずっと市長のブログなどは閲覧していますので、よく状況は理解しています。ちなみに次回以降の記事で、取り上げることも考えていたところでした。

投稿: OTSU | 2009年12月 7日 (月) 23時06分

年金問題は国民にとって重要な問題なので
世論ばかり気になるのは分かりますがきちんとした対応を取って欲しいです。

民間から千人もの新規採用を行っているそうですが
世間には年金の仕事がどれだけ複雑で大変か知られていませんし
しかも政府がどんどん政策変更するもんだから今まで対応が相当大変だったと思います。
そのうえ今回の件で経験者である人が沢山いなくなるでしょうし、
こんな混乱しているときに経験豊富な人が減り、何も知らない新人が大量に入ってきたらもっと混乱するのでは?

民間人を受け入れるのは結構ですが、出来ることなら中をちゃんと整えてから入れるべきでは?
こんなんじゃまた何らかしらの問題が発生する気がします。

それに新たに入る人は国家公務員の激務をどれだけ知っているんでしょうか?
公務員=楽だと思い込んでる人もいますが、
国家公務員は残業100時間超えが当たり前、200時間超えもごろごろいますし、キャリアでは当然のようになってますし
働いても残業代は定額(せいぜい15時間)しかつかない
忙しい時期によっては中には300時間に達するツワモノもいますし
平日も土日も午前様か職場に泊まるかするような生活になるかもしれないってことをご存知で応募されたんでしょうか?
女性も同じように働いてますし、子供がいても早くなんて返してもらえませんし、
職場で倒れる人や過労死する人、過労が原因で自殺する人鬱になる人も沢山出ててますし、しかも年々増えている。
しかもこれからも人員削減はされるでしょうし。国家公務員は人手不足でパンク寸前な所は沢山ありますし。
それなのに世間では楽してる安定してるけしからんなどどバッシングを受けますし
元民間人でも公務員になってしまえばバッシングを受けることになるでしょうし、何も知らずに入ったら地獄を見るのでは?

そもそも国家公務員の労働環境の悪さも今回の年金問題の原因の一つではないんでしょうか?

今回の対応はどうも納得できないというか正直不安です。
労働環境は劣悪のまま、経験者を減らし新人を増やしたらどうなることでしょう・・・

確かに世論に納得してもらうためには職員の首切りは回避できないでしょう。
しかし問題は他にあるような気がします。その他の問題についてはきちんと対応をしているのか不安です。
中の人間を入れ替えても労働環境や仕組みなどを改善しないと問題は解決しない気がします。

そのうえ歴代の社保庁や厚労省のトップや幹部は誰も処分されていないですし
なんだか派遣切りというトカゲのしっぽ切りをしても責任を問われてない大企業のトップとにているなあ・・・と思いました。

投稿: hamstar | 2009年12月 8日 (火) 14時53分

hamstarさん、コメントありがとうございました。

いろいろ国家公務員職場の詳しい実情が伺えるご意見です。社会保険庁の問題に対し、前政権は感情的な見方が先走っていたものと思っていました。政権交代を機会にhamstarさんが指摘しているような判断が改めて働くことを期待していましたが、残念ながら流れは大きく変わりそうにありません。その意味でも長妻大臣が適材だったかどうか疑問に感じているところでした。

投稿: OTSU | 2009年12月 8日 (火) 22時22分

> hamstarさん

年金業務を詳しく知っている訳ではないので断定的な意見は避けますが・・。
どうしても引っかかるので意見させてください。

確かに現状の業務サイクルの中に、何も知らない新人が入ってきたら多少の混
乱はあると思いますが、それも一時的なものだと考えます。そして、あなたが
なぜ疑問視するのかが不思議です。
全体で1万1千人規模と聞いています。その中で民間からの新人は約1000
人ですから1割程度の人員が新人になるのですが、年金に限らずどこの職場で
も1割程度の新人は定期異動で受け入れていませんか? まして4月採用の新
社会人という訳ではないのですから、もしこれで長期に混乱をきたすようなら、
とことん組織的に問題があるということだと思いますが、いかがでしょうか。

