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2009年4月 5日 (日)

橋下知事絡みの二つのニュース

金曜の朝、視線を少し上に向けると、市役所周辺の桜がきれいに咲き始めていることに気付きました。早めの開花予想は外れ、ようやく今週末が花見日和となったようです。この季節、お世話になった退職者の皆さんへ感謝の気持ちをこめ、新入職員の皆さんへは歓迎の言葉を組合の委員長として挨拶させていただいています。

さて、大阪で絶大な人気を誇る橋下知事ですが、最近、次のような二つのニュースに接しました。それぞれ退職者に関する内容であり、一つは退職される大阪府職員の半数が橋下知事との記念撮影を辞退したとのニュースでした。

大阪府が、定年退職する府職員を対象にした知事との恒例の記念撮影で、今年度から写真の無料配布をやめ、職員の自己負担に切り替えたところ、退職予定者らが反発、半数が橋下徹知事との記念撮影を辞退した。

橋下知事が打ち出した財政再建策の一環だが、「退職金を5%カットされるうえに、写真代まで払わせるのか」という不満の声が多く、現役職員からも「長年、府政に貢献してきた先輩に、あまりに失礼」と同情論が持ち上がる事態に。急きょ、府職員互助会が全額を肩代わりすることになった。

記念撮影は毎年、退職辞令を受け取る3月31日に府庁本館前で実施。200人ずつに分かれて、知事ら府幹部との集合写真を撮影し、六つ切りサイズのプリントを配布する。府はこれまで職員の福利厚生として全額を負担。昨年は約30万円を支出した。しかし、「橋下改革」の歳出削減で、今年度は予算化が見送られた。

このため、府は退職予定者687人に「写真は今年度から有料。1人当たり1100~2500円」と案内。記念撮影の参加者を募ったところ、毎年8割が参加するにもかかわらず、希望者は4割に満たない260人にとどまった。

府職員互助会が全額を肩代わりすることになり、最終的な参加者は増えたが、それでも、ほぼ半数の377人という。撮影を辞退した男性職員は「金の問題ではない。長年の功労にもかかわらず、最後の最後で、こんな扱いとは。情けなくて参加する気にもならない」と嘆いていた。

一方、定年退職者と知事との記念撮影で、プリント代や送料などを全額公費負担している兵庫県は「退職記念で、感謝状と同じ扱い。今のところ、有料に切り替える予定はない」(人事課)としている。【読売新聞2009年3月30日】

もう一つは、いつもコメント欄へ率直なご意見をお寄せくださっている大阪在住のkさんからご紹介いただいたニュースでした。以前の記事「橋下知事の人件費削減案」へのコメントを通してでしたが、「オレの心配してたとおりのことになったやろ。このご時世であっても辞めるんやから、よっぽどなんやろな。財布の締め方次第では、こうなんねん。愚かやの」とも添えられていました。

医師の資格をもって公衆衛生政策を担当する大阪府の医師職の職員45人のうち、4分の1にあたる11人が3月末に中途退職することがわかった。橋下徹知事の財政再建策に伴う給与カットや担当分野の予算削減に対する不満などを退職理由に挙げ、「橋下府政では思うような仕事ができない」と明かす退職予定者もいる。橋下改革への不満が府庁内部から噴き出した形で、府は「職員の士気が落ちている証し」と危機感を募らせている。

府によると、医師職は医師免許を持ち、府健康福祉部で医療行政を所管するほか、14か所ある府保健所で衛生や保健業務を担っている。例年、医師職の中途退職者は2~3人だが、今春は11人が退職を希望。行政事務を担う3人と保健所長ら出先機関の8人で、部次長級の幹部職員も含まれている。退職後は、民間病院で医師として働いたり、他の自治体に転職したりするという。

府は昨年8月から医師職を含めた一般職員の基本給を最大16%カット。また、生活習慣病の研究や循環器疾患の予防などに取り組む府立健康科学センター(大阪市)の新年度運営事業費を前年比約4000万円減の6億7000万円にカットするなど、医療対策費の削減も進めてきた。退職予定者はこうした財政再建策に不満を漏らしているといい、退職する課長級職員は「すぐに結果を求める橋下知事の下では、成果が見えにくい研究や、予防業務に、十分な予算措置を期待できない」と話す。

