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2007年12月 8日 (土)

平和憲法と防衛利権問題 Part2

いつものことながら前回記事「平和憲法と防衛利権問題」は長々と書いてしまいました。400字詰め原稿用紙10枚以上の分量だったようです。それぞれ主張したかった内容でしたが、やはり長すぎるとその記事で一番言いたかった論点がぼけてしまいがちです。

とりわけ主題に向けた伏線的な事例だったつもりの「無防備地区」宣言運動に対し、どうでしょうさんやせっせさんから強い異論が加えられました。また、その問題提起に端を発した議論がKEIさんとUnvollendeteさんの間で激しく交わされました。本当に多くの方から貴重なご意見や情報をお寄せいただき、いつも皆さんの博識さに感心しながら感謝しているところです。

このように議論の輪が広がっていくことは、オープンなコメント欄の長所だと思っています。一方で、いみじくも前回記事で「戦争を起こしたくない気持ちは、大半の人たちの共通な願いであるはずです。しかし、具体的な個別の選択肢に対し、各人の答えが分かれることも多くなっています」と書いたような平行線的な議論にも陥りがちです。

前回の記事で、私自身、「無防備地域」の宣言運動に対して賛否があることを伝えています。つまり宣言運動を推奨する意図はありませんでした。戦争に対しても様々な国際ルールがあることの一例として紹介したつもりでした。最も訴えたかったのは、改めて平和憲法を尊重する立場を明確にした上で、巨額な防衛利権にもメスを入れる機会とすべきとの思いでした。

そのように思う背景として、守屋前次官の汚職事件を契機に巨額な防衛利権の闇が注目を浴びています。この問題を追及していけば、そもそも購入する航空機の価格が適正なのか、専守防衛の観点から本当に必要な装備なのか、アメリカから不当な押し付けがあるのかどうかなど、いわゆる「左右」の立場性を横に置いた共通の課題が浮き彫りになるものと考えていました。

当然、一個人のブログが問題提起した程度で、簡単に何か変わるものではないこともわきまえています。それでも今回のテーマに限らず、自分なりの思いを地道に発信していくことで、ほんのわずかでも共感の輪が広がることを願っています。

一方で、KEIさんのように自治労の方針を「お花畑な」左よりの思考だと見ている自治労組合員も少なくないものと思っています。私どもの組合においても同様だろうと受けとめています。その上で私自身の思いは、やはり同じ自治労組合員であるUnvollendeteさんのお考えに近いようです。

過程や手法は多種多様でも、結果は「戦争を起こさない」という目標に向かっていくことが重要だと常々考えています。その考え方に照らし、自治労方針に対しては基本的に賛同できる立場です。自治労に属する組合の役員の立場だから、安易に追従している訳ではありません。参考までに8月の定期大会で確認した自治労方針「平和運動の推進」の中で、自衛隊にかかわる記述内容をご紹介します。

自衛隊の組織、能力および基地は、領空・領海・領土内に限定しつつ段階的な縮小を進めるとともに、現在の自衛隊を密入国、テロ、麻薬対策などを主要な任務とする警備組織と、災害救済・復旧、環境保全組織への再編・改組を求めます。

上記の内容に対しても「自衛隊を容認するものであり、問題である」と異を唱える人たちもいる中、平和憲法を踏まえた決して「お花畑な」方針ではないもの思っています。しかし、その方向性が絶対正しいのかどうか、絶対正しいと思っていても幅広く受け入れられるのかどうか難しさがあることも認識しているつもりです。

そのため、反戦平和の課題は「○○に反対しよう!」とスローガンを押し付けるのではなく、組合員に対して「なぜ、反対しているのか」丁寧に説明していくことが非常に重要だと考えています。このような問題意識を踏まえ、当ブログでも時々、平和運動にかかわる内容の記事も投稿してきました。

言うまでもなく、このブログで議論を交わすことによって、かえって溝が広がっていくのは不本意な話です。安全保障の問題など、簡単に歩み寄りができるようなテーマではないことも承知しています。それでもお互いの立場や視点の相違から対立していくのではなく、相手方の主張にも率直に耳を傾けながら議論していけるのが理想です。

