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2008年6月 8日 (日)

微熱状態でのコメント欄雑感

小中学校の頃、予防接種を受ける時の問診票には必ず自分の体温を記入する欄がありました。それでも自分自身の平熱をあまり意識しないまま大人になっていたようでした。市役所に入って健康課に所属していた時、電子体温計を大量に購入しました。念のため、係員皆で欠陥品が含まれていないかどうか試してみました。

その際、私の計測値のみ常に35度前後でした。水銀体温計の目盛は35度から始まるため、電子体温計ではないと計測できない34度9分という数字まで示されていました。結局、電子体温計はすべて正常で、私自身の平熱が35度であったことを知る機会となりました。それまで36度台ならば平熱だと思っていましたが、充分熱のある状態だったことを振り返ると苦笑したことを思い出します。coldsweats01

と言う訳で、38度まで熱が上がった先週は仕事まで休むことになり、職場や組合の役職員の皆さんにはご迷惑をおかけしました。月曜の朝には100%体力を回復して出勤できるよう土日は静かに過ごしています。そのような中、先週土曜に投稿した前回記事「橋下知事の人件費削減案」に対し、毎日数多くの方からコメントを寄せていただいています。これまで一つの記事に対する最高は「公務員に組合はいらない?」へ寄せられた87件でした。

その数をすでに上回っていますが、少し傾向が異なっています。「公務員に組合はいらない?」の時は社会保険庁の年金記録漏れに端を発し、感情が先走った批判コメントが目立っていました。いわゆる「炎上」気味になっていることを心配され、ブログの休止をアドバイスくださる常連の方もいらっしゃるほどでした。今回は途中から黙考人さんの主張に対し、数人の方々がハイレベルの議論を重ねる展開となっていました。

大阪府の人件費の問題が国の経済政策のあり方などに広がり、耳慣れない専門用語も散見しながら良い意味で圧倒された一週間でした。博識の方が多いことに目を見張り、自分自身、たいへん勉強になっています。特に黙考人さんの引き出しの多さや広さには感嘆し、様々な問いかけに対する精力的な対応に頭が下がっています。本来、私自身が人勧の調査企業数の問題など答えるべき点も含め、即座に説明いただき非常に恐縮しながらも体調不良の折、たいへん有難く感謝していました。

これまでの傾向から前回のような題材は、火中の栗を拾う面があることを覚悟していました。したがって、手厳しいご意見や問いかけは予想し、そのような声を伺えることも貴重なことだと考えていました。同時にバッシング的な声だけではなく、黙考人さん、あっしまった!さん、Kさんらのようなご意見を伺えたことの意義も大きく、たいへん勇気付けられる機会となっています。

具体的な点として、人件費さんが一環して主張されている情報開示に関しては、まったくその通りだと受けとめています。言うまでもなく「ヤミ」と誤解されるような正すべき襟があった場合、直ちに襟を正していかなければなりません。その上で、賃金水準などが高いか安いかの評価に対しても、幅広い住民の皆さんから納得いただけるような説明責任を果たすべきものと思っています。

大阪府の労使交渉の場面がテレビで、たびたび流されています。また、サラリーマンさんからは“橋下知事へ「府職員も大阪府民やで!人件費カットで誰が笑えるねん!ほんまに大阪がよくなること考えて行動してや!」”というサイトをご紹介いただきました。確かに手取り35万円の職員が「削減されたら生活できない」と訴えても幅広い支持を得られないどころか、そのサイトに寄せられている声のように反発されるものと見ていました。

これまでの収入を前提に設計してきたライフプランが狂い、可処分所得が圧縮される事態を決して軽視するものではありません。しかし、「生活ができなくなる」ような時代掛かったセリフは、今回のような場面においては適切ではなく、空気が読めない言葉だったと思っています。そのような見方は当ブログを続けていることによって、肌身に接してきた一つの感覚でした。

したがって、今回の橋下知事の人件費削減提案は圧倒多数の府民の支持を得て、それに異論を唱える組合側が「抵抗勢力」として位置付けられる構図は避けられないものと思っていました。それでも「はい、分かりました」とは言えない組合側の立場も理解できます。今回の提案に対し、圧倒多数の組合員が納得していないのが見込めるからです。その声を無視し、組合執行部が最初から対立を避けた場合、怒りの矛先が組合執行部に向きかねません。

大阪府の決着が全国に及ぼす影響は大きく、私どもの組合にとっても対岸の火事ではありません。自分が反論する組合側の一人だった場合、Kさんが強調くださっている人材確保の面などを強く訴えることができますが、何よりも問いたいのは職員の思いをどう見ているのかという点です。大阪府の組合執行部も圧倒多数の府民が橋下改革を支持している情勢を踏まえ、最終的には削減案を受け入れざるを得ないはずです。

