卵が先か、鶏が先か?
以前、健康課という職場で働いていました。健康会館と呼ばれる建物の1階と2階を健康課が使い、3階には図書館と公民館がありました。読書は嫌いなほうではなく、いつも昼休み時間に5冊程度その図書館から本を借りていました。貸出期間の2週間で読み切れず、そのまま返却する本もありましたが、たいへん恵まれた職場環境だったと言えます。
その職場から異動し、現在は本庁舎に勤務しています。時々、自宅から通いやすい別の地区図書館を休日に利用していましたが、やはり自然と足は遠のいていました。それでも必ず数冊の本を手元に置く習慣は変わらず、部屋の中に読み終えた本や読みかけの本が山積みされていくようになっています。BOOK・OFFで処分する時もありますが、部屋の空間が狭まるペースのほうが勝っている現況でした。
今、読み進めている本の一つが『政党崩壊!二〇一〇年体制を生き延びる条件』でした。著者は共産党の元政策委員長の筆坂秀世さんです。筆坂さんは歯切れの良い言葉で、民主党政権への期待や懸念について語られています。共産党を離れた立場から長年在籍した共産党に対しても鋭い批評が加えられていました。今回の記事は、その著書の内容全体を論評するものではありませんが、読み進めている中で気に留まった次の箇所を紹介させていただきます。
マスコミは、馬鹿の一つ覚えのように、一般有権者に「小沢代表は、説明責任を果たしていると思いますか」「鳩山代表は、説明責任を果たしていると思いますか」などと聞き、大多数の人々が「果たしていない」と回答したことをもって、「説明責任を果たすべきだ」などと繰り返している。これに自民党や公明党、共産党も一緒になって騒いでいる。
自民党や公明党は別にして、共産党が騒ぐのにはあきれかえる。この党が、自分たちの不都合なことについて、いったいどれほど説明責任を果たしてきたというのか。私自身、共産党に在籍中は完全に口を封じられて、説明責任を果たすことができなかった。それもあったから、みずからの意思で離党したのだ。
だいたい、国民のどれほどの人たちが小沢や鳩山の説明を聞き、あるいは新聞を読んでいるのか。詳しい記事などほとんど読まれていないであろう。アンケートを取るなら、まず説明を聞いたか、から問うべきである。だが、そんな丁寧なことはしていない。最初から結論ありき、のアンケートにすぎない。
小沢は可能な限り説明を果たした。あれ以上言えというのは、無理というものだ。鳩山の個人献金についても、ほめられたことではないが、資金の出所は明確だ。鳩山個人のカネである。そこに汚職などが介在しないことは明白であり、謝るべきは謝り、訂正すべきは訂正する。それですむことである。
鳩山首相の献金問題は、母親から9億円もの資金提供があったことも明らかになり、筆坂さんがその著書で記した当時より波紋が広がっています。政治資金規正法違反や脱税の疑いなど、深刻な事態を迎えていることは確かです。過去に鳩山首相自身が政治家と秘書との関係は一体であるという点を強調してきた経緯も軽視できません。今後の捜査の行方を見定めなければなりませんが、「それですむことである」という言葉をそのまま肯定している訳ではありません。
「共産党が騒ぐのにはあきれかえる」という言葉も、筆坂さんと共産党との関係から発せられている見方は否めず、その是非を問うつもりもありません。インターネット上の掲示板やコメント欄での議論に接する中で、「誰がどのような立場で書いたか」ということよりも、そこに書かれている言葉の中味を「自分自身がどのように受けとめるか」が重要であるものと考えるようになっています。
紹介した短い文章の中に様々な切り口があるようですが、私が「なるほど」と感じたのは次の言葉でした。「アンケートを取るなら、まず説明を聞いたか、から問うべきである」という一言に接し、いろいろ思いを巡らす機会となりました。まず私自身も含めて物事の全体像を把握しないまま、白黒を判断してしまう場合があるものと思っています。
新聞に書かれている内容も端から端まで読み込むことは滅多になく、強く関心を持った事例以外は詳細を掘り下げず、自分なりの理解や判断を下していることも少なくありません。日常生活の中に時間的な余裕があるか、マスコミ関係者ではない限り、多種多様な情報をすべて適確に把握していくことは簡単ではないはずです。
