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2009年5月31日 (日)

公共サービス基本法が成立

このブログのプロバイダーはココログですが、アクセス解析機能が比較的充実しています。時間ごとの件数などはもちろん、どのような経路から訪問いただいているのか一目瞭然です。これまでアクセス数は1日500から800件ぐらいの幅で推移し、コメント欄での議論が白熱した際や2ちゃんねるのスレッドにURLがはられた時などは1000件を超えていました。

おかげ様で訪問者の約半数はブックマークされている常連の皆さんです。その他、Googleなどの検索機能を利用し、訪れる人たちも少なくありません。例えば今、Googleで「自治体財政健全化法」と検索した場合、43万7千件中の1番目に「公務員のためいき」の以前の記事が示されています。その人たちがリピーターになる比率は高くないのでしょうが、検索サイトのトップページに掲げられる記事数の多さは一つの励みとなっています。

最近、「公共サービス基本法」という検索ワードから訪れる人が急増していました。昨年2月に投稿した「公共サービス基本法」という記事に対し、この1か月で1400人を超える訪問がありました。それ以前の3か月間では300人程度でしたので、極端に増えた検索ワードだと言えます。その理由はきわめて明白でした。今国会で公共サービス基本法が成立したからです。

公共サービス基本法案は4月28日の衆議院総務委員会で、民主党、社民党、国民新党、自民党、公明党から議員立法として共同提案され、全会派賛成のもと同日衆議院を通過していました。その後、5月12日の参議院総務委員会で審議され、翌13日の本会議で可決・成立していました。公布後、6か月以内に施行される運びとなっています。

マスコミでは大きく取り上げられない地味な法案でしたが、このような国会での動きがあり、「公共サービス基本法」に興味を示し、インターネットで検索する人たちが急増していたようです。この基本法の成立に向けては、自治労も結集する公務労協が中心となって340万筆を集めた署名活動などに取り組んできました。そのような経緯があるため、2007年5月には「発進!公共サービス最適化計画」という記事も投稿していました。

昨年2月の記事の中でも紹介しましたが、この課題においては民主党のネクスト総務大臣である原口一博衆議院議員と公務労協が緊密な連携をはかっていました。今回、原口議員を中心とした民主党が先導した法案だったと思いますが、共同提案から全会一致での採択に至った点は、公共サービスの重要性は党派を超えた共通課題であることが再認識できた意義深い機会となり得ています。

基本法は、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とし、国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を公共サービスと再定義しながら、公共サービスに関する国民の権利を定めています。また、国及び地方公共団体の責務を明らかにした上で、官民を問わず公共サービスに従事する者の適正な労働条件の確保と労働環境の整備に関し、必要な施策を講じるよう求めています。

1980年代以降、世界を席巻した「小さな政府」を掲げた新自由主義が、「市場の失敗」による世界的な金融・経済危機そして極限を超える格差の拡大と貧困の増加を招き、社会的公正と国民の安心・安全を確保する公共サービスの基盤を中破している現状に対し、法案の成立により、効率と競争最優先から公正と連帯を重んじる社会の実現へと転換し、働きがいのある人間的な労働を中心とする「ともに生きる社会」の創造とそれを支える公共サービスの実現をはかるための基盤が形成されたものと評価できる。

上記は、法案の成立した日に公務労協が発した見解の一部です。また、今後も連合の「STOP!THE格差社会」キャンペーンに結集しながら、基本法の趣旨を具体的に活かせるよう取り組んでいくことを表明しています。同時に公務公共サービスに従事する労働組合として社会的な責任と役割を強め、信頼回復をはかっていく決意を示していました。

確かに基本法は、あくまでも理念を定めたものであり、その目的を達成するための各種施策の実現が重視されていきます。総論では全会一致となっていますが、今後、各論となる法改正などの議論の際には、その立場や視点の違いから激しい対立も見込まれています。したがって、基本法成立は大きな到達点ですが、これからも公務労協としての運動の質や方向性が、いっそう問われていくものと思っていました。

その意味で、5月27日に公務労協が河村官房長官へ提出した要請書(公共サービスの再構築と拡充及び雇用・貧困対策に関する要請について)はタイムリーな位置付けとなり、内容も具体化が欠かせない重要な施策の数々ではないでしょうか。最後に、公務労協が政府へ要請した内容を紹介し、公務員組合がどのような問題意識を持っているのか垣間見ていただく一端とさせていただきます。

