侍ジャパンが連覇した日
月に1回は休日出勤があり、その代休取得も滞りがちであるため、年次有給休暇の残日数はゆとりのある状態が続いています。年休を取って組合業務に集中する日も少なくありませんが、それでも年末には残日数を余らせてしまう現状です。できれば先週火曜日は代休を取得し、ゆっくり自宅で日本と韓国とのWBC決勝をリアルタイムで観戦したいものと思っていました。
残念ながらその日は仕事や組合業務の日程の都合上、とてもそのような希望がかなう日ではありませんでした。さらに残念なことに昼休みに開く職場委員会の日と重なっていました。私からの冒頭挨拶で、職場委員の皆さんへ「WBC決勝が気になる中、貴重な昼休み時間に出席いただき、ありがとうございます」と述べましたが、本当に息が詰まる熱戦が繰り広げられていた最中だったようです。
実は市民課受付前のロビーにはテレビが置いてあります。住民票の交付などをお待ちいただいている市民の皆さんのため、いつも何かしらの番組を流していました。オリンピックなど日本中が注目する番組には必ずチャンネルを合わせ、当然、その日は午前10時からWBCの決勝戦が映し出されていました。ゲームの終盤は、用事を済ませた市民の皆さんも応援していくため、テレビの前は黒山の人だかりだったそうです。
正直なところ昔は、このような人だかりの中に足を止める職員の姿も少なくありませんでした。それが今では、市民課前を通った職員が横目でスコアなどに目を向ける程度となっています。また、自席のパソコンのインターネットから速報を確認することも禁止されています。職務専念義務があり、当たり前な時代になったと言えますが、一方で次のような光景が国権の最高機関では見受けられていました。
24日午後1時すぎに開会した衆院本会議は、WBC決勝のヤマ場と重なったため、産業活力再生特別措置法改正案の質疑では「答弁は短めに」とのヤジが飛び交うなど、終始落ち着かない雰囲気に包まれた。公明党の漆原良夫国対委員長は本会議前に「(マスコミに)狙われるから携帯で見ないように」と党所属議員に注意した。ところが、そうした指示がなかった自民党は、本会議中に携帯をいじってワンセグに見入る議員や、抜け出して議員食堂でテレビ観戦したりする議員が続出。若手が試合経過の伝令役を務める「連係プレー」もあった。【毎日新聞2009年3月25日】
さて、侍ジャパンがWBC連覇の偉業を達成した日、小沢民主党代表の公設第一秘書が政治資金規正法違反の罪で起訴されました。同夜、小沢代表は記者会見を開き、民主党代表を続投する意向を表明しました。小沢代表は「今後、イチロー選手のような役割ができるように頑張っていきたい」と話され、土壇場で決勝打を放ったイチロー選手と同じ「一郎」であることを意識していたようでした。
今回のWBCでイチロー選手は、かつてない不振ぶりでした。「イチローを外すべき」との声が強まる中、原監督は忍耐強く使い続け、その期待に応えたイチロー選手は最高の舞台で最高の結果を出すことができました。小沢代表も現在の逆境に耐えた先に必ず最高の結果、つまり政権交代を成し遂げようとする思いが強くあるため、「イチロー選手のような役割」という言葉が出たものと見ています。
今回の問題に対する私の考えは「小沢代表の秘書逮捕」という記事に綴ったとおりで、基本的に今も変わっていません。続投を表明した記者会見後の世論調査では、小沢代表の辞任を求める意見が多数を占めています。しかし、その中には私のように小沢代表らの不正を前提とした責任追及ではなく、政権交代という大目標のために潔い身の処し方を願う支持者の声も数多く含まれているはずです。
今後、小沢代表をとりまく情勢の厳しさは弱まることなく、ますます強まっていくのかも知れません。そのような中でも民主党の国会議員の方々は、党として決まった方針を一枚岩で受けとめていただきたいものと思っています。党の内部で率直な議論を交わした上、幅広い意見を集約し、一つの結論を出すのが民主的な組織の有り様です。
組織として決まった方向性が自分の考えと異なるからと言って、マスコミなど外部に対して個人的な意見を自由に発言することは慎まなければなりません。代議士会などで党の方針に異を唱える発言ができるのは、健全な組織の姿だと言えます。それでも方針が決まった以降は、個人的には不本意であろうとも党としての考え方をしっかり有権者に発信していくことが大切です。
そのような基本線が守れないと組織としての「バラバラ感」が際立ち、民主党へ吹き始めた逆風のダメージが増幅していく恐れもあります。マスコミを通して自己アピールしたい下心があるような方はいらっしゃらないものと思いますが、党そのものの結束力が問われている重要な局面だろうと思います。いずれにしても政権交代を悲願としている小沢代表は、この逆風が民主党への致命傷になるものと判断した場合、しかるべき決断を下す場面も想定しているのではないでしょうか。
最後に、侍ジャパンが連覇を決めた日は、私どもの市の議会最終日でした。新年度会計予算案などが可決された後、新しい議長が選出されました。その新議長は私どもの組合出身の推薦議員であり、日頃からきめ細かい連携をはかれる大先輩でした。民主党系会派の代表ですが、滅多にない全議員から信任を得られた選挙結果だったと聞いています。組合にとって厳しい情勢が続く中、たいへん心強く感じる市議会議長就任という朗報でした。
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