『実は悲惨な公務員』を読み終えて
新書ブームが続いています。5年ぐらい前までは、年間販売数の上位30位に入る新書はありませんでした。養老孟司著『バカの壁』(新潮新書)が話題になった2004年に4冊が30位以内に入りました。2005年は5冊、新書最多の250万部を出版した藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)が書籍売り上げ総合1位だった2006年は、一挙に10冊と倍増しました。その動きに呼応し、ソフトバンク、幻冬舎、朝日新聞社、扶桑社、アスキーなど、新書市場に参入する会社も増えていました。
書店内のポジショニングも熾烈な争いがあり、入って一番目立つ場所に置かれたい、できれば平積みされたいと作者も出版社側も願っているはずです。それでも新書コーナーの書棚に1冊ずつ並べられているのが圧倒多数の作品だろうと思います。言うまでもなく注目を浴びている売れ筋の本は、黙っていても書店側が平積みし、お客の目に付くように並べるのが一般的な姿です。
最近の記事(脱「構造改革」宣言)へのトラックバックを通し、『実は悲惨な公務員』(光文社新書)という書籍を知りました。その本の作者である山本直治さんからのトラックバックであり、リンク先の「役人廃業ウェプログ Renewals」の記事では、この「公務員のためいき」をご紹介いただいていました。興味深いタイトルであり、ぜひ、購入しようと考えていました。自宅近くの書店に立ち寄った際、新書コーナーの出版社別に並べられた背表紙を目で追っていきましたが、そのタイトルの本は見当たりませんでした。
もっと大きな書店で探すしかないのかなと思い始めた時、視線を下に向けてみれば、『実は悲惨な公務員』が前述したような平積みで置かれていました。作者の山本さんには、たいへん失礼ながら何冊も平積みされて売られているとは想像していませんでした。このような公務員ネタは、マイナーな扱いだろうと勝手な先入観を抱いていたようです。ますますその中味に関心が高まり、読み進めるのが楽しみな一冊となりました。
山本さんは文部科学省のキャリア官僚でしたが、年収減をいとわず人材紹介会社へ転職された方です。日本初の公務員向け転職支援情報サイト「公務員からの転職支援 役人廃業.com」を立ち上げ、『公務員、辞めたらどうする?』(PHP新書)なども著している方です。したがって、役所の内情を詳しく把握された上、かつ民間企業側からの視点でも公務員の実態を語れる貴重な方だと言えます。
その本で山本さんは、マスコミが国民へ伝えている役所像には誤解や幻想もあり、それゆえ高い就職人気を誇る一方、理不尽なバッシングを受けている側面があることを訴えています。今回の著書の中で公務員バッシングの功罪を指摘し、叱咤と激励を使い分けた精度の高い「新時代のお役所バッシング」の必要性を説かれていました。その際、「北風と太陽」という寓話を一つのモチーフとして掲げられていました。
不祥事があるたびに厳しくバッシングする「北風思考」ではなく、役所の特性や論理を理解した上、時には根気よく暖かい目で見守る「太陽」の役割も国民が持つべきと主張されています。また、行政組織の「ガン」を治療するためにバッシングのターゲットを大きくしすぎれば、狙い撃ちすべき不祥事とは関係ない真面目な公務員のやる気にまでダメージを与え、役所組織全体の体力を少しずつ奪う懸念を示されていました。
そして、山本さんは次のように述べられています。「人間が生きていく以上、ゆりかごから墓場まで、どこかで必ずお役所の世話になります。官と民がいがみ合っている世の中は決してよくありません。的外れなお役所(公務員)バッシングを止め、賢いバッシングを実践するのはわれわれにとっても望ましいことなのです」との思いが『実は悲惨な公務員』全体を通して伝わってきました。
その思いを読者と共通理解するための手順として、「お役人の待遇は本当にオイシイのか」「お役所はなぜ税金をムダ遣いするのか」「リスクや責任をとらない理由」などを各章の見出しとし、具体的な実例や資料を掲げながら公務員の実像が分かりやすく紹介されています。たいへん興味深い内容が多く、このブログをお読みいただいている方々へも事細かくお伝えしたいところです。
とは言え、あまり具体的な記述を子細に紹介しすぎると著作権法にも問われかねません。したがって、たいへん恐縮ながらもっと詳しい内容を知りたい方は、やはり実際に購入いただければと思います。冒頭に申し上げたとおり身近な書店で比較的入手しやすい新書であることは間違いありません。最後に一言。このような新書がメジャーな扱いとなって多くの方が目を通されることは、公務員の一人として喜ばしいことだと付け加えさせていただきます。
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コメント
随分久しぶりですが、コメントさせていただきます。
>不祥事があるたびに厳しくバッシングする「北風思考」ではなく、役所の特性や論理を理解した上、時には根気よく暖かい目で見守る「太陽」の役割も国民が持つべきと主張されています。また、行政組織の「ガン」を治療するためにバッシングのターゲットを大きくしすぎれば、狙い撃ちすべき不祥事とは関係ない真面目な公務員のやる気にまでダメージを与え、役所組織全体の体力を少しずつ奪う懸念を示されていました。
この点には異論はありません。お荷物になっている公務員を徹底的に排除すると同時に、真面目に働いている公務員のモチベーションを保つ必要があるのは確かです。バッシング「のみ」では長い目で見てデメリットもある、と思います。
しかし「太陽政策」は、公務員の側の自浄能力があった上でのことだとも思うのです。
つい最近、社会保険庁の自治労ヤミ専従がまたも明らかになりました。社会保険庁という組織が問題視されるようになってどのくらい経ちますか? どうして今になってまだこんな話が出てくるのですか? こうやってバレるまで、自治労は何をしていたのですか? 自治労には自ら病巣をえぐり出そうという意思はないのですか? 今もなお、外部にバレていないがゆえに隠蔽されている部分が少なからずあるのではないですか?