今回、久しぶりに記事タイトルを「Part2」としましたが、当ブログで平和問題を取り上げる理由やその議論のあり方を中心に綴らせていただきました。安全保障に対する踏み込んだ内容に触れることができず、たいへん恐縮です。このテーマは聞き役に回ることが多くなりそうですが、ぜひ、貴重なご意見やご感想をお待ちしています。

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コメント

 OTSUさんの「過程や手法は多種多様でも、結果は「戦争を起こさない」という目標に向かっていくことが重要だと常々考えています。」という思いは誰も同じでしょう。

 食糧自給率は40%を割り込み、エネルギー自給率は依然4%前後(原子力発電を入れても20%、しかも濃縮ウランはすべて輸入)で、レアメタルに至っては正確な自給率を公表すらできない状況下にあって、どうして戦争ができるのですか。

 アメリカ・中国が食糧の日本への禁輸措置をとれば半年保たないでしょうし、中国がレアメタルの禁輸を実行すれば、日本の自動車産業も含め、ハイテク関連業種は即干上がるでしょう。
 エネルギーリスクも最近の原油の高騰に対して、日本が価格コントロールできる余地などほとんどないのを見れば誰だってその脅威は理解できることです。

 だからと言って、アメリカも中国も一筋縄でいくような相手ではありませんから「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して『平和憲法』を尊重する立場を明確にする」だけで戦争が回避できるほど安易なものではないと思っています。

 最近、数年前に中国の高官の「○○年には日本という国は地球上から消滅する」といった言葉を思い出します。

 どうなるんでしょうね?
 

投稿: ニン麻呂 | 2007年12月10日 (月) 01時35分

突然恐れ入ります。
このような用件で、ここに書き込んでいいのか迷ったのですが、お許しください。
ある自治体向け雑誌の編集をしておりますが、ぜひ、
本ブログについてご紹介させていただきたく、書き込みさせていただきました。
詳細について、ご説明・ご相談させていただければありがたく存じます。
恐れ入りますが、ご連絡方法をお知らせいただくわけにはまいりませんでしょうか?
お手間をかけますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

投稿: 田中 | 2007年12月10日 (月) 03時03分

ニン麻呂さん、おはようございます。
いつも幅広い視点からのご意見ありがとうございます。このご意見に触発されて思ったことですが、これだけグローバル化が進む中、「国益」という概念も良い意味で変わっていくことを願いたいものです。

投稿: OTSU | 2007年12月10日 (月) 08時14分

田中さん、はじめまして。おはようございます。
ご紹介の話、たいへん光栄です。ありがとうございます。
もともと当ブログは一人でも多くの方にご覧いただけることを願っています。したがって、URLなどの紹介はご自由に行なっていただいて問題ありません。
なお、できればプロフィール欄などで公表している内容にとどめていただけるようよろしくお願いします。それ以上の説明が必要な場合は、このコメント欄で結構ですので改めてご連絡ください。

投稿: OTSU | 2007年12月10日 (月) 08時25分

連日恐れ入ります。
昨日ご連絡差し上げました田中です。
レスありがとうございました。
できましたら、直接お話を伺った上で、
記事をまとめたいと希望しております。
もちろん、記事掲載前に、ご確認いただきたいと
考えております。
ぜひ、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 田中 | 2007年12月10日 (月) 22時21分

田中さん、了解しました。
どこまで協力できるか分かりませんが、問い合わせは次のメールアドレスまでお願いします。
fwpb0830@mb.infoweb.ne.jp

投稿: OTSU | 2007年12月10日 (月) 23時56分

前エントリのコメントで最後に書いたとおり、引き続きこちらでもコメントを書きたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

>そもそも購入する航空機の価格が適正なのか、専守防衛の観点から本当に必要な装備なのか、アメリカから不当な押し付けがあるのかどうかなど、いわゆる「左右」の立場性を横に置いた共通の課題が浮き彫りになるものと考えていました。
横に置くどころか「左右」の立場性がモロに出てくる問題ではないかと思います。