勤務状態について、確かに一部の公務員は楽ではありません。そして
> 国家公務員は残業100時間超えが当たり前、200時間超えもごろごろいますし、
> キャリアでは当然のようになってますし働いても残業代は定額(せいぜい15
> 時間)しかつかない
> 忙しい時期によっては中には300時間に達するツワモノもいますし
というのも事実と思います。
でも、それは中央官庁勤務の人が中心の話であって、公務員全部がそうではな
いですよね。相当以前の話になりますが、私が場末の社会保険事務所を実際に
見た経験上では、暇そのものでした。

あまり良いことではありませんが、民間にも残業200時間越えの人はゴロゴ
ロいますし、手当てが出ない人も沢山いるのは事実です。私自身も実際に30
0時間越えも経験しています。公務員だけの話ではありません。
それを公務員全体のようにいうのは、反発を招きかねないと思いますが・・。

そして、もし言われるように「公務員=楽」と思って応募してきているならば、
退職者続出の事態になるかも知れませんが、場末の地方自治体の経験上でいえ
ば、逆に半年から1年程度で周りの先輩職員に取って代わる存在も多く出てく
ると思っています。
なんにせよ前例主義の色濃い職場に、何も知らない新人が入れば業務の見直し
も強制的に進むでしょうし、悪いことばかりではないと思います。
民間から役所に入ると、業務サイクルに「なぜそのやり方」で「なぜその部分」
に「なぜそこまで拘る」のか疑問点が一杯あり、勿論ある程度は理由があって
そうなっているのですが、反面かなりの無駄も内包されていて、とっても不思
議な仕事の進め方が、役所には存在しています。

忙しいのは理解しますが、その「業務」が「報告」が本当に必要なのか、忙し
さをなげく前に、全体で見直す時期に来ているのではないでしょうか。それも、
見直さないと共感は得られないと思っています。


でも確かに楽ではないです。私自身今年の平均の超勤時間は200時間弱、帰
るのは大体今くらい時間で、とうぜん手当てなど付いていません。何時も通り
3時間寝て戻るの繰り返しになります。
民間と違うのは収入が半分になったというところでしょうか(笑)

投稿: むかし民間、今・・ | 2009年12月 9日 (水) 03時54分

私も民間企業で働いてたので民間での勤務時間は分かります。(今は求職中ですが)
けして公務員全部を指して言ったつもりはないのですが、
そのような誤解を招いたのなら謝ります。
公務員はかなりジャンルが豊富で部署にもよるので公務員とひとくくりに話すのはむしろ疑問に思っているぐらいです。

ただ、年金問題については政策が変わるのに追いつけないような状況があったと思います。
新入社員の方については人数は別に多いとは思いませんでしたが、
今の混乱状況の中で大丈夫かなと一方的に心配になっただけです。

上記の文章ではちょっと誤解を招いたようですね。
すみません。

投稿: hamstar | 2009年12月 9日 (水) 14時16分

政権が変わって「良くなった」という実感は業務面(処遇面も)まったくありません。残業代は財務省が抑制しているためサービス残業が横行している状態はひどくなる一方です。(出先機関でも過労死ラインを超えているうえ法令、通達、会計規則などの関係で業務カットもままならない現実もあります。)
そのうえ、大臣の「思いつき」発言で現場は混乱しています。テレビで発言した内容が現場の実情や効果が見込めないことも無視して現場に指示が来ています。効果が見込めないことを説明しても「発表した」で終わったそうです。労組からも懸念の声が上がりましたが無視のようでした。(事前に説明がないこともこれまでたびたびありましたが政権交代後ひどさがましてきました。)
この指示で関係者(民間の第三者)の参加も要請しなくてはいけませんが、実施までに時間がなく、もし参加がない場合、期待してきた利用者の方にどのようにお詫びしたらよいのか担当は苦慮していました。(大臣が思いつきで決めたことなのでと正直に言えればいいのですが・・・「責任回避」と怒られますね・・・)
これが政権交代(正直完全に失望しました)かと思う反面、パフォーマンスだけでは国民のためにならないことも現場から声をあげることも必要ですね。