自治労が自分についたホコリを自ら叩こうとする姿勢を明確にしないから、国民が代わりに叩いてやろうとしているという見方はできないでしょうか。
投稿: せっせ | 2008年4月20日 (日) 14時19分
せっせさん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
念のため、誤解がないよう申し添えさせていただきます。山本さんは「太陽」を比喩しましたが、公務員の不祥事などに対するバッシングを全否定している立場の方ではありません。せっせさんも賛同されたような「北風」オンリーでは問題であると主張されている方です。その上で『実は悲惨な公務員』の中で、このような記述がありました。
長年放置された不祥事が発覚すると、事態の処理やバッシングで大変な目にあうのは、以前にその原因を作り出した張本人よりも、それを引き継いだ現在の担当者のほうである。それゆえ、不祥事の存在を知った現在の担当者は、短期的には隠したほうが自分は楽だし、周囲にも迷惑をかけずに済むという誘惑に駆られる。これらは、官公庁特有の現象ではなく、民間企業にも当てはまる。公益通報者保護法といえども万能ではない。現状でお役人に厳格に責任をとらせるようにすると、行政は事なかれ主義に陥る。お役所のリスク感覚は、マスメディアや国民のリスク許容性の映し鏡である。
部分的な紹介では、どうしても誤解を与えかねませんが、山本さんも私自身も「くさいものにフタを」と考えている訳ではありません。ご指摘の「ヤミ専従」問題も同様な構図があるのだろうと思っていますが、だから仕方がないと情状酌量を求めるものでは決してありません。自治労の一組合員として、本当に悩ましく残念なことだと憂慮しています。
投稿: OTSU | 2008年4月20日 (日) 20時16分
こんにちは。初めて投稿します。
このブログは1年以上前からずっと読ませていただいていました。
私は自治労県本部の専従役員を経験し、この4月に公務員を退職して社会保険労務士として独立したものです。山本さんの書籍はこれの前に出版された「公務員、辞めたらどうする?」を読ませていただいています。
公務員を辞めてから、改めて公務職場を俯瞰すれば、やはり民間の高いモチベーションの方と比較したら、ぬるいと言わざるを得ない一方、そうならざるを得ない公務労働・組織・制度の体質・役割があると思います。
だから今のままでいいとも思いませんが、そういう根本的な議論を度外視したところで、「だから公務員は」と一方的で感情な批判には「違うなぁ」と思ったことも事実です。
やはり正確な議論をするには、法的な背景や歴史的経緯を検証することが必要だと思います。
その上で、今の財政赤字や公務職場のぬるさをどのように変革すべきなのかの建設的な議論をすべきなのですが、マスコミも政治もそのようにはならないですねぇ・・・。
これからもよろしくお願いします。
また私のブログをお読みいただき、「元公務員でもこんなやつがいるんだ!?」と共感する部分がおありでしたら、ぜひ相互リンクをお願いします。
「福岡発!いのしし社労士事務所、只今営業中!」
http://ameblo.jp/fukuoka-sr
投稿: 霞雲の介 | 2008年4月21日 (月) 08時15分
私のよく利用する書店では、「公務員の異常な世界」と「実は悲惨な公務員」が、新書コーナーで並んでいました。どちらがより多く読まれているのか興味があるところです。(-_-;)
脱線はここまでにして、ご紹介の本を読了致しました。役所の悪しき部分を「ガン」に例える事の是非は別として、焦点を拡散しすぎる事による組織全体の能力(執行力)の低下の他、問題部分への対応に力を注ぐ必要からただでさえ弱体化する能力(執行力・組織力)の中で早急に対処すべき重要課題へ対応する体力(組織力・執行力)的余裕が無くなることが不幸な事だと考えています。
なぜなら、そのような状況で役所の体力が低下した事がさらなる批判を招き、負の循環を生み、公務組織の中の人や受益者たる国民双方にとって、ズルズルと蟻地獄よろしく不幸な状況が続きかねないと考えるからです。