○購入する航空機の価格が適正なのか?
軍事的にド素人である我々一般市民には、軍備の適正量や適正価格を論じる術がありません。
(おそらくどの国においても軍事機密でしょうから、調べるのも無理でしょう)
ゆえに、「適正」は各々の個人的な感覚(つまり「左右」)に大きく影響されると思います。
前エントリにおけるどんちびさんの指摘
>その内容を精査した結果、きわめて妥当、あるいは、かえって不足でもあるかもしれない、
>ということが判明した場合、削れ削れと叫んでいる方々は、どのように釈明するのでしょうか。
はそういうことを示しているのではないか、と僕は解釈しています。

○専守防衛の観点から本当に必要な装備なのか?
まず、「専守防衛」自体が本当に正しいのかどうか?と言う所に議論の余地があると思います。要するに改憲の議論ですね。
(「下手に手を出すと手ひどく反撃されかねない」と思わせることで侵略を防ぐためには、「侵略できる」装備が必要です。無論、「侵略する」必要は全くありません。)

○アメリカから不当な押し付けがあるのかどうか?
これはアメリカの存在意義をどう考えるかによります。「日米同盟を強化することにより、他国からの侵略を防ぐ」と言う考え方を持つ人にとっては「不当な」「押し付け」などではなくなります。

・・・ところで、長いことスルーしていたこの話へのコメントを考えてみて思ったのですが、
「防衛利権の闇」と言っても共通認識にできるのは汚職が許されないと言うことだけで、「軍備自体の是非」などは全く関係のない事柄なのではないでしょうか?


>自衛隊の組織、能力および基地は、領空・領海・領土内に限定しつつ段階的な縮小を進めるとともに、現在の自衛隊を密入国、テロ、麻薬対策などを主要な任務とする警備組織と、災害救済・復旧、環境保全組織への再編・改組を求めます。
再編・改組先に根本的な主目的である「国防」が抜け落ちているのですが、これはただ省略しているだけですか?
あと、前者は警察の、後者は消防の本来業務だと思うのですが、それをわざわざ任務としてとり入れる意味は何かあるのですか?

それでは。

P.S.

>このご意見に触発されて思ったことですが、これだけグローバル化が進む中、「国益」という概念も良い意味で変わっていくことを願いたいものです。
横レスで申し訳ないのですが、質問させてください。
言わんとしていることがサッパリ分かりません。もしよろしければ、
1.「国益」の概念がどのように変わっていくことを願っているのか
2.「国益」の概念の現状はどのようなものなのか
3.このレスはどう触発されたもので、どのような意図があるのか
あたりを中心に解説していただけないでしょうか?

投稿: KEI | 2007年12月12日 (水) 21時42分

KEIさん、おはようございます。
すべて私へのご質問ですので、お答えさせていただく予定です。ただ申し訳ありませんか、短い時間でレスするには難しいものばかりです。今週は夜もすべて遅くなる予定で、土曜日頃になると思いますが、ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2007年12月13日 (木) 06時54分

KEIさん、返事が遅れて申し訳ありませんでした。

まず1点目の質問ですが、確かに適正なのかどうか判断する情報が不足する限界は承知しています。それでも多くの国民が今回提起したような視点に立つことにより、政府も重い腰を上げざるを得ないはずです。思いやり予算3年間で8億円削減の合意なども今までとは異なる動きだと感じています。

2点目は根幹的な議論につながる問題だろうと認識しています。外交交渉の延長線上に武力による威嚇もカードの一つとして考えるのかどうかなのかも知れません。しかしながら日本国憲法も国連憲章も「侵略戦争」を禁止しています。当然、KEIさんも「侵略戦争」を否定されている上での発言ですが、他国に脅威を感じさせる「攻めるための装備」は現行憲法に照らし合わせれば問題であり、不要だと思っています。

