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2009年7月12日 (日)

公務員批判への「答え」は? Part2

それほど蒸し暑くもない好天の日曜、前回記事の冒頭でお伝えしましたが、全国的にも大きな注目を集めている東京都議会議員選挙の投票日を迎えています。先ほど投票所となっている近くの小学校へ出向き、自分なりの思いを託した1票を投じてきました。以前は投票事務に毎回従事していましたが、最近は投票所に足を運ぶ程度で、のんびりできる日曜日を過ごさせていただいています。即日開票が定着し、ますます長い1日となっていますが、選挙事務に従事されている皆さん、たいへんお疲れ様です。

さて、週1回の投稿間隔ですので、書きたい内容に困ることはありません。その一方で、記事本文のタイトルを決めるのに手間取る時が少なくありません。したがって、書き終えてから決める場合や最初に考えたタイトルと本文の内容が合わなくなり、後から変更する場合もありました。最もスピーディーな決め方は前回のタイトルに「Part2」を付けることでした。今回もその手法を取らせていただきますが、どこまで正解に近付く「答え」となるのかどうかは、やはり読み手の皆さんそれぞれの判断に委ねられるのだろうと思っています。

前回の記事に寄せられたコメントのご意見などを受けとめ、いろいろ考えを巡らしています。批判の背景となる論点として、公務員は特権に守られている、民間会社の厳しい実態とかけ離れた待遇である、その待遇に見合った仕事をしていない、このような言葉が投げかけられがちです。前回、記した内容の焼き直しのような話も出てくるかも知れませんが、改めて自分なりの「答え」を探してみます。

まず特権があるようなご指摘ですが、公務員という特殊性を考慮し、様々な面で区分けがあることも確かです。しかし、特権と言われるようなプラス面ばかりではなく、公務員側に厳しい制約を課している場合も少なくありません。その上で、特権的な見られ方の代表例として、「公務員はクビにならない」という話があります。この点について、前回の記事で労働者の「クビ」が簡単に切られるようになっては問題であることを申し上げ、整理解雇に対する4要件を紹介しました。

その4要件とは、①会社を維持するために人員整理を行なう経営上の必要性があること、②解雇を避けるための努力がなされていること、③解雇をされる人間の選定基準が妥当であること、④事前に従業員側に対して充分な事情説明があることとされ、解雇を避けるために役員報酬のカットや希望退職の募集などの措置が求められています。また、事前に労働組合や従業員代表と充分な協議が欠かせず、使用者側は従業員側に対して整理解雇について説明し、納得を得られるように努力しなければなりません。

地方公務員法第27条には、法律で定める事由による場合でなければ、職員の意に反して処分できないと書かれています。このあたりが公務員の身分保障、つまり「クビは切られない」という見方につながっているようです。しかしながら一方で、第28条では「勤務実績が良くない場合」など免職することもできると明記されています。即ち現行法上でも勤務成績不良者に対する「クビ」はあり得るという話ですが、あっしまったさん!が前回記事のコメント欄で詳しく解説くださった論点でした。

あっしまったさん!は、さらに「私見ながら、どうも有権者の公務員叩きは、クビにならないという根拠のない神話を前提にして論じられている傾向があるとも感じています」と述べられていました。現実的には前回記事で紹介した鳥取県のような例がニュースになるほどですので、成績不良の公務員が「クビ」になることは稀なのだろうと思っています。ここで押さえる必要がある点として、民間会社でも公務員も成績不良者が「クビ」になることはあり得ても、簡単に労働者の「クビ」は切れないという問題です。

このように考えを巡らしていくと、公務員批判の背景となりがちな法的な区分けなどは可能な限り撤廃し、同じ土俵に立つことが望ましい方向性であるものと感じてきました。とりわけ公務員の特権のように見られている「身分保障」の規定などは見直し、同時に労働基本権を完全に回復するなど、相互不信につながるような「壁」を取り払うことによって「公務員は…」という批判が少なくなるのでしたら幸なことです。

さらに労働基本権制約の代償措置だった人事院勧告もなくなるため、批判を受けがちな調査対象「事業所規模50人以上」という問題も解消されることになります。新たな賃金決定システムが確立されるまで試行錯誤も続くのかも知れませんが、地方公務員法を全面的に見直さない限り「均衡の原則」などは残る可能性もあります。いずれにしても地域住民の皆さんから、よりいっそうの信頼を得るためには、ますます情報公開や説明責任が欠かせなくなるはずです。

そして、住民の皆さんとの信頼関係を高めるため、最も重要な点は「待遇に見合った仕事ぶり」の実践とそのアピールだと考えています。地方公務員法第15条で「職員の任用は、この法律に定めるところにより、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基づいて行なわなければならない」とされています。つまり公務員試験に合格した時点で、その能力が認められた制度設計であると言えます。

試験に合格するまで懸命に努力し、入所してから気を抜くような職員は少ないはずです。それでも公務員というスタートラインに立つことによって、生涯「安定した待遇」が保障されることに厳しい目も注がれ始めていることを敏感に受けとめなければなりません。ただ仕事ぶりの公務員批判の声は「木を見て、森を語られる」傾向があります。数百万人の中で、一部の公務員の働きぶりを見て、公務員全体を論じられがちです。しかし、それはそれで仕方ない話であり、自分のできること、できる範囲内で頑張っていく決意を新たにしています。

最後に、先日参加した自治労都本部組織集会の中で、印象に残った言葉をご紹介します。自治労都本部の顧問弁護士である西畠正先生の「自治労組合員へのメッセージ」と題した記念講演があり、「自治労は権利闘争を重視してきたが、もっと仕事の中味を見直す運動にも力を注いで欲しい」という提起が強く心に刻まれています。今後、このブログを通し、これまで以上に「仕事の中味」を問いかける記事も綴っていければと考えています。

