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2009年11月 1日 (日)

自治労都本部大会で感じたこと

前回の記事「お役所バッシング」へ多くのコメントをいただきました。これまで一つの記事に対し、コメントが100件を超える時も何回かありました。前回、数はそこまで及びませんが、投稿者の熱意や力のこめられたコメントが多く、いろいろ自分自身の考えを巡らす貴重な機会となっていました。

新規記事の投稿は週1回ですが、お寄せいただいたコメントへは素早く対応するように努めています。それでも内容が濃く、難しい提起となるコメントが続いた場合、時間的、力量的にも逐次レスできなくなっています。また、投稿者同士の議論など「掲示板」的な使われ方を歓迎しているブログですので、直接的な問いかけではない限り、ロムに専念することも少なくありません。

そのような点をご理解ご容赦いただいた上で、今後とも当ブログとお付き合いいただければ幸いです。なお、ご存知の方も多いと思いますが、右サイドバー「最近のコメント」の投稿者名をクリックすると、そのコメント内容へ一気に飛ぶことができます。コメント欄を開いてから下へスクロールしていく手間が省けるため、コメント数が増えてくると欠かせない便利な機能だと言えます。

さて、「お役所バッシング」というテーマに関して様々な視点からご意見をいただき、今回、その続きとなる記事内容を考えていました。単刀直入に「Part2」とすることも想定しましたが、公務員に向けられている厳しい視線に対し、適切な「答え」が簡単に見つからないのも現実です。そのため、「結論」的な内容を急がず、「バッシング」をどのように受けとめていけば良いのか、その切り口を模索するための素材として率直な思いを綴らせていただきます。

昨日の土曜、自治労都本部の定期大会が総評会館で開かれました。その大会の中で、数多くの来賓や出席者の皆さんの意見を聞くことができています。非常に共感できる発言がある一方、「ちょっと違うんじゃないかな」と心の中で突っ込みを入れている時もありました。昨日の大会は規約改正と役員選挙の一票投票もあり、いつもより議論の時間は限られていました。

そのため、発言者は初めに挙手した12人に絞られ、大会の場で意見を述べる機会はありませんでした。今回、その時に感じたことを書き進める訳ですが、これまでブログで発信する内容はネット上だけの訴えにとどめず、なるべく実際の場面でも同じように発言することを心がけてきました。また、言うまでもありませんが、ブログでの言葉一つ一つに責任を持ち、単なる「愚痴」や「陰口」の類いとならないように気を付けています。

さらに話が横道にそれて恐縮ですが、阿久根市の竹原市長への批判内容などに関しても、ご本人を前にしても訴えられる記述に努めています。「誹謗中傷」的な印象を与えてしまった場合、感情的な反発を招き、相反する意見をお持ちの方々と建設的な議論を交わしづらくなる恐れがあるからでした。「訴える内容は厳しくても、言葉遣いは丁寧に」を基本としています。

ようやく本題となる話ですが、今回の大会議論の中で、非常勤職員の課題や公共民間組合からの発言が目立ちました。前回記事のコメント欄でも非正規雇用の問題が多く取り上げられていましたが、残念ながら自治体内の職員の所得「格差」は歴然としています。行政改革の推進、イコール正規職員の削減という構図があり、各自治体で非常勤職員の数が急増し、業務や施設管理のアウトソーシングも進んでいます。

このような現状を踏まえ、かなり前から自治労は非常勤職員や公共民間サービス従事者の組織化に力を注いできました。その上で、私どもの組合も同様ですが、非常勤職員の待遇改善を組合運動の大きな柱としています。また、自治労全体の取り組みとして、委託労働者の待遇改善に向け、価格中心ではない入札制度の改革を各自治体へ求めてきました。大きな成果として最近、千葉県野田市における公契約条例の制定につながっていました。

つまり都本部の定期大会の中で、このような課題の報告や提起が多いことは現状の自治労運動を反映した姿だと思っています。そして、非常勤職員も昇進できるような制度の実現など、自治労の各組合は様々な改善に取り組んでいます。一方で、このような動きに対し、総務省から法的に問題があるという「指導」が入る時も少なくありませんでした。

非常勤職員の法的根拠の問題などで、自治労と総務省は年に1回、交渉の場を持っていました。政権交代後に開いたその話し合いの場で、総務省の官僚から懸案課題について「これまで以上でも、以下でもない」との答えだったことが報告されました。それに対し、「政権交代しても、官僚の姿勢は簡単に変わらない」と評する意見が示されましたが、私自身はそのようにとらえていません。

現政権の性格上、法律の解釈や改正の必要性などの判断は、官僚に委ねられていないものと見ています。自治労と対応した官僚も政務三役との意思疎通なく、勝手に答えられない事例だと考えたのではないでしょうか。善し悪しの評価は今後となりますが、今のところ「政治主導」の形が強まっていることは確かです。とりわけ自公政権の時代と比べ、副大臣と政務官の存在感が際立っているようです。