  1. 国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする「公共サービス基本法」(2009年5月13日成立)の趣旨に基づき、国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的需要を満たす等、同法に基づく具体的な施策等を措置すること。
  2. 国及び自治体の直接雇用対策については、短期・低賃金の臨時的職員の雇用ではなく、国の定員削減計画及び自治体の集中改革プランを一時凍結し、常勤職員の採用を前倒しすること。
  3. 母子自立支援員、婦人相談員、家庭相談員について、非常勤職員を原則とする規定を見直すための法令改正や通知の見直しを行うこと。
  4. 非常勤職員等の雇用安定と均等待遇を実現するため、本格的な短時間公務員制度を創設すること。
  5. 急増する生活保護受給者に対応するため、生活保護制度の運用及び制度の改善を早急に実施すること。特に、生活保護国庫負担金の確保及び自治体への早期交付を実施するとともに、ケースワーカーの十分な配置と事務費を確保するため、地方交付税の改善をはじめ必要な財源措置を実施すること。
  6. 自治体の母子寡婦福祉貸付金制度等の拡充をはかること。また、生活福祉資金、特に離職者支援資金及び緊急小口資金の改善をはかること。
  7. 就学援助制度、奨学金などの教育支援対策の拡充を行うこと。また、先進諸国並みに、家計基盤の弱い家庭への子どもに係る給付の拡充をはかること。
  8. 失業者・低所得者層に対する住宅保障として、公営住宅等の積極活用と入居要件の緩和、家賃軽減対策措置を実施すること。また、現在、入居者がなく空き室となっている国家公務員宿舎についても積極活用すること。

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コメント

こっちの役所も同じ状態ですね。

2009/05/16 (土) 阿久根の革命

阿久根市長をおよそ八ヶ月間させていただき、役所の現実に驚き呆れました。仕事に見合わない職員給与と退職金、職員お手盛りの待遇、形ばかりを追いかけての言い訳作り仕事、躾もなっていない、そもそも市長を上司とも思っていないなど、おはなしにならない状態です。「よくもこの程度の役所が市民生活を犠牲にするほどの高い人件費を取ってきたな」と思います。

これらは、市長と議員が「職員に助けてもらわなければ仕事が出来ない」という考えから職員組合と癒着してきた結果です。市民に対する主権者扱いは選挙の時だけでした。市長と議員そして職員が日常的に真実を隠し、市民を裏切ってきました。皆さんは眠らされ、本来の力と責任を奪われてきたのです。市民が覚醒すれば阿久根市政は変えられます。

私は「仕事のできる市役所」に作り変えます。そして公務員階級に取られ過ぎている「市民の税金」を正常化し、給食費の無料化、巡回バスの運行、ゴミ袋や手数料の値下げ、低所得者への生活助成など、行政サービスを大きく向上させます。これは革命です。次世代に誇れる阿久根革命を一緒にやりましょう。

「自治労は税金にたかることと、職員の間に悪平等をつくることしかできない、無駄な組織」です。長いあいだ光熱費も事務所使用料も払わず、市民の税金にたかってきた自治労事務所を市役所から追放します。

投稿: O | 2009年6月 1日 (月) 00時04分

Oさん、はじめまして。おはようございます。

阿久根市の出直し市長選のことなどはニュースで知り得ていますが、紹介いただいた内容をそのまま受け取るとしたら再選という結果につながるのだろうと思います。一方で情報不足のまま、決め付けた言い方は慎まなければなりませんが、竹原市長の手法などに多くの市民が強い違和感を持っていることも確かなように見ています。

いずれにしても今回の記事に対し、「こっちの役所も同じ状態」という指摘は何を指しているのか分かりません。過去の記事をご覧になっている中でのコメントだとしたら、どのような記載からそのように受け取られたのか指摘いただければ幸です。

投稿: OTSU | 2009年6月 1日 (月) 06時18分

おはようさん
上記の意見以下のコピペやな。しかも5月13日のもんや。
http://www5.diary.ne.jp/user/521727/

しかし、携帯電話の番号まで公開されてるし、ほんまもんかどうか、ようわからん。
しかし本人なら、わざわざHN使わんでも、ええんちゃう?

本人なら、すまんかった。お仕事ごくろうさん。

ほな

投稿: K | 2009年6月 1日 (月) 07時36分

すまん間違えた。
確かに16日の引用やな

この件でのコメントは、本文とは関係無さそうやからこれでやめとくわ。

投稿: K | 2009年6月 1日 (月) 10時02分

公共サービス基本法の謳う理念と乖離しているから記事になるのです。

公務員に注がれる厳しい目線は、「改革」を掲げる候補の追い風となった。31日に投開票された鹿児島県阿久根市の出直し市長選は「市役所の人件費せめて3分の1は市民のために」と主張した前職の竹原信一氏(50)が再選を決めた。職員給与をホームページ(HP)で公開するなど反発を受けながらも進む突破力に、疲弊したまちの有権者は賭けた。

