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2009年8月29日 (土)

ネガキャンの中の自治労

このブログは土日に時間を作って、週に1回新規記事を投稿しています。土日ともに日程が詰まっている時などは、平日夜の時間を使いながら新たな記事を書き進める場合もあります。それでも投稿するのは土日に行ない、週末更新という間隔を定着させています。そのようなサイクルがあるため、閲覧いただく人の数は月曜以降が段違いに多くなります。

今回、歴史的な総選挙戦の結果を見届けてから更新しようとも考えていました。つまり投稿のタイミングを日曜の夜とするもので、一昨年の記事「参院選、民主党大躍進」がそのパターンでした。しかし、前回記事「総選挙戦、真っ只中」のコメント欄の中で、自民党のネガティブキャンペーンの中に取り上げられた自治労の話題となり、その誤解や先入観を少しでも解消するためにも土曜日のうちに投稿する意義を感じ始めました。

とは言え、先ほど述べたとおり今回の記事をご覧いただいている人は、衆院選後に訪れている方々が大半だろうと思っています。したがって、その点も踏まながら月曜以降、著しく鮮度が落ちた記事とならないように留意していくつもりです。新たな政権の枠組み中でも問われていく自治労と民主党との関係性について、事実に基づいて論評されていくことが重要であり、そのための参考材料の一つとなれるような内容を綴っていこうと考えています。

さて、前回の記事の冒頭で、300議席を超す民主党の圧勝が各マスコミの世論調査から示されていることを書きました。残された1週間で劇的に情勢が変わる場合もありましたが、投票日前日まで民主党はその勢いを保っているようです。バンドワゴン効果とアンダードッグ効果という言葉を耳にします。バンドワゴンとは行列の先頭の楽隊車のことであり、先行者に同調する傾向が強まる効果を指します。勝ち馬に乗るという言葉と同じ意味合いとなります。

アンダードッグとは負け犬のことであり、劣勢だった側を応援する傾向が出てくる効果を指します。判官びいきという意味合いと同じです。「自分が投票しなくても勝てそう」「あまり勝たせすぎてもいけない」「死票は投じたくない」など、事前の選挙予想は有権者の判断へ様々な影響を与えます。また、候補者やその陣営に対しても、楽勝予想はラストスパートの緩みとなり、苦戦予想は必死の巻き返しにつながる場合がありました。

このように1週間前の予想数字は両極端なアナウンス効果を生み出すため、投票箱のフタが閉じられるまで勝負の行方は分からないとも言われています。しかしながら最近は期日前投票と当日の出口調査などをもとに、そのフタが閉じられた瞬間、日曜午後8時に当確が出るケースも少なくありません。いずれにしても今回は、バンドワゴン効果の傾向が強まっているように感じています。

このような情勢に強い危機感を持った自民党は、なりふり構わないネガティブキャンペーンに打って出ています。その一つである「知ってビックリ民主党 これが実態だ!! 労働組合が日本を侵略する日」というビラを知って本当にビックリしました。いわゆる差出人を隠した怪文書の類いではなく、「このパンフレットは、政党の自由な政治活動であって、選挙期間中でも、自由に配布できます」と書かれ、自民党からの発信が明らかにされています。しかも自民党の公式ホームページには、そのビラも含めてネガキャンの宣伝広告などがズラリと並べられています。

現政権与党であり、半世紀にわたって衆院で第1党の座を占めてきた政党として、あまりにも残念な姿です。一方で、自民党の広報責任者をはじめ、自民党幹部が記載内容すべてを事実だと思い込んでいるとしたら、それはそれで非常に恐ろしいことです。事実誤認だった場合、情報収集や分析能力が欠けた政党となり、意図的な歪曲だった場合、品格のない政党だと言わざるを得ません。今回の記事で、そのビラを手にしていない方々にも分かるような記述に努めながら、書かれている内容の誤りなどを指摘させていただきます。

まず大前提となる立場性ですが、前回の記事で首長が公務員と政治家の立場という2面性があることを書きました。同様に私たちも地方公務員と組合員という立場の2面性の中で、様々な活動に取り組んでいます。当然、職務とそれらの活動領域の線引きは明確にわきまえています。他の産別である日教組のことについては、あまり踏み込んだ物言いはできませんが、基本的な考え方は同じだと思っています。それでも自治労に所属する一組合の役員という立場であるため、やはり自治労の問題に絞っての論評となることをご容赦ください。

続いて自民党のビラの中で、「いまだに革命や闘争という言葉を使うような労働組合」との表現がありました。春季闘争など確かに「闘争」という言葉は頻繁に使っていますが、だから何なのでしょうか、というレベルの慣用句にすぎません。一方、「革命」という言葉は公式の場で、まったく見たことも聞いたこともありません。100万人近くいる組合員の中には「革命」という言葉を好んで使う人たちがいるかも知れません。しかし、そのごく少数の組合員の言葉をもって、自治労そのものを危ない団体のように印象操作しようとするのは論外な話です。

次に労働基本権を公務員に認めると「出来レースの労使交渉」となると書かれています。組合の交渉相手となる大臣は、労働組合に支持されているからだという説明です。労働組合の意向に従う政党が交渉した結果は、談合まがいの国民の意識とかけ離れた公務員優遇の結論しか出ないと決め付けています。このような自民党の主張が最も事実とかけ離れた「買いかぶり」だと言えます。