もはやトンデモ公務員の代名詞となったかのような社会保険庁の職員団体構成員の方ですけど、その行為に対する責任と総括する責任を第一義的に負うのは当該単位組合なのだろうと思います。
旧国費評議会時代は、自治労内部における組織の位置づけ故に本部が一定程度の監督責任を負うという理屈は解らないでもないのですが、自治労に加盟しているというだけで全く関係性の薄い加盟単位組合の構成員や役職者が責められるのも、それは違うのではないかと感じる次第です。
それこそ、旧国費評議会という病巣を責めるために自治労加盟各単位組合全体に焦点をあてるのは、少し違うだろうと、勿論そのような批判を招く結果となった旧国費評議会の責任は官庁の職員団体全体に対しても大きいと思いますけれども。
投稿: あっしっまった! | 2008年4月21日 (月) 15時38分
霞雲の介さん、はじめまして。コメントありがとうございました。
さっそく「福岡発!いのしし社労士事務所、只今営業中!」へおじゃましました。これからも訪問させていただきます。相互リンクの件は大歓迎ですので、早々とリンクさせていただきました。これからもよろしくお願いします。
あっしっまった!さん、コメントありがとうございました。
いつも貴重な論評を寄せていただき、拙ブログの内容の豊富化につながっています。たいへん有難いことだと感謝しています。ぜひ、これからも貴重なコメントをよろしくお願いします。
山本さん、TBありがとうございました。
「あとがきのあと…誤解は解けるか?」を読ませていただきました。その意味で、今回の記事本文で暖かい目で見守る「太陽」との記述は、山本さんの真意を正確につかめていなかったようです。それでもコメント欄のレスで記したとおり「北風」一辺倒では問題である点について、強い問題意識を受けとめたつもりでした。いずれにしても山本さんの真意を充分くみ取れず、たいへん申し訳ありませんでした。
投稿: OTSU | 2008年4月21日 (月) 19時50分
OTSUさんへ
早速のご対応、ありがとうございます!
私の方もリンクさせていただきますね。これからもよろしくお願い
します。
投稿: 霞雲の介 | 2008年4月21日 (月) 20時30分
不祥事が起こるたびに公務員パッシングが起こるのは、普段から公務員への不満が蓄積しているからではないでしょうか?
とろとろした仕事で無駄金使う上に、不祥事まで起こすとはふざけるな。というのが公務員で無い人の意見だと思いますよ。
PS 一種の独占企業でとろとろした仕事がなくなるとは思いませんので、公務員パッシングは無くならないと思います。
投稿: 通りすがり | 2008年4月23日 (水) 01時20分
通りすがりさん、おはようございます。
そのように思っている方々が多いことを当ブログを続けていることで肌身に感じてきました。ただ最近、公務員を一括りに批判することの問題点についても声が上がるようになっています。その一つとして今回の記事を投稿した経緯もあります。
もし再びご訪問され、お時間が許す場合、ぜひ、過去の記事もご覧いただければ幸です。
投稿: OTSU | 2008年4月23日 (水) 07時25分
霞雲の介さん、頑張ってさい。たまには、事務所に立ち寄ってください!
公務員バッシング・・・真摯な指摘もあればいわれなき攻撃もあるかな?といのが率直な感想です。
確かに襟を正さねばならない点は多々あるでしょうし、そのこと自体に自ら気づいてない部分もあるでしょう。他者からの指摘で気づくことがあってしかるべき。問題はその指摘に対していかに対応するかですよね。
バッシングの一言で「どうせいつもの・・・」となってしまっては、改善の余地なしです。
指摘されたことに対して如何に真摯に取り組んでいくか、説明責任を果たすかが問われているのではないでしょうか。
いずれにしても親が望む将来の子供の職業の上位に「公務員」があります。
「安定した職業」という感覚的なものもあるでしょうが、「公共のために働く」という点の評価も影響していると思うのですが?