今後も橋下改革を進める上で、労使交渉の必要な場面が多く、職員一人ひとりの士気や結集力を高めることが求められているのではないでしょうか。そのように考えた時、あえて労使が真っ向から対立する場面を作り出した橋下知事の手法は残念であり、もう少し違った工夫や合意形成をはかる丁寧さが必要だったものと見ています。誤解がないよう申し添えますが、非公開で「談合」的な決着をはかるべきとの主張ではありません。

なぜ、削減が必要なのか、なぜ、その削減率なのか、そのような疑問点などが解消され、納得した上で、職員が一丸となって次のステップに向かえるかどうかは非常に重要なプロセスだったはずです。今回のように橋下知事だけ府政の「救世主」的な持ち上げられ方がされ、職員やその組合を「抵抗勢力」と際立たせた手法は多くの府民からは喝采を浴びましたが、職員の大半と深まった溝の修復には長い時間を要するものと思っています。

前回記事のコメント欄では、無精者さんのように初めてお目に掛かる方もいらっしゃいました。とりわけ地方公務員の働きぶりに対し、たいへん辛口な評価であることが無精者さんのコメント内容からストレートに伝わってきます。逐次反論するのではなく、ご指摘通りの至らない現状は改めていく戒めとする一方、ある意味で誤解されている先入観は拭えるような情報発信力も重要だろうと考えています。とは言え、公務員を代表している訳ではない一地方公務員の決意表明でしか過ぎませんが…。

コメント欄の議論で比重を占めていたテーマの一つとして、労働力も含めた「市場原理主義」に対する価値観が争点化されていたように見ています。私の考え方は過去の記事「公共サービス基本法」や「脱『構造改革』」宣言」で書いたとおりであり、労働力に対しては「労働ダンピング」で記したような問題意識を持っています。より強い者を強くし、結果として全体の底上げをはかるという路線に対して限界や歪みを感じています。

体調不良で安静にしていた時間を使い、与謝野馨前官房長官の『堂々たる政治』を一気に読み終えました。ご存知のとおり政権与党の中でも「上げ潮」路線の是非など、今後の「改革」の進め方についての議論が分かれています。したがって、専門に研究していない一市民の立場から簡単に結論が出せる問題ではなく、要は一人ひとりがどの方向性を支持するのかどうかの問題だと思っています。

このブログへコメントを寄せられる皆さん、本当に博識な方が多く、ご自身の主義主張に自信を持たれている方が多いのも感じています。ここで、お願いがあります。それぞれの方が書物や実体験を通して培ってきた考え方が簡単に変わるものではありません。だからこそ、その考え方は間違っていると詰問調の問いかけよりも「私はこのように考えています」とアピールし、「なるほど」と相手に思わせるような発信の仕方にご協力ください。

管理人の私自身も含め、ブログの世界が実生活に占める割合は数%でしかありません。ブログの影響力や可能性を過小評価するものではありませんが、このブログに関わることで消耗したり、不愉快な思いが残るような議論は避けなくてはなりません。そのためにも謙虚な気持ちで他者の意見に耳を傾け、自分の意に反する内容一つ一つに反証を加えるような議論は極力控えるようにご理解ご協力をお願いします。

まだ微熱状態から抜け切れず、取りとめもない記事となって申し訳ありません。以前から申し上げてありますが、コメント投稿者同士の議論も歓迎しています。したがって、前回記事で盛り上がっていた議論に決して水を差すものではありません。心構えの一つとして受けとめていただければ幸です。また、今回の記事に対しても、もっと踏み込んで具体的な話を問いただしたい箇所や異論を加えたい内容が少なくないかも知れません。

このブログは過去の記事の積み重ねの上に今回記事があるものと考えていますが、一期一会の精神も忘れていません。そして、これからもコメント欄を通した議論も大切にしていくつもりですが、時間的、体力的なペース調整にも注意しながら対応させていただく予定です。即答できない時が増えるかも知れませんが、ブログを続けていく困難さと意義を感じている中、長い目で見ていただければ誠に幸です。

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コメント

不躾ながら、ブログの一読者としての個人的雑感を少し。

まず最初に行政組織法制とか公務員法制に関しては、各地方公共団体(以下「自治体」)毎に、差違があって当然というか無い方が不自然と思うのですが、話題の度に当該自治体の状況を確認する余裕がないので、どうしても国の行政組織法制や公務員法制を基準に考え投稿してしまいます。
そのような訳で、過失によるとはいえ誤った認識による投稿をしてしまった場合には、お手間をお掛け致しますがご指摘をお願い致したく存じます。特に労働法制との関係に於いて、国と自治体では差違が顕著になる部分がありますので。