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コメント

段々、「公務員のためいき」から「公務員のはないき」に変わっているようですね。大変良い事だと思います。
今まで厳しい意見を書いた罪滅ぼしではありませんが、別の視点で書いてみます。

公務の本質が「人の自由を奪う」・・つまり規制にある以上、必ず人から恨まれる。
加えて権力闘争に無縁でいられない立場からも同様の事が言える。
但し、勤務時間内に私的活動(組合活動)や政治活動をしている者は論外だし、懲戒処分を受けて当然だと思う。

以上の事から、公務員を守る「何か」があるのは当然です。
軍人が自分を守る為の装備を充分に身に着けているのが当然が如く。

その議論をしてゆく時に、最も大事だと思われる事は「公と私」の区別でしょう。
でないと「兵隊をTシャツで戦場へ送り出せ!」という結論になるだろう。
今、日本は公私のけじめが全くついていない。

ところで、どうです?「公務員のはないき」に変えてみたら。フンガ~。

投稿: あまのじゃく | 2009年7月13日 (月) 09時33分

公私のけじめ・・と書いておいて正体を書かないのはいけませんね。

「公」とは不自由の事、私とは自由の事です。

我々の営みがある。その中に「やってはいけない」という不自由な事がある。
人殺しや泥棒のように刑法に問われるものから、挨拶をしなかったとか目上の人に命令口調といった慣習上の事まで。

「不自由以外」が自由・・つまり私です。

「自由か不自由か」が曖昧模糊とした部分はありますが、「不自由で自由だ」という事はありません。
厳密に理屈上は「公と私」は全く区別されるものです。

税金は「公」にしか使えない。公私のけじめがついていないから借金だらけ。
公務員は「公」の仕事だけ出来る。

投稿: あまのじゃく | 2009年7月13日 (月) 10時08分

政府の債務に関しては、行政職員”だけ”の責任ではないと思うのよ。
拠出以上の便益を求める有権者と、それにおもねる政治家の負うべき責めは同じように大きいと思う訳。

バブル崩壊以降、「増税は嫌だけど公共支出を増やせ!」というのが世論調査などでの多数意見だったし。議会が債券発行を原資とする公共事業などの景気対策の実施を表明しても、有権者としてはそうした施策を執ろうとした政党を与党にしてきたし。有権者集団がそうした施策を多数意見として支持してきたという事実は隠せないから。これは他ならぬ有権者集団の主権を持つことに伴って負うべき責任のひとつだしょ。

与党として決められたら、行政組織は内心はどうであっても逆らえないから、税収が足りなければ債券発行によってお金を調達するほかないのも事実だしょ。行政がそれに乗じて悪のりした側面があったのは事実だし、そうした悪のりはあまり許したくない。けれど、別の側面として与党の方針が支出規模ありきであれば、支出そのものを目的とした支出をしてでも、与党方針(国会で決した予算=与党の意向)の支出規模を満たさないといけないのも事実だからさ。一面では行政の悪のりを介在させる余地を創り出してる。

そう言う意味では、行政組織に限らず、立法府も有権者集団も国の財政に対しては、あまのじゃく様の定義されるところの「公私のけじめ」がついてないと思うなぁ。この国の有権者集団の風潮として、政府からの私的便益の拡大を求める一方、政府機能を維持するために責任を果たす事には消極的だと思うから。

投稿: あっしまった! | 2009年7月13日 (月) 12時27分

あっしまったさんへ

良く読んでね。

「議論をする上で、公私のけじめをつけろ」
議論するのは国民(公務員を含む)です。行政職員にだけ責任を問うているのではありません。
指摘についてはその通りです。

>この国の有権者集団の風潮として、政府からの私的便益の拡大を求める一方、政府機能を維持するために責任を果たす事には消極的だと思うから。

残念ながら、この部分は(正確には)同意できませんね。

①「税金払った以上、より多くの物をよこせ!」は人間固有の風潮です。日本固有の風潮ではありません。
このように財政は常に支出圧力が加わり、保留圧力が加わる事は稀です。
だからケネディも「お前ら、ねだるばっかりじゃなく、少しは尽くせよ」と演説をぶった。
財政は入るを計って出を制す・・という厳しい掟がある理由でもあります。
政府機能を維持する為の責任・・とは主に納税義務の事でしょうが、日本だけ脱税が多いとは思えません。

②日本固有の風潮は「村の掟が全てに優先する」というものですが、これの説明は長くなるので話題になったら説明しましょう。

投稿: あまのじゃく | 2009年7月13日 (月) 15時20分

都議選は、候補者の人なりを無視した無党派層の変革の要求を見せつけられました。
政治は、このように変化をさせることができますが、問題とされる公務員の意識改革にはどのような方策が有効か、こちらも具体的な成果が待たれます。
西畠正さんの言葉に強い印象を持たれたようですが、時代の流れから見て2周ほど遅れた議論であるようにも感じました。
自治労はともかく、ブログ主の数年後を楽しみにさせていただきたいと思います。

森の生態系など自然バランスが調和していれば問題はないのですが、人工林では人の管理が欠かせません。
官民を問わず、森全体を健全にする為には間伐も必要ですが、今日も間伐したほうが良い材料がありました。

>生活保護申請したいのに置き去り 福岡・朝倉
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000021-mai-soci

基礎自治体にとって義務教育と福祉は本分のはずですが、どうしてこのような無責任で非人道的な行動をなし得るのか理解に苦しみます。
職務放棄に等しいと思いますが、このようなリストラした方が手っ取り早い職員は、速やかに降格なりの懲罰的措置が取られる制度運営を望みます。
このような資質そのものに問題がある者も一応選抜試験を経ているのでしょう?