 「これまで続けてきたことがまた続くというだけ」

 当選が決まった直後、竹原氏は記者団にそう語った。

 選挙戦では、「職員給与6%と議員報酬10%カットで5千万円が市民のために使えるようになった」とアピール。

配ったビラには「職員は貴族。下僕扱いされている市民が主権を取ることは革命」と書き込んだ。

 職員の待遇や税金のあり方に疑問を投げかける首長が全国で相次いで生まれている。

 08年1月の大阪府知事選で、人件費カットを含む財政健全化を訴えた橋下徹氏が当選。今年4月の名古屋市長選でも、「市民税10%減税」「職員人件費10%削減」などを掲げた河村たかし氏が圧勝した。橋下氏は職員の基本給カットを実施。竹原氏の職員年収公開を評価し、府幹部職員のモデル年収を府のHPに掲載した。

 竹原氏は、職員の待遇や議会の実態の情報公開について「日本のどこからでもできる作業だ」と話した。

 一方、敗れた元国土交通省職員の田中勇一氏(56)は「阿久根市民の良識はここまで落ちてしまったのか……。自分だけが良ければいいという日本になることを懸念している」と悔しがった。

 選挙戦では「いがみ合いのない、明るい阿久根を」と主張してきたが、「職員が厚遇されすぎ」との声に抗しきれなかった。田中氏を推した市議は「職員給与が公開され、特に若者の間で『高すぎる』とのねたみのような感情が出たのでは」と分析した。

 部下を「標的」にするリーダーが帰ってきたことに、市職員の一人は「締め付けは一層厳しくなるのではないか」と落胆の色を隠せない。

 作業が終わった開票所から、職員たちは足早に去っていった。その一人が自嘲(じちょう)気味に今回の選挙を評した。

 「民衆が立ち上がったフランス革命のようだ」

投稿: o | 2009年6月 1日 (月) 14時03分

Kさん、「阿久根時事報」の紹介ありがとうございます。
プロフィール欄等から話題となっている竹原市長の日記だろうと判断しています。

oさん、再度のコメントありがとうございます。
「公共サービス基本法の謳う理念と乖離」との指摘、oさんの公務員に対する不信感の強さがよく理解できました。このブログはそのような不信感を少しでも拭えるよう願いながら4年近く続けてきました。例えば前々回の記事の最後には次のように書かせていただいています。

公務員組合側は既得権を守るための「抵抗勢力」と見られないよう適確な情報発信にも力を注ぐ必要があります。改めるべき点は改めていること、先入観や誤解に基づく批判は払拭するため、より丁寧な説明責任や情報宣伝が求められていくはずです。

また、プロフィール欄にも掲げていますが、公務員への厳しい視線や声に対して謙虚に受けとめ、襟を正すべき点はしっかり正しながら主張すべき点は主張するスタンスで続けています。そのような問題意識で綴った記事の数々に対し、本当に多くの皆さんから貴重なコメントをお寄せいただいてきました。

記事本文は291回を重ね、コメント数は2600に及びます。それらをすべてご覧いただくことは到底無茶な話だと受けとめています。したがって、今後の新規記事の中で、改めてoさんの不信感にお応えできるような内容を意識していくつもりです。ぜひ、これからもご注目いただければ誠に幸です。

投稿: OTSU | 2009年6月 1日 (月) 21時57分

いや、オレやっぱりアホなんやな。今回の内容、ようわからんかった。
どんな法律か、見るには見た。「基本法」やから、やっぱりああいうもんなんか、あるいはオレの理解力不足なんか・・・。

最後の方に、第十一条  国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
とあって、ここんところがこの記事で伝えたかった部分なんやろか、と一応納得してるんやけど(本文でも触れられてたしな)。

一方で、第三条、第六条なんかは、「しっかりやれよ」みたいなことが書かれてあったな。
で、それと、「阿久根時事報」がリンクしてくる訳か。なるほどな、無関係でも無い訳や。
Oはんの2つめの文章は、朝日からの引用やな。引用は引用と判るようにしてくれると、オレみたいな人間でも理解しやすいんやけどな。

オレ、阿久根市民やないから、市長の政策について細かい事判らんし、勝手な事言うんはやめとくわ。
にしても、「阿久根時事報」にある文章、時々何書いてんのかわからん所があるな。
私的な日記やし、あんなもんなんか、それともやっぱりオレの理解力不足なんか・・・。