「歳入庁」新設も社会保険庁の組合員を守るためという理屈をつけ、地方分権の推進によって国家公務員が地方へ移る案も労働組合の勢力拡大を狙ったものであると書いています。その結果、地方議員はもちろん、知事や市長まで労働組合の息のかかった人たちに占領されてしまうと訴えています。そして、そのビラの最後には「労働組合が自分たちの思惑通りに活動するためのクーデター計画といえます」という言葉で結んでいます。

確かに連合は民主党の有力な支持団体ですので、日頃から意見交換する場があり、課題によっては緊密な連携をはかれることも間違いありません。その連合の中で、自治労は最大の組合員数を擁する産別ですので、一定の発言力があることも事実です。しかし、あくまでも支持団体の一つにすぎず、民主党のマニフェスト全体に影響を与えるほどの存在感がある訳ではありません。逆にもっと民主党に対して、自治労本部は物申して欲しいという現場の声が上がっているほどです。

したがって、この衆院選における民主党の政策が労働組合の影響のもとに作られ、さらに日本を侵略するためのものであるという自民党の説は驚くべき「妄想」にすぎません。しかしながら、このようなビラを公然と配布している自民党の「責任力」とは何なのでしょうか。とにかく事実に基づかないネガキャンは信頼を失っていくだけであり、そのような「想像力」さえも働かなくなってしまっているようです。ビラの表紙にある「民主党にだまされるな!」という言葉は、そのまま「自民党にだまされるな!」として返さなければなりません。

最後に、自治労の定期大会が昨日まで熊本市で開かれていました。議案すべてが可決されていますが、政党との関係を位置付ける基本的な考え方として「政党と労働組合との関係は運命共同体的なものではなく、労働組合は、あくまでも勤労者の生活向上のための政策実現を求め政治に向き合うことが重要である」と記されています。なお、この大会をもって岡部謙治委員長が退任され、徳永秀昭書記次長が新委員長に選出されました。退任された役員の皆さん、たいへんお疲れ様でした。新たに重責を担う役員の皆さん、頑張ってください。

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2009年8月23日 (日)

総選挙戦、真っ只中

政権交代がかかった歴史的な衆議院議員選挙の投票日が来週日曜に迫りました。新聞やテレビによる報道は総選挙戦の話題一色に染まっています。と言いたいところですが、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された酒井法子容疑者のニュースが大きく扱われる報道番組の多さに首をかしげています。また、民主党に政権を任せて本当に大丈夫なのかというテレビ番組の司会者やコメンテーターが多いことも目に付いています。

それでも各マスコミによる世論調査では、300議席を超すほどの民主党の圧勝が予想されています。残された1週間で劇的に情勢が変わる場合もありますが、現時点での電話調査の信憑性は高いものと思っています。実は最近、初めて世論調査の電話がかかってきました。数日後には別な委託会社からも電話があり、短期間のうちに2回ほど世論調査の回答者となっています。

そのどちらも音声案内による調査で、淡々と質問される内容に対し、該当する答えを電話機の番号から選ぶ方式でした。機械方式による調査であるため、率直な答えを示しやすい点、答えを誘導するような枕詞がない端的な質問が多く、精度の高い客観的な結果につながる印象を持ち得ました。各社の調査がこのような方法で実施されていた場合、よほど大きな情勢の変化がない限り、このまま民主党が大差をつけて走り抜けるのだろうと感じています。

さて、前回記事「阿久根市のその後 Part2」のコメント欄で、竹原市長が全国的に注目された新しい話題を紹介させていただきました。18日に公示された衆院選において、特定の候補者と政党の支持を自分のブログに書き込み、公職選挙法に抵触する疑いがあるというニュースでした。コメント欄では共同通信が配信した記事を掲げましたが、もう少し詳しく解説されている報道内容を改めてご紹介します。

阿久根市長 ブログで候補政党支持

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が、衆院選公示後の19日付で、自身のブログに特定の候補者と政党を支持する書き込みをしていたことが分かった。公選法は第三者も含め公示後に特定候補者や政党を支持する文書図画の頒布を禁じている。ただしインターネットの普及とともにネット選挙解禁を求める動きもあり論議を呼びそうだ。

竹原市長はブログで地元の衆院選鹿児島4区に関し、自身が市庁舎からの事務所退去を求めた市職員労働組合を支持基盤とする政党への不支持と対抗馬への支持を表明。比例代表についても支持する政党名を挙げた。

総務省選挙課によると、候補者や陣営だけでなく、第三者がネットで特定候補者を応援する書き込みをした場合も違反の恐れがある。同市選管は「問題と判断すれば、指導などの対応をする」という。ただし、ネット選挙の解禁を求める動きは広がっており、今月10日にはネット関連企業の経営者たちが自民、民主両党に「ネットを使った選挙の在り方」について質問。両党とも前向きな姿勢を示した。

ネット選挙が解禁されれば、候補者の政策や主張に関する情報量は増え、有権者との直接対話も可能になる。資金力がない候補者も効果的な選挙運動ができる一方、誹謗中傷や虚偽の情報が流布される危険もある。ネット利用に詳しい神戸大学の森井昌克教授(情報通信工学)は「現行法では竹原市長の行為は法律に抵触すると言われても仕方がない」と指摘する。