3点目に対する見解もご指摘のとおり個人差が出るものと考えていますが、石破防衛相もアメリカが示している在日米軍の移転経費は「高い」と言い切っています。思いやり予算も象徴的ですが、他国に比べて在日米軍の駐留経費が全体的に高いことも事実です。憲法の制約があり、日本の特殊事情と見るのか、この点の評価も分かれるのかも知れません。また、本当にアメリカの核の傘に守られているのか、アメリカに従属しているためテロの標的にされていると見るのか、様々な見方もあるはずです。

最後に「国益」へのご質問です。資源などを他国に依存している日本が戦争など起こせないという考え方に対し、戦争が起こってしまえばグローバルな商売は成り立たないという発想でした。国民の生活を豊かにするためには経済面を重視する必要があります。健全な通商関係を維持するためには良好な国際関係が不可欠です。このような視点での「国益」重視を望ましいものと考え、短い一言に託したつもりでした。

私の表現力の拙さやお互いの立場の相違などから充分なお答えになったのかどうか自信ありません。加えて安全保障の問題に詳しい知識がある訳ではなく、KEIさんのレベルにかみ合わない面が多くあり、たいへん恐縮しています。しかし、いつも述べている話ですが、多様なご意見や考え方に触れられるのがコメント欄の利点だと考えています。かみ合わない議論に歯がゆさを感じられることと思いますが、よろしければ今後も気軽に貴重なご意見のコメントをお寄せください。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2007年12月15日 (土) 12時19分

 久し振りで申し訳ありませんでした。
 防衛省云々の話は置いておきます。憲法の話が出てきていますので、最近の「護憲」運動全般についての率直な私の考え、意見を聞いていただけますでしょうか。ひょっとしたら、OTSUさんなどと根本的に考えが合わないかもしれず、あるいは真剣に護憲運動に携わる人に失礼にならないか、不安はあるのですが。

 最初にはっきりお断りしておきます。
 私は憲法の改定-良いか悪いか私の頭でははわからないからこう表現させていただきます-は望んでいませんし、ましてや戦争・テロなどは絶対反対です。
 ですが昨今、やたら「9条」だけ切り取って憲法を守ろうとか、「9条の精神を世界に広めよう」とか、「憲法9条の会」とかいうものの存在とか聞くと、正直な話、「そうじゃないだろう」と思ってしまうのです。「9条を守るために運動に加わってくれよ。」と頼まれても、多分引いてしまうでしょう。純粋な平和運動ではなく、何だか宗教めいて聞こえてしまうからです。
 制定までの経緯や、法そのものの重さはどうあれ、日本国憲法が人の手によって作られた決まり事に過ぎないのは間違いないです。それをキリストやアラーのように神の如くあがめるのはあきらかに変です。それ以前に、9条だけが日本国憲法なのでしょうか?日本国憲法は全部で103条まであり、その中には9条に負けずとも劣らぬ重要な条文はいくらでもあるはずです。なのに、なぜ9条だけ切り取って大声を上げるのか?私はひねくれ者だから、護憲論者の叫びを聞けば聞くほど、何か作為があるのではと勘ぐってしまうのです。

 繰り返しになりますが、私は改憲に賛成しません。国民投票になったら「反対」に一票を投じます。もちろん戦争・テロは絶対反対です。しかし、だからこそ今の護憲運動のあり方には一抹の不安を感じるのです。一部の左派政党、識者、ジャーナリストなど、世論を誘導しようとする立場の人たちだけが上から9条だけ切り取って、それを振りかざして叫ぶ事が、今の言葉が軽い日本においては、かえって世論の人々に軽薄に聞こえてしまうのではないかと(特に若い人に)。何か自滅的な危うさを内包してしまっている気がします。
 こんな事を考える私は「軍国主義者」として糾弾される事になるのでしょうか?正直真剣に悩んでいます。

 昨日、佐世保で銃の乱射事件があり、2人の方が亡くなりました。外国ではアメリカばかりか、なんとあのフィンランドの学校でも銃乱射事件が起きたそうです。もはや国家がからむ戦争・テロだけが人々の平和を脅かすものではありません。
 これは反戦、というレベルに限らないです。そろそろ地球に住む全ての人、一人一人の心の奥底から、平和な暮らし、世界を望む心が湧き出て、それが誰の手も借りずに自然発生的なパワーにならないと、どんな美しい言葉で決まり事を作っても、世の中を変える事はできないのではないでしょうか?