多くの人たちは新聞やネット上の記事を斜め読みし、テレビのニュースなどから伝わる内容を受けとめ、数多くの話題を理解したつもりになっているのではないでしょうか。このような現状が当たり前な中、マスコミからのアンケートを受け、まったく知らない話題だった場合は無回答となるはずです。しかし、概要を把握している話題で、自分なりの「答え」がある場合、筆坂さんの分析のとおり賛否について自信を持って回答するものと思います。
また、一人ひとりの「答え」を導き出すまでの判断材料がマスコミのフィルターにかかっている場合もあります。要するに「印象」そのものをマスコミの報道から無意識に受け取るケースです。特にマスコミ側にその意図がなかったとしても、端的な情報発信の中に白黒の評価が含まれてしまうのは仕方ないことだろうと見ています。例えばコップの中に水が半分ある時、「半分しかない」と書くのか、「半分も残っている」と書くのでは読み手の「印象」が変わるはずです。
ネット上で様々なサイトを見ていると面白い話ですが、自民党支持者から「マスコミは民主党寄りだ」と批判され、民主党支持者からは「自民党寄りだ」と非難されがちです。一口でマスコミと言っても、たいへん幅広い切り取り方ができますので、このような相反する主観的な評価が存在しても不思議ではありません。いずれにしてもマスコミの活動は、どうしても多くの人に「見てもらう」「買ってもらう」ことが欠かせない目的となります。
そのため、国民の評価や人気を大なり小なり意識しなければなりません。つまり国民からの支持率が高い民主党に対し、今のところマスコミの姿勢は様子見の立場であるように感じています。まだまだ徹底的に政権を批判する論調は少なく、鳩山首相の献金問題に関しても抑え気味なようです。一方で、世論を作り出す影響力もマスコミにはあるため、「卵か先か、鶏が先か?」のような話となりますが、世論の潮目が変わった時、一気に鳩山政権は苦境に立たされるのかも知れません。
鳩山由紀夫首相が26日の衆院本会議の真っ最中、“内職”に没頭する一幕があった。郵政株売却凍結法案に関する公明党議員の質問そっちのけで、扇子に「鳩山由紀夫」「友愛」などとサインしていたのだ。自らの政治資金疑惑に加え、米軍普天間基地移設問題や予算編成など難題が山積の時期だけに、「言論の府を軽視している」「ふまじめ過ぎる」などと批判が飛び出している。
扇子へのサインは民主党議員が支持者用に依頼したもので、報道席のカメラマンに上から撮影されても気付かないほどの熱中ぶり。撮影に気付いた首相側近の松野頼久官房副長官が注意し、鳩山首相はようやくカメラマンの方を見上げ、バツが悪そうに慌てて扇子を手で覆い隠したが…もう手遅れでした。【2009年11月27日ZAKZAK】
上記のようなニュースも大騒ぎとならずに済んでいますが、ぜひ、よりいっそう鳩山首相には緊張感を持って難局に立ち向かっていただきたいものと願っています。今後、政治献金の問題で首相自身の責任も問われていくのかも知れませんが、これまでのように総理大臣が短期間で変わる事態は対外的に決して好ましいものではありません。筆坂さんの言葉のとおり「それですむことである」という見方が許されるのであれば、責任を全うするという判断も大事な選択肢だろうと思っています。
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コメント
マスコミの影響力は絶大です。時に「マスコミの論調」=「世論」的な勘違いをされて語られる方がおられますよね。
世論を反映して論調するのか、論調に踊らされているのか、情報社会の怖い一面です。
話題の事業仕分けだって、「仕分け人」とか称して「切り捨て御免」的な結果を強調して報じられている気がしますが、本当にその結論が正しいのか、何をもってその結論に至ったのかをどのくらいの人が考え、知っているのか疑問があります。
私どもの自治体も「構想日本」にお願いして事業仕分けを行い、その様子を傍聴する機会がありましたが、本当にあんな短時間で判断できるのか、それぞれの事業の中身をどの程度理解され結論を出しているのか不思議なくらいでした。