竹原市長は初当選した昨年8月の市長選で告示後もブログを更新し続けたとして、県議や市議らに公選法違反容疑で告発されたが「ブログは個人の日記で違法ではない」と反論。今回の書き込みについては「ブログに書いてある通り。コメントすることはない」と話している。西日本新聞2009年8月20日

全国的に波及する事例を一自治体の選挙管理委員会が判断すべき問題なのか、独立した行政委員会とは言え、首長の影響を受けやすい側面なども指摘されていました。それでも阿久根市選挙管理委員会としては次の報道のとおり一定の結論を早々と示しています。当然、県や国とも協議した上での判断だと思いますが、今後、司法の場に持ち込まれる可能性も否めません。

「お願い」なくセーフ? 曖昧な選挙運動の定義

「ブログ市長」として知られる鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が衆院選の公示後、自身のブログに特定の候補者と政党を支持すると書き込んだ問題で、市選管は「単なる個人の意思表明にすぎず問題はない」と結論づけた。関係者には「公職選挙法違反が濃厚」との観測が流れたが、結論はシロ。背景には「選挙運動」の定義そのものの曖昧さがある。

「ブログであれだけはっきりと支持したのには驚いた。でも正直言って、首長としてはやりすぎだ」。市長のブログ「阿久根時事報」を見た阿久根市議は内容の過激さに圧倒された。《市民から集めた税金をこれ以上、公務員のために使うような自治労組織を支える国会議員が居てはならない…従って、私は鹿児島4区の選挙では「〇〇(実名)」氏。比例区では「〇〇(政党名)」を支持する》。この政党のマニフェストを列挙し、ホームページのリンクまでも張っていた。

公選法は選挙期間中に特定候補者らの名前を記載した文書頒布などを認めていない。だが、市選管の結論はシロだった。市選管は「公選法上、ブログなどで特定候補者を支持する書き込みは認められないが、選挙運動との関係でいえば『よろしくお願いします』といった表現は今回の書き込みになく、当選を目的とした選挙運動には当たらない」と説明する。

これに対し、総務省選挙課は「一理ある」としながら、「選挙運動か否かは書き込み内容などを総合的に判断する必要がある」と慎重姿勢を崩さない。だが、阿久根市の議会関係者は「市長のブログは有名だから発覚した。一般人のブログに明らかな違反があっても、発覚しない可能性の方が高い。小人数の選管職員による監視は限界がある」と指摘する。

総務省は「書き込む人に襟を正してもらうしかない」という。しかし、ブログに「よろしく」などの表現があるかどうかでシロ・クロが分かれることを、どれだけの人が知っているだろうか。ある自治体の選管関係者は「選挙運動の定義が曖昧なのは多少は仕方ないが、総務省は踏み込んだ基準を作ってほしい」と話す。【産経新聞2009年8月23日

私自身のとらえ方は、阿久根市選挙管理委員会の判断を基本的に支持するものです。最近の記事「5年目の夏、そして300回」の中でも紹介しましたが、「選挙運動とインターネット」という記事をブログ開設当初に投稿していました。ホームページやブログなどで選挙の話題を取り上げた時、特定の候補者や政党の支持を直接訴えなければ問題ないという見解を書き込んでいました。逆に大事な選挙への関心を高めるために「私はこう考えます」という内容が各ブログで取り上げられることは歓迎すべき動きだと思っています。

それでも選挙期間中、ネット上のブログのあり方について様々な考え方があるのも確かでした。候補者やその関係者かどうか特定できない性格上、コメント欄も含めて閉鎖や凍結する人たちもいらっしゃるようです。その中で、私自身は最低限、特定の候補者への呼びかけとなる記事を選挙期間中に新規投稿しなければ大丈夫だと判断してきました。

もう少し慎重を期し、基本的に立候補者の固有名詞は出さないように心がけてきました。また、政党名をJ党やM党などとイニシャルで記したブログもあるようですが、一般的な政治談義の中で具体的な政党名や党首の名前が出ても問題がないものと考えています。そこまでダメだと言われた場合、選挙期間中のテレビや新聞の報道も成り立たなくなる理屈につながります。

そのような意味で、今回問題となった竹原市長のブログ記事の内容は大胆すぎたものだったようです。結果的には貴重な問題提起となり、今後、選挙期間中でも特定候補者の名前が登場するブログも増えていくのかも知れません。さらにインターネット利用を想定していなかった時代にできた公職選挙法の見直し論議も、いっそう加速されていくのではないでしょうか。いずれにしても前述したとおり私自身は、このような流れを好ましく受けとめています。

一方で、あまりにも竹原市長がストレートに候補者や政党の支持を明らかにしたことで、公務員の政治的中立性の問題も少し話題になったようです。しかし、もともと首長は選挙によってその椅子を得る政治家であり、特別公務員として位置付けられています。したがって、公職選挙法第136条の2による公務員等の地位利用による選挙運動の禁止などに注意すれば、堂々と特定の政党や候補者を応援できる立場だと言えます。