投稿: L | 2009年7月13日 (月) 15時29分

上記記事について地元紙(西日本新聞)にもう少し法令に触れた部分がありましたので転載しておきます。
こういう記事を読む度に基礎自治体で人材が育つのか疑問に思います。
仕事の中身を見直す=人事制度を見直す=任用等、地方公務員法の改正が必要との思いを強くする次第です。
現状では素人のまま配置換えを繰り返している感が否めません。
担当部課や職階毎に任用試験を現行の試験とは別に儲けるべきです。

>朝倉市教委生涯学習課によると、男性が公共施設でたき火をするなどしたため、市教委が「危険」と判断し立ち退きを求めた。同市福祉事務所に相談したが「住居がないと生活保護は申請できず対応できない」と誤った認識で断られ、男性に民間団体の支援を受けるように勧めた。同課は「親切のつもりだった」と釈明している。
 
 住居のないホームレスをめぐっては厚生労働省が3月、都道府県を通じて全国の自治体に、現地の福祉事務所が生活保護の申請を受け付ける▽他の自治体への移動を勧める行為は認められない−と通知していた。
 
 福岡県保護・援護課は「生活保護の受給を希望するホームレスを別の市に連れて行くのは法令に反する」と指摘。支援団体の関係者も「保護すべき立場にある朝倉市の職員が福岡市に連れてきて置き去りにするのは無責任」と批判している。
 
 朝倉市福祉事務所の谷口勝義保護係長は「担当者の認識が不足していた。指導も不十分だった」と陳謝している。


投稿: L | 2009年7月13日 (月) 16時06分

あまのじゃくさん、あっしまった!さん、Lさん、コメントありがとうございます。

あまのじゃくさんのご指摘、たいへん恐縮ながら私の硬直した頭では半分も理解できていないかも知れません。理解できていないものを理解したつもりで対応するのも、それはそれで問題だと思いますのでご容赦ください。「公務員のはないき」というブログ名のお話も評価を受けているのかどうか微妙なところです。

Lさんからご紹介いただいた朝倉市のニュースは、いろいろ考えさせられる事例でした。職員一人ひとりのスキルアップや当たり前のように他者を思いやる心など、反面教師とすべき問題だと受けとめています。また、西畠先生の言葉については、かなり前から感じていたことを適確に発信いただいた意味合いで強く印象に残ったところでした。

投稿: OTSU | 2009年7月13日 (月) 21時16分

 福岡県保護・援護課は「生活保護の受給を希望するホームレスを別の市に連れて行くのは法令に反する」と指摘。支援団体の関係者も「保護すべき立場にある朝倉市の職員が福岡市に連れてきて置き去りにするのは無責任」と批判している。たしかにそうです。しかしながら実際には数値目標や生活保護の数が増えることに対して住民の理解が得られるのか(風当たりは強いですよ)といったことが現場の職員を縛っているのかもしれません。実際、保護の窓口は狭き門であることに変わりはないように感じます。
Lさんに質問ですが、生活保護の受給者バッシングについてはどのようにお考えですか?北九州市で起こった問題は生活保護がいかに難しい問題であるか考えさせられましたが・・・・

投稿: ためいきばかり | 2009年7月13日 (月) 22時23分

>私の硬直した頭では半分も理解できていないかも知れません。
そうか、解らんのはオレだけや無かったんやな。

ホームレスの件、確信犯やったりして。で、バレたらあれこれ理由をつけて、陳謝ってな。
厚生労働省もそんな現状をよう知ってるさかい、わざわざ通知したんちゃう?
オトナの世界ではちょくちょくある話やからな、いらん勘繰りしてまうわ。
(バレたら「秘書がやりました」っていうてる政治の世界もそうか)

それにしても東京都は構造がようわからん。都議選は府議選にあたるもんか、市議選も兼ねるんか・・・。

投稿: K | 2009年7月13日 (月) 22時25分

ためいきばかりさん、Kさん、コメントありがとうございます。

確かに生活保護の問題は切り口を変えた場合、お二人のような見方もあり得るのかも知れませんが、いろいろ考えさせられるニュースでした。いずれにしても居所の分からなくなった方がお元気であることを願っています。

Kさんのお尋ねですが、都議選は府議選に当たります。基礎自治体である東京23区の「区」という呼び名が、大阪市のような政令市の「区」と分かりづらくしていますが、市議選にあたる区議選は別に行なわれています。

投稿: OTSU | 2009年7月13日 (月) 22時43分

先刻の拙コメントは、あまのじゃく様宛じゃなくて名宛人なし(閲覧者各位宛)なのでした。
最後の方で文意をお借りしたのですが、お騒がせして申し訳ないです。m(_ _)m

それから私の言ってるのは「脱税」の事じゃなくて、納税者集団全体として「望む政策の執行が実効性を備えるに足るだけの応分の拠出」の事でありまふた。

投稿: あっしまった!@携帯 | 2009年7月13日 (月) 23時31分

管理人さん及びkさんから「分からん」との事・・・・。
分かる部分と分からん部分が分からんので説明の仕様もないのですが、要は「公務員って何をする人たちなの?=公って何なの?」を常に念頭に置いて考えましょう・・という意味です。

常に「公」を念頭に置く限りに於いて、「ためいき」でも「はないき」でもOK。前者はやや戸惑い気味、後者は積極的。
単に積極的になりましたね・・という意味で他意はありません。

あっしまったさんの分析と指摘は全くその通りです。

投稿: あまのじゃく | 2009年7月14日 (火) 07時28分

ためいきばかりさん、せっかくのご質問ですが、ご期待にはそえないかと。

キリギリスの身から出たサビ論も必要な部分はあろうかとは思いますが、それ以前に朝倉市のようなたらい回しについては、課せられた職務をサボっているのが問題と考えています。

通知(通達?)を組織として受け止めることも出来ず、以前の解釈に基づくとしても相談を受けず門前払いで、おまけに問い合わせたNPOに引継ぎもせず、男性に行き先も告げず、無言で一人現場を離れるなど、単なる配達人のような仕事ぶりです。

数値目標云々とのことですが、不況になれば事情も変わります。
行政の現場ってそんなに硬直的なのでしょうか?
適正な運用の結果、予算が膨らんだとしても災害みたいなもので次年度以降の予算編成で優先順位の低いものと差し引き出来ませんか?