仕分けの最中に地元の民間仕分け人(地域住民代表)が、仕分け議論の中で「地域の事情も分らんで・・・」声を発せられたケースもありました。
本来であれば、地域の特性や環境などを日常的に把握している私たち職員が、きちんと精査を行うことができれば、「ムダ」といわれるような事業の進め方やサービスはなくなるはずです。
話がそれてしまいましたが、表面だけを見て分かったつもりになっていては、真実を、核心を見落としてしまうことになりますので、「自ら考え、判断する」ことを心がけていきたいものです。
投稿: shima | 2009年11月29日 (日) 07時38分
shimaさん、おはようございます。さっそくコメントありがとうございました。
マスコミの力は大きいため、ひとたび徹底批判モードに切り替わると世論もその論調に固まっていき、バッシングの流れを変えるのが非常に厳しくなります。マスコミが世論を作るのか、世論がマスコミの論調を決めるのか、タイトルのような話となりますが、マニフェストに縛られて迷走気味だった民主党は、そろそろ筋の通った判断を重ねていく時期だと思っています。
事業仕分けについては、私もshimaさんと同じような問題意識を持っています。とりわけ現場を熟知した組合員の声を集約できる労働組合の役割として、事務事業に対する逆提案という発想もあり得るのかも知れません。
投稿: OTSU | 2009年11月29日 (日) 09時11分
事業仕分けで「公務員宿舎建設」が取り上げられていましたが、枝野議員が都内の宿舎を売却して新しくたてる「義務」はあるのかという発言にはおどろきました。人事異動で全国を転々とする国家公務員も多く、その大半が築40年以上たち老朽化している宿舎にはいっているのが現実です。(民主党の寺田議員が視察されてましたが、ぼろぼろの築45年、新しい物件(ごく一部ですが)との落差と公務員の福利厚生のありかたについて触れていました。)
結局、宿舎で提供するのか、転勤に対する費用負担を払うのかどちらが効率的なのかというという比較でみないといけないのではないかと思っています。マスコミの一方的な報道に「仕分け」以上にひどいなと感じていますが、「仕分け」られる側に政治家がなぜいないのかといった疑問も残る議論でした。
投稿: ためいきばかり | 2009年11月29日 (日) 09時28分
ためいきばかりさん、おはようございます。コメントありがとうございました。
今回の事業仕分けに対し、ご指摘のような側面が多々あったように思います。「宿舎で提供するのか、転勤に対する費用負担を払うのかどちらが効率的なのか」という議論がなければ、単なる負担の押し付けになりかねません。やはり物事を判断する際、多面的な見方が欠かせないのだろうと感じています。
投稿: OTSU | 2009年11月29日 (日) 09時55分
マスコミ報道と秋季確定闘争に関して・・・。
私どもの自治体では住居手当と通勤手当の支給基準が国と多少異なります。
本年の交渉で、通勤手当について国公どおりへの見直しの提案がされましたが、住居手当については官舎を持たないことから、国と環境が違うとの理由で現行どおりで確認されました。当局も理由を明確に判断をしたわけです。
一方、近隣のある自治体では国どおりのマイナス改定案を「地方のことは地方で決める。それが地方自治である。」と議会が否決しました。首長は交付税が削減されると国の圧力を心配するコメントを発するのみ。
この結果を地元マスコミは「議員の報酬・一時金が職員に倣うため、自らの利益擁護のために否決した。」との論調でした。
確かに議員さんの本音はそうかもしれませんが、当該自治体職員のラスパイレスは90以下。国より低い賃金水準をさらにマイナスすることに「国どおり」という理屈が通るかどうか?そのことは全く触れずじまい。
国の水準と自治体の水準をきちんと精査し、その上で財政状況や地域の民間の状況を考慮の上どうあるべきかという協議を行い、決定する。それが本来のあり方でそういう過程を抜きに結論ありきで報道する姿勢にマスコミの驕りのようなものを強く感じました。