府は大量退職を受けて、府内の自治体に派遣している医師職を引き揚げる一方、医師職採用の年齢制限を従来の「40歳」から「64歳」に引き上げ、随時採用する方針。府幹部の一人は「予算のカットで、仕事へのやる気を失わせてしまったといえる。当面は、残されたぎりぎりの人数の医師職でやっていくしかないが、これ以上辞められると、組織がもたない」と話した。

府職員の人件費削減を巡っては、退職金の5%カットを実施する直前の昨年7月、カット前の金額を受け取るための「駆け込み退職」が続出。前年の3倍を上回る33人が府庁を去った。入庁希望者も減り、高校卒業者を対象にした今春の募集では志願者が前年度比36%ダウン。府立5病院の看護師採用でも応募数が定員割れした。【読売新聞2009年3月29日】

また、kさんからは前回記事「侍ジャパンが連覇した日」のコメント欄で、雑誌『WEDGE』4月号に掲載された「官僚たたきはもうやめよう 公務員改革が国を滅ぼす」という記事もご紹介いただきました。今回、橋下知事絡みのニュースは要約しながら取り上げ、「公務員改革が国を滅ぼす」の中に記されていた内容を中心にまとめるつもりでした。

実は昨日の土曜日、朝から夕方まで東京自治研究センターが主催したシンポジウム「東京都政この10年・これからの10年」に参加し、その後、知り合いと遅くまで飲み語り合ってしまいました。翌日がまったく予定の入っていない休日だという安心感もあり、久しぶりに(?)飲み過ぎたようです。日曜の午後になっても、まだ頭の中にモヤがかかっている感じでした。

そのような訳で、たいへん恐縮ながら今回、橋下知事絡みのニュースの紹介を中心とし、省力化した記事の投稿となっています。次回以降、橋下改革や公務員改革まで話題を広げた内容を綴らせていただく予定です。合わせて、昨日のシンポジウムの内容も、興味深いものが多く、機会がありましたら改めて報告させていただきます。

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コメント

てっきりテポドンの話か思たら、大阪の話やんか。名前が載ったら、恥ずかしいがな。

オレがまだ若かった頃・・・、横山ノックが知事やった。いやあいつは確か情けない罪を犯して辞めて、もう亡くなったんやけど。
あいつのときも、なんか財政改革やってた気がすんねん。でな、記憶にあんのが「オレの名前で謝ってくれ」っちゅう台詞やった。
彼の政策で何らかの不利益があった連中に、謝った訳やな。たぶん謝る必要なんか無かった筈やのに。まあ、オレの記憶が確かやったらやけど。
それで「ああそうでっか」と納得したんかどうかは知らんけど、オレは好きやな、そういう姿勢。

この「人情」に訴える姿勢っちゅうか、「相手の気持ち」を考えるのんは、上に立つモンの基本や。オレはそう思う。
そして、橋下知事に欠ける重要な要素でもある。ヤツは未だ、「交渉」や「勝ち負け」といった弁護士としての臭いが消えてへん。
下品なメディア戦略にも飽き飽きや。

部下を罵倒してどうすんねん。それで士気が上がんのか?
オレには理解出来ん。その上給料カットや。そら辞めるわ。
そのツケ回されて、オレは気分が悪いわ、正直な。
人心掌握の出来んトップに、何が出来るんか問いたい。

昨シーズン、阪神は確実視された優勝を逃した。シーズン終盤、抑えピッチャーの藤川を酷使する岡田監督に対し、容赦ないヤジが飛んだ。
監督はキレて、観客に向こうて行った。そのとき、体を張って止めたんが、藤川本人やった。「オレは大丈夫や」と。
このエピソードだけでも、岡田前監督の良さが伝わってくるやんか。岡田前監督のツメの垢を、橋下知事に送りつけてやりたいわ。

イージス艦に乗んのも、PAC3を撃つんも、生身の自衛官や。せやから、首相や大臣は、橋下みたいにならんよう、願うてるで。

投稿: K | 2009年4月 6日 (月) 00時03分

府も厳しいですね~。

ただ、この百年に一度といわれるぐらいの不況だから退職される方々も少し理解を示してもいいのではないかなと思います。確かに気持ちはわかりますけどね。
当社もそこまでするかっていうぐらいカットの嵐ですよ。
夜の8時になると暖房が止まるのが一番つらかったですね。手がかじかんでくるんですよ。
ただ、当社も製造業なのでこの不況の影響をモロに受けているから従業員もなんとか我慢している次第です。
当社は無借金だったからとりあえず、過去の剰余金を食いつぶしながら存続しておりますが、借金のある会社は大変でしょうね。自分がその会社の経理だったらぞっとします。もっとも、私にとっても近い将来を考えると対岸の火事ではないのですが・・・