OTSUさんがスキルアップ云々を仰っていますが、通知?の類は運用の決まりごとで補助金を見つけたりするのとは異なると感じたのですが、個人のセンス次第なのでしょうか?
実務上の経験からお答えいただければありがたいです。

決まっていることは、きっちりやってもらうために、そこそこの給与を保障しているはずですが、やはり残念な思いです。


投稿: L | 2009年7月14日 (火) 16時44分

>>数値目標云々とのことですが、不況になれば事情も変わります。
行政の現場ってそんなに硬直的なのでしょうか?
適正な運用の結果、予算が膨らんだとしても災害みたいなもので次年度以降の予算編成で優先順位の低いものと差し引き出来ませんか?
たしかにそうあって欲しいですね。しかし、小さな町になればなるほど「なんで保護の割合が増えているんだ」と住民の方から厳しい視線を浴びるでしょうね。あの町だと保護が受けやすいなど安直に考える人も増えるかもしれません。保護が必要な人に届くようにしていく必要があると思いますが・・・・

投稿: ためいきばかり | 2009年7月14日 (火) 21時05分

あっしまった!さん、あまのじゃくさん、Lさん、ためいきばかりさん、コメントありがとうございました。

あまのじゃくさんから改めて端的な説明をいただき、常に「公」を念頭に置くという趣旨だったことは理解できました。私自身が分かりづらく感じたことは、公務員の立場からその業務執行において「私」はあり得ない前提があったからだと思います。

Lさんからのお尋ねのスキルアップについて、取り急ぎ私なりの思いをお答えします。まず法令等に熟知し、公平公正さや丁寧な説明責任を全うできることや、自分の仕事以外の業務にも精通し、きめ細かく総合的なサービスの提供ができることなど、当たり前なようなところから職員全員の力量を高めることが重要だろうと思っています。

例えば、保育園や児童館の職員が児童虐待の気配をいち早く察知し、素早く行政としての対応がはかれることや、徴税吏員が納税相談を行なう中で、多重債務の整理や生活保護への相談を紹介するような複合的な視点について、よりいっそう高めたいものと考えています。つまり自分の守備範囲を決めるような縦割りの発想を取り外し、良い意味の「お節介」をやくことの大事さを感じています。

大半の事務系職員は5年前後で人事異動を繰り返すため、より早く専門性を高めるためには一定の努力が欠かせません。「スーパー公務員」にまではなれなくても、前述したようなレベルには職員すべてが到達できるはずです。自分自身がどうなのかは周囲の評価に委ねるしかありませんが、その心構えは持ち続けていくつもりです。

その他、仕事への向き合い方として、いろいろな思いを抱いています。今回の記事本文の最後にも書きましたが、次回以降、そのような問題意識を少しずつ綴っていこうと考えています。

投稿: OTSU | 2009年7月14日 (火) 22時03分

以下全く論拠のない個人的感想という事でお願いします。単に安直に思ったことを考え無しに投稿しただけという事で。

生活保護費の市区町村負担分は、現行法の下では4分の1でしたっけ?保護費の増加は当該市区町村の保護関連の支出を増大させると。仮に、当初予算を超過して増額の補正をするとすれば、財源を地方債の発行に求めるにせよ当初予算の他の経費を圧縮して捻出するにせよ、組織内或いは議員も含めて総論賛成各論反対になって相当大変なのは確かなんでしょう。出来れば当初予算を超過させたくないという気持ちがあっても不思議ではないでしょうね。そうした心情を積極的に容認・擁護するつもりはありませんが現実にはそういう側面があるのでしょう。勿論全くの想像ですけどね。となると、申請行為がなければ問題は生じないという安直な発想に繋がりやすいと。超過勤務命令が存在しないことにするのと思考様式は一緒かな?なんて想像したりもします。

それと「住民基本台帳に記載が無いのなら、記載のある者を優先する。法律上納税義務のある住民を優先する」という考え方も根強いかも知れないですね。住民基本台帳法の主旨からすると、先ずは「住民登録されている市区町村で対応」という考え方が広く浸透していても仕方が無い側面があるというか。そもそも論として「住民票が存在しない定住者という立場に置かれてしまった方々」の住民としての権利義務関係をどうするか?現行法の下でどう考えるか?という問題が別途あるでしょうし。これは法律上の「住所の定義」が今ひとつ曖昧なことも含めてです。

ただ、生活保護法第1条乃至第5条の主旨に鑑みると、少なくとも日本国籍を有している事が明らかであれば、事情によっては住民基本台帳の記載の有無の別に関係なく、対応されて然るべき事例というものもあるのだろうとは思います。現行の行政手続法等との関係もありますし。外国籍の方だと別途考慮すべき点がある可能性があるので、一概には言い難い面もあるとは思いますけど。

「法定受託事務であるから国の通知・通達に依存する側面が大きい」のは事実でしょう。けれどそれ故に尚更のこと、通知・通達事項について国に対して地方自治法に基づいて異議を申し立てるなら別として、取りあえず通知・通達事項についてはそれに沿う形で対応して欲しいと思います。

投稿: あっしまった! | 2009年7月14日 (火) 22時37分

>OTSUさんへ

 質問なのですが、OTSUさんの市では、異動の後の研修はどの様にされていますか?又、異動の際は、多少なりとも関連性のある部署に行くのか、それとも、全く関係の無いような部署に行くのでしょうか?

