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2009年2月15日 (日)

小泉発言の波紋は?

麻生首相の郵政民営化見直し発言に対し、小泉元首相が「笑っちゃうぐらいあきれている」と厳しく批判しました。定額給付金の問題についても「3分の2を使ってでも成立させなきゃならない法案だとは思ってないんです」とまで語っています。前回の記事は「根強い人気の小泉元首相」でしたが、そのことを裏打ちする小泉発言に対するマスコミ報道の過熱ぶりが見られました。

当初、民主党は定額給付金への小泉発言を「神風が吹いた」と喜び、輿石参院議員会長は「(小泉元首相は)私たちの声を代弁している」と評価していました。鳩山幹事長も「法案が通らないと麻生政権は行き詰まる。もはやこれまでだ」と意気込んでいました。一方、「小泉劇場」が再燃し、民主党が埋没する危機感を抱く菅代表代行は昨日の遊説で「究極の愉快犯」だと小泉元首相への批判を強め始めています。

私も今回の小泉発言を聞いた時、菅代表代行と同じような違和感を持ちました。確かに定額給付金の問題に限れば、今でも見送るべきだと考えていますので至極真っ当な発言だったと思います。しかし、郵政民営化の問題で考えれば、負の側面が浮き彫りになってきている中、その流れを変えたい思いが強くにじみ出た行動であったことは間違いありません。

さらに麻生首相から「奇人変人」呼ばわりされ、とうとう堪忍袋の緒が切れた個人的な怒りの爆発だった側面も否めません。いずれにしても元首相が同じ政党の現首相を多くのマスコミの前で、あのように皮肉をこめて批判する行為は常識では考えられないものです。しかし、小泉元首相の周辺からは計算し尽くした行動であり、深謀遠慮をめぐらした発言だと持ち上げる国会議員も少なくありません。

その発言後、マスコミやインターネット上から知り得る情報では、小泉元首相への評価は定まっていないように感じています。日頃から幅広い考え方に接することの大切さを重視し、いわゆる右から左まで視点が異なるサイトをブックマークしています。その一つに「依存症の独り言」というブログがあり、最近の記事「小泉さんが怒った!」のコメント欄へ寄せられている意見も賛否が大きく分かれているようでした。

ところで前回記事へのコメントで、KEIさんから『ムダヅモ無き改革』というコミックスを紹介いただき、さっそく購入して読んでみました。小泉元首相が麻雀を通し、ブッシュ前大統領らと対決する姿を描いたギャグ漫画でした。その中で、小泉元首相は「日本のため」に体を張って闘う力強いリーダーとして描かれています。一方、チョイ役で出ている民主党の菅代表代行は下劣な「セクハラオヤジ」として描かれていました。

「この作品はフィクションです。実在の人物とはあまり関係ありません」と注釈されていますが、作者自身が抱いているイメージとそれほど遠くない中での表現方法なのだろうと思います。特にKEIさんは「小泉元首相のイメージを絶妙に表現している漫画だと思います」と述べていますので、まだまだ小泉元首相を信奉する人たちは数多いのだろうと認識を新たにしています。

したがって、久しぶりに小泉元首相が脚光を浴び、その発言が呼び水となって政局が大きく流動化していく可能性を一概に否定できません。中川秀直元幹事長らの動きやポスト麻生の高まりなど、小泉発言の波紋の広がり方は未知数ですが、民主党にとって「郵政解散」時のトラウマがちらつくのは仕方ないことだろうと思います。来るべき総選挙に向け、改めて引き締める機会とすべきでしょうが、過剰反応も避けなければなりません。

定額給付金の関連法案の採決に際し、民主党幹部が「ロシア訪問中の小泉元首相の帰国を待ってから行ないたい」とするような発言は慎むべきものと考えています。そのように反応することが小泉元首相の発言や行動を過大評価し、民主党が振り回されているように見えてしまいます。そもそも今回の騒動は、麻生首相から「売られたケンカ」を大人気なく小泉元首相が倍返ししている単なる内輪モメではないでしょうか。

今回の小泉発言は「自分の顔がつぶされた、重用してやった麻生から恩を仇で返された」というような私憤が先走っているはずです。つまり「国民のため」に苦言を呈したとは到底思えません。したがって、民主党は小泉発言を過剰に意識せず、これからも小泉元首相の進めてきた「改革」が決して「国民のため」ではなかった点を強調しながら、政権交代をめざして欲しいものと願っています。万が一、政権交代を急ぐあまり、反麻生という一致点のもとに民主党が「改革を逆行させるな」と訴える勢力と結びつくようでは本末転倒な話です。