大会の発言の中で、「政権交代したのだから」「政権が代わったのに」というような期待や落胆の声が錯綜していました。自治労の協力国会議員団の数は過去最高の23名となっています。したがって、然るべきルートを通し、原口総務大臣と直接交渉し、理解を得られれば非常勤職員の問題などは劇的に変わっていく可能性があります。

しかし、この「理解を得られれば」という前提が非常に重要なポイントだと考えています。原口大臣にかかわらず、各閣僚に理解を得られる問題は、国民の皆さんから理解を得られる内容であることが欠かせません。その説明責任が果たせない場合、国民の皆さんからは自治労の「ゴリ押し」に映り、結果的に政権の足を引っ張る恐れもあります。

せっかく政権の中枢に直接声を届けられるパイプがあるのだからこそ、自治労の主張の正当性や社会的な意義などを確信した上で、そのことを適確に伝えていく洗練さが求められています。さらに自治労との連携がある政権だからこそ、各自治体現場からの生きた情報が届き、きめ細かい政策の実現につながり、その関係性が国民の皆さんから評価を得られるようになれれば本当に理想的なことです。

「お役所バッシング」の問題に対しても、同じように見ています。当然、改めなくてはならない「不正」や「無駄」は、即座に改めなくてはなりません。改める必要がなく、理解を得なくてはならない主張は、理解を得られるよう丁寧に伝えていく努力が必要です。そのためにも、まず連合の中で自治労の主張することが理解を得られなければ、政権与党や国民から理解を得ることは、もっと難しいものであることを覚悟しなければなりません。

自治労都本部大会で感じたこと、書き進めていくと、まだまだ続きそうです。最後に、気になった一言を紹介します。「私たちの生活を無視し、マイナス勧告だった都人勧は不当だ」との発言を耳にした時、「マイナスだから不当」という主張では説得力がないものと感じました。どうしても「不当」と訴えるのであれば、人事院による賃金水準調査で東京都内はプラスとなる結果であったのにもかかわらず「マイナスだったのは不当」と言わなくてはなりません。それでも公務員組合「目線」の発想であり、厳しい批判を受けてしまう一言ではないでしょうか。

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コメント

議論が進む前にちょっと質問なんやけど、「自治労」は民主党とつながりがある、と。
共産党もそういう団体を作ると思うんやけど、「自治労連」ていうらしいな。今調べた。1字しか違わんやんか。
この両者は、一緒に活動してんの?別々?ひとつの職場に2つの組合があるんか??
オレの住んでる市役所は何とのう共産系の組合しか見てないんやけど(保育所関係で知っただけやから、2つあるんかも知れんけど)。
単なる質問ですまんの。単なる好奇心故、ヒマな時に教えて頂戴。

投稿: K | 2009年11月 2日 (月) 18時16分

某所では、連合系と全労連系の加盟単位組合が相当に仲が悪かったように側聞しているので、自治労系の単位組合の役員さんに自治労連系の話を振るのも恐縮ですが、、、。

出先の末端まで組合員がいらっしゃるかどうか?どちらの組合が多数派なのか?は別として、自治労系・自治労連系双方の加盟組合が存在するところが多いという印象ですが、どうなんでしょ。。。?

確か、国家公務員にも国公総連と国公労連があったりして、国・地方を問わず前者が連合系で後者が全労連系だったような。(違ってたら面目ないっす。)

投稿: あっしまった! | 2009年11月 2日 (月) 19時26分

Kさん、あっしまった!さん、コメントありがとうございます。

もともと自治労(当時の組合員数120万人)で一緒でしたが、連合への加盟問題から共産党を支持していた組合が離脱し、自治労連を結成しました。自治体によっては自治労と自治労連の組合、2つありますが稀なケースです。

いずれにしても路線等の違いから別れていますので、一緒に活動していることはないようです。現在の組織人員が自治労90万人ですので、自治労連は30万人に満たないはずです。

国公総連と国公労連については、あっしまった!さんの説明のとおりです。ちなみに連合に対抗して結成されたのが全労連であり、自治労連や国公労連が加盟しています。

投稿: OTSU | 2009年11月 2日 (月) 21時43分

ふーん、ありがとさん。
>自治体によっては自治労と自治労連の組合、2つありますが稀なケースです。
ちゅうことは、オレの住んでるとこは、自治労連のみか、稀なケースの両方か、どっちかなんやな。で、うちの保育所関係はおそらくこの自治労連との繋がりがあるんか。難儀やのう。