 今日も言いたかった事の半分も言えなかった気がします。すみませんでした。

投稿: 菊池 正人 | 2007年12月15日 (土) 20時19分

菊池正人さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
菊池さんの問題意識、充分伝わってきます。ある意味で私も同様な思いがあり、あえて当ブログで平和の問題なども発信しています。特に組合が進める反戦平和を願う活動に対し、イデオロギーやセクト的な見られ方は避けたいものと思っています。
いずれにしても大半の人たちに共通する平和を願う純粋な気持ちをどのように結実させるかが大事な視点だろうと考えているところです。

投稿: OTSU | 2007年12月15日 (土) 20時34分

OTSUさん、丁寧なお返事をありがとうございます。
また気になったことを書かせていただきます。

>外交交渉の延長線上に武力による威嚇もカードの一つとして考えるのかどうかなのかも知れません。
>他国に脅威を感じさせる「攻めるための装備」は現行憲法に照らし合わせれば問題であり、不要だと思っています。
脅威を感じさせられない「威嚇」に何の意味があるのでしょうか?それこそ税金の無駄遣いなのではないかと思うのですが。

>本当にアメリカの核の傘に守られているのか、アメリカに従属しているためテロの標的にされていると見るのか、様々な見方もあるはずです。
核の傘については、外交交渉において戦争や核をちらつかせた強気な要求を受けずに済んでいる現状を考えれば、有効に機能していると思えます。
また、そもそも本当にテロの標的にされているのかと言う疑問があります。日本では大きな事件は起こっていないし、イスラム圏では無差別的に狙われているようです。(イラク戦争に大反対していたフランス人も狙われたらしいですね)

>最後に「国益」へのご質問です。
ご回答ありがとうございます。おかげで何が「サッパリ」だったのかが少し見えてきました。
よろしければ追加質問をさせていただきたいのですが。
>国民の生活を豊かにするためには経済面を重視する必要があります。健全な通商関係を維持するためには良好な国際関係が不可欠です。
それは今政府が取っている方針と、どこがどう違うのですか?

それでは。

投稿: KEI | 2007年12月17日 (月) 23時51分

KEIさん、おはようございます。

装備にも種類があるものと思っています。簡単に攻め入れない防御を重視した装備と攻めることを前提とした装備は異なるものと考えています。

今のところ幸にも国際テロによる悲惨な事件は起きていません。しかし、2005年にアルカイダから「標的に日本も」と厳重警戒警告が発せられたとの話を忘れてはならないものと思っています。

「国益」の件では、確かに今の日本が良好な国際関係に配慮しながら経済面を重視していることはその通りです。私が言いたかった点として、専軍政治を掲げた北朝鮮の実態などを念頭に置いたものでした。極端すぎる例示だったかも知れませんが、対中外交なども敵対視していくのか、善隣友好関係を重視していくのか、大事な論点だと考えています。

出勤前の短い時間に取り急ぎレスさせていただき、不充分な点も多々あるかも知れませんがご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2007年12月18日 (火) 07時37分

>装備にも種類があるものと思っています。簡単に攻め入れない防御を重視した装備と攻めることを前提とした装備は異なるものと考えています。
前エントリでイージス艦が侵略兵器みたいな扱いを受けているのを見るに「どーだか」と思ってしまいます。

>2005年にアルカイダから「標的に日本も」と厳重警戒警告が発せられたとの話を忘れてはならないものと思っています。
そう言われてから2年が経とうとしているってことですよね?(その割にはセキュリティは甘いみたいですが。高松空港では侵入事件が起こるし、外国人から指紋を採るようになったのもつい最近のことですし)
結局の所、アルカイダには「日本にテロを仕掛ける暇もなければ大義もない」のではないか、と僕は思っています。イラクにおける自衛隊の復興支援はイラク市民の方々には好評を得ていて、そういった人たちの支持を失うことはアルカイダとしても避けたいはずだと思うわけです。