投稿: | 2009年6月 2日 (火) 01時49分

名前抜けた、上記はKや。注意力も不足してきたみたいやわ。

投稿: K | 2009年6月 2日 (火) 01時52分

OTSUさん

oさんのコメントは、善解すると、阿久根市長のやっていることが公共サービス基本法の精神に反するという批判ともとれますね。本人コメントが短すぎて、よく分かりませんが。

ちなみに、以下のような事態に発展しているようですので、次の記事で扱ってみては如何でしょうか?
OTSUさんの所も自治労系だった筈で、全く他人事ではないと思いますし、タイムリーに反論を出しておいても良いかと思います。

ちなみに、私の意見としては、これは明らかな不当労働行為だと思います。また、過去の経過等を見る限り、この市長はかなりエキセントリックな人物のようですね。

職員組合の事務所「庁舎から退去を」 再選の阿久根市長
http://www.asahi.com/politics/update/0601/SEB200906010003.html

投稿: Thor | 2009年6月 2日 (火) 06時09分

補足しておきますが、最初から、事務所スペースを貸与しないことは不当労働行為には当りません。

しかし、今回、労働組合潰しの一環として、継続的に貸与されていた事務所スペースを貸さないとしている訳ですから、不当労働行為に該当すると思われます。

>組合事務所の退去について、竹原市長は1日午前の初登庁後、記者団に対し「悪平等であり、市民の税金を不当に使ってしまう運動ばかりしている。背任組織だ。退去はなるべく早くやります」と述べた。
>退去は選挙公約にも掲げており、当選を決めた5月31日夜にも、「主権を市民から取り上げた自治労(市職労)は阿久根から出ていってもらう」と宣言していた。

公言している通り、目的は労働組合潰しや嫌がらせでしかないでしょう。

投稿: Thor | 2009年6月 2日 (火) 06時21分

Kさん、おはようございます。
今回の記事本文は引用が多く、分かりづらかったことを反省しています。また、oさんの批判の背景などは、Kさんのとらえ方で間違いないように私も感じています。

Thorさん、おはようございます。
ご指摘のとおり組合事務所の件も含め、阿久根市長の言い分は私たち自治労組合の役員にとって看過できないものが多数含まれています。このブログでも取り上げようと考えていますが、薮蛇とならない慎重さと大胆さを加味した自治労本部の出番だろうとも思っています。

投稿: OTSU | 2009年6月 2日 (火) 06時39分

ついに、正当に行われている労組活動まで潰しにかかっているのでしょうか?恐ろしい話です。
この選挙の前に、幹部職員が何の合理的説明がないまま降格など、労使関係を徹底的に破壊しようとする動きは看過すことはできません。結局、このように独善的に首長が行政運営を行った結果、自治体運営が混乱した例を私はいくつか見てきました。
いずれにせよ、このような事態に対して黙っているわけにはいかないと感じています。

投稿: ためいきばかり | 2009年6月 2日 (火) 22時34分

阿久根市長の地元職員批判は、地元紙でも頻繁に採り上げられそれを受けての前回より高い80%超の投票率で非市長派の組織票を覆して選出されたのですから独善とは言えないでしょう。それでは阿久根市民の良識を愚弄するのですか?
多少下品でもこの市長の突破力に賭けたと見るべきでは。

税収より人件費の方が高い、つまり他の地域の税金で固定費までも補填されていることに阿久根以外の者も関心を持たなければなりません。
職員の処遇より仕事への心構えを先に書いているのも今回のトピックスだと思いますが。
時間外手当のない改善運動で過労死した者の肉親がトヨタマンの自負から会社を訴えないことがありましたが、それと比べると納税者の経済状況を省みず報酬のみに血眼な官公労って性根入れ替えた方が良いと思いますね。
教師もそうだけど公務員って仕事より年金のことが気になる人が多いですよね。

投稿: o | 2009年6月 2日 (火) 23時45分

愚弄する気は毛頭ありませんが、市長が行った合理的根拠のない降格人事などは独善的なものであるといえるのではないでしょうか?過労死はいずれにせよ許されるものではなく、裁判でもたくさんの判例があります。Oさんは違法なものを放置してよいとのお考えですか?
年金?民間企業の方でも気にされるかたは多いですよ。
市長の考えに(公務員批判以外でも)違和感を感じるところが多く、すくなくとも議会と対立する場面も今後出てくるでしょう。
また、市長の行動でおかしいものがあれば、きちんと意見が述べられる状態でなければいけないのではないかと思いますが・・・

投稿: ためいきばかり | 2009年6月 3日 (水) 00時16分

ためいきばかりさん、oさん、おはようございます。

前回のレスで記したとおり次回以降の記事で、この阿久根市長の話題は取り上げる予定です。その中で自分自身の思いを改めて綴らせていただくつもりです。その上で今回は参考までに「公務員のためいき」を始めた頃に投稿した記事をそのままご紹介します。