これは返事の礼やから、これに対する返事は不要やで、ほなおやすみ。

投稿: K | 2009年11月 2日 (月) 22時34分

私は、組合の動員で自治労連があることを知りました。(大阪は自治労連の規模も大きいみたいですが・・)
いずれにしてもナショナルセンターの対立等は末端組合員の立場としては不毛なものと感じることも多く、連携できるものは連携すべきだと感じています。
私が所属する単組では連合の方と個人的な交流があり、単組の署名等であれば協力して頂けることもあります。(もちろん私たちの単組も自治労などの署名依頼も受けています。)
巨大タンカーが舵を切っても、その方向(OTSUさんが期待している方向)に向かうまでにしばらく時間がかかるように小泉改革の亡霊はいまも「定員純減」+「通常の定員削減」といった形で私たちの職場にふりかかっています。今後は「国民の理解」が得られるかにかかっています。先日、「政治主導」によりマニフェストに書いているから「人件費2割カット」をごり押しするのではないかと組合の学習会で説明を受けました。原口大臣は現場で働く職員のやる気をもてるようにしたいとはいっているようですが、いずれにしても、出先機関が、もし廃止されたとしても住民の意見(廃止が決まると存続の要望を受けることも多々ありますが・・・)が尊重されるものにしていかないと結局、住民サービスの低下につながるのではないかと危惧しています。

投稿: ためいきばかり | 2009年11月 2日 (月) 23時15分

Kさん、ためいきばかりさん、おはようございます。いつもコメントありがとうございます。

主張の正当性の中味として、ためいきばかりさんの職場で進んでいること、さらに強まりそうな動きに対し、本当にそれで良いのかどうか労働組合の立場から率直に物申すべきことも含まれています。人件費2割削減についても、現場最前線で働く職員の声を受けとめた中で判断する必要性を強く感じています。

投稿: OTSU | 2009年11月 3日 (火) 09時02分

> 自治労と自治労連の組合、2つありますが稀なケースです。

これは、大変失礼致しました。
あくまでも都道府県レベルの話なのですが、私の居所の近隣府県に両方ある府県があるので、
(よく考えればそれも都道府県レベルで、市区町村レベルではないのですが)
複数あるのが普通なのかと誤認してました。(恥)

ちなみに私の居所のある都道府県の職員団体は自治労系onlyですが、
自治労連系に親和性のある主張をされる方々も、
組織内では弱小派ながらも同職員団体に加入されているようです。

自治労と自治労連の成立過程を考えれば、そういう団体もあるのだろうなと思ってます。

投稿: あっしまった! | 2009年11月 4日 (水) 12時59分

あっしまった!さん、コメントありがとうございます。

確かに県庁や政令市の中には競合している場合が多いかも知れません。稀と言ってしまったのは、主に普通の規模の市町村の職員組合を想定していました。また、自治労又は自治労連に加盟している組合の中でも、委員長は自治労派、書記長は自治労連派などという競合もあるようです。

投稿: OTSU | 2009年11月 4日 (水) 23時05分

ネットで探したら、オレの住んでる自治体の、自治労系の組合もあったわ。規模や内容は判らんけど。
つまり2つあるんやな。でもオレのチビ共が通う保育所の父母会は自治労連の方と一体になってて自治労は見たことあらへんわ。
役所の組合なんぞオレとは関係ないはずなんやけど、保育所がらみでいろいろとな…。保育所の事は考えると憂鬱やからもうやめとく。

そうそう、大阪の自治労も自治労連も立派なホームページ作ってたで。なお後者のトップページには
>(※ なお、私たち「自治労連」は、一連の犯罪・腐敗事件をおこした「自治労」とは、まったく関係のない、別個の労働組合です)
とあった。あんたら、嫌われてるみたいやな…。

投稿: K | 2009年11月 4日 (水) 23時06分

訂正や、すまん
×なお後者のトップページ
○なお後者の紹介のページ

投稿: K | 2009年11月 4日 (水) 23時14分

Kさん、コメントありがとうございます。

個人的には自治労か、自治労連か、路線問題で対立することは残念な話だと思っています。労働組合としての責任と役割を全うしてもらえるのならば、個々の政治信条は関係ないものと考えています。

しかし、その政治信条が前面に出て、労働組合をそのために利用するような人たちには委ねられないという気持ちも否めません。特に昨年、一人の組合役員の非常識な行動を目の当たりして、その思いを強めざるを得ませんでした。

投稿: OTSU | 2009年11月 4日 (水) 23時28分

私が所属する単組の元本部役員の大先輩から以前、連合の高木前会長に単組が主催するシンポジウムに出席を依頼したところ快諾された話を聞きました。高木前会長もOTSUさんの考えに近いのではないかと感じています。

投稿: ためいきばかり | 2009年11月 7日 (土) 22時27分

ためいきばかりさん、コメントありがとうございます。

高木前会長のお話、興味深いものがあります。なお、新規記事を今夜投稿します。ぜひ、またご訪問いただけますようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年11月 7日 (土) 22時46分

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