私は、橋本さんのこと好きなんですが、わざと憎まれ口を叩くのがマイナスだと思います。
まあ、それが府民や国民へのアピールともとれるわけですが。
職員も転職できる優秀な人はやめていってしまうんでしょうね。
大阪府も大変ですが、今は日本国民が皆、大変なわけですから歯を食いしばってがんばってもらいたいです。

投稿: エニグマ | 2009年4月 6日 (月) 00時29分

Kさん、エニグマさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

今回、私自身の主張があまり添えられていない記事となっていますが、二つのニュースに対する個々人の感想は様々だろうと思っています。次回以降の記事で、いただいたお二人のご意見などを踏まえ、自分なりの考え方を整理させていただくつもりです。

Kさん、お名前などを勝手に出して失礼致しました。テポドンについては時事の話題として外せないものであり、少しだけでも触れようとも考えました。結局、中途半端な触れ方も避け、今回のような内容に絞ることとしました。ちなみに私の考え方は、以前の記事で示したとおりで基本的に変わっていませんので、そのまま紹介させていただきます。

どのような北朝鮮の思惑があるのか定かではありませんが、航行している船舶に被弾し、人的な犠牲もあり得た卑劣な行為だと言わざるを得ません。国際的な緊張関係が強まり、日本としても経済制裁を発動する事態となりました。飢えで苦しんでいる自国民の生活を省みず、巨額な費用がかかるミサイルの愚かな浪費であり、穏やかに暮らしたい在日朝鮮人の方々をも嘆かせる暴挙だったと断罪しなければなりません。【2006年7月5日(水)】

投稿: OTSU | 2009年4月 6日 (月) 06時56分

写真もですか~(セコイですね)。まあ私の職場は写真も互助会もありませんが・・・・
テポドンの発射で私の弟(陸上自衛隊)も休暇が飛んでしまいましたが、このように緊張する事態を憂慮していました。
4月ということもあり連日利用者の方が大勢おしよせています。(昼休みが4時、5時の職員もめずらしくありません)
定額給付金の支給が始まっていますが、どの市町村も大変でしょうね(テレビである町の担当部署が紹介されていましたが、
「税務総務課」の2人が担当とのことで通常業務に加えての負担がかかると紹介されていました。)
定額給付金をもらっても夏のボーナス削減を与党・人事院が検討していうこともあり妻はがっがりしていました。不景気なのでしかたがないとは思いますが、国会の審議等も注視していかなくてはと考えています。

投稿: ためいきばかり | 2009年4月 6日 (月) 22時23分

ためいきばかりさん、コメントありがとうございます。

最近、後期高齢者医療制度や定額給付金などで市町村側は、政治に振り回されがちです。それぞれ心から信頼でき、必要な制度政策であれば頑張りがいもあるのですが…。

一時金の問題も民間相場の反映であり、やむを得ないのかも知れませんが、景気が好い頃、引き上げる時には決して取り沙汰されない話でした。民間がバブルに沸き始めても、その分が公務員の一時金などに反映されるまで時間差があったことも人事院勧告制度の仕組みでした。

投稿: OTSU | 2009年4月 7日 (火) 06時49分

ちょっと気になったので、コメントにコメントします。

>エニグマさん

少しばかり、事実関係や経緯を無視したコメントのような気がするのですが・・・。

第一に、人件費の削減は、今回の不況を受けての対応ではない筈です。前年度中に実行されたことであり、不況の深刻化が顕在化する前からの計画です。

第二に、医療対策費の削減は、不可避な選択ではなく、橋下知事の恣意的な予算配分の変更の結果に過ぎないと思われます。
何故なら、先般報道されたように、大阪府は支出削減を強行して単年度黒字を出しましたから、医療対策費の増額とは行かないまでも、現状維持程度なら、遣り繰り可能であった筈です。