ちなみに一般の地方公務員は、地公法第36条で特定の政治的立場に偏らず、中立であることが求められています。ただし、この法律をもって地方公務員の政治活動が一切禁止されている訳ではありません。公職選挙法の規定により、地位利用による選挙運動の禁止や公務員のままで立候補できない点、さらに当該職員が属する区域での選挙運動などが制限されている程度です。

付け加えると地公法第36条は職員の政治的行為の制限を定めていますが、この規定は労働組合の政治的行為を制限するものではありません。組合が特定の選挙へ向けて、特定の候補者の支持や推薦を決め、組合員へ周知することは組合活動の範囲とされています。いつも申し上げていることですが、このような法的な位置付けを常に意識しながら当ブログの中で政治的な主張も掲げてきました。

総選挙戦の真っ只中、冒頭に述べたとおり民主党が圧倒的にリードしている情勢です。私自身、働く者をはじめとした生活者の視点での政治に転換させるため、民主党を中心とした政権の実現を望んでいます。これまで「民主党を応援する理由」など数多くの記事の中で自分なりの思いを綴ってきました。政権交代は大きな目的となっていますが、やはり国民生活を豊かにするための新たな出発点であることも間違いありません。

政権交代が実現できた後、民主党と支持協力関係がある連合は働く者全体の声を代弁できる組織として、その責任と役割を高めていく必要があります。民主党からは「労働組合との信頼関係があるからこそ、大胆で効果的な改革ができる」と誇示していただけるような関係性を望んでいます。その中で、公務員の組合は「正すべき襟は正しながら、主張すべきことは主張する」という姿勢、つまり先入観や誤解に基づく批判は払拭するための丁寧な情報発信が求められていくものと考えています。

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2009年8月15日 (土)

阿久根市のその後 Part2

人事院は11日午前、国家公務員の月例給を平均863円(0.22%)、一時金を0.35か月分、それぞれ引き下げるよう内閣と国会に勧告しました。深刻な不況による厳しい民間賃金水準の実情を反映し、平均年収が前年度比で15万4千円(2.4%)減となる勧告内容でした。「公務員」の話題を中心に据えているブログですので、これまで人事院勧告に絡むニュースなどは外さず取り上げてきました。

この4月には「夏季一時金減額の動き」という記事を投稿し、毎年、勧告が示された直後の新規記事は必ずその内容を題材に綴っていました。ちなみに昨年は「ベア見送りの人事院勧告」でした。しかし、今年は人事院勧告のニュースよりも、あえて「Part2」として続けたいテーマがタイトルのとおりのものです。前回の記事「阿久根市のその後」はマスコミ報道の引用が多く、自分自身の感想や主張が少ない内容でした。

一方で、その記事のコメント欄には本当に多くの方々から幅広い角度からのご意見や貴重な情報を提供いただきました。いつものことですが、それぞれの内容に対して逐次レスできず申し訳なく思っています。ただ頂戴したコメントはすべて熟読し、様々な視点からのご意見などに接しながら自分自身の考え方を整理する機会とさせていただいています。加えて私にとってコメント欄での意見交換は、自分の思いを適切な言葉に当てはめていく作業や「頭の体操」にもなっているようです。

したがって、「Part2」などの記事の投稿に際しては、直前のコメント欄に書き込んだ内容を掲げながら構成する場合が少なくありません。毎回、コメント欄までご覧くださっている方々にとっては、「見たことある文章だな」と思われる箇所が出てくるかも知れませんがご容赦ください。前回の記事本文で言い漏らしたこと、コメント欄での議論を通し、新たに整理できた自分なりの思いを「Part2」の中で展開していくつもりです。

まず当ブログで阿久根市の話題を続けることについて、否定的に見られている方々がいらっしゃいます。竹原市長を支持されている人たちも多い中、公務員に対する心象を決して良くする記事とはならないというご指摘や、一自治体内の騒ぎであって戦々恐々としているのは自治労関係者くらいで、普通の人々には関係ないという見方もあります。確かに私が自治労関係者だからかも知れませんが、一自治体の問題にとどめることができない重大な関心事となっています。

このブログを続けているモチーフは「正すべき襟は正しながら、主張すべきことは主張する」というものでした。その趣旨を踏まえれば、竹原市長の強引な手法や理不尽な発想は絶対黙視できず、インターネットという場を通して不特定多数の皆さんへその「是非」を訴えるべきものと考えています。そして、議論を尽くした先には、竹原市長の言動が「是」なのか、「非」なのか、立場を超えて一定の結論が出るものと信じています。

万が一、大多数の方々が竹原市長の手法を「是」とされるような場合、自分の足元の組合活動も見直さざるを得ない危機感さえあります。それほど竹原市長の言動には目に余る非常識さを感じています。竹原市長を支持される皆さんの言い分として、阿久根市では信じられないほどの市民への裏切りが横行し、腐敗した市政や議会を正すためには強引な手法もやむを得ない、そのぐらいしなければ改められないというものが多いようです。

差し迫った改革が必要な時、強烈なリーダーシップや突破力、副作用のある「劇薬」まで求める声が出ても驚きません。しかし、「劇薬」にも限度があり、初めから死に至らす「毒薬」であっては問題です。つまり竹原市長の手法は幅広い支持を得られる方向性だったとしても、あまりにも手法の中味に誤りが多すぎます。竹原市長に比べれば、橋下府知事の方が極めて理性的な首長だと思えてしまいます。⇒参考記事「橋下知事の人件費削減案