投稿: のん気な野良猫 | 2009年7月15日 (水) 01時31分

あっしまった!さん、のん気な野良猫さん、おはようございます。いつもご訪問ありがとうございます。

のん気な野良猫さんのお尋ねですが、人事異動の際の研修は職場によってまちまちです。内示が出た後、発令前に時間外勤務として行なう市民課のような職場から特に体系化されていない所まで様々です。ただ最低限、前任者との引継ぎは発令前の期間に行なうように定着しています。

投稿: OTSU | 2009年7月15日 (水) 07時36分

OTSUさんへ

今日公表されたヤミ専従についての 意見を聞きたいのですが

話しが戻りかもしれませんが
事務所が 役所内に あるから堂々を 厚顔で
やっているのでは・・・?
金を 返すだけではなく 懲役刑を 食らわせてやりたいです・

投稿: 正義 | 2009年7月15日 (水) 09時58分

あっしまった!さん

踏み込んだ考察をしていただき参考になりました。
今回の記事については個々人の基本的意識と行政の情報の流れ方に違和感を覚えたので転載しました。
朝倉に限らずより施策の充実した都市部など(この場合は福岡市やNPO)へ回すということは良くあるという噂を目にすることもあります。
しかし朝倉については毎日新聞がその後を報道していますが、あっしまった!さんたちが想像されるより稚拙で雑な仕事ぶりのようです。

定義がはっきりしないのですが、どなたか「通知」や「通達」の取り扱いについて実務上どうされているか(周知は不要?)説明をしていただけませんか。

http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20090714ddp041040030000c.html
>福岡県朝倉市教委職員が市施設の敷地内に暮らしていた無職男性(62)を福岡市のホームレス支援団体に置き去りにした問題で、男性は以前に朝倉市で生活保護を受けていたことが分かった。しかし名前を聞かないまま支援団体に連れて行ったため、市福祉事務所は気付かなかった。市は「内部の連携が不十分だった」と陳謝した。
 市によると、市教委は男性への対応を福祉事務所に相談する際、名前を聞かなかった。さらに福祉事務所は、厚生労働省が住居がない人でも生活保護申請を受け付けるよう通達していたが、誤って「住居がないと生活保護は受けられない」と答えた。このため、だれも男性の生活保護受給歴に気付かないまま、博多区のNPO法人「福岡すまいの会」に連れて行った。
 また、男性を連れて行った市教委職員はNPOの職員に会わないまま帰り、帰庁後も男性の安否確認の電話すらしなかった。男性はそのまま行方が分からなくなっているが、井上恒夫総務部長は13日の会見で「置き去りにしたとは認識していない」と主張した。
 一方で、生活保護申請の取り扱いを誤ったことについて福祉事務所は「3月に通知を回覧したが、職員が内容を認識していなかった」と陳謝した。【扇沢秀明】

ちなみにNHKによるとこの男性について福岡市が生活保護の支給を決定したとのことです。
http://www.nhk.or.jp/fukuoka/lnews/05.html

運用が複雑な割に精通した者を育てようとしない役所の人事移動について公務員の方から何かご意見はないでしょうか?
基礎自治体の税務業務の難易度についてはまったく知りませんが、たとえば企業で経理担当部門はほぼスペシャリスト化し移動もほとんどないように思います。
>課税ミスで住民税1万3000円を還付/福岡
 大牟田市が、株取引の所得(譲渡益)を確定申告した市内の女性に、誤って住民税約1万3000円を還付していたことが明らかになった。
 女性の指摘で判明したもので、市は改めて6700円を課税し、同様のミスがないか調査を始めている。

 市税務課によると、女性は今年3月、大牟田税務署で昨年分の所得を確定申告した際、株式の年間取引を示す「特定口座」報告書を申告書に添付して提出し、住民税などを差し引く源泉徴収はされていないため、申告書の源泉徴収額を記載する欄を空欄にして提出した。

 市の担当者が報告書を元に住民税を算出する際、「特定口座」を持つ場合は源泉徴収されていると勝手に思いこみ、住民税を徴収しすぎていると誤認して、差額を還付したという。

 同課の坂口英治課長は「あってはならないミスで申し訳ない」と話している  (引用終わり)


このくらいの徴収ミスなら、申告内容の整合性は考慮されることなく(空欄のみに着目し)手作業のため入力でき、結構頻繁にあると公務員から聞いております。
それをおおらかに許容するか、(ミスの類型化など防止の)厳格化を求めるかは別の話しですが。

投稿: L | 2009年7月15日 (水) 12時34分

正義さん、Lさん、コメントありがとうございます。

正義さんからの問いかけですが、2009年3月21日に農水省の「ヤミ専従」疑惑の問題を取り上げました。疑惑ではなく、猛省すべき詳細が明らかになったことは本当に残念です。私自身の見解は、その記事を通して綴らせていただいています。URLは次のとおりですので、ご覧いただければ幸です。
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2009/03/post-0a59.html

Lさんのご質問について、私どもの市役所で複線型の人事異動が人材育成の一つの検討課題となっています。つまり事務系職員の異動に対し、スペシャリストとゼネラリストのベストミックスをめざす計画案です。要するに今まで、福祉、税務、戸籍など専門性が重視される職場について、組織的、制度的な配慮がされていません。その課のベテラン職員の属人的な努力で、「生字引」的な人が存在するかどうかの実情でした。今回のような話を伺うと、ますますそのような人材配置や育成の検討が急務な課題であるものと受けとめています。