2005年9月13日(火) 便宜供与と不当労働行為

つい先日まで政権交代の危機感を募らせていた自民党は、最大のライバルだった民主党の一応援団の自治労つぶしに力を入れていました。組合側の襟を正すべき点もあったかも知れませんが、社会保険庁、大阪市と始まり、本来尊重されるべき労使自治へ政治的な圧力が加えられるようになっています。300近い議席を得て一安心しているとは思いますが、今度は自民党が進める「改革」の抵抗勢力と決めつけた自治労をつぶすため、よりいっそう攻撃を強めてくるかも知れません。

年に4回開かれる自治体の定例議会、そのうち1回は9月が多く、さらに唐突な総選挙の影響で今週から始まるところが多いと思います。自民党本部から指示が一斉に出たのかわかりませんが、各自治体議会で労使関係にかかわる質問が自民党議員から出されているようです。今まで許されていたから、労使慣行だから、これからも許されるはず、それでは今の時代、市民の皆さんから理解が得られないものと考えています。このブログで訴える基本的なスタンスは「襟を正すべき点は襟を正す」、けれども「主張すべき点は主張する」としています。

今まで労使交渉や時間内組合活動をテーマとした内容を書き込んできました。今回はタイトルにあるとおり便宜供与と不当労働行為について考えてみます。不当労働行為とは、使用者が組合活動を妨害したり、団体交渉を拒否したりすることが代表的なものとしてあげられます。相反する言葉のようですが、実は便宜供与も不当労働行為の一つと位置付けられています。労働組合法で使用者が組合のために経費を援助することは禁止されています。組合の自主性を損ない健全な発展と使用者に対する独立性が阻害されると考えられているからです。したがって、いずれも使用者に比べて弱者となりがちな組合側を守る目的で、使用者側を規制した法律の一つだと言えます。

なお、経費援助の例外として、勤務時間中の有給での交渉・協議、組合事務所や掲示板の供与などが認められています。この考え方に基づいて自治体の組合も組合事務所などの供与を受けていますが、電気代や電話料金などは組合負担としているのが一般的です。私が所属する組合も大きく問題視されるようなことは行なっていないと思いますが、市民の代表である市議会議員の方からのご指摘やご意見に対しては率直に耳を傾けていかなければなりません。

投稿: OTSU | 2009年6月 3日 (水) 06時40分

相変わらず本分を棚に上げて論点を労働環境に矮小化しますね。
これで件の基本法が適切に運用されるのでしょうか?
この理念を適切に運用する為に身分保障を一般労働者並みにすることを自治労も考えた方が良いのでは?

私の体験では、その働きぶりについて、親の世代より地元公務員の評価は低く、公務員批判は今に始まったことではありません。
地元職員が、それに対してあれやこれや言い訳をするのであれば、詳細にその不備を追求することが解決へのほとんど唯一の方法です。この惨状を何世代も放置すること自体がそもそも無責任でしょう。

さて、当市長のブログが更新されましたが、全く正論だと思いますのでご参考までに。阿久根市職員は、一市民に回帰すれば良いだけのことです。地方紙にとって役所が飯の種なのも事実です。


 6月1日の記者会見で、記者やアナウンサーなどが繰り返し「市長を社長、役所職員を従業員と例えるならば、社長が従業員と対立すれば市民の為にならないのでは、」などとする発言があった。
また、「議会と対立する事も市民のためにならない」と発言するものもあった。
彼らの頭にあるのは「もめ事にされては市民が困る」という、結局、金持ちや役人の為にしかならない体制維持の発想だ。搾取されっぱなしの市民の現実が分かっていないようだ。おそらく権力や高い収入を得る事で、貧乏市民の窮状を知る感性が鈍くなっているのだろう。

 そもそも、市長を普通の社長に例える事が間違いである。市長は「雇われ社長」に過ぎない。市民が「逃げられない顧客」兼「株主」そして「最高責任者」だ。「被保護者」扱いは無礼というもの。
「雇われ社長」は最低の経費で最高の商品とサービスを提供する事が使命である。それさえできれば、従業員と対立することなど問題ではない。
私の前の約8ヶ月間の任期中、職員の態度は良くなり、市民サービスは確実に向上した。選挙を繰り返したが、賃金カット成功で選挙費用の何倍もの成果を出した。印象の悪さは短絡的に「対立=悪」とするメディアの煽りによるものだ。