第三に、今回の職員の流出は、橋下知事の言行が直接的に招いた結果であり、単に待遇切り下げだけの問題とは考えられません。
橋下知事は、以前から、待遇切り下げ等の対応について、「気に食わないなら、辞めて下さい」と広言して来ています。そして、今回は、逃げ場のある職員がその言葉どおりに実践したということでしょう。

人は単なる金銭的待遇だけで仕事を選ぶ訳では有りません。ましてや、医師の様な高度な専門家であれば尚更です。そもそも、金銭的待遇だけを重視する医師なら、地方自治体の公務などは最初から選択しません。実際には、仕事のやりがいや職場環境等を総合して決めている訳です。

今回の大阪府の場合、医療対策費の削減で仕事の制限が増えた上に、職場のトップが職員を侮辱する発言を繰り返したり、辞めたいなら辞めろと言う職員を全く尊重しない態度を見せ続けたことで、モチベーションを維持できなくなっただけでしょう。

仮に、同じような危機下にあっても、職員の心を掴むことが出来るトップであれば、このような深刻な事態には至らなかった筈です。つまり、橋下知事には、部下の人心掌握ができない、または、する気がないと言う点で、大きな組織のトップに立つ資格があるのかが疑われます。


正直な話、私だって、自分の職場のトップがこんな態度を見せ続けたら、辞職と言う選択肢も視野に入ってきます。

投稿: Thor | 2009年4月 8日 (水) 05時52分

今回の件に関係のありそうな過去のニュースがあったので紹介します。ニュース元が既に消えているので記事を直接引用します。

以下、朝日新聞大阪本社版より。

医師コーディネーター導入で救急改善も、橋下改革の壁
2008年03月06日

 救急患者の受け入れ先が見つからずに手遅れになる事態を防ぐため、病院探しの「搬送コーディネーター」を各都道府県に置く国の事業が、4月にスタートする。妊婦の搬送遅れが問題となった大阪府と奈良県では、同様の取り組みが周産期医療の分野で先行的に始まっているが、誰がどう担うかで、実効性の明暗が分かれている。

 大阪府は昨年11月、府立母子保健総合医療センター(和泉市)に委託し、「緊急搬送コーディネーター」を稼働させた。8病院のベテラン医師計15人が交代で調整役を担う。

 夜間や休日、病院や診療所で妊婦の容体が急変した場合、まず府内の43施設で作る「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」を使い、搬送先を探す。それでも見つからなければ、コーディネーターが母体や胎児の状態から適切な施設に個別に打診する。当直料は1晩7万円だ。

 これまでは、同センターの当直医が勤務の合間に電話で搬送先を探していた。1年間の実績は約100件。平均3.3病院に照会し、決定まで50分かかっていた。

 コーディネーター設置後は、ほぼ1回の打診で決まる。重症度判定が適切なことに加え、派遣元の病院が一義的に患者を受け入れるようになったためという。

 府は今後3年間にセンターの医師を増員して、調整役に充てる予定だったが、橋下徹知事の「新規事業抑制」方針に従い、08年度の暫定予算には計上されていない。同センターの末原則幸副院長は「医師がボランティアでするには荷が重い。4月以降はできない」と明かす。

投稿: Thor | 2009年4月 8日 (水) 19時53分

おーおー、記事が2つだけやのうなってきたやんか。
アイツに対する違和感・・・、どこから来るんかいなと、自問自答してみててんけど、こんな記事にいきついた。

「入学式で橋下イズムを説法 大阪府立大、戸惑いの声も」山陽新聞より
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2009/04/06/20090406010008531.html
「府民は住民サービスを削られても、みなさんの学ぶ機会を保証するために税を納めている。
だからこそ皆さんは府民に還元しなくてはいけない」と、勉強や研究を通じて具体的な“成果”を挙げるよう求めた。

らしい。

今度は学生に対しても、費用対効果を求めるんやて。・・・、オレ勉強嫌いやからエラそうな事言われへんねんけど、すべての研究や学問が、目に見える成果を出せるもんなんやろか。「教養を深める」、これ自体に費用はかかっても、効果なんかすぐには出えへんで。そいつが社会に出て、かなり時間が経ってからその「効果」を実感するんとちゃうのんか?そもそも大学は職業訓練校や専門学校、自動車教習所なんかと違うて、効果がすぐに出る事を学ぶんとちゃうやろ。費用対効果期待すんのやったら、理系ならせいぜい、医学、薬学、工学、農学までとちゃうか(そこでも研究が中心やから効果は見えにくいはずや)。で、それらの基本となる理学部は、効果無いから認めてもらえへんやろ?文系やったら、文学部はいらんのか?そんなんいうたら芸術大学かて厳しいやろ。アイツの論理なら。