投稿: ためいきばかり | 2009年12月 9日 (水) 20時03分

「むかし民間、今・・」氏

いつもながら大変な問題意識(だけ)ですね。
言いたいことは判りますが、それではあなたは何をするのでしょうか。前にも指摘しましたが、問題意識も改革意識も結構ですが、実現させなければ何の意味もありません。考えるだけでは時間の無駄にしかなっていません。なんだか、そこのところを忘れているように見えますよ。
そして、いったいあなたは使えない人間を自分の役所から何人叩き出したんでしょうか。撃墜マークが5つも付いているなら、そのお話にも説得力が出るというものです。私たち市民は使えない役人が叩き出されるのを、首が長くなるくらい待ってるんですよ。
それにしても、やたらとにエネルギーだけは感じますが、組合を否定している訳ではないらしいですし、いったい何をしたいのでしょう。すごく興味がありますので、もう少し判りやすく書いてもらえませんか。
実際の活躍に期待します。


「hamstar」氏

横レスです。
ブログのコメント上の論議でなぜ謝るんでしょう。あなたの意見があり、それに対して他人から別の意見が出て、それらがぶつかって論議でしょう。見たところ強く否定された訳でも非難された訳でもないようですし、言い返すくらいしても良いと思いますが。
ただ、社保庁の件については、おそらく私と対極的な考えをお持ちの様ですので、新たな意見が出てきてくれれば、こちらからも打ち返そうとは思います。
とにかく謝る必要はないと思いますし、謝罪を要求されることも無いと思いますよ。
(過去に要求はしないと言って、暗にしっかり要求していた「しょーもない」人もいましたけど、そんな人は例外中の例外と思って良いと思います)

投稿: mobileSE | 2009年12月 9日 (水) 21時13分

むかし民間、今・・さん、hamstarさん、ためいきばかりさん、mobileSEさん、いつもご訪問いただき、ありがとうございます。

幅広い立場や視点から様々なご意見が伺える、その貴重さだけでブログのコメント欄は充分ではないでしょうか。それぞれのコメントに接し、今までの自分自身の考え方を改める機会となるのか、ならないのか、なった場合は非常に意義深い意見や情報に出会えたことになります。

私自身、このブログやコメント欄で発信する主張が少しでも、一人でも、多くの人たちに共感いただけることを願いながら続けています。ただ過度な期待は落胆の裏返しとなりがちですので、淡々と楽天的に記事を重ねてきています。そのような運営方針へ、ぜひ、ご理解くださるようお願いします。

投稿: OTSU | 2009年12月 9日 (水) 23時16分

横槍失礼
mobileSEはん、いつもむかし民間、今・・はんに対して厳しいな。辛口の激励なんか?
中小のワンマン社長でもそうそう社員を辞めさせることなんて出来ひんのに、民間から転職した一役人に対して何を期待してるんや?オレは「むかし民間、今・・」はんが問題意識を持って働き、この場でめっちゃリアルな現状を語ってくれるだけでおもろい事やと思てる。内容かておもろいやんか。ブログ主はんとは違う切り口のコメントは、このブログにおいて非常に価値あるもんやと思うんやけどな。オレの住んでる市役所もこういう役人ばっかりやとええんやけど。

むかし民間、今・・はん
そういう訳でコメントはいつも興味深う読ませてもろてるで。職場のコメントの時は、えらい臨場感あるさかいオレもそこで働いてる気分になるわ。

・・・と、そういう事をきれいにまとめたんが上記のブログ主はんのコメントやったんか。書いてから気付いたわ。でもせっかくやし送る。

投稿: K | 2009年12月10日 (木) 00時37分

「K」氏

すこし以前に「OTSU」氏と「むかし民間、今・・」氏で、図書館の民間委託に関する労使交渉について、論議になりかけたことがありました。
あれで「OTSU」氏の方は組合役員という立場上「市民の利益」より「自身の所得」が常に優先されることが明確になりました。これは市民からみると判りやすい「悪」であって、その行動について「市民の利益にもなる」と建前や奇麗事で論じても、もう騙される市民はいないと思います。ですから、今後も市民に支持されることは無いと思いますね。
それに対して「むかし民間、今・・」氏ですが、話を額面どおりに聞くと改革を期待したくなります。でも実績は何も無いし、本当に市民目線で変わっていくのかの保障もありません。期待したくなる事を言うが何も変えられないでは、市民からみると「すごく判りにくい悪」となります。これが一番いけません。