当然油断は禁物であり、これからもセキュリティ強化に努めていくべきだと思いますが、「自衛隊がアメリカ追随だからテロに遭うんだ」などという眉唾物の言論を信じる気にはとてもなりません。

>対中外交なども敵対視していくのか、善隣友好関係を重視していくのか、大事な論点だと考えています。
前エントリで組合交渉を引き合いに出して外交について書きましたが、宥和一辺倒というのは良い方針とは言えないと思います。無論敵対一辺倒でもダメでバランスが大事なのですが、今の政府方針はむしろ宥和側に寄っている印象があります。
政府高官が「○○年には日本という国は地球上から消滅する」と言うような国を相手にする以上、もう少し毅然とした対応をとってくれてもいいとは思うんですけどねえ・・・

投稿: KEI | 2007年12月20日 (木) 01時35分

KEIさん、コメントありがとうございました。今回は直接的なお尋ねではないかも知れませんが、何点か私なりの感想を述べさせていただきます。

先日のイージス艦からのミサイル迎撃実験だけとらえれば、防御を重視した兵器に位置付けられることは確かです。ただ今回の実験は成功を目的としたプロモーションであることも間違いありません。あらかじめ目標となるミサイルの発射地点や発射時間、飛行方向などのデータが完璧に把握された上で命中させています。やはり最も高価なイージス艦をもっともっと日本に買って欲しいアメリカの思惑は決して否定できないはずです。

また、組合交渉を引き合いに出されていますが、気になった点があります。ご存知のとおり外交交渉を優位に進めるための武力による威圧、つまり先制攻撃となる戦争は現在の国際法上禁止されています。当然、交渉には押す引くがあり、引くばかりでは問題だろうと考えています。そのことと外交の延長線上に武力というカードを持つという意味合いは、まったく異なるものと思っています。残念ながら身勝手な超大国や国連の機能面の問題など、遵守されるべき国際ルールが今一つ充分ではない点も見受けられています。しかし、平和憲法を持つ日本だからこそ、その国際社会の理想的な姿へ懸命に努力すべきものと考え、最近のブログ記事も綴ってきたつもりでした。

たいへん恐縮ながらKEIさんと私の思いの溝は簡単には埋まらないのかも知れません。それでも当ブログのコメント欄などを通し、これからも対話できることが貴重だと思っています。したがって、あまり結論を急がず、穏やかな意見交換を今後もお願いします。

投稿: OTSU | 2007年12月20日 (木) 20時45分

>ただ今回の実験は成功を目的としたプロモーションであることも間違いありません。
プロモーションの一面があることは否定しませんが、それが主目的であるとするのはどうかと思います。
曲がりなりにも日本政府はミサイル防衛構想に命運を預けています。本番で成功しなければ破滅だと言うことは自明なのに、その「実験」を適当にやれるはずがないのです。

>あらかじめ目標となるミサイルの発射地点や発射時間、飛行方向などのデータが完璧に把握された上で命中させています。
ソースを希望します。新聞記事を読む限りにおいては、
イージス艦(+オプションの偵察衛星)が「目標となるミサイルの発射地点や発射時間、飛行方向などのデータ」を「完璧に把握」する
ようなのですが?