節約はおおいに結構やけどな、なんかズレてんねん。考え方が。

入学式で、税金の事言う来賓なんか普通おるか? いや、大学の入学式なんか覚えてないけどな。
コストに見合った勉強しろって言ってんのんやろ。信じられん。
普通なら、入学おめでとう、諸君らの活躍に期待しています、なんてな激励するやろ。

ここんところには、ホンマ、あきれるわ。
眠たいから、寝るわ。


投稿: K | 2009年4月 9日 (木) 01時25分

Thorさん、Kさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

それぞれ興味深い情報ありがとうございます。このような橋下改革のマイナス面や知事の資質を承知の上で、府民の皆さんが圧倒的な支持を寄せているのでしたら、それはそれで府民の判断だろうと思っています。

多くの国民が小泉改革の負の側面を感じ始めたようですが、まだまだ表面的な勇ましさや、とにかく「変える」「壊す」という可能性が支持されがちな風潮です。今後、個人的には橋下知事が国政へ転進するような日が訪れないことを願っています。

投稿: OTSU | 2009年4月 9日 (木) 08時17分

集中的に批判されているのを見ると、つい弁護を試みたくなってしまうKEIです。
思いつくままに書いていきたいと思います。

>橋下知事が打ち出した財政再建策の一環だが、「退職金を5%カットされるうえに、写真代まで払わせるのか」という不満の声が多く、現役職員からも「長年、府政に貢献してきた先輩に、あまりに失礼」と同情論が持ち上がる事態に。急きょ、府職員互助会が全額を肩代わりすることになった。

これ、どうにも解せない話です。年度末に起こるトラブルではないからです。
予算書に書かれていないお金を支出することがどれだけ難しいか、役所の人間なら誰だって知っていることです。まして定年間際とあっては。
>「橋下改革」の歳出削減で、今年度は予算化が見送られた。
とあるのですから、年度初めからこうなることはわかっていたことです。互助会はこの事態に備えるため動いていて然るべきで、「肩代わり」を当初から決めてあれば、当局が退職者に「払え」などと言うこともなく退職者が不快な思いをすることもなかったはずです。
逆に、「肩代わりで円滑に記念撮影」を選択せず「こんな知事には徹底抗戦」として記念撮影を集団ボイコットしてしまう、なんてのもインパクトとしてはアリだと考えます。

その意味で、「4割に満たない260人」と言う数字があまりにも中途半端です。きっかけは確かに知事の財政再建策でしょうが、トラブル自体は職員側の対応にも大いに問題があったのではないでしょうか?


>第一に、人件費の削減は、今回の不況を受けての対応ではない筈です。前年度中に実行されたことであり、不況の深刻化が顕在化する前からの計画です。

これ自体はむしろ「先見の明があった」と評価される事柄なのではないでしょうか?何せ一度つけた予算を事情の変更で削るのも結構難しいことですからねえ・・・

>第二に、医療対策費の削減は、不可避な選択ではなく、橋下知事の恣意的な予算配分の変更の結果に過ぎないと思われます。

医療に関しては国策で医療費を削ってしまっているのが一番悪いのであって、橋下知事だけに責任を押し付けていいものでもないと思います。

>仮に、同じような危機下にあっても、職員の心を掴むことが出来るトップであれば、このような深刻な事態には至らなかった筈です。

「心を掴む」と言えば聞こえはいいですが、要は「無理を知りつつだまくらかして赤字経営を続けさせる」と言うことにならないでしょうか?実際に財政破綻を起こしてしまったら本当に何も出来なくなって今の比でない「深刻」な事態になってしまいます。


>今度は学生に対しても、費用対効果を求めるんやて。・・・、オレ勉強嫌いやからエラそうな事言われへんねんけど、すべての研究や学問が、目に見える成果を出せるもんなんやろか。「教養を深める」、これ自体に費用はかかっても、効果なんかすぐには出えへんで。