阿久根市職労にとって裁判に訴えるような「場外戦」は、決して本意なことではないはずです。そうしなければならない事情に追い込んだのは竹原市長側であり、力関係の問題も圧倒的な「権力者」は市長です。その権力が理不尽な使われ方をすることに対し、たいへん憂慮しています。象徴的な事例として、組合事務所の退去問題がありました。法律や社会常識などに照らせば、竹原市長の言い分が否定されることは初めから明らかでした。

竹原市長のブログ記事の中で、このような言葉を目にしました。「そもそも議会や市役所そして法律は所詮道具であって、最終的に守るべき物の順番の内にも入らない」というものでしたが、この考え方が竹原市長の言動の背景にあることを改めて認識しています。要するに自分自身の考え方が絶対的な「正義」であり、その考えに沿わない場合は裁判官であっても「敵」とみなしてしまう短絡的な思考回路をお持ちのようです。

阿久根市の「腐敗ぶり」の評価も分かれてしまいそうですが、どうしても阿久根市職労については、そこまで批判されるほどの組合なのか大きな疑問が残ります。地場の実情なども踏まえ、いっそう見直すべき事例もあったのかも知れませんが、いわゆる「ヤミ」的なことは特段目に入りません。例えば阿久根市の勧奨退職制度について、竹原市長は条例化した当時の前市長らを刑事告訴するそうですが、とても法的手段に訴えるべき事例だとは思えません。

「自治労と同じ公務員の仲間」と非難した裁判官に対し、今度は自ら判断を委ねようとする場当たり的な対応も不思議ですが、竹原市長は勧奨されていない退職者にも割増率が適用されていたことを問題視しているようです。この制度の是非や水準の問題、条文の作り方など、確かに争点となるべき事項はあります。しかし、条文の一部は次のとおりですが、どう読んでも50歳以上の職員が退職する際など、一律に「勧奨扱い」とする条例となっています。

(退職勧奨の基準)
第2条 任命権者は,退職する職員が次の各号のいずれかに該当する場合は,勧奨扱いとする。ただし,職員が特別職に就任するため退職する場合を除く。
(1)退職しようとする年度の3月31日において年齢50歳以上60歳未満の者
(2)退職しようとする年度の3月31日において20年以上の勤続となる者
(3)傷病等により退職する者で特に任命権者及び市長が認めた者

竹原市長の「法律は所詮道具、守るべき順番の内にも入らない」という言葉が象徴的ですが、やはり自治体の長として絶対あり得ない発想だろうと思います。一事が万事、竹原市長の独特な価値判断で、阿久根市政はかき回され続けているものと感じています。とは言え、その竹原市長は2回、阿久根市民の審判を受け、今の地位に就いています。

そのことの重さを誰もが受けとめなければなりませんが、どう考えても超えてはいけない一線があるはずです。その一線が法律の遵守だとすれば、改めて竹原市長ご自身の優先順位の付け方を見直していただかなければ、今後も同様な混乱が生じていくのではないでしょうか。個々人がどのような世界観や思想を持っていても自由ですが、首長の判断は即実行に移せる強大な「権力」に裏付けられています。

竹原市長は、緊密に相談できる側近やブレーンを持たないタイプだろうと見受けられます。しかし、もう少し冷静な判断を下すためには、幅広い意見や情報を取り入れていく姿勢が欠かせないのではないでしょうか。きっと阿久根市職労も、ごく当たり前な労使交渉の舞台で、真摯な議論が交わせることを願っているはずです。市民の皆さんが「職労事務所出て行け」と叫ばれる姿は、とても悲しく切ない光景です。

竹原市長ご自身が今までの手法の誤りを率直に反省していただき、正常な労使関係が回復できれば望ましい限りです。冒頭に示した人事院勧告のとおり公務員賃金は民間準拠となっていますが、さらに労使交渉を通して独自な判断の余地も残されています。法廷闘争が多発する事態は、職員や市民の皆さんにとって好ましいものではありません。ぜひとも、阿久根市の騒動が早急に沈静化されることを東京の地から切望しています。

最後に、竹原市長のような手法が「是」とみなされたまま、それに追随する首長が出ないことを願わなくてはなりません。意味深な内容となりますが、前回記事のコメント欄でも紹介した「マルティン・ニーメラーの詩」の別な日本語訳を掲げさせていただきます。いずれにしても多様な意見があることを前提としながら、論争相手に「なるほど、そのような見方もあるのか」と思わせるブログ議論の場を理想としています。ぜひ、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、私は共産主義者ではなかったから。

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった、私は社会民主主義ではなかったから。

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった、私は労働組合員ではなかったから。

彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった、私はユダヤ人などではなかったから。

そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。

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2009年8月 8日 (土)

阿久根市のその後

少し前から阿久根市の竹原市長の動きが非常に気になっています。2か月ほど前、このブログでも立て続けに竹原市長に絡む話題を取り上げてきました。「ブログで有名な阿久根市長」「もう少し阿久根市長の話」「もう少し阿久根市長の話 Part2」という記事を投稿しましたが、竹原市長の手法に対して賛否両論、様々なコメントをいただきました。