対立によって不利益を受けた従業員は市民の一人として救われるべきで、それ以上の特権保護は必要ないだろう。
そもそも、一般市民が惨めにならない社会作りをするのが政治家と公務員の仕事のはずだ。しかし共済年金、高額退職金などの公務員特権がこの動きを阻害している。市民を突き放す癖をつけている。
メディアが商売上、特権階級の味方をしたくなるのは理解できる。しかし、しばしばその態度が露骨過ぎて見苦しい。


投稿: o | 2009年6月 3日 (水) 08時58分

コメントを読んでいてあまりにも情けなくなったので初めて投稿します。
Oさんのコメントを見ていて、これが「公務員バッシング」の構図なんだな、ととてもよく分かりました。

>阿久根市長の地元職員批判は、地元紙でも頻繁に採り上げられそれを受けての前回より高い80%超の投票率で非市長派の組織票を覆して選出されたのですから独善とは言えないでしょう。それでは阿久根市民の良識を愚弄するのですか?

 80%超の投票率のうち、48%は対立候補が得票していますよね。しかも、相手は無名。数字の図式からすると、とても阿久根市民全員が推して当選したとは言い難いですよね。
加えて、議会では今も反竹原が過半数を占めているのでしょう。議員こそ阿久根市民が選んだ方々なのでしょう。それを棚に上げて、「阿久根市民の良識」とは片腹痛いですよね。
 公務員であるとかないとか、そういう議論で対立軸を前面に出す前に、公務員の本分を持ってよりよい公共サービスを構築しようとするのが、「公共サービス基本法」でしょう。この基本法の意味も分からず、一地方の片方だけの意見を重視して、「基本法の謳う理念」とか語ってほしくないです。
 
 とにかく、人の意見に耳を貸そうとしない姿勢こそが、政治不信、公務員不信につながっているのだとしたら、対立構造を前面に出した改革を断行するよりも、対話型の改革を進めるべきです。(理想論かもしれませんが・・・)その意味で、組合はこれまでのあり方に対して襟を正すべきです。

 一方的な決めつけは、公務員だけでなく、地域経済にとっても、公共サービスを受ける市民にとっても悲劇でしかありません。反竹原の48%が、80%を超える投票率において、全て組織票ではないはずです。

投稿: T | 2009年6月 3日 (水) 12時58分

Tさんにお伺いしますが「公務員の本分」てなんですか?
組合が無ければ果たせないものですか?
そちらこそ一方的に被害者意識をお持ちではないでしょうか?

選挙に全員一致なんて北朝鮮くらいでしょう。
私には市長の独善より役所の身勝手さがより多くの市民にとって不利益だということが明るみに出ただけの事と思っています。
当の職員もフランス革命に例えているじゃないですか。
別に組合つぶしでも対立を煽っているのでもなく、あるべき姿にに沿って整理をしようとしているだけなのです。
「悪平等」を頑なに守って対決に持ち込んでいるのは、そちらの方です。

公務員バッシングではなく是々非々なだけです。なにもワーキングプアになれとは言ってません。

投稿: o | 2009年6月 3日 (水) 13時28分

おーおー、盛り上がってきたやんか。

>教師もそうだけど公務員って仕事より年金のことが気になる人が多いですよね。

ほう、実に興味深い話やんか。これ、どっかのアンケートとか、全国調査とか、根拠となる数字があったんやろ。
オレとしては、教師も役人も仕事はきっちりしてほしいから、こういうことでは確かに困るわな。
(年金の事を大いに気にしながらも、きっちり働くんなら、それは別や)
そやから、この情報源、具体的に教えてくれや。得意のコピペでかまへん。オレのスタンス変えたるで。公務員叩いたる。
せやけど客観的な数字が無いなら、これ問題やで。「なんかそんな気がする」だけで、こんな事書かれたらたまらんやろ。
根拠無く「○○って、犯罪を犯す人が多いですよね」なんてこというたら、一般的には大問題やろが。

そういうとこも含めて、オレもTはんのいうとおり、「公務員バッシング」と取れる部分が多いと思うで>Oはん

で、ブログ市長は、最新記事を含め、ちょっと子供じみた内容の記事が多いんやけど、どんな人物なんやろな。
市長の書く内容にしては、公務員に対する憎悪が「露骨過ぎて見苦しい」気がすんねんけどな。

投稿: K | 2009年6月 3日 (水) 18時49分

oさん、Tさん、Kさん、ご訪問ありがとうございます。

マスコミを通じての断片的な情報だった阿久根市の竹原市長のことをよく知る機会となりました。竹原市長の有名なブログ「阿久根時事報」を遡りながら昨年8月まで目を通してみました。その強烈な個性を驚きとともに感じ取っています。