記事を見る限り、橋下知事は「府民に還元」とは言っていますが、それが示すものを具体的に言及しているわけではありません。
そして、「費用対効果」とか「具体的な“成果”を挙げるよう求めた。」とかは山陽新聞の解釈に過ぎません。まして、
>そもそも大学は(中略)アイツの論理なら。
のくだりでKさんが懸念するような「即物的な効果」を指しての発言なのかは、かなり怪しいです。もしかすると、
>そいつが社会に出て、かなり時間が経ってからその「効果」を実感するんとちゃうのんか?
ぐらいの「長期的な効果」を指しているのかもしれません。まあ、楽観的な言い分ですが。

とにかく、この批判は「まだ早い」と思います。橋下知事が「即物的な効果」の方向に具体的に話を発展させたり、府の上層部が知事発言をその方向に誤解して政策を進めたりしようとしてからでも批判するのは遅くないかと。
(とは言え、僕もこの手の話が「即物的な効果」の方向に進みがちだと思うので、Kさんの懸念が強ち間違っているとも言えません。監視は大切だと思います。)

ちなみに、僕も大学の授業で似たようなことを言われたことがあります。「入学金と授業料そして補助金を合算して総授業数で割ると、1回の授業につき大体○○円かかる計算になる。私の授業中寝ると言うことは、そのお金をドブに捨てると言うことだ。」なんて感じで。
学生間での有力な口コミ情報に「単位の取り易い授業」というものがあります。「出席だけで単位がとれ、出欠の判断もザル」な授業が大人気なんですが、「授業開始直後に出席簿に記名して退出」とか「授業終了直前に入室して出席簿に記入」とかの光景を見るにつけ「こいつら一体何しに大学に来ているんだ?」などと思ったものです。
そんなわけで、一度くらい金銭的な観点で釘を刺しておくというのも悪くは無いと、僕は思っています。

・・・それでは。長文失礼します。

投稿: KEI | 2009年4月12日 (日) 02時01分

KEIさん、おはようございます。

それぞれの内容について、異なる視点からのコメントありがとうございました。KEIさんがご指摘される点、その通りだと思える点が多く、今回のようなニュースをもって橋下知事への評価は大きく下がらないものと感じています。

また、一つ一つの事例を掘り下げた場合、個々人のとらえ方や橋下知事そのものへの基本的な評価の差異などが論点化されていくのかも知れません。一方で、平行線となりがちな心配があることも確かです。

なお、二つのニュースは橋下知事に対する大阪府職員の思いを垣間見せる例示だと思い、今回の記事で紹介させていただきました。この話題の先に政治家と官僚との距離感の問題もあるように見ていました。巧く表現できるかどうか分かりませんが、次回記事はそのような問題意識で綴る予定です。ぜひ、またご訪問いただければ幸です。

投稿: OTSU | 2009年4月12日 (日) 09時18分

たしかにもっともやな。記事を鵜呑みにするんは危険な話やわ。
オレ知事嫌いやさかい(もちろん投票もしてへん)、物事を判断するメガネが曇ってしもたんかもしれんな。

いやな、別の記事では、大阪府立大学をなくそう(売却するとかか)、とか、大学は私立で十分とかいうてたから、その辺と絡んだイヤミともとれる祝辞かと思うてるんやけどな。またそういう事をさらっと、確信犯的に言うてくれるからな、知事殿は。まあ、ここはKEIはんの言うとおり、ゆっくり見物しとくわ。

ただ「心を掴む」の部分はな、たとえ賃金カットしても、「言いよう」で職員の士気は維持できる、っちゅう意味やと思うで。オレが最も懸念する、知事の人間性の問題や。アイツの政策の一部は賛成できるけど、人間性はまるであかん。

最後に、毎度書かせてもらうけど、オレはここにコメントする人間は皆オレより政治に詳しいと思てるから、毎回勉強させてもろてると思てるし、人間性を批判するもんやないで。せやから、イヤミも含めてへん。気ぃ悪うせんといてな。

投稿: K | 2009年4月12日 (日) 09時28分

Kさん、いつもコメントありがとうございます。

職員の士気の問題は、私もその通りだと感じています。実は新規記事の中で、改めて橋下知事について触れるつもりでしたが、先日ご紹介いただいた「官僚たたき」の内容に絞ったものとなりました。ちなみに来週以降の記事で、その職員の士気の問題なども取り上げていく予定です。ぜひ、またご訪問いただけるようよろしくお願いします。

なお、新規記事「官僚たたきと公務員改革」の冒頭でも前回記事とのつながり上、Kさんのお名前を出していますがご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2009年4月12日 (日) 14時54分