同じようなことを期待して、みんな今の政権に3ヶ月前に投票しましたが、もうそろそろ、その選択の結果に気が付いてもいい頃だと思います。このように「判りにくい悪」を支持すると後で酷い目に合わされるものです。それが、私が辛口になる理由ですね。

ただ万が一にですね、「むかし民間、今・・」氏が実績を残すようなら、持ってるもの全部を出してでも支持したいと思いますよ。ですから、今のところは辛口の激励といったところですね。

投稿: mobileSE | 2009年12月10日 (木) 21時26分

なるほど「判りやすい説明」ありがとさん。
ただ人事権の無さそうな一役人のコメントと、一応我が国で最も権力のある集団とでは、背負う責任が違うでな。
そういう視点で言えば、「むかし民間、今・・」はんには是非出世してもらわんとな。そういう世の中であって欲しいていう願いもこめて。

で、本論は年金機構云々やったか。
正直、仕事忙しいしそんなん興味ないんやけど(ていう人多いと思うけど)、オレ的には、そやな、「世論がうんたら」いうて、二重処分してまうんは、あかんと思うな。それはそれ、これはこれとして、きっちり説明出来んとあかんやろ。大臣だろうが誰だろうが、顔色伺うて政治してたら、グダグダになってまうがな。

世論はともかく、スジは通す。コレ、「判りにくい『善』」やと思うけどなぁ。

投稿: K | 2009年12月10日 (木) 23時11分

Kさん、 mobileSEさん、ご訪問ありがとうございます。

mobileSEが指摘された「判りやすい悪」や「すごく判りにくい悪」の話は残念なことです。そのように見ている人たちに対し、どのように言葉を尽くせば良いのか本当に難しく感じています。

投稿: OTSU | 2009年12月11日 (金) 01時23分

日本年金機構に採用される民間出身者には、現場第一線の課長クラスの役職者も多い訳で、それ自体は組織風土の刷新に有用だと思うので肯定的なんですけど、十全な事前研修無しでいきなり配属するのは、余りにもリスキーだと思ったり。

昨年頃から既に何人か居られる公募で選ばれた現職の所長さんだって、「自分の眼で確認する限り、(少数の特例規定を適用するような案件は論外のこと、日常の対応でも)窓口で一人前になるには、6ヶ月間の事前研修をしてもなお十分でないほどに扱っている業務は難しい。安易な外部委託は極めて危険。」という主旨の発言を議事録に残しておられる位ですから。

大体、今現実に支給されている全ての年金給付は、附則(及び経過措置政令)に根拠がある世界です。六法全書に収載されている本則だけをみて安易に考えては、複雑さ・難解さ・多彩さを見損ねるですからねぇ。年金額からして、従前額保証という改正法附則に基づいて、本則以上の金額が支給されてる位だから。

既存の受給額や受給要件などの歴史的経緯を断ち切って、今貰ってる人もこれからの人も全員が一斉に新規の受給額や受給要件に移行するという国民的同意が得られれば、かつ、財産権という憲法問題が超えられれば、もっとシンプルな法律(=制度)になるんでしょうけど。

それに、いくら人員を総入れ替えしても職員が完璧なオペレーションをしても、制度の対象となる国民・住民・企業の側が適時・適正・適切な届け出や各種義務の履行を怠ったら、記録の不整合はいくらでも発生し続ける。仮に、住民票記載の住所と、現実の居所が異なる(都市部の学生さんや単身世帯に意外と多いでしょ。DV被害者とか考慮されて然るべき事情がある訳でなくて、単に届出してないだけの人。)とか、転居を正確に(機構に)届け出なかったりする人が発生すると、その時点で記録の正確性は崩れるんだから。行政や年金機構は、住民票や機構への届出が、現実と乖離していないという前提でしか、動けないんだし。(制度執行上日本より格段に有利なツールである社会保障番号とか納税者番号を有するような)先進諸国をみても、記録の不整合は毎年大量に発生してるんだから。

ホントは、そう言った制度(=法令)や社会環境や住民意識という背景事情、関係する他制度や住民・企業の側の問題等も含めて、きっちり論じないとトカゲの尻尾切りに終わるばかりか、何年かたってまた同じような事を繰り返すことになるんじゃないかな。