今回の論点について、お時間を頂戴することになりますが、言葉不足となりがちなコメント欄よりも記事本文で様々な思いを訴えさせていただこうと考えています。その上で、当ブログを続けている趣旨として竹原市長やその発想を支持されているoさんらに対し、どのような言葉を投げかければ良いのか思案しているところです。

なお、このブログは公務員以外の人たちも数多く閲覧され、Kさんをはじめ、多くの皆さんから率直なコメントをお寄せいただいています。また、これまで公務員に対して手厳しい批判が多数寄せられる一方、その対極的な声も民間の方々から数多く寄せられてきました。

いずれにしても幅広い視点や立場から貴重なご意見を伺える場となっています。そして、自分自身の考え方と相反する内容に対しても、まず真摯に耳を傾けるという姿勢を大事にしてきています。同時にコメント欄を通して議論される皆さんらに対しても、そのように心がけていただけるようお願いしてきました。ぜひ、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年6月 3日 (水) 23時02分

はじめてまして。初めて投稿させて頂きます。私は公務員ではありませんが、貴兄のご意見を読み、一労働者として非常に共感を覚える中身が少なくありません。公務員の皆さんのお考えの一端を知ることができ、それなりに自分にも役だっていると勝手に満足しています。
ところで、初めて投稿した理由ですが、上述の「O」という人。gooのニュース畑などで、何時も公務員バッシングしている人の論調に極めて酷似しています。今まさに阿久根市の市長の再選を題材としてニュース畑で盛り上がっているようですが、昼も夜もバッシングに明け暮れている「ある人」の論調に・・・・。なんだか、組織的にと言いますか、仕事でやっているような、実に不思議なほど固執してバッシングを繰り返しています。

管理人様、皆様:
余計な投稿してしまい申し訳ありません。不愉快であれば、是非、無視してください。

投稿: A | 2009年6月 3日 (水) 23時09分

Aさん、はじめまして。コメントありがとうございました。

そのように述べていただくと本当に嬉しく、心強く感じます。ぜひ、これからもよろしくお願いします。特に次回記事では阿久根市長の話題に触れる予定です。

このブログを続けている意味で、大事な宿題を課せられているような気持ちです。…と力みながら、たいした記事とならないかも知れませんが、これまで訴えてきた内容を集約する機会だとも考えています。

投稿: OTSU | 2009年6月 3日 (水) 23時40分

先ずはkさん。
こんな意識調査をするところはないでしょう。
貴方の住む大阪府下が問題なければ、それはおめでとうございます。役所に地域の問題について相談したり、教師の言動を注視したりするでしょう?
私の住む自治体については、ここ数年来色々な方法で結構な数の行政関係者と接触した上でのものです。典拠がないと言えばその通りですがこんな意識調査は無理ですので、一次情報である私の経験が論拠ということです。
阿久根もそうですが、自治体毎に職員の質も違って当然で待遇がほぼ横並びなのが悪平等だということです。最近は夏の賞与の減額で地元の実態調査も無く国に横並びです。
バッシングの定義がよく分りませんが、私の体験から竹原さんが書かれている怒りの根拠がこちらの状態に良く当てはまり、その心情が理解できるということだけです。

Aさんへ
私も被雇用者です。OTSUさんのような人ばかりではないので困っているのです。
最近転任してきた教師が、転任前と違って組合の加入率が高いことに驚いていましたが、同じ公務員でも場所が違えば仕事量も意識も違います。
ちなみにgooのニュースサイトは全く利用していません。

公共サービス基本法などなくても憲法25条や公務員法の服務規程で問題なさそうですが、この訓示規定並みの曖昧な法律で何が担保されるのでしょう?
一部官公労が公務員の削減に抗するための口実でしかなさそうですが。

投稿: o | 2009年6月 4日 (木) 01時02分

>役所に地域の問題について相談したり、教師の言動を注視したりするでしょう?

まー、そんなに役所に足を運ぶことは無いけどな。そやけど子供が学校に行くようになったら、担任の言動には注視するかも知れへんな。それでも今後1000人2000人に接することないやろし、第一、仕事より年金を大切にしているのかどうか、その人の心情まで探ることは不可能や。いや、確かにオレかて似たような気持ちになることはある、色々な場面でな。それで、体験に基づく一次情報を元に何かの考えを持つところまではええけんやど、ただそれを論拠にその考えを一般論化してしまうことは、非常に危険やと思うんや。これは自戒を込めての意見でもあんねん。