投稿: shima | 2009年11月29日 (日) 09時59分
shimaさん、コメントありがとうございます。
紹介いただいた事例について、マスコミに「自らの利益擁護のために否決した」と書かれるのかどうかで住民の皆さんへ与える印象は違っていくはずです。そのためにもマスコミの力を適確に評価した上で、どのような対応をはかっていくべきか適切な「広報」能力も問われていくものと思っています。
投稿: OTSU | 2009年11月29日 (日) 10時24分
マスコミに対して思うこと
普段はマスコミ、新聞やらテレビの報道や解説を、ほぼ鵜呑みにして「知ったつもり」になってる。でも専門家やないし、しゃあないやん。ところが、いざオレの専門分野の記事を読んだら、その適当な解釈にあきれることがあるわ。これで読者が「知ったつもり」になられてはかなわんて思う。難しいな。
事業仕分けか。終わったんか。
気になんのは、そもそも「ムダ」って何よ、ってとこやろか。海外旅行はムダやと思てる奴がせっせと高級ブランドを身につけ、一方でベンツやロレックスなんかムダと思てる奴が年に何回も海外旅行に行ったりする。ムダの中には、その人の生き方や方向性と密接に絡んでくる部分もあるやろ。せやから、本来なら日本にとって何が大切で、何が大切でないか。これが先ずあって、次に、その価値観に基づいた「ムダ」を仕分ける。ほんで、そのムダを削る・・・んやろ?。例えばスーパーコンピュータ開発?、それがムダに見えるか見えへんのか、それは日本国のスタンスをまず持ってから仕分けんとなぁ。
まあ逆に言えば、事業仕分けを完全公開したことで、民主党のスタンスを測れると考えたら、評価は出来るんやけど。
で、共産党。共産党と直接関わりはあらへんけど(ありえんけど)、間接的には色々と接するねん(保育所とかな)。どうしても息のかかった団体とは付合わざるを得んのでな。で、それらの関連団体の人々を見てて思うんは、みな「個人の意見は尊重されず、決められた目的に向かって盲目的に行動させられてる」ように見えることかの。当人らは楽しそうやけど。しかも、団体違てもやってる事同じやしな。ビラなんか見てたら、全く別の団体やのに、文体とかイラストとか、活動とか、そっくりやもん。オレの周辺では最近「私の一言カード」なるもんをよう目にするけど、これは共産党で決まってる活動方式なんやろか。それとも自然とそうなるんやろか、あるいは様式みたいなもんなんか?右翼の街宣車のデザインがどの団体も似てるみたいに。で、皆口をそろえて「政党とは何の関わりもないです」とな、ウソ付け(笑)。
もうオレには理解出来ん。ホンマに疲れるわ。
ひさびさの休日にグダグダ書いてもた。失礼。
投稿: K | 2009年11月29日 (日) 18時24分
Kさん、コメントありがとうございます。
事業仕分けに対する世論調査の結果は軒並高いようです。これも一つ一つの事業仕分けの中味よりも、新たな試みへの「印象」による結果が先行しているのではないでしょうか。この追い風を民主党は謙虚に受けとめ、これからは内実の伴う結果が高く評価されるよう期待しているところです。
投稿: OTSU | 2009年11月29日 (日) 21時57分
>だいたい、国民のどれほどの人たちが小沢や鳩山の説明を聞き、あるいは新聞を読んでいるのか。
同時進行で読んでいなくても理解を深めたいときに真相についての資料に容易にアクセスできなければなりません。有権者にとって権力者の人なりを知る必要があり、それが報道の機能です。
アンケートが意味を持つかどうかは、それとは別の問題で、政権の支持率など水ものなのは最近の推移を見ていれば察しがつきます。
世論は、やっぱり宇宙人だった鳩山さんより具体性と突破力のある枝野氏や蓮舫氏、長妻大臣、前原大臣など次の世代の寄与度が高いでしょう。
国政と地方公共団体とは全く別もので、地方行政に対する不信感は、住民にとって身近であるが故、実際に経験したことが根拠となっていることも多く「広報」でいくら美辞麗句を並べたところで、論より証拠、火のないところに煙は立たない、というべきでしょう。また仕事の中身も自治体毎に違いが認められるだろうというのは、こちらのブログでも議論があったところです。