投稿: あっしまった! | 2009年12月11日 (金) 10時27分

あっしまった!さん、いつも詳しい解説となるコメントありがとうございました。

どうしても「見える所」が取り沙汰されてしまい、ご指摘のような本質論が後回しになっているように感じています。自治労組合員の私がこのように述べると、また「自身の所得」を優先しているように見られてしまうのでしょうか。その意味で、あっしまった!さんらのように公務員ではない立場からのコメントは客観的な提起につながり、たいへん貴重なことだと感謝しています。

投稿: OTSU | 2009年12月11日 (金) 22時27分

> mobileSEさん

いつもの様にレスが周回遅れになっていますがご勘弁下さい。また、今週の記
事の欄で回答しようかとも思いましたが、今週の記事コメントの書かれ様です
と恐ろしくて・・、こちらにて回答します。

以前、私のいた部署でこんな事がありました。
A その方は、業務終了の直前に息を切らして窓口に走ってこられ「今日が納
  期のお金を納めたい」と仰りました。私は謝意を伝えると共に(キチンと
  納めてくれるならば)多少の遅れは構わないので無理をしないで下さいと
  お話したところ、その方は「期限と約束はキチンと守らなければ駄目」と
  逆にお叱りを受けました。最後に聞いた「ありがとう」の言葉は、今でも
  忘れたことはありません。
B その方は、当時の素人徴収員の私が見ても、明らかに支払い能力のある方
  でした。ただ「素直に納めるのは馬鹿らしい」「ダメ元で一度はゴネてみ
  ろ」との考え方の基に、催告に伺うと直接関係ある事から関係ない事まで
  あらゆる職員不祥事の事例を持ち出し、それを理由に納めることを拒否し
  続けました。また、クレームを大きくするために、あらゆる物を利用する
  方でもありました。
C その方は、とにかくクレームと揉め事が嫌いな職員でした。Bさんに対し
  闘志を燃やす私を冷ややかに見つめて「払いたく無い人から無理に納めて
  もらう必要はない」と言っておりました。またAさんを見て「払いたい人
  は納めればいい(それが正しい姿)」とも言いました。そして「市は営利
  企業ではない。市は倒産しない」との持論の持ち主でした。
私は現状に納得できずC職員をなんとか説得しようとしましたが、残念ながら
他人の意見(特に中途の意見)に耳を貸す人ではありませんでした。また、職
場の考え方を変えたくて、主導権を得ようと賢明に仕事し収納率ではトップに
なっても見せましたが考え方が変わることはなく、組合はC職員を擁護し私が
職場から排除されました。

私の行動の原点は「正直者が馬鹿みている姿を見るのは、自分には耐えられな
い」です。そして、Aさんの様な方には納めた分の益をキチンと受けて欲しい
と常々思っています。
その為にはBさんのような方には応分の負担をキチンと強制させなければなり
ませんし、それを実行する為にはC職員の様な考え方を役所から排除し、叩か
れても埃が出ない職員集団にする必要があると思っています。

ですから、私にとって別に組合は敵ではありません(多少の恨みがあることは
否定しませんが・・)。さらにC職員もBさんも私にとって排除の対象ではあ
りません。ただAさんの益を守る為に、それが邪魔となるならば、相手が何で
あっても排除する事を躊躇しませんという事です。
今でもあまり上手に動けてはおりませんが「何をしたいか」を格好良くまとめ
るとこんな感じになります。

でも実際には配属された先々で自分が排除され続けており、最近ではすっかり
つぶし合うのが日常になっておりました。それでも、このブログを見ることで
斬りかかる日常から多少は対話多めの仕事ぶりに戻った様な気もします。

mobileSEさんのコメントを読むと、私と良く似た現状認識と考え方の持ち主の
ようです。しかし立場が違えば、見方も見られ方も変わるのだなと感じていま
す。今回も「判りにくい悪」と言われるのかも知れませんが、そんな私の「判
りにくい行動理由」をお知らせしておきたいと思います。

投稿: むかし民間、今・・ | 2009年12月24日 (木) 22時10分

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