投稿: K | 2009年6月 4日 (木) 19時49分

Oさんへ
ニュースサイトの件については私の勘違いだったようで、大変に失礼いたしました。(管理人様、済みません)この場をお借りしてお詫び申し上げます。
最近、私が、非常に危惧しているのは、公務員バッシングによって公務員の待遇が低下しても、私個人にとって大きなメリットは何も無く、むしろ、労働者全般の待遇が引き下げられるだけであって、ひいては日本の経済全般にマイナスとしか思えないことです。すると、「自分が納付した税金が無駄に・・・・」と言われるのでしょう。しかし、私は、公務員の毎日の仕事ぶりまでは知りませんが、(今のところ)世界一、安心で快適な生活を過ごしており、私自身の周辺に整備されている公共網に大きな不満はありません。にもかかわらず、それに見合った税金を支払っているとも思ってませんし、世界を見回せば、むしろ少ないくらいとも感じてます。「少子高齢化社会を睨み、また、国際社会で勝ち抜くためには、官民を問わず無駄の排除を徹底しなければならない」といった反論も聞こえそうですが、確かにその通りだとは思います。しかし、私個人的に思うのは、少なくとも国家公務員の予算や人員の削減については、情報が溢れるほど出てますし、それなりの進展があるのではないですか。地方自治体も同様の動きと思っているのですが、違うのでしょうか。むしろ、私は、海外へ投資して国内雇用を減らしたり、法人税などの減税を求めつつ消費税増税を求める財界の人達の公益に対する認識の低下を憂慮します。確かに日本経済を支えているのは財界人であり、私の大ボスなんでしょうが、どうも昔に比べて愛国心さえ薄れ、自社だけが生き延びれば良いとする風潮が強まっている気がします。それは自由競争ですので当たり前ではあるのですが、国内雇用を確保し、安定した右肩上がりの労賃を提供するのも財界人の重要な役割のはずです。これを財界人のモラルとすれば、最近のモラルハザードは目を覆うばかりで、そのスケープゴートとして公務員が利用されてます。このような傾向とスポンサーを大切にするマスコミが更に迎合して、公務員バッシングをエスカレートさせている気がしてなりません。
Oさんは公務員の組合活動についても懸念しているようですが、私の会社も全く同様の活動をやってますし、仮に、公務員の組合が突出した動きをしているならば、民間の組合の方がそれに習って頑張ればよいだけでしょう。公務員も民間人も日本の全ての労働者は勤勉で一生懸命働いているし、ILOから睨まれているくらいですから、積極的な組合活動くらい文句言う必要はないじゃないですか。私は確かに「あまちゃん」なのですが、最近の公務員バッシングをはじめとする様々な動きも、地方格差や所得格差をますます悪化させるに過ぎないと思います。阿久根市の市長選もそうですが、住民が自分の首を絞めることにならないのか心配です。もっと住民の所得を向上させる市長を選ぶべきでは。日本は中間層の充実こそ世界に誇れるはずですが、公務員さえも負け組に追いやるならばこの国は格差社会のるつぼとなり、自滅の道を歩むことになるでしょう。

投稿: A | 2009年6月 4日 (木) 21時10分

汎化された一般論ですが、「民主政治と衆愚政治は紙一重」です。そして、有権者集団の選択が仮に衆愚政治だったとすれば、その事が露呈するのは、有権者集団にとって致命的な事態が顕在化した後で、修正・修復は非常に困難な状況下においてです。

そこで、有権者集団が自らの投票行動に由来する眼前の致命的な状況を、自らの投票行動の故と自覚して、自らの投票行動の結果について責任を負ってくれれば問題はないのです。。。が、私が思うには、有権者の投票行動の結果責任を、単に行政機関に転嫁して批判するという状況は必ずしも珍しくないと思われます。そうした有権者集団自身の投票行動の結果責任を公務員に転嫁して叩いている限りは、ますます有権者集団の生活は悪くなるだけという側面は確かにあると思います。

ちなみに、前回の通称「郵政選挙」の結果が明らかになったその瞬間から、昨今の世情は確定的に予見されていた訳ですよ、解っている人の間では。で、相変わらず公務員叩いてる人も多い訳ですが、公務員を叩いてる間は、そうした方の生活は改善しないでしょうね、一時的な憂さ晴らしは出来ても。

なぜなら、公務員の待遇を引き下げることに注力するあまり、自身の待遇を引き上げる方向での社会的・政治的な活動を何もしてないのですから。公務員の待遇は下がったが、自身の待遇も下がりっぱなしというような、社会全体としては危機的・致命的な状況ですね。

投稿: あっしまった! | 2009年6月 7日 (日) 14時21分

あっしまった!さん、コメントありがとうございます。

ご指摘のような趣旨を私なりの問題意識で綴った新規記事をこれから投稿します。ぜひ、また貴重なご意見やご感想をよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年6月 7日 (日) 15時53分

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