このブログで直接的な話題として取り上げるのは久しぶりですが、この間、竹原市長自身が投稿している有名なブログ「阿久根時事報」やその支援者が運営する「【竹原信一という男】BBS」というサイトなどを日々閲覧しています。インターネットの普及は幅広い考え方や情報を手軽に入手できる利点があります。そのおかげで、竹原市長や支持者の皆さんの発想や価値判断を垣間見る機会を得られています。

しかし、あまりにも竹原市長の言動は私自身の常識を超えるものであり、いつも驚かされています。竹原市長を日常的に観察されているブログ(自由研究「竹原信一・阿久根市長について)もあるようですが、その管理人さんの発想には共感できるものが少なくありません。そして、たいへん憂慮していることは、私からすれば理不尽で非常識な竹原市長の行動や発言も、支持者の皆さんらは筋の通った「正義」だと見ている落差の大きさです。

竹原市長を熱烈に支持されている皆さんも引き続き、このブログを訪れくださっているかも知れません。そのことを私としては歓迎していますが、ぜひ、多面的な視点や考え方をお互い認め合った議論につなげられることを願っています。その上で、まず「阿久根市のその後」と題した記事の1点目は、組合事務所の使用問題の「その後」です。今回、なるべくマスコミ報道の内容をそのまま紹介し、客観的な構成に努めてみるつもりです。

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市役所内にある市職員労働組合事務所の使用許可を取り消す処分をし、市職労が処分の執行停止を鹿児島地裁に申し立てた問題で、同地裁は10日、市職労の主張を全面的に認め、執行を停止する決定をした。牧賢二裁判長は、処分は「地方自治法の要件を満たしていない」と判断。独自の手法を次々と打ち出し、注目を集める竹原市長の市政運営に、司法がストップをかける形となった。

同法では、市役所の1室など行政財産の使用許可を取り消せる要件を「許可の条件に違反したとき」などと規定。牧裁判長は決定で、竹原市長が「許可要件に疑義が生じた」とした処分理由について「明らかに地方自治法の要件を満たさない」と指摘した。事務所を市民のための施設にするという竹原市長の主張についても「市民が使用する具体的な必要性を説明していない」としたうえで、「処分が不適法と評価される余地がある」と結論づけた。また、市役所から事務所がなくなることで「組合活動が困難になる」とした。

「税金にたかる無駄な組織」と市職労を批判して5月末の出直し市長選で再選された竹原市長は、6月11日に処分をし、今月11日までの事務所退去を命令。市職労は6月下旬、処分取り消しを求める行政訴訟を起こし、今月6日には一般の訴訟の仮処分に当たる執行停止を申し立てていた。市職労が加盟する自治労県本部の高橋誠書記次長は「当たり前の主張が認められ、訴訟の勝訴に向けて弾みがついた」と話し、竹原市長は「自治労主導の申し立ての結果で、職員がかわいそう。決定をよく読んでから対応を考える」と語った。【西日本新聞2009年7月11日

上記の報道のとおり仮処分が示され、阿久根市職労の組合事務所は市役所内に残り、本格的な裁判が始まりました。その裁判への対応も、竹原市長の「常識」が発揮されたようです。次の記事にある竹原市長の「裁判官は自治労と同じ公務員の仲間」というコメントは、どう考えても司法を軽視した発言だと思えてしまうのですが…。

鹿児島地裁で29日に開かれた、阿久根市職員労働組合が同市を相手取り、庁舎内にある組合事務所の使用許可取り消しの無効を求めた訴訟の初弁論。市側は全面的に争う姿勢を見せながらも、「裁判費用に税金が使われることや、裁判官も公務員であり、公平な立場に立てない」などを理由にして出廷しなかった。

29日の初弁論で市側が提出した答弁書では、退去通告の理由について〈1〉市職労は市長選の際、事務所で竹原市長の政策を批判するためのビラを作成した〈2〉職員の給与水準が市民より高いのに、事務所の使用料は全額免除されている〈3〉市庁舎からの退去は竹原市長の選挙公約でもあり、市民も支持している――などと主張した。

一方、市職労側は、市が施設の使用を一度許可した場合、地方自治法では、〈1〉公用で使う必要が生じた場合〈2〉許可条件に違反する行為があった場合――などにしか許可取り消しができないと定めている点を指摘。「市側の主張は、許可取り消しの理由に当たらず、裁量権を逸脱している」と反論している。

市職労側は初弁論後、鹿児島市役所内で報告会を開き、市職労や自治労県本部から10人が参加した。訴訟と平行して、市職労側は鹿児島地裁に行政事件訴訟法に基づく、市長の許可取り消し処分の停止を申し立て、同地裁は今月10日、認める決定を出している。

小川正弁護士は、市側が出廷しなかったことについて、「実質的に市側が裁判を放棄した」と述べ、勝訴に自信を見せた。自治労県本部の高橋誠書記次長は「庁舎内に組合事務所を設けることは双方にとって都合が良い。我々が期待する結果が出ると聞いてほっとしている」と話した。この日、取材に応じた竹原市長は「裁判官は自治労と同じ公務員の仲間。負けると分かっている裁判に税金を無駄遣いさせるつもりはない」と語った。【読売新聞2009年7月30日

