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2008年10月18日 (土)

政党への支援とネットワークビジネスの問題

解散・総選挙は間近?!」「民主党の政権公約」「民主党を応援する理由」という政治的な話題の記事が続いています。民主党の有力な支持団体である連合、その連合に所属する一組合として、やはり民主党候補者を中心に応援する方針が機関決定されています。そのため、様々な思いを抱く組合員の皆さんらを意識し、あえて「なぜ、民主党を応援するのか?」という率直な提起を行なってきました。

しかし、当たり前なことですが、このブログは決して民主党のプロパガンダを目的としたものではありません。私どもの組合が確立した方針に対し、最も責任を負う立場からその説明を尽くすための一つのツールとして当ブログの機能を活用しています。したがって、これまで民主党への注文や不安感も包み隠さず発信してきました。

一番不信感が高まった時期は、3年前の総選挙で民主党が惨敗した直後でした。岡田元代表の後を継いだ前原前代表は「労組から支援を受けても聞く耳は持たない」とし、さらに自治労など官公労を突き放すような発言を繰り返していました。「小泉」劇場に感化され、広く支持される意見だと思い込んでいたのでしょうが、わざわざ公にする非常識さを当ブログでは指摘してきました。(参考記事「前原民主党新代表に思うこと」)

そもそも連合が支援の押し売りをしていた訳ではありません。また、連合の考え方がすべて民主党の政策に反映できるなどと思っていません。しかし、労働組合としての要求実現に向け、選挙闘争も重視している中、「支援は受けるが、一切口出すな」と言われては身も蓋もない話でした。特に組合の呼びかけに応え、民主党を支持してくださった組合員の皆さんに対し、たいへん失礼な言葉でした。

ちなみにその後、連合三多摩が呼びかけた「前原民主党代表と語る会」で次のような釈明が本人から示されました。「政党と労組の政策が一致するかどうか、できれば7割以上一致したい。残り3割は日常的な関係の中でゼロにするよう努力したい。その上での不一致点は是々非々での判断となるのはやむを得ない」とし、「脱労組の言葉は使っていない。小選挙区で勝つためには労組だけにこだわっていては勝てないとの趣旨での発言だった」と語られていました。

現在、小沢代表となってから民主党と連合との関係は、非常に良好な信頼関係を築いています。私自身、代表に選出された直後に「小沢民主党代表への期待感」という記事を投稿しましたが、昨秋の「大連立」騒動以外、たいへん評価できる力を発揮されているものと受けとめています。言うまでもなく、応援するにあたって、わだかまりなく応援できる政党や候補者であって欲しいものと願っています。

一方、政治家は選挙を勝ち抜いてこそ、政治家であり続けられるため、一人でも多くの人から支援を受けたいものと考えているはずです。したがって、いわゆる八方美人となりがちなのだろうと感じています。連合との関係もその場のみ取り繕うような民主党議員が少数ではないのでしょうが、組合員や広範な労働者のためになる結果を出せるのならば、それはそれで割り切っていくべきもの思っています。

さて、この八方美人ぶりが民主党の前田雄吉衆議院議員にとって致命傷となりました。ネットワークビジネス、つまりマルチ商法業者との関係が注目を集め、業務停止命令を受けた業者から講演料を受け取っていた責任を取り、離党とともに次期衆院選への不出馬を表明しました。さらにネットワークビジネス推進連盟と多くの民主党議員との関係も明らかになっています。

前田議員の問題が取り沙汰される中、その関係を打ち消す議員が目立っています。しかしながら問題が発覚した当初、前田議員は「なんらやましいところはない」と豪語し、「いい業者」と「悪い業者」が存在し、「いい業者」を伸ばすことに尽力していたと釈明していました。確かに自分のホームページでも堂々と持論を主張し、昨年4月には『次代を担うネットワークビジネス』という著書を出すほどでした。

最近、物事を多面的に見る習性があり、前田議員の言い分に少し興味を抱きました。ネットワークビジネス、言葉がスマートになってもマルチ商法であることに変わりなく、人から人への口コミを中心に販売を促進し、売り上げに応じて上級販売員が下級販売員の利益を徴集するシステムでした。上級販売員が短期間で莫大な利益を上げられる反面、ほとんどの販売員は利益を上げられず、生活破綻や自殺未遂など様々なトラブルを生じさせているようです。

たまたま消費生活相談員の方と話す機会があり、「悪い業者ばかりではないのですか?」と尋ねてみました。すると「そのような話は聞きませんね」という返答でした。違法なビジネスではないようですが、「いい業者もある」という言葉は説得力を欠く現状であることが否めませんでした。なお、この問題では自民党の野田消費者相も前田議員と同様、マルチ商法業者との関係が発覚しています。

いずれにしても何が問題で、その問題に対する責任を明確にし、厳正な処分や責任の処し方が強く求められているはずです。現在進行形だった民主党への影響は大きいものと思いますが、前田議員の離党だけで終わらせず、しっかりとした総括や調査を行なうことによって、少しでも国民からの信頼を取り戻せるのではないでしょうか。

最後に、ネットワークビジネス業界との問題を軽視するものではありませんが、現時点で総選挙闘争に向けた組合方針が大きく転換することはありません。だからこそ、支援者として注文すべきことは、率直に注文していこうと考えています。また、自治労の応援が民主党にとって「お荷物」と見られないためにも、自治労のイメージアップへの努力が欠かせません。ネットワークビジネスと自治労を同列に見ることは論外な話ですが、そのような誤解や攻撃材料を与えない気構えも肝要だろうと思っています。

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コメント

久し振りです。菊池です。
 今回の内容について特に大きく言う事はないですが、ただ一つだけ、正直気になることがあります。
 OTSUさん、少し小沢代表を買いかぶり過ぎていません?このブログに投稿をするようになってから、正直そういう面があるような気があるように思えてならないのですが。(だって小沢代表は結局自民党出身ですから…。)

 とりあえずそれは置いておきます。
 ところで、話が全然変わって、本題からは大きく逸れてしまって申し訳ありませんが、OTSUさんは、どんなレベルでもいいですけれど、選挙戦というものに直接関わった経験ってありますか?
 このところ、いくら総選挙が間近だとTVの連中が騒いだって、まだ国会は解散されず、当然総選挙の告示もなされていないのに、最近町のあちらこちらに政党だの「候補者」だのの醜い…私には醜いとしか思えません。党派に関係なく。…ポスターがベタベタ貼られ、挙句には宣伝カーが住宅地の中をワンワン大音響で演説を流しながら走り回る有様。正直民主党でもありますが、某政党…どこかは言わなくても解るでしょうけれど…のなんて真昼間からスピーカーのボリュームを最大に上げてうるさいのなんのって…。一度石つぶてをぶつけたくもなりました。…本当にそんな事はしませんけど。
 だいたい、どこの労働組合にも「街頭宣伝車」というものがあって、選挙戦になると「大活躍」すると思いますが、あんなムダにガソリンを浪費し、騒音と排気ガスを撒き散らすだけの物なんて、さっさとやめるべきだと思います。(そんなの労働組合にとって無駄な経費じゃないですか?)まあ、少なくとも選挙戦が正式に告示までは、そういう活動は一切やめて頂きたい。でなければ、「国民のための政治をやります」とガナられても、私は信用できません。
 今回はちょっと脱線してしまったようです。申し訳ありませんでした。

投稿: 菊池 正人k | 2008年10月21日 (火) 21時52分

菊池正人さん、コメントありがとうございます。

小沢代表への評価ですが、「買いかぶり」かどうか分かりませんが、自分自身の印象をそのまま表現しています。また、民主党の代表だから評価する、自民党の総裁だから批判するという短絡的な発想も避けているつもりです。個人の責任によるブログですので、ある意味で自由な批評を加えることができています。

ご指摘のとおり選挙運動は、あくまでも公示以降となります。法的に事前運動とみなされれば、NGであることは言うまでもありません。当然、法令順守を率先すべき国会議員は、そのことを充分受けとめなければならないはずです。なお、労働組合の所有している車が直接選挙運動に使われる最近のケースは、私の知る範囲では承知していない点を付け加えさせていただきます。

投稿: OTSU | 2008年10月22日 (水) 00時59分

酒気帯び運転:八尾市、女性係長を減給処分 /大阪
 八尾市は10日、酒気帯び運転をした人権文化ふれあい部の女性係長(43)を減給(10分の1)6カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 市によると、係長は1日午後5時半ごろ、市役所近くの居酒屋で生ビール2杯を飲み、約30分後に店を出て役所の職員駐車場に止めていた乗用車を運転。府道を運転中にパトカーに止められ、酒気帯び運転で検挙された。

 係長は「公務員としてあるまじき行為をした」と反省しているという。同市は「係長という職責をかんがみて、減給の中で最も重い処分とした」としている。【宮地佳那子】

毎日新聞 2008年12月11日 地方版

市長様 
議会議員様
市執行部様
 
どうして減給10分の1・6ヶ月の超激甘い処分にしたのか情報公開をする義務が有りますよね!
これでは飲酒運転を推進することに成ってしまいますね!。
減給なんてふざけるな!
仮に、停職になったら嬉しいのだよ。
酒飲んで車(二輪含む)運転しても首にならず無給だが堂々と休暇を貰えるのだからね!。
酒を飲んで運転したら、懲戒免職が妥当です。
こんな市に税金を払う義務は無いよ。

投稿: 飲酒運転しても大丈夫!首になりませんね。 | 2009年1月 8日 (木) 21時51分

飲酒運転しても大丈夫!首になりませんね。 さん、たびたび以前の記事への訪問ありがとうございます。

しかし、記事本文と関連しないコメントで、さらに同じ内容をコピーで貼り付けるのは好ましい行為とは思えません。ご指摘の内容そのものは非常に厳しいものですが、単なるスパムとも取らざるを得なくなりますので、ご注意ください。

投稿: OTSU | 2009年1月 8日 (木) 22時07分

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