投稿: OTSU | 2009年7月15日 (水) 21時39分

 はじめまして。
 九州で福祉事務所のケースワーカーをしながら、組合の役員もしている者です。
 自治体職員の専門性養成の話題が出ておりましたので、書きこませていただきます。
 私の職場では、異動後にオリエンテーションや研修を行ってはおります。これは内容的には業務の概要説明ていど、という感じですが、それ以外にも年に数回、課員全員を対象にした研修会を開催して、関連する制度(年金制度、介護保険など)や、生活保護の運用に関する通達などを周知するようにしています。
 とはいえ、全員が職場をあける訳にもいきませんので、留守番役にまわる人もおり、全ての職員が一律にスキルアップしているかというと疑問です。
それでも総勢50人を超す大所帯なので、業務をこなす中で研修に出た者が出てない者にアドバイスしたりして、ある程度知識・情報は共有されていると思います。
 個人的には、それでも現在の保護行政を適切に運営するには不十分ではないかと思っており、公費を投じてでも社会福祉士の資格をとらせるとかしたほうがいいと考えていました。
 しかし、今年1月に自治労九州地連主催の介護福祉集会で福祉事務所の分科会で「ケースワーカーの専門性向上」「専門職としての採用」について発言したところ、「そう簡単にいかない」という意見がありました。
 県や大きい市なら可能だろうが、小さい自治体では職員のスキルの継承や各部署の管理職となる職員の養成といった課題があり、その一方で厳しい定数管理=人員削減圧力がある中で、一つの職場に特化した職員を配置する余裕はない、というものでした。
 「そんなの自治体内部の事情に過ぎない」という批判もあるかもしれませんが、「職員を減らしたり、給与をカットすることが改革だ」と短絡的な論を展開する首長や議員の方もある中では、なかなかに悩ましい問題です。
 そういう話を聞いてからは、うちのやり方も、これはこれで有効な面もあるではないか、と少し考えなおしたところです。
 …なんか、個人的な見聞の羅列になってしまったような気もしますが、「専門性の養成」についてはみんな悩んでいる、ということだけはお汲み取りください。

投稿: なぎゃた | 2009年7月15日 (水) 23時00分

>OTSUさんへ

 回答ありがとうございます。後、何らかの関連する部署に行くのか、全く畑違いの部署にいく事が多いのかも教えてくれると助かります。

 5年に一度は部署の異動があるという事は、速めに教育して戦力にしていかないと他の人が大変になるだろうし、個人的な引継ぎだけだと、個々でかなりムラがあると思うのですがどうなのでしょうか?(異動が関連した部署だけなら多少はなんとかなりそうですが)

 又、Lさんが出している例は、株式譲渡の源泉所得税の欄との比率(約7:3になっているかどうか)でチェックをかけるようにシステムを作れば何とかなりそうですが、そういった点検のシステムというのは役所は作らないのでしょうか?

投稿: のん気な野良猫 | 2009年7月16日 (木) 01時10分

なぎゃたさん、のん気な野良猫さん、おはようございます。

なぎゃたさん、はじめまして。他市の具体的な例がよく分かるコメントありがとうございました。また、共通した悩みなどが改めて感じ取ることができています。ぜひ、これからも機会がありましたらお気軽にコメントよろしくお願いします。

のん気な野良猫さん、関連性のお尋ねは、まったくない場合とあるような場合、この点もまちまちです。したがって、研修の問題や昨夜報告した人事制度の確立などが大きな課題となっていることろです。

投稿: OTSU | 2009年7月16日 (木) 06時53分

以下は名宛人を特定しない個人の雑感的投稿としてお願いします。
遅れ馳せながらL様ご紹介のリンク先を拝読いたしました。 NPO法人の事務所に引率したのが、教育委員会事務局職員氏であったという事なので、福祉事務所職員氏が”連れて行ってそのまま帰ったのではない”という事で、少し安心しました。
ついで、福祉事務所職員氏の”受給歴を把握できなかった点”については、単に当該職員氏の素養の問題なのか、構造的な問題なのか?という点が気になります。 職員一人あたりの受給者数が多い(或いは昨今の世情から必然的に増加している)場合には、個々の受給者全員に十分なフォローが出来ないのも事実でしょうし、一部の人を集中的にフォローすれば他の人がお留守になってしまうという公務の公平性(依怙贔屓はダメ)の問題もあるでしょうし、実務の現場の疲弊が激しすぎて集中力・判断力等々が著しく低下している実情があればそれも問題でしょうし。
う~ん、寧ろ当該職員氏個人の素養の問題であれば事はある意味簡単ですが、そうした構造的な問題があるとすれば、これは根が深く範囲も広いかなり難儀な問題であるような気がします。

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話は全く変わりますが・・・。

専門性の要求される職務或いは、歴史的経緯を含めた広く深い知識を要求される職務と人員配置に関しては、難しい問題を含んでるように思います。
” 法改正があって確実な研修を行おうとすれば、窓口業務を一時的に部分停止(ブースを減らすとか。)させるほかは無いが、人員は増やせない・業務量は増える・応対の待ち時間の短縮しつつ時間をかけた丁寧な対応(これ自体二律背反で両立不能な命題ですが。)が要請される現状ではそれも難しい、外部組織の力を借りようにも一人前に任せられるようになるには半年以上の徹底した研修が必要で即効性もない、、、 ” というような話を、某行政分野で民間の管理職から公務組織の出先の長に公募で転身した経歴の方から耳にしたことがありますし。
それとは別に、” 専門性に加えて身体的精神的労力を要求される職務の場合は、最初から専門技能の教育を受けているなら別として、あまり長期間配属させることは労働安全衛生の分野からの問題を招く虞もあって、(公務員とは雖も)職員の心身の健康管理に責任を負う管理者としては難しい判断を迫られる ”ということも、先とは別の方から耳にした事があります。
そのような訳で、専門技能を有した者の採用問題と、定員管理の問題から特定業務だけを超長期に委ねる専門職職員より、諸々の分野に配属できる汎用的な職員が求められるという点もあって、何かと難しい問題だろうと個人的には感じます。 そもそも論として、専門性を有する職員を採用すると言うことは、特に小規模な地方公共団体などでは全体としての定員の増加を招く傾向がある訳で。一方で専門性を有した職員を望みつつ、一方で職員定数の削減を望みつつ、一方で専門職とは言え高額給与は認められないと言い、更には租税公課の拠出の縮減を望む、といった域内住民の声を全て満たす事はまぁ不可能でしょうし。