さらに竹原市長は組合事務所の退去が果たせなかったため、今度は職員休憩室を市民用のスペースに転用しようと考えています。最近、ご自身のブログに刑法を大きく誤認(参考記事「阿久根民主主義人民共和国刑法第247条第2項第3項」)した内容を掲げてしまったようですが、選挙期間中のブログ更新なども含めて法令に対して不勉強なのか、そもそも遵守するつもりがなく、自分自身の考えが絶対的に正しいと思い込むタイプなのか、いずれにしても強烈な個性を持たれている人物だと受けとめています。

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が30日、市職員労働組合(落正志委員長、203人)との団体交渉で市庁舎内職員休憩室を「市民が市役所と議会を知るため開放する」と事実上、明け渡しを要求した。職員休憩室は市庁舎別館1階にあり職員の福利厚生のため労働安全衛生法に基づいて設置されている。

市職労は「今日は市長提案を聞いただけ。管轄する市労働安全衛生委員会に話をすべき問題」と受け入れない方針。竹原市長は、06年から50歳以上または勤続20年以上の職員が定年を待たずに退職する場合に退職金を増額していた退職勧奨制度を8月から「市長が認めた者だけに適用する」と実質廃止も通告した。【毎日新聞西部朝刊2009年7月31日

このように竹原市長の話題を紹介していくと、たいへん長い記事となっていきます。それでも最後に次のニュースの紹介を外すことはできません。このケースで懲戒免職という衝撃的な報道内容でした。今回、冒頭やニュース紹介の合間に私自身の感想などを添えていますが、阿久根市の問題は決して一自治体の問題にとどまらない重大さを感じています。したがって、これからも阿久根市の動きには強い関心を払っていくつもりです。

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が4月に市役所内に張り出した人件費総額を記した張り紙がはがされた問題で、竹原市長は31日、張り紙をはがしたとして、市民環境課の男性係長(45)を懲戒免職処分にした。竹原市長は「市長の命令に背く行為で反省はみられない」というが、市職員労働組合は反発している。

張り紙は、総務課や市民環境課など16部署ごとに07年度の人件費総額を記した内容。「職員の自覚を促すため」として、竹原市長が市議会から2度目の不信任決議を受けて失職する前日の4月16日に職員に指示して張り出させた。3日後にすべてはがされ、総務課長席に置かれていた。 竹原市長は「(係長は)当初は知らないと言い、後で名乗り出て顛末(てんまつ)書が出されたが、反省は見られない。市長の命令に背く行為で命令系統の破綻(はたん)は許されない。懲戒免職以外に方法はない」と処分理由を説明した。

市では6月に2度、総務課長らによる賞罰委員会を開いて処分を検討。総務課長は「文書戒告が相当ではないか」と市長に回答したという。一方、係長は1人ではがしたことを認めたうえで「軽率な行為だったと反省をしている。しかし、懲戒免職に該当するとは思っていない。処分は納得できない」と話した。市職労幹部は「紙をはがしただけでいきなり懲戒免職とは明らかに行きすぎた処分」と批判し、市の公平委員会への申し立てを含めて支援していく考えだ。【asahi.com2009年7月31日

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2009年8月 2日 (日)

5年目の夏、そして300回

このブログ「公務員のためいき」を始めたのは4年前の8月、小泉元首相が衆議院を解散した直後でした。やはり衆議院が解散されている今、このブログを開設してから5年目の夏を迎えています。そして、今回の記事は300回の節目を刻みます。これまで記事回数の大きな節目に際し、2006年3月19日に「多くの方に支えられながら101回」、2007年9月2日には「逆風を謙虚に受けとめながら200回」という内容をしたためてきました。

200回目の時に述べたことですが、新たな記事の投稿を重ねなくても年月は過ぎていきます。一方、投稿した記事の数は自分自身の労力を惜しみ出したり、続けていく熱意が冷めてしまった場合、停滞してしまう数字です。その意味で、300回という数字は感慨深いものがあります。いずれにしても週1回の更新ペースを崩さず、継続できているのも毎回多くの皆さんがご訪問くださり、貴重なコメントを多数頂戴していることが大きな励みとなっています。とりわけ、いつもご注目くださっている常連の皆さんには、たいへん感謝しています。改めて、ありがとうございます。

300回目となる今回の記事でも、メモリアルな内容を考えていました。「郵政」解散から事実上の「任期満了」解散までの4年間、299回の記事の中で政治の話題も数多く取り上げてきました。第1回目の記事が「民主党と小泉自民党」というタイトルでしたが、今回も時節柄そのような切り口での内容を綴らせていただきます。初投稿となるその記事では、参議院で否決された郵政民営化法案の是非を問うため、なぜ、衆議院を解散しなければならないのか、その理不尽さを強く訴えていました。

「自分の思ったとおりにならなかったから権力の象徴である解散権を行使し、同じ自民党の仲間だった者も切り捨てていく小泉首相の独裁的な手法」と批判し、「小泉自民党が勝利することは、多様な意見や権力への反対意見が今まで以上に言いづらくなる社会につながる心配があります」と結んでいました。残念ながら「劇場」型と称された選挙戦の結果は、与党側の圧勝に終わりました。