OTSUさんのご推奨の本を早速買い求めたいと思います。
投稿: shima | 2008年4月23日 (水) 08時23分
shimaさん、コメントありがとうございます。
本日夕方、中野雅至さんの「公務員クビ!論」を購入しました。やはり平積みでした。良くも悪くも「公務員」は注目されているようです。
投稿: OTSU | 2008年4月23日 (水) 23時37分
お返事ありがとうございます。
一括りがどの程度かにもよりますが、例えば、市役所の不祥事であれば、同じ組織なのだし市役所全体が批判されても仕方ないと思います。
誰が、どの部署にいたのかを調べて関係していないか調べるのは無理でしょうし、傍観していた人も非難されるべきだと思いますが、調べられないでしょう?
批判の仕方変えても、潰れない組織が良くなるとは思えませんので、外部委託するなりして人員減らして余計な金はかけないように、して欲しいものです。
投稿: 通りすがり | 2008年4月25日 (金) 01時08分
通りすがりさん、おはようございます。再度のご訪問、ありがとうございました。
ご指摘のとおり同じ市役所の体質や土壌から起きた不祥事に対しては、その市役所の職員全員で重く受けとめなくてはなりません。まったく異なる組織の不祥事に対し、そのたびに公務員総懺悔で、バッシングされる傾向を憂慮しています。
いずれにしも住民の方々から信頼される行政に向けて引き続き努力を続ける一方、先入観や誤解から起こる不信感だけは拭えるような情報発信も大切だと考えています。このブログのプロフィール欄にあるとおりそのことを大きな目的として、2005年の夏から投稿を重ねています。ぜひ、これからもご訪問いただき、率直な疑問やご意見をお寄せくだされば幸です。よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2008年4月25日 (金) 07時04分
お久しぶりです。管理人様^^ようやくここまでたどり着きましたね。養老先生の本もいいですけど、加藤諦三先生の「格差病社会」という本は、今の日本の状況をよく分析なさっている本だと思います。是非一読を^^
投稿: こうじ | 2008年4月26日 (土) 04時49分
こうじさん、おはようございます。
「格差病社会」、興味深い本です。ぜひ、手に入れようと思います。ご紹介ありがとうございました。
投稿: OTSU | 2008年4月26日 (土) 07時24分
完全に主題から脱線するのかもしれませんけれども。
管理人様の4月23日23時37分付コメントでご紹介の「公務員クビ!論」を「実は悲惨な公務員」より前に読んでおりました。
以下はこれら両方の書籍を読んで考えさせられた事なのですけれど。
公務員に対する批判の裏側には、公務員に対する理想像(或いは期待とは願望とか)があると思うのです。
時に過剰と思われる批判の裏側には、過剰な期待が存在しているのではないか?そのような事を考えています。
基本的に戦後の行政は、社会的要求には全て応える姿勢で来ましたし、負担増なく応える事が出来てきました。それが当たり前とされる世情があると感じています。
しかし、これらは戦後の戦後復興・高度成長・人口ボーナスといった稀に見る幸運に支えられた経済状況に由来する税収増などが背景にあった故にできた事と考えてます。
今或いは今後の状況では、従来のようなスタンスは維持不可能と考えられるので、行政(役所)のみならず政治家(議員)としても、出来ることと出来ない事をハッキリさせる必要がある時代に来ていると思っています。
つまり現状では、どのラインの要求を超えれば応答不能な「過剰な期待(実現不能な願望)」になるのか、その辺りを改めて認識する必要がるのではないかと思う次第です。
もう一つ、「行政機関(役所)は本質的に法令の規定を執行する機関であり、即ち法令に無いことは行ってはなわない」という原則を、有権者全員でもう一度確認する必要があると感じています。
よく耳にする「役所はすぐに法令を盾に出来ない理由を探す」的な批判については、それは批判すべき事ではなく「寧ろ正しい事なのだ」と、「役所に何かして貰うには相応の負担を伴うものなのだ」と、改めて理解する必要がある時機に来ていると感じる次第であります。
それにしても不思議なのは、政府(国)や役所(自治体)について不信や批判を口にしながら、公務員になって貰いたい(なりたい)という心理です。
公務員になると言うことは政府や役所に就職する事なので、そんなに信用できないし不満のある組織に就職して欲しい(したい)という心理が、腑に落ちないというか何というか。
投稿: あっしっまった! | 2008年4月27日 (日) 13時26分
あっしっまった!さん、コメントありがとうございました。