そのような事態はあり得ないものと思いますが、国民の目線を大事にした場合、麻生政権の粗探しばかりではない姿勢も求められているのではないでしょうか。小泉「改革」路線の歪みを見直そうとしている麻生首相や「かんぽの宿」で奮闘している鳩山総務相に対し、状況に応じては党派を超えて応援する場面があっても良いはずです。ぜひ、民主党には常に「国民のためには?」という意識を忘れない政党であって欲しいものと一支持者の立場から願っているところです。

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コメント

小泉純一郎さんの麻生さんに対して言っている事は理解します。しかし、今、マスコミの前でする発言ではないでしょう。

投稿: 赤い彗星 | 2009年2月15日 (日) 16時36分

1,あの時、あの場所に、如何なる経緯で報道機関が居たのか?、何よりもそこが気になります。

2,採決延期を試みる民主党様の姿勢に対しては、「目的と手段をごちゃ混ぜにするんじゃない。賛否を別にして政治を機能停止たらしめている原因の一つは、あなた方にもあるんだよ。そんなだから余計に政権担当能力に疑問符が付くんだ!(微怒」、という印象。
というよりこの期に及んで政権担当能力は問題ないのか不安が募るっす。合衆国国務長官と党代表の会談を巡る遣り取りも然り。

一応、小泉路線には反対なんですけど、民主党様の今の路線も素直に首肯いたしがたい気がしまふ。浮き足立ちすぎに思えるので。

投稿: あっしまった! | 2009年2月15日 (日) 20時46分

赤い彗星さん、あっしまった!さん、コメントありがとうございます。

とうとう麻生首相の支持率が日本テレビの最新調査によると10%を切ったようです。これも小泉元首相の発言の影響だと見られています。

内外に厳しい難問が山積している中、ますます政権基盤はもろくなっています。とにかく一度、総選挙で本来の民意を問わなければ、同じ茶番劇の繰り返しだろうと思っています。

投稿: OTSU | 2009年2月15日 (日) 22時10分

中川大臣辞任でますます厳しくなってきましたが・・・
長期政権後の「ツケ」を払っているのでしょう。佐藤政権の後は中曽根政権になるまで約10年間は短期政権でした。
その後も小泉政権まで短期政権が続たことから小泉政権後もかなりのあいだ政治の混乱が(いまも十分混乱してますが)続く恐れがあり、正直危惧しています。(個人的には一院制が望ましいのですが・・)
また、任期満了までこの状態が続くことは望ましくないと思います。

投稿: ためいきばかり | 2009年2月17日 (火) 19時53分

ためいきばかりさん、コメントありがとうございます。

国際舞台での中川財務相の醜態には本当に驚きました。加えて、いったんは慰留した麻生首相の判断も甘いなと思っていました。それが一転して即刻辞任へ、やはり未曾有の難局に際し、麻生政権では荷が重過ぎることを象徴した出来事だったのかも知れません。

投稿: OTSU | 2009年2月17日 (火) 23時05分

 小泉純一郎という人は、結局★自分がかわいい★だけなんですよ。国民が幸せになるかどうかなんてどうでもいい。

 どうしてそう言えるかというと、郵政民営化法案が通った後、『国民の皆さんに応援いただいて通した法案で、こうこうこのように、皆さんを(国民を)幸せに導く事ができました。誠にありがとうございました』という具合に、一度か国民に対して★業務報告★をしましたかね?? 彼の業務報告聞いた人いますか?? 私は全く聞いていません... 業務報告は、社会人の常識中の常識で、基本の行動なんですけど。

 郵政法案可決の『おいしい手柄』さえ立ったら、あとはよろしく~~ とばかりに、後は全く興味なし。そりゃそうだよね、彼の興味は『国民を幸せにする事』ではなくて、『手柄を立てて自分がかっこよく見える事』だからね。まさに、『劇場型』と言われた通り、★オペラの主人公で自分がかっこよく見えればそれでいい★って事なのでしょう。

 ですから、今回も★自分がやった事に傷が付きそうになった時★だけ(自分がやったことを否定された時だけ)すぐ反応する(噛み付く(笑))。

 なんてわかりやすくて、なんてシンプルなんだろう、小泉純一郎って人は。

 元々、あれだけ大問題になった『後期高齢者医療制度の問題』だって、『年金の問題』だって、小泉氏が決めた事。『自分の蒔いた種を自分で刈り取る』つもりもなくて、『自分の手柄に傷が付きそうな時』だけ大騒ぎする。