投開票日の翌日の夜に投稿した「民主党惨敗のためいき」という記事の中では、南関東では「名前貸し」の裏方候補者が「想定外」の当選を果たし、戸惑っている様子が報道されていたことを記しました。「代議士になろうとする身構えや勉強が不足しているだろう人たちが、こんなに多く国権の最高機関の一員となってしまったことは非常に残念に思います」と書き込みましたが、この4年間の働きぶりと歳費の額とのミスマッチが感じられる「小泉チルドレン」も少なくなかったはずです。

その後、「改革」という言葉が絶対的な正しさのような雰囲気におおわれ、規制緩和などが加速し、国民の痛みが伴い続ける社会につながっていきました。結局、今では自民党の麻生首相も「市場原理主義でモノを考え、ドライな改革をやり過ぎたのではないか」と国会答弁するほど小泉「改革」の過ちが取り沙汰されるようになっています。その過ちを具体的に指摘した著書『脱「構造改革」宣言』について、以前の記事で紹介したこともありました。

また、小泉元首相の後、自民党内での政権の「たらい回し」が3代続いています。特に一昨年の参議院選挙では、自民党政治に対する「NO!」という民意が明確に示されていました。その結果、参議院での議席数が与野党逆転し、様々な法案が参議院では否決されるようになっていました。しかし、郵政民営化の是非を最大の争点とした前回の総選挙で、与党の議席数は3分の2以上を占めていました。そのため、衆議院での再議決が常態化し、この間、直近の民意がないがしろにされてきたと言えます。

ようやく先月21日に衆議院の解散に至りましたが、非常にプライドの高い麻生首相は何が何でも自分の手で解散するという点だけは、ぶれることが許されなかったようです。8月18日公示、30日投票の日程を控え、主要政党のマニフェストが出揃いました。テレビの中での各党の論客による議論や、街頭で立候補予定者が政策などを訴える声のボルテージも上がっています。

ここで念のため、誤解されないよう「地公法第36条と政治活動」という以前投稿した記事の要点をお伝えします。時折り、公務員がネット上などオープンな場で、特定の政党を支持する発言を行なうこと自体、法律違反だと思われる人がいらっしゃるようです。地方公務員法第36条で、地方公務員は特定の政治的立場に偏らず、中立であることが求められています。しかし、この法律をもって地方公務員の政治活動が一切禁止されている訳ではありません。

公職選挙法の規定により、地位利用による選挙運動の禁止や公務員のままで立候補できない点、さらに当該職員が属する区域での選挙運動などが制限されています。付け加えると公選法に基づく選挙は事前運動を禁止し、公示日又は告示日以降でないと行なえません。したがって、公示日前は日常の政治活動に位置付けられています。公選法で選挙運動は、特定の選挙において特定の候補者の当選を目的として投票を求める行為とされています。

したがって、公示日前に「今度の選挙で○○さんへの投票をお願いします」は問題があり、「○○さんはこのような考え方で政治活動を進めています。ご支援をお願いします」は許容範囲です。逆に選挙期間中は、運動方法が限定されるため、ネット上での発信に注意しなければなりません。このような違いについても、以前の記事「選挙運動とインターネット」で取り上げていました。ちなみに「参院選公示後も政党のHP更新」という記事もありますが、要するに法令遵守に対して常に意識していることを強調させていただきます。

話が少し横道にそれましたが、このブログを通して私自身、民主党を支持していることを明らかにしてきました。「民主党を応援する理由」という記事も投稿しましたが、連合や自治労本部が支持協力関係にあるからという受動的な姿勢ではなく、個人的な思いとしても民主党中心の政権への交代を願っています。真っ先にあげられる応援する理由として、強い者をより強くする発想での政治が続くのか、働く者をはじめとした生活者の視点での政治に向かうのか、自民党と民主党との間にはその違いがあるものと見ていました。

ただ参院選大敗後、その違いを自民党側が覆い隠すようになり、争点として少々分かりづらくなっている懸念があります。また、民主党の掲げるマニフェストについても、すべて諸手を挙げて賛成できるかどうか正直なところ迷う所もあります。なお、マニフェストに対する問題意識などは「『政権交代論』への共感」という記事で綴っています。とは言え、結成当初から続く民主党と連合との信頼関係は、たいへん強い絆であり、働く者の声を直接届けられる政党である限り、引き続き全力で応援していくつもりです。

300回を数えた記事の最後に、「鳩山新代表に願うこと」の結びにも書いた内容を改めて掲げさせていただきます。ぜひ、民主党は連合との関係を「しがらみ」と思わず、「生活者」である働く者の声を直接聞ける強みだと受けとめて欲しいものと考えています。とりわけ今後、行政改革のあり方をめぐっては、自治労など公務員組合と民主党との難しい場面が続くはずです。この点についても日頃から意思疎通をはかり、信頼関係を築いていく努力が欠かせないものと思っています。

その上で、民主党からは「労働組合との信頼関係があるからこそ、大胆で効果的な改革ができる」と誇示していただけるような関係性を望んでいます。そのためにも、公務員組合側は既得権を守るための「抵抗勢力」と見られないよう適確な情報発信にも力を注ぐ必要があります。改めるべき点は改めていること、先入観や誤解に基づく批判は払拭するため、より丁寧な説明責任や情報宣伝が求められていくはずです。

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