投稿: あっしまった! | 2009年7月16日 (木) 12時59分

のん気な野良猫さま

当地の役所では、税務署への申告書類の複写の一方がそのまま市税部署へ回され、それを見て入力するだけで税額と内訳の差異をチェックすることはないようです。
ちなみに私は、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法37の12の2)を申告していたので、間違いを指摘しました。
対応した職員は、入所10年、配属2年目くらいでしたが、この損益通算の制度の概略も理解していませんでした。
役所としては、徴収ミスは頻繁にあるが事前の細かいチェックは不可能、間違っていても納税者から問い合わせがなければ誰も問題にしない、という前提に立って事を進めているようです。
もちろん無謬性や公平性等、制度の信頼度の観点から見れば問題ですが、これが基礎自治体の現実です。(市内の事業所で最高の報酬ですが住民が甘やかしているといえるのでしょう)

あっしまった!さん

度々考察を披露していただきありがとうございます。
ただ朝倉市については、この春に職務怠慢で監督者を含め懲戒処分が行われ市長も減給したところですが、http://www.city.asakura.lg.jp/life/staff_information/discharged_action/h20nendo/declaration20090310.html
今回の怠慢についての総務部長の会見(既コメントで引用)からも構造的問題ではなく組織的体質であるとの印象です。
この程度の職務内容(専門性)でラスパイ75以上ならまったく期待し過ぎということはないと思います。
生存権の最後のセーフティネットを任せるには資質の面で荷が重いというところでしょうか。
やる気がなく代替可能(福岡市)な役所には懸かる権限(農業集落主体で域内ではニーズが少ない?)を返上させ、その分を分限すれば想定された域内住民ニーズも汲めるのではないかと。
専門性や住民台帳のシステムなど統合(スケールメリット)によるCP値の向上が期待できる分野は、結構あるでしょう。

OTSUさん
通達、通知の具体的対応、取り扱いについてお応えがなかったので指名してお尋ねします。お応えいただければ職員の業務を理解する一助になります。
大改正なら直前の施行前の研修も窓口時間外で必要かとは思いますが、管理職が理解していれば通達程度のことであれば毎日あることもないようなので朝礼など始業前の連絡で周知が可能と思います。


投稿: L | 2009年7月16日 (木) 20時38分

書き忘れましたが、専門性のある職員の採用は、ケースバイケースで、簡易なものは採用後に取得し、ニーズに応じて簡易なレベルでのマルチ化やより先鋭的にハイグレード化すれば良いのではないでしょうか。
身体的精神的労力を要求される職務ですが高収益を求める職場であれば官民問わず当たり前と思われます。
それが達成できなければ普通退職するだけです。

投稿: L | 2009年7月16日 (木) 20時51分

あっしまった!さん、Lさん、いつもご訪問いただき、ありがとうございます。

最近、あっしまった!さんの「名宛人を特定しない個人の雑感的投稿」との前置きは、私へのお気遣いのように感じています。そのお言葉に甘えて、貴重なご提起をいただきながら管理人としてのレスがないことをご容赦ください。

Lさんからの通知、通達の具体的な対応のお尋ねですが、その部署に関連した内容は職員全員に周知徹底されているはずです。朝礼、庁内メール、回覧、必要に応じて説明会や研修など、その重要度に比例した対応がはかられています。ただ課によってその数も違い、すべての内容を当該職場の職員全員が一言一句もらさず理解できているかどうかは温度差があるものと思っています。

投稿: OTSU | 2009年7月16日 (木) 21時34分

いやぁ、個人的感想として自称民間人の私が遠くから間接的に見ていると、所謂CWさんとかは、「民間組織において客を断る自由、契約締結をしないと言う自由が、理屈の上であっても、究極的には存在すると言うこと」が如何に恵まれてるか、痛感しますけどねぇ。
私には無理だと思いますもん、あれは。地域的特性もあるかもしれませんが。

所謂CWさんは、補足性に関して、本来要求される識見の量と範囲は半端でなく広いし、改正が頻出する分野ですし。

投稿: あっしまった!@携帯 | 2009年7月16日 (木) 23時47分

OTSUさん、つたない書き込みに対して丁寧な対応をしていただき、ありがとうございます。
 最近考えてたことに関連した話題だったので、思わず書き込んでまいました。
 今後も身に覚えのある話題を見かけたら、また書き込ませていただくかもしれません。思考をよく整理できてない部分もあるかと思いますが、ご容赦ください。