KEIさんへ

>これ自体はむしろ「先見の明があった」と評価される事柄なのではないでしょうか?何せ一度つけた予算を事情の変更で削るのも結構難しいことですからねえ・・・

深刻な景気悪化を見越してのことではありませんから、「先見の明があった」等というのは過大評価ですし、結果論がたまたま符合しただけですから、本気でそのように評価する論者が居るとしたら、私なら正気を疑います。

>医療に関しては国策で医療費を削ってしまっているのが一番悪いのであって、橋下知事だけに責任を押し付けていいものでもないと思います。

それは、単なる論点のすり替えに過ぎませんよ。
大多数の都道府県において、同様の政策を採用しているなら、そのような評価も成り立ちますが、そういうことではない訳です。

橋下知事の恣意的な配分については、それ相応の評価がなされて然るべきと思います。

>心を掴む」と言えば聞こえはいいですが、要は「無理を知りつつだまくらかして赤字経営を続けさせる」と言うことにならないでしょうか?実際に財政破綻を起こしてしまったら本当に何も出来なくなって今の比でない「深刻」な事態になってしまいます。

これについては、Kさん等の指摘が既になされてるとおりですが、正直に言うと、どうしたら、私の前文をこのように曲解できるのかが不可解です。
私の「第三に・・・」からの文章を読んで、赤字経営を続けさせる云々につながる論旨を読み取るのは、かなり難しいと思うのですが。

論旨把握の誤りの度が過ぎ、改めて説明する気にならないので、もう一度、私の前文を読み直して下さい。

投稿: Thor | 2009年4月12日 (日) 18時40分

正直な話、中段の「弁護」は無理矢理気味だったのは自覚しております。省こうかどうしようかかなり迷いました。でもしっかりしたレスをいただけたので感謝しております。

>ただ「心を掴む」の部分はな、たとえ賃金カットしても、「言いよう」で職員の士気は維持できる、っちゅう意味やと思うで。

僕もそう思います。ではなぜあのように書いたかというと、橋下知事もこのことは十分理解していて、その上でワザとやっている可能性が考えられるからです。
つまり、事業規模の縮小や機関の統廃合を目指していて、減らされるポストの分だけ人員を強引に減らそうとしているのではないか、と言うことです。

以前の記事でのKさんの初コメントで、「橋下知事の人件費削減案」への対案として、「ハコモノをばんばん売り飛ばせ」的な提案をされていましたが、それを実行に移すためにはそのハコモノに勤めていた職員に戻る場所を提供しなければならないわけです。「人件費削減案」も「人間性の問題」も、実はそういった戦略の一部なのかもしれません。

・・・なお、僕のこの想像が例え正しかったとしても、僕自身はその戦略が良いなどと言うつもりは毛頭ありません。やられる当事者にとってはたまったものではないからです。


>深刻な景気悪化を見越してのことではありませんから、「先見の明があった」等というのは過大評価ですし、結果論がたまたま符合しただけですから、本気でそのように評価する論者が居るとしたら、私なら正気を疑います。

本気で評価するつもりは僕にもありません。ただ、結果オーライの事柄についてこうも悪し様に言うことに疑問を持っただけなのです。

>大多数の都道府県において、同様の政策を採用しているなら、そのような評価も成り立ちますが、そういうことではない訳です。

公立病院の経営が苦しい話はあちらこちらで聞きますし、どちらが正しいのかは正直分かりかねます。
将来、大阪府が最先端ケースとなって他の都道府県が続く、なんてこともないとは言い切れないのではないでしょうか?

投稿: KEI | 2009年4月13日 (月) 00時18分

大阪府立大学入学式の祝辞の件ですが、私は橋下知事が廃止(統合)する為の布石だろうと思っています。

児童文学館の例でもそうでしたが、その施設の存在意義であるとか活動実態とかに関係なく、自分が廃止すると思いついたからにはマスコミを利用したあらゆるネガティブキャンペーンと扇動を行う人物ですから。

私は責任を負う立場の人間が、支配下に対し基準のはっきりしない努力や結果を求めて意見を表明する時、被支配者がどのような行動をし、結果がどうであったとしても満足されることはなく、自らが思い描く結果に向けてマイナスイメージのネタ探しに邁進すると思っています。(ノーベル賞でもとったらニコニコ笑いながらサイン色紙の贈呈とともに180度態度を変えるかもしれませんが)