>やはり最も高価なイージス艦をもっともっと日本に買って欲しいアメリカの思惑は決して否定できないはずです。
すでに4隻導入している手前、簡単には予算もおりないと思いますが?(どうも4隻では必要最低限の域を出ないらしいのですが)


>ご存知のとおり外交交渉を優位に進めるための武力による威圧、つまり先制攻撃となる戦争は現在の国際法上禁止されています。
日本の外交方針の話へのレスだと思うのですが、この1文を挿入する意図はなんですか?専守防衛を国是としている以上、こちらから侵略することはありえないのですが。

>そのことと外交の延長線上に武力というカードを持つという意味合いは、まったく異なるものと思っています。
隣国は「武力というカード」を切ってくる国ばっかりですけどね。
ガス田を試掘しようとすれば軍艦を出すなどという中国に、北方領土沖で漁船を拿捕するロシアに、竹島を占拠する韓国に、そして拉致に核に何でもありの北朝鮮に・・・

>平和憲法を持つ日本だからこそ、その国際社会の理想的な姿へ懸命に努力すべきものと考え、
この「だからこそ」の意味が正直良く分かりません。菊池 正人さんへのレスを見る限り、平和憲法自体にそんな神通力があるわけではないことは理解されていると思うのですが・・・
さて、「理想的な姿」とは「各国が国際ルールを遵守してくれる社会」を指していると思うのですが、それを遵守してもらうために日本はどのような交渉材料を用意できるとお考えなのですか?

それでは。長いこと引っ張ってしまってすみません。

投稿: KEI | 2007年12月22日 (土) 02時21分

KEIさん、おはようございます。相互リンクさせていただいている「ド素人の政治・経済Q&Q」でも同様な趣旨のKEIさんのコメントを目にしましたので、私のレスに対しても同じような反応があるのだろうと思っていました。

「成功を目的とした…」は数多くのブログやサイトで知り得たものです。ネットでの情報が必ずしも正確ではないものもありますが、新聞やテレビがすべての情報を報道しているのかどうかは疑問を持つように心がけています。「発射地点や…」の言葉は元朝日新聞記者の田岡俊次さんが発せられたものでした。 田岡さんは「北朝鮮・中国はどれだけ恐いか(朝日新書、2007年)」などの著書がある方です。

実験やイージス艦への評価は視点や立場性の違いから平行線にたどりがちですので、前回のコメントの最後に書いたとおり結論を急がず、このブログを見守っていってください。

「宥和一辺倒というのは良い方針とは言えない」とのご意見に対し、「先制攻撃となる戦争は現在の国際法上禁止」と書かせていただきました。その点が共通認識だとするのならば、隣国は「武力というカード」を切ってくる国ばかりの状態を国際社会の枠組みの中で改めさせていく方法しかありません。

私の菊池正人さんへのレスに対し、そのように受けとめられたことも反省しています。私自身の表現力の拙さ、歯切れの悪さ、やはり加えてKEIさんの「正解」と私の描く「正解」が違うために生じる誤解なのかも知れません。突き詰めていけば「正解」は一つとなるのかも知れませんが、ぜひ、過程において「答え」は複数あることも認め合っていくことが必要だと考えています。

また抽象的なレスとなって恐縮です。続いて「日本はどのような交渉材料を…」とのお尋ねですが、一例を示せば、アメリカのイラク戦争を即支持するような姿勢は誤りだったと思っています。もっとアメリカにブレーキをかけられる対等な2国間の関係を築き、国際社会の中で信頼されるポジションとして日本が立ち回れることを理想だと思っています。

この点も日米関係に対する見方によって、まったく意見が分かれ、非現実的な妄想だと揶揄されるかも知れません。不愉快に思われた方は一笑に付していただき、少しでも一人でも共感を得られる方が広がることを願いながら地道に今後も発信していくつもりです。最後に一言、KEIさんへのレスを利用し、長々と個人的な思いを綴らせていただき、たいへん申し訳ありませんでした。

投稿: OTSU | 2007年12月22日 (土) 09時18分

>突き詰めていけば「正解」は一つとなるのかも知れませんが、ぜひ、過程において「答え」は複数あることも認め合っていくことが必要だと考えています。
正直な話、僕にとってはこの手の話の「正解」と言うものがどういうものなのかは、今のところ良く分かりません。ただ、OTSUさんたちの提示している「答え」に導くロジックがあまりに胡散臭いので、ツッコミを入れているに過ぎないんです。

・・・そんなわけで、もう少しツッコミを入れてしまいます。本当に申し訳ないです。

>私の菊池正人さんへのレスに対し、そのように受けとめられたことも反省しています。
答えになっていない気がするのですが。「だからこそ」の意味が何なのかについても結局ふれられていないし、どのような「誤解」が生じていると考えているのかの指摘もないしで、
「本当に平和憲法に神通力があると思っているのではないか?」と言う疑問すら湧いてきてしまいます。

>アメリカのイラク戦争を即支持するような姿勢は誤りだったと思っています。
>もっとアメリカにブレーキをかけられる対等な2国間の関係を築き、
1.あの時アメリカに対して不支持を表明したらそれこそ敵対行為と取られかねないのですが、そんなアメリカをどう納得させるつもりなのですか?
2.それが交渉材料になるとするならば、近隣諸国は日本にどのような恩義を感じてくれるのでしょうか?どうも「離間策が成功したこと」と言う観点からしか喜ばれないように思えるのですが。

>国際社会の中で信頼されるポジションとして日本が立ち回れることを理想だと思っています。
国際的な取り決めで分担していたインド洋の給油事業を強制終了してしまったことで信頼がガタガタになってしまったと言う話を聞くのですが、その辺はどうなのでしょうか?

投稿: KEI | 2007年12月26日 (水) 02時30分

KEIさん、おはようございます。

平和憲法に「神通力」などとのとらえ方はしませんが、「絶対大事にすべき」と考えています。それがそのように伝えられなかったことがKEIさんに与えた「誤解」でした。

「だからこそ」には文字通り日本国憲法の平和主義を貫いた外交に徹してほしいとの願いをこめています。

以上の点を補足し、その他についてはKEIさんの求める考えと相反する内容を繰り返し述べるだけになります。つまり価値観や評価の問題となります。そのような問題に対する議論の貴重さを否定するものではありませんが、お互い納得し合える到達点に向けては、たいへん時間がかかるものと思っています。

したがって、以前のレスで記した下記内容を改めてコピーさせていただきました。たいへん雑駁なレスで申し訳ありませんが、よろしくご理解ください。

たいへん恐縮ながらKEIさんと私の思いの溝は簡単には埋まらないのかも知れません。それでも当ブログのコメント欄などを通し、これからも対話できることが貴重だと思っています。したがって、あまり結論を急がず、穏やかな意見交換を今後もお願いします。

投稿: OTSU | 2007年12月26日 (水) 08時05分

ROM時代からずっと思っていることなのですが、「やっぱりOTSUさんは論戦を沈静化するのがウマイなあ・・・」としみじみ思うKEIです。

ただ、到底納得できるものではないので、余地がある限り食いついてみようかと思います。

>その他についてはKEIさんの求める考えと相反する内容を繰り返し述べるだけになります。つまり価値観や評価の問題となります。
「イラク戦争への支持の是非」への反論を、これで片付けてしまうのはどうかと思います。日本外交の理想形の例示として述べた文だったのですから、議論の根幹を成すはずなのですが。
と言うわけで、改めてもう一度質問いたします。
1.不支持を表明することが、「国際社会の中で信頼されるポジションとして日本が立ち回れること」にどう繋がるのか?
2.不支持を表明することはアメリカへの敵対行為ではないか?
2A.敵対行為であるならば、「平和主義を貫いた外交」とは到底言えないのではないか?
2B.敵対行為でなく、あくまで「毅然とした対応」とするならば、なぜ現在の対中外交について「専軍政治を掲げた北朝鮮の実態などを念頭に置い」てまで敵対視と非難するのか?

P.S.

>あまり結論を急がず、穏やかな意見交換を今後もお願いします。
何故このように取られているのかよく分かりませんが、僕には結論を急ぐ気など毛頭ありません。(むしろOTSUさんが「平行線である」という結論に持って行こうと急いでいるようにすら見えます。)
・・・と言うか、OTSUさんの求める「正解」へ導く「具体論」を聞いた覚えが一切無いのですが。ありましたら、「過去ログ読め」でも良いので教えてくださるとありがたいです。

投稿: KEI | