解散・総選挙は間近?!
麻生内閣が先週水曜に発足し、各マスコミの支持率調査の結果が発表されました。軒並み50%に届かず、60%近くだった福田内閣発足時を大きく下回りました。さらに今日、中山国交相が成田空港拡張への反対を「ごね得」などとした一連の問題発言の責任を取り、在職5日という戦後2番目に早い辞任となりました。
麻生政権の出バナをくじかれた情勢となり、ますます衆議院解散・総選挙の時期が予想しづらくなっています。それでも与党内では11月2日投開票の日程で腹を固めている話が公然化し、補正予算に絡む国会審議の動きにも左右されますが、刻一刻と衆議院選挙の時期が近づいていることは間違いありません。
遅くとも11月9日までに行なわれない場合、資金力が不充分な立候補予定者らは強い不満の声をもらすのではないでしょうか。当然、それ以上に国民が早期の解散・総選挙を望んでいることは言うまでもありません。3年前、郵政民営化が最大の争点とされ、「小泉劇場」への一時的な熱情にほだされ、自民党を圧勝させてしまったことを悔やむ国民は少なくないはずです。
直近の民意は昨年の参議院選挙で示されているのにもかかわらず、自民党内での政権「たらい回し」状態には強い憤りを覚えています。今後、麻生首相が自民党の敗北必至とひるみ、1日でも長く総理大臣の椅子に居座り続けるため、解散・総選挙を先送りするような場合、それこそ政権の「私物化」だと厳しく批判せざるを得ません。
麻生政権発足の日、痛みを伴い続ける「構造改革」の立役者だった小泉元首相が政界からの引退を表明しました。引き際の潔さだけは唯一評価できるものと思いかけましたが、選挙地盤(神奈川11区)を次男へ譲るニュースも飛び込んできました。「自民党をぶっ壊す」と言っていた割に結局、小泉元首相も政治を「私物化」している既得権者の一人に過ぎなかったことが露呈したことになります。
さて、一人ひとりが組合へ結集し、その組合一つ一つが自治労へ結集することによって、大きな力となり得ることを前回の記事で書きました。最近の例として、自治労の岡部委員長が舛添厚労相へ直接会って要請書を手渡しました。社会保険庁職員の雇用問題に関する内容でしたが、国会の場で冷静に議論する点など要請の趣旨にそった回答を引き出しています。
その場には自治労協力国会議員団長の仙谷由人衆議院議員も同席しました。このように担当大臣に直談判できる力は、一個人はもちろん、一組合だけでは絶対あり得ない話です。加えて、その組織に一定の政治力がなければ、省庁の対応もお座なりなものとなり、担当課長と会うことも難しいのかも知れません。
ちなみに過去の記事「地公法第36条と政治活動」で記しましたが、地方公務員が所属する労働組合に対して政治的行為を制限する定めはありません。つまり組合が特定の選挙へ向けて、特定の候補者の支持や推薦を決め、組合員へ周知することは組合活動の範囲とされています。これまで法的に問題ないとされた一線を遵守し、私どもの組合も様々な選挙闘争に取り組んできました。
とりわけ市議会の中で、緊密に連携をはかれる推薦議員の存在は非常に重要なものとなっています。労使交渉だけでは到底解決できない政策課題に労働条件の問題が絡んだ際、議会における議論の行方が大きな鍵となります。その推薦議員は議会審議のキャスティングボードを握る民主党系の会派代表であり、いっそう頼もしい存在感を発揮していただいています。
一方で、以前の記事「政治方針確立の難しさ」でも記しましたが、選挙闘争は組合員の不団結の要因となる懸念が付きまといます。しかしながら選挙闘争に取り組む重要さが決して軽視できない中、その意義などを粘り強く組合員の皆さんへ訴え続けることが肝要です。そして、組織としての手続きを経て確立した方針だったとしても、特に選挙闘争は組合員に押し付けるものではなく、丁寧に働きかけることによって理解を求めていくものだと考えています。
この記事の冒頭に紹介した中山国交相の辞任理由の一つとして、「日教組はガン、日教組をぶっ壊せ」という問題発言がありました。「ごね得」と「日本は単一民族」発言は撤回し、陳謝したようですが、日教組に対する暴言は撤回しないまま辞任に至っています。インターネット上にある掲示板などで、日教組と自治労が並んで書き込まれる記事をよく目にしています。
それぞれ完全無欠の団体ではありませんので、反省すべき点が皆無だとは言いません。しかし、歪んだ先入観や事実誤認による批判、価値観の相違による非難の声が多いように感じています。中山発言にはそのような稚拙さもうかがえますが、日教組への暴言に対して自治労の一組合員としても強い怒りを禁じ得ません。
この問題で今朝、フジテレビの「報道2001」に出ていた民主党の鳩山幹事長の発した言葉にも少し驚きました。日教組をガンという発言は「ガンと闘っている人たちに失礼」と述べながら批判していましたが、例えの意味が分かりませんでした。その後のNHK「日曜討論」では「日教組にも失礼」だと付け加えていましたが、本当に憤っているのか疑問に思ってしまいました。
中山発言の問題は今後、日教組の組合員の皆さんの名誉や士気のためにも、日教組本部の奮闘が期待されています。その一つとして、目前に控えた政治決戦に向け、応援している政党の幹事長との意思疎通も欠かせないのではないでしょうか。せめて次のような鳥取県の片山元知事のコメント(読売新聞28日)の趣旨で、鳩山幹事長にも毅然と反論して欲しかったものと思っています。
中山国交相は確信犯的な持論を述べたのだろうが、思慮が足りないと言わざるを得ない。「組合をぶっ壊せ」というのは、労働者の権利を認めた憲法の精神をないがしろにした発言だ。首相は任命責任も問われる。発足したばかりの麻生内閣には大きな痛手となるだろう。
| 固定リンク
| コメント (38)
| トラックバック (1)
その広がりをめざした運動の一環として、チラシ配布や「小さな政府」を考える講演会などに取り組んできました。それに対し、彼女は外部からの支援者数名とともに講演会の会場入口で、「民営化絶対反対!現場の怒りをストライキで示そう」と主張したビラを参加者へ配布する行動に出ました。
配られたチラシには、彼女へ発した警告書に対する筋違いな批判も盛り込まれていました。このような行動は、詳しい経過を知らない参加者の皆さんへ不信感や嫌悪感をもたらすものだったろうと懸念しています。さらに講演会の質疑の際、彼女は「不当な統制処分を受けている」と講演内容とは関係ない話を始めました。
ある程度聞いた上、司会が「講演内容に対する質問に絞ってください」と制し、ようやく取って付けたような質問を付け加えてから席に座りました。このような行為は、講師の方にも参加者の皆さんに対しても、たいへん失礼な話です。ここまで周囲が見えなくなっている彼女には呆れ果てて、怒る気も失せてしまいます。
そもそも行革課題に対して、どのような運動を進めるのかは、私どもの組合が判断することです。その上で、「現場の怒りをストライキで示そう」などと執行委員会の中で、彼女から具体的な提案を受けたことはありません。「この集会に参加しよう!」「この署名を取り組もう!」という提案は日常茶飯事でしたが、他の役員の気持ちを揺さぶる議論を提起された記憶は一切ありませんでした。
本当に恥ずかしく心苦しい話ですが、あまりにも彼女の行動が非常識であるため、このブログでも取り上げざるを得ませんでした。最後に一言、ようやく出づらくなったのか、たまたまなのか分かりませんが、さすがに1泊2日の議案討議に彼女は参加しませんでした。私をはじめ、皆がホッとしたことは言うまでもありません。