>Lさん
 「専門性を担保できない自治体にはそういった業務を返上させる」というアイディア、私にとっては意外な発想で、刺激になりました。

 ただ、福祉事務所に限っていうと、最近の流れはまったく逆方向に向かっています。
 市町村合併が進行して、それまで町村だった地域に新しい市ができたことで、それまで都道府県の福祉事務所が広域的に対応してきた地域に小規模な福祉事務所が置かれるようになっています。さらに、県の福祉事務所の管轄として残った地域についても、町村に福祉事務所を設置させて県が手を引こうとする事例も出てきております(たしか中国地方でいくつか例があると聞きました)。
 「即応性やアクセスの便などの面では、管轄を小さい区域にする方がよい」、という考えなのでしょうが、職員の専門性を確立するにはマイナスであり、私自身は「都道府県職員の定数削減のための方便ではないの?」と勘ぐっています。

 しかし、介護保険がスタートした時、広域連合で運営したところの多くが赤字になったことから、「広域化すると当事者意識が薄くなる」という話もあり、事業ごとの広域化に対する向き・不向きはよく見極める必要がありそうに感じます。

 …また、無駄に長い文を書いているような気がしてきましたのでこの辺で失礼します。

投稿: なぎゃた | 2009年7月17日 (金) 00時17分

あっしまった!さん、なぎゃたさん、さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

このようなテーマについて、具体的な事例の紹介などと合わせ、幅広い視点からのコメントをお寄せいただき、たいへん貴重なことだと思っています。ちなみに次回記事はタイトルが先に思い浮かんでいます。“「スーパー公務員」になれなくても”というようなものです。ぜひ、またご訪問いただけますようよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年7月17日 (金) 06時46分

OTSUさん
お応えいただきありがとうございます。
現場を知れば巷の情報とくい違う場合も多々あります。

なぎゃたさん
現場の生の声を聞かしていただきありがとうございます。なぎゃたさんのような現場に携わりながら問題解決に向けて意見のある方の議論がもっと表に出るよう願います。
公務員のお方であれば、制度の経緯や対立する意見なども詳しいかと存じます。
次回も関連した内容のようなのでご意見を拝見できれば幸いです。
また、このような機会を設けていただいたOTSUさんにもあらためてお礼申し上げます。

官については根拠が法による場合があるので、簡単に実施の変更などは難しいでしょう。
また、大阪府や大阪市のような大都市でも試算では近々アウトなほど社会の変化のスピードに行政組織がついていかず財政再建が切羽詰ったところもあり、比重の大きい人件費カットが効果的なのも分かり易いです。
しかし、単純に「一律」カットや定数削減の弊害について考慮されているのでしょうか?
既得権とやらのための退職金債など、悪平等で全く後ろ向きな施策は見かけますが、そのツケを払わせられる現役職員も不公平を感じているはずです。
こんなものに税金を投入するくらいなら、全現役職員の退職金予測くらいはしておくべきです。

体裁より求められる機能を現実に果たしているかを基準にすれば、実効性のある、あるべき体制を描けると日頃から思っています。
専門性のある人材のプールや派遣など広義の公務員のあり方、組織編制ももっと多様で活性化しないと、実効性の望めない組織で満遍なくローテーションしているだけでは弊害の方が多いのではないでしょうか。

官の組織は、国が雛形を決め設置され、民のそれは、成長の結果として生き残っています。
民が現状に安泰していれば、やがて競争者が現れてシェアを奪われるか、代替品等により時代に合わなくなりジリ貧です。
そこでリスクをとって覇者のいない分野を開拓しなければなりません。
請負でも他者より優れていなければ次の仕事につながりません。(談合すれば別ですが)
存在理由である「仕事の質」について無頓着な組織は、従業員自身が退屈なはずですが。
仕事が面白くないから処遇くらいしか関心がないといううがった見方もしてしまいます。

学校も役所もクレームについては担当者を飛び越し責任者が出てきますが、個々のコミュニケーションを放棄するならば、問題解決を権限でしか行えなくなり、内向き(上向き)になるばかりだと思うこの頃です。

投稿: L | 2009年7月17日 (金) 19時51分

Lさん、コメントありがとうございます。

そのように改めておっしゃっていただくと批判の声も多く受けがちですが、これからも地道にブログを続けていく大きな励みとなります。また、今回も貴重な提言を寄せていただき、いろいろ自分なりの考えを巡らす機会としています。

Lさんの問題意識に直結する記事となるかどうか分かりませんが、いつも新規記事の投稿に至るまで自問自答を重ねています。早ければ明日には更新する予定です。ぜひ、引き続きご注目いただければ幸です。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年7月17日 (金) 22時31分

>血税が足りない。
>もっと負け組な愚民どもから搾取を。
>そんでもって公務員にばらまいてちょーだい♪血税が足りない。
選挙事務はお金儲け、今回の選挙でも夫婦で投開票事務の仕事を賜り期日前投票では
1日80,000円、当日投開票では1日100,000円貰える予定だよ。
これって夫婦共稼ぎ公務員だよな、本当の事を言われた頭にキタな?
ふざけるな!!。
いや、私の同僚は昭和の時代に、夫婦で150,000円税金から搾取しましたよ。
今回の選挙のように衆参同時選挙でしたので開票事務が翌日に跨りましたよ。
でも選挙管理委員様いつまでコンナ大盤振る舞いをしてくれるのですかね、財政が苦しいにも
関わらず選挙事務従事者には超高待遇ですが、大盤振る舞いが出来なくなる日が来るかもしれませんよ。
追伸時給4,000円だったら1日で68,000円、夫婦で136,000円
開票事務が翌日に跨れば夫婦で約168,000円だよ!
ボッタクリだ~ これでは税金が高くなるのは最もだな。

投稿: 総務省様へ | 2009年8月31日 (月) 01時01分

総務省様へさん、ご訪問ありがとうございます。

HNのとおり当ブログ管理人あてのコメントではないものと受けとめています。もし、管理人あてのコメントである場合は、もう少し論点を絞っていただければ幸です。

投稿: OTSU | 2009年8月31日 (月) 22時01分

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