公務組織の人事・勤務条件などについては、人事院・人事委員会・公平委員会(以下「人事院等」)制度そのものについての議論と、人事院等が十分に機能しているか否かについての議論とは、一定程度切り分ける必要が在るように思います。

加えて何等かの不都合な事象を前提に、行政の責任と立法の責任は切り分けて考える必要があるのではないだろうか?と言うことも考えさせられます。
広義の法令の執行の誤りは行政組織が非難されて然るべきですが、広義の法令に忠実な執行行為の結果生じた事象については立法機関が非難されて然るべきではなかろうかと。
法案・予算案の提出主体が何処であれ、法律や条令として可決したのは立法機関に相違ない訳ですから、立法した責任はあると思えます。最終的に立法機関の構成員である議員が議員である根拠について真剣に考える必要があるのではないかと思います。

ところで、記事でご紹介の与謝野氏の書籍は私も読みました。基本的認識が近い故か比較的楽に読めました。
一方巷間で対極にあるとされる中川氏の書籍も読んでいる途中です。こちらは氏の主張の基礎となる部分から勉強しないといけないので、読み進む時間がありません。(-_-;)
更に、与謝野氏の書籍が新書本である故に、単行本である中川氏の書籍より物理的に読みやすいです。。。(汗)ついつい与謝野氏本を優先して読んでしまいました。

投稿: | 2008年6月 8日 (日) 20時05分

【お詫び】先の2008年6月8日20時05分の投稿は、私ことHNあっしまった!によるものです。不手際お許しください。

投稿: あっしまった! | 2008年6月 8日 (日) 20時06分

あっしまった!さん、おはようございます。コメントありがとうございました。
記事本文で唐突に『堂々たる政治』を紹介しましたが、私自身も共感する内容が多く、読みやすい書籍でした。

投稿: OTSU | 2008年6月 9日 (月) 07時06分

 OTSUさん、お疲れ様でした。
 あれだけの投稿一つ一つに真摯に対応されるのは、本当に頭が下がります。
 いや、多分私だったら「炎上」なんぞせずとも勝手にブログを閉鎖してどこかへ逃げてしまうだろうと思いまして。(本当に。)
 大阪府の財政の問題は基本的に他所の場所の事ですから私自身は黙って見ているしかありません。やはり議会、そして府民の方々がどういう判断を示すかでしょう。ただ、前回も書きましたが、労働組合は、YesにしろNoにしろ、はっきりとした態度を明確に示すべきでしょう。自分たちの職場に直接関わる問題なのですから。(これは大阪府に限らないことですが。)

 ところで、ここから先は意見とかではなく、あくまで個人的な雑感と受け止めて欲しいのですが、実は今日まで大阪に行ってきました。サミット財務大臣会議のための規制云々のポスター等はやたら目立っても、府の財政問題に関わるような事は何一つ目に付かなかったのですが、大阪市営バスの行先の中に「舞州スポーツアイランド」「北港ヨットハーバー」とかってあるのですが、これをみてハッとしました。北京オリンピックの開幕が近づき、世間は聖火だの水着だのと大騒ぎしていますが、今年は世が世なら、大阪でオリンピックが開かれていたかも知れないのです。先の2つの「行先」はひょっとしたらそのオリンピックの会場になる予定だった場所なのではないでしょうか。あの時の招致の主体はもちろん大阪市でしたが、当然府も競技場の整備などで無関係ではなかったはずです。ひょっとしたら、今の府の財政難は、当時のオリンピックの招致運動も微妙に影響しているのかも知れない、そんな事をちょっと思いました。(府の影に隠れているが、大阪市の財政もかなり問題になっています。)さて、東京都はどうなるのでしょうか。

投稿: 菊池 正人 | 2008年6月11日 (水) 19時46分

菊池正人さん、コメントありがとうございます。

前回記事のコメント欄では、幸(?)にも私の出番はほとんどありませんでした。記事本文でも書いたとおり黙考人さんが矢面に立っていただいた展開でした。その上で、とても私自身の力量では、黙考人さんのような精力的な対応ができないものと感じていました。
そのような訳で、以前、どんちびさんから受けたアドバイスを思い起こし、改めてサスティナビリティ(持続可能性)を大切にしていくこととしています。

東京オリンピックの問題は、いろいろな意味で懐疑的に見ています。都民からの盛り上がりは後追いで、超ワンマン知事の独断専行だと当初から思っています。新銀行の二の舞にならないためにも、最終的には選ばれないことが東京のためだと考えています。

投稿: OTSU | 2008年6月11日 (水) 21時46分

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