マスコミの影響は、見えにくい医療問題などを除き印象が少なく、発表報道がほとんどで事実と違う報道もあるローカルマスコミの信頼度は高くないでしょう。
今朝のテレ朝で事業仕分けを担当した官僚の弁が流れていましたが、カメラが入っていなければもっと上手くやれたという趣旨の発言があったとか。個々の職員の匿名性を排しトレーサビリティを可能にすれば、責任の所在が曖昧で密室談合的な政策決定も減るでしょう。
投稿: L | 2009年11月30日 (月) 12時34分
こちらの役所では、民主党役員への捜査について「国策捜査を止めさせなけれ
ばならない」と例によって騒ぎ出しております。
確かに今回のエントリーの様にマスコミの報道には恣意的な部分を感じており
ますが、東京地検の捜査を「国策捜査」と決め付けて掛かる感覚は如何なもの
かと・・・・。呆れかえって言葉を失います。
そして、これは単組の暴走なのか、それともまた自治労のミスリードなのかと
様子を見ているところでが、毎度の事ながらこちらの組合は目の付け所が違う
というか、感覚が一般の職員と掛け離れている部分があるようで、そんなこと
より「自分の仕事してくれよ」と思う毎日です。結局のところ特定少数が穴埋
めに昼夜奔走するはめになります。
民主党に関しては、以前は「未納三兄弟」と非難していた方が、今度は「脱税
三兄弟」となった今日この頃、どっちが政権をとってもマスコミは面白おかし
く足を引っ張る訳で、そんな事には構わずに組合には自分の役所内の見るべき
ところに目を向けて欲しいと思っています。
老人ひしめく外部職場では、たった数時間の残業でさえ問題にして定員増を要
求するのに、月100時間を超える無料奉仕を強いられる特定の職場には一切
触れることはありません。
あくまでもこちらの役所の話ですが、課長と係長が共謀して超勤命令簿を隠し
てしまう職場は知ってる限りで3つほど有るのですが・・・・。土日は諦めま
すが、せめて毎日家に帰れる職場であって欲しいと思っています。
また、若手が自身の待遇について組合に泣き付こうものなら「納得して役所に
入ったんでしょ?」の一言で済ます組合幹部に、存在意義があるのかは甚だ疑
問と言わざるを得ません。
職務上、近隣の役所の事は耳に入るし見にも行きますが、どこの役所の組合も
同じ感じのようです。どこの役所も求める職場環境も活動方針も前例主義がす
べての現状で、変化を求めても良くなることは無さそうです。
こうなると阿久根市の例では無いですが壊したほうが100倍早いよと思う人
が出てきても何ら不思議でなく、私はそれを一番恐れています。しかし、この
流行はまだまだ続くかも知れないと思う状況です。
投稿: むかし民間、今・・ | 2009年11月30日 (月) 21時40分
Lさん、コメントありがとうございます。
国政への印象はマスコミによる報道が左右し、確かに市政など身近な役所への印象は実体験に基づく事例が大きく影響しているものと思います。例えば弛緩した姿が一瞬だったとしても、その一瞬を見た住民の方にとって、その役所全体の印象を形作るものとなってしまいます。したがって、私たちは「一期一会」の気持ちを常に持って、日々の職務に専念していかなければなりません。
Lさんのコメントに直接的に応えるものでなく恐縮ですが、自分なりの思いを一言添えさせていただきました。なお、長妻大臣も評価されているようですが、大臣の荷は重かったように個人的には見ているところです。
投稿: OTSU | 2009年11月30日 (月) 21時47分
むかし民間、今・・さん、コメントありがとうございます。
自治労の中で「国策捜査」という話は特に聞いていません。そのような感覚は疑問に思います。むかし民間、今・・さんの職場の話は、いつも驚きです。
ただ自分の足元に対し、「裸の王様」になっていないかどうか改めて意識しなければなりません。同じような傾向や難点を抱えているとしたら率直に反省し、前例や面子に固執しないで自己変革に努力していくつもりです。
投稿: OTSU | 2009年11月30日 (月) 21時58分