 360度どの角度から見ても、このような人を尊敬できるワケがないし、即刻『政界の不純物』として浄化する事に、『客観妥当性』があると思います。

投稿: 風の便り | 2009年2月19日 (木) 02時59分

風の便りさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

私も同じような印象を受けています。定額給付金の関連法案採決への欠席は歓迎すべきことですが、やはり「私憤」からの行きがかり上の行動のようにも思えてしまいます。

投稿: OTSU | 2009年2月19日 (木) 07時15分

そない言うても、小泉首相の支持率、めちゃ高かったやろ。
小泉首相の時、選挙で自民党めちゃ勝ってたやろ。
オレも積極的に支持していた訳ではないけどな、漠然とした期待感を持ってたんは否定できん。
郵政なんて民営でもそのままでも、正直どっちでも良かってん。
ただ、「選挙」で選んだ「政治家」が、抵抗勢力に負けんと公約を実行する、そういう部分を評価しとった。
公約通り改革を実行する姿を見て、スカッとした気分になっとった。

改革の中身を吟味せんままにな。

せやから、オレに小泉元首相を批判する権利は無いわ。わるいけど。
有権者は、単に投票に行ったらええんとちゃう。その結果に責任持たなあかん。ええ勉強になったわ。
オレが橋下府政を批判的に見てるんは、そういうことを踏まえてのもんや。
「小泉劇場」の再放送がいま大阪府政で起きてんねん。
府民の8割以上が「支持」。公約通り改革を実行する姿を見て、スカッとした気分になってる最中や。

話を国政に戻すとやな、選挙で投票するにも、信頼できる政党が無いと困るんやけどな。
民主党かて、小沢、鳩山、菅以外の魅力的な政治家が出てこんもんかと思うんは、はてオレだけか・・・。

投稿: K | 2009年2月21日 (土) 01時41分

ん~、、、
正直なところ今の日本の政治家って、伝統芸能の世界と変わらないのではないかと思ってしまいます。稽古をしっかりやっていたり歴史を学んでいたりする分、伝統芸能の方がましですけど。
世襲制の全てが悪いとは言いませんが(「公共事業は悪」と一括りにしたことが景気悪化を招いた一因であることと同様に)、いわゆる「おいしい」職業だから子息に継がせたいと思う人が多いのでしょう。だって、自分が本当に苦労した仕事であれば、積極的に後を継がせようとは思わないはずですから。

真の憂国の士に出てきてもらいたいものです。もっとも、そういう人がまともに活躍できる国ではないというのも現状でしょうけど。

以下は最近ものすごく共感できたHP及びブログです。ご参考まで。
http://www.ops.dti.ne.jp/~makinoh2/index.html
http://komuin.sblo.jp/article/26718931.html

投稿: イチ公務員 | 2009年2月21日 (土) 03時31分

Kさん、イチ公務員さん、おはようございます。

橋下知事の手法に対する支持率の高さ、私も「小泉劇場」とオーバーラップしています。政治家の世襲制の問題、「おいしい」職業だから子息に継がせたいと思う人が多い…とのご指摘もそのような面が少なくないものと思っています。

それぞれの立場や視点からの幅広いご意見や感想を伺えるコメント欄は本当に貴重な場だと考えています。どうぞこれからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2009年2月21日 (土) 08時32分

 再び失礼します。ここに来ている人は、マトモな意見をお持ちの方ばかりですね。

 真の憂国の士(我々を導くもの)は、我々の心の中にあるのではないでしょうか(気障な事をいうつもりはありませんが...)?

私にとっての『憂国の士』は一つの本です。それは『シルバーバーチの霊訓』という本です。この本は、恥ずかしながら私が生まれて以来、一番人生観を変えた本です。

 3000年前にこの世を去った我々の先輩霊にして、霊界の高級霊であるシルバーバーチ霊が霊界通信を通して我々の進むべき道を示してくれています。

 この本には、老若男女、国籍、人種、貧富問わず、そもそも『我々は何をしに生まれてきたのか』、そして『魂のレベルで真の幸福とは』が説いてあります。顕幽(つまり地上と霊界)、両世界を経験した存在だからこそ示せる(言える)深遠な内容になっています。

 怪しい宗教の本ではありません。もしご興味があれば一度読まれる事をお勧めします(私は出版関係の人間ではありません)。人生観が変わると思います。

投稿: 風の便り | 2009年2月22日 (日) 02時15分

風の便りさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

ご紹介いただいた本、機会がありましたら読んでみたいものと思っています。

投稿: OTSU | 2009年2月22日 (日) 06時55分

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