このように公務員の立場を冷静に分析いただけると本当にうれしい限りです。また、いろいろ参考になる問題提起も含まれ、今後のブログ記事への議論材料につながればと考えています。
まだ「公務員クビ!論」は読み終えていませんが、機会がありましたら取り上げるつもりです。これからも貴重なご意見ご感想をよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2008年4月27日 (日) 16時10分
このエントリ中「あっしっまった!」名義でのコメントは、私こと「あっしまった!」によるものでした。
このHNの誤りは全くの過失によるもので、全く気づいておらず2度にわたって誤ってしまいお恥ずかしい限りです。
訂正が遅れました事と併せて、管理人様をはじめ皆様にお詫び申し上げます。
投稿: あっしまった! | 2008年5月 4日 (日) 10時24分
あっしまった!さん、おはようございます。
レスに際し、HNをコピーしているため、私も気付いていませんでした。もちろん以前から投稿いただいている「あっしまった!」さんだと受けとめ、お答えしていました。私の方こそ、失礼致しました。
投稿: OTSU | 2008年5月 4日 (日) 10時46分
世の中、今、不況風が蔓延し、非正規社員を容赦なく打ち切りにしたり、前途ある大学生の内定を取り消ししたりと、
非情な理不尽極まりない仕打ちがまかりとおっている。
ところで、不況になると、公務員の人気が高くなる。
その公務員への道だが、大学生や高校生が、晴れて難関の試験に合格しても、残念ながら、定員の関係で、採用枠が
限られており、なかなか採用に至らないのが現実だ。
そこで、この定員というか、採用枠を大幅に拡大する妙案がある。それは、他でもない公務員どおしで結婚した場合は、
どちらか一方が退職するというのを、制度化することだ。
これを、全国で実施したら、それこそ何万人という採用枠が生まれるはずだ。その組合せは、国家公務員のみならず、地方公務員
と国家公務員、教員、警官など、組合せはいろいろだが、とにかく公務員どおしの夫婦は、片方が退職するようにする。
公務員は、世帯に1人とするような規則を設ける。
おそらく、こんなに効果のある、失業対策・雇用対策はないだろう。やはり、一軒の家に、二人も税金で優雅に暮らす人間がいるのは、不公平であり、二人力馬車なんていう言葉もあるとおり、二人合わせて月収60万~80万円は堅いのではないか。たぶん、
世の中の旦那様で、こんな高給取りは、めったにいないと思う。
非正規社員は、今日明日の生活も、ままならない人が一杯いる。大学生も同じく、毎日不安な日々を送っているだろう。
この皆さんを、なんとかしてやりたい。その一心でこの文章を書きました。
以上のように、公務員夫婦は、どちらか一方が、潔く身を引き、内定取り消しされた学生や、非正規社員に道を譲ったらどうか。
そして、幸せは独り占めしないで、ワークシェアリングの精神で、国民皆に、広く公平に幸せを分配したらどうか。
投稿: | 2008年12月28日 (日) 20時17分
2008年12月28日(日)20時17分に投稿された方、その他、古い記事へ連続して投稿されている方と同じ方だと思われますが、このコメント欄を通してお答えします。
実は同じような問題意識でのコメントをいただく時があります。その際にお答えした内容となりますが、2年ほど前、同様な発想を持った市長がいました。大分県日田市で、共働き職員の給料を2年間で2割削減し、共済年金も改悪する条例を定めようと試みました。
それに対し、総務省は「条例の内容が地方公務員法に定める平等取扱いの原則や職務給の原則に反する内容であれば、問題となりうる。当該団体において、地方公務員法等の趣旨に基づき適切に判断するよう、県を通じ助言している」との立場を表明しました。
この助言と合わせ、弁護士からも「100%無理」との指摘を受け、日田市長は条例案の送付を見送ることになりました。やはり「法の下の平等」の問題や男女共同参画を推進する時代の流れの中、冷静に検討した場合、様々な面で無茶な案だったと判断されました。
2008年12月28日(日)20時17分に投稿された方も、一つの議論提起として取り上げているものと思いますが、世帯としての総収入をポイントとするのならば、公務員の共稼ぎだけを対象とするのは公正さを欠くことになります。それこそ配偶者控除など税制の問題につなげるべきものではないでしょうか。
なお、本当に切迫した思いを当ブログを通して訴えられているのかも知れませんが、名前(HNも可)も名乗らず、古い記事へ連続して同じ内容のコメントを重ねられると単なるスパムと受けとめざるを得ません。ぜひ、その点について、ご注意くださるようお願いします。
投稿: OTSU | 2008年12月28日 (日) 20時54分