得意技の私設秘書を使った隠し取りで、学生の居眠りする様子でも撮られようものなら、次の日の関西マスコミで一斉に知事が口汚く罵る様子が報じられることはまあ間違いないでしょう。

自らが在学した早稲田大学にも少なからず補助金が注ぎ込まれている訳ですが、在学中に大学に対してどの程度の貢献(実績)を残したのか尋ねてみたいところですが、前述した基準のあいまいな努力や結果を口にする人物に限って、責任という言葉を頻繁に発する割には自らの責任や行動経過について、特別扱いとして追及の対象外を決め込んでいるものです。(フィットネス然り公用車然り、究極には公約違反について尋ねられ「そんな知事を選んだ府民の責任」というジョーカー発言も言っていますから)

なお、祝辞の中にはこの発言以外に、「この様な嫌がらせに負けずに頑張って」といった事も言っている様ですから、まさしく嫌味と嫌がらせの毒も過分に含まれた上での「祝辞」だったんでしょう。


投稿: さら | 2009年4月14日 (火) 22時07分

Thorさん、Kさん、さらさん、コメントありがとうございます。

このように幅広いご意見や情報に触れられることが相互交流できるブログの醍醐味です。自分自身とは異なる考え方などに接することによって、果たして持論が「正しかったのか」と省みれる貴重な機会となっています。

ぜひ、これからも気軽にご訪問いただき、幅広い視点のコメントを楽しみにしています。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年4月14日 (火) 22時57分

ちなみに橋下知事は道州制を始めとする地方分権を強力に推進したいと常日頃より発言していますが、同じ関西に住む者として私の住む地域が、あれほど独裁思考の突出した人物が治める地方政府に加わって欲しいとは思いません。それでなくても国政と比較して為政者の権限が大きい地方自治ですから権力の暴走を抑制するシステムが相当確立されないと危険であることを彼の行動や発言からリアルに感じているからです。

教育委員会の件にしても独立行政委員会制度が取り入れられている主旨や経緯をすっ飛ばして、自らの意思を実現するために人事、予算からマスコミを利用したネガティブキャンペーンまであらゆる手段を利用して強行しています。

ある種ナルシスト的ともいえる自信は、府民に選ばれたという自負からきているのかもしれませんが、政治家たる自身の考えもある意味イデオロギーである事と、それを教育行政の場で強行する事の危険性を自覚していない点で行動に自制が効かず、悪質であると思えるのです。

為政者は政策結果について無制限に責任を負うものであり(であるから破格の報酬と権限が与えられている)、あらゆる階層や要素をもった府民の意見を聞き、「円滑」に調整する能力を求められる者だと思っているのですが、そのあたりについて決定的に適性を欠いていると思わざるを得ません。

先日の人事異動でいわゆるイエスマン人事を行いました。

国に対し意思決定と政策執行を地方に移す地方分権を主張していますが、広域自治体である府が管内の市町村に対する態度は、学力テストの結果公表に見られる様に予算措置も含めた恫喝政治で、とても分権を主張する者の政策手法とは思えない行動をとっています。

WTCでは権力バランスの要である議会に対して、イエスマンとなる議員に対する優遇をちらつかせています。

これらすべてが独裁的支配傾向の現れであり、中国政府の政策執行パターン(一党独裁ですから早いですし、煩わしい手続きなしに強行できるのは当然でしょう)を羨む人物ですから。

これまで地方政府の首長に対しここまでマイナスイメージを持つことはなかったんですが、橋下知事に関しては決定的に違和感と危険性、さらに不快感を感じざるを得ません。

投稿: さら | 2009年4月14日 (火) 23時18分

ずいぶんと知事に批判的なコメントが続いてるんやけど、おおかたの府民はええイメージを抱いてるはずやで。
たまたまここにコメントが来んだけのことや。
こないだ「黒字」を出したもんやから、実績に対する評価も高いと思う。
おそらく今でも驚異的な支持があるんとちゃうか。最近支持率の記事見んさかい、正確には解らんけど。

ただ、1年前みたいな熱気はさすがにあらへんし、ネガティブな新聞記事もちょくちょく出るようになってきた、そんな感じや。

投稿: K | 2009年4月16日 (木) 03時09分

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