事業仕分けの様子を戦々恐々として見ていましたが、「義務教育費国庫負担」の議論の時だけ、しっかりと原則論に立ち返って、一人一人の議員が「無駄か無駄じゃないか」の議論でなく、「教育はどうあるべきか」の議論をしていたのにびっくりしました。ああ、日教組は与党になったんだなという感慨をもちました。
マスコミの論調は一応各社中立的になるよう配慮しているのでしょうが、例えば学校現場の多忙化について組まれた特集などには読者の反響や関心が薄く、一方、教職員の不祥事などについて取り扱うと読者の反響が高い、そういう一面があるようです。そういう風潮から、結局スキャンダル重視の記事づくりになっていくのでしょう。
産経新聞が義務教育費国庫負担を1/3から1/4にするという記事を書いたとき(完全に根も葉もない記事でしたが)、他のマスコミは無視しているのに、YAHOO!のトップには掲載されていました。マスコミを含め、一部の方が情報を操作しているように感じるのも、現在自分が組合役員で、情報を分析するよう努めているからでしょう。そうでなければ、YAHOO!の画面を見て、「そう決まった」「みんなそう言っている」と思いこむに違いありません。前述の記事も、産経新聞しか取っていなければ比較することもできず、盲信するしかないでしょう。なにしろ「新聞に書いてあった」「本で読んだ」が自分の言の信頼性を増す慣用句になっていますから。
組合運動で、公務員の生活を守る運動をする度に、マスコミにどう書かれるかを怯えてしまう状況になさけなくも恐ろしくもありますよね。
投稿: TA | 2009年12月 1日 (火) 11時27分
TAさん、コメントありがとうございます。
産経新聞のような規模であれば、固有の読者層向けに絞った論調で展開できるのだろうと見ています。規模の大きい新聞社やテレビ局になると、今回の記事で書いたような傾向があるものと思っています。
その意味で、幅広い人たちから支持される方向性は、適切かつ効果的な発信を重ねていくことで必ず世論となり、結果的にマスコミも味方になっていくはずです。その方向性が誤っていた場合は話になりませんが、正しくても広く周知できなければ残念ながら「負け犬の遠吠え」に過ぎなくなるのかも知れません。
投稿: OTSU | 2009年12月 1日 (火) 22時15分
むかし民間、今・・さんのコメントはいつも興味深いものがあり、ご自身のブログを期待したいくらいです。ご老人の話を読むと定義が同じ者との連帯など少しも感じられず個別交渉にした方が公正だと感じます。このご老人たちに限れば年功給を廃すか、仕事ぶりなりのところへお下がりいただくしかないと思うのですが。データー管理についてスケールメリットが出るよう標準化の案が総務省レベルでありますが、技術的に可能な省力化も厳しい職務に就けない老人世代がいなくなるまでは後10年以上はかかるのでしょう。
またTAさんの
>ああ、日教組は与党になったんだな
という言葉に、実際に接する教師の仕事振りを注視していかなければ、との思いがわきました。
ところで、超勤名簿を隠す行為に違法性はないのでしょうか?
組合(連合)の政治力については最新の週刊ダイヤモンドが特集しているようですので、アウトサイダーの私としては一読しておきたいところです。
実は民主党を操る影の司令塔? 労働組合の腐敗ぶりを徹底解剖
http://diamond.jp/series/newdw/09_12_05/
必見、週刊ダイヤモンドの民主党と労組
http://ichita.blog.so-net.ne.jp/2009-12-01-5
日本郵便については、最低賃金に近い時給で職員を募集していますが、その裏で労働貴族ぶりはすごいようです。政権も理念より票が優先していますから郵政ファミリー企業より粛清は困難でしょうね。
こちらでは地元役所とは違って郵便局員は正規職員でも一般人の前で率直に組織批判をするところですが、キャリア制度など色々とあるようですね。
実際に目にしたNTTの組合の強さに驚いていましたが、同様に活動の盛んであるはずの郵便局員にも強いと言わしめる自治体職員組合ってどんなものか想像もつきません。
むかし民間、今・・・さんの職場のように組合って本当に現場で働く者の利益になっているのでしょうか?
投稿: L | 2009年12月 2日 (水) 13時02分
Lさん、コメントありがとうございます。
週刊ダイヤモンド、さっそく購入して特集記事は一通り目を通しました。事実の中に憶測を織り交ぜ、必要以上に労働組合をダーティな存在に印象付けようとする意図を感じました。取材の粗さも目に付き、歴代民主党代表の中で岡田外相が抜け落ちていました。さらに前原国交相の時以外、民主党と連合との関係が冷え込んでいたとは耳にしていません。
民主党の人件費削減案や公務員制度改革そのものも連合と連携しながら進めているため、自治労などが強く反対している事実もありません。ちなみに「ドキドキするほど面白い!!」と感想を述べる山本一太参院議員の感覚にも苦笑しています。なお、書かれていた内容について、すべて真偽を判断できる立場ではありませんので、取り急ぎ気が付いた点を指摘させていただきました。
投稿: OTSU | 2009年12月 2日 (水) 21時55分
> L さん
なんかレスが周回遅れになってしまっておりますが、折角頂いたコメントです
ので、自分なりの考えをお伝えしようと思います。
> ところで、超勤名簿を隠す行為に違法性はないのでしょうか?
自分では正直興味が無かったので、調べたことはありません。ここのコメント
を見ると公務員には保護される法律は無いらしいですが(笑)。でも実際には
たぶん法律でキチンと保護されていると思います。
先日記した超勤については、いずれ他の人がどう行動するか・・・・。私には
大して重要な事でもありませんので、干渉する気はありません。
私は自身の報酬は成果に対する対価だと思っており、拘束時間に対する賃金と
考えた事はありません。また仕事を「やってあげる」と考えた事もありません。
そして、自分の担当業務を滞りなく動かすのは、報酬を頂く以上は義務です。
つまり、あくまでも個人的な感覚ですが、仕事に不具合があるうちは解決する
まで働くことが当たり前になっています。
今の職に就いて、身近で色々な権利を主張される方が「職員」にも「お客様」
にも居られますが「権利は義務を果たして初めて主張出来る」という原則がすっ
かり抜け落ちてしまっていると常々感じています。
また、「仕事をしてあげる」という感覚を持つ職員の多さには、なんとも呆れ
させられる毎日でして、身内から見ても呆れるのですから、市民から見れば、
間違いなくバッシングしたくなる原因の一つでしょう。
> むかし民間、今・・・さんの職場のように組合って本当に現場で働く者の利
> 益になっているのでしょうか?
詳しく語る機会はいずれ有ると思いますが、組合はすべての組合員を平等に守
る事はありませんし、そんな事は不可能です。職を守られる・・と言いますが、
そもそも問題点を「自分で見つけ」「自分で考えて」「自分で調整して」解決
出来る人材ならば、守られる必要も無いと思っています。そういう意味では、
私にとって価値のある組合は無いのかも知れませし、現状でキチンと働く人の
利益にはなっていないと思っています。
自分の職場においては、先ずは「同一労働同一賃金」という過去の考え方を、
なんとか「同一成果同一賃金」の仕組みに入れ替える様に画策していきたいと
考えています。
先日の日航の救済について記事を読んでいると、とあるサイトで以下の様なコ
メントを見つけました。
> JALは元々組合が強かった
> OBは雇われていたという意識が弱く、働いてやったぐらい思ってるはず
> 現役にしても同様で同情する気にはなれない
この様なコメントで括られないように、働く者の立場から意識を変えていかな
ければならないと思っています。
> むかし民間、今・・さんのコメントはいつも興味深いものがあり、ご自身の
> ブログを期待したいくらいです。
これだけの内容で、これだけの期間、ブログを維持することは大変な気力と労
力が必要で、とても今の私に出来る事ではありません。その点でブログ主さん
には敬意を表するところであり、こういう情報を読む機会が得られる事に感謝
しております。
ここでは、自分と逆の考え方を見て、走る方向性を修正しているといったとこ
ろです。
投稿: むかし民間、今・・ | 2009年12月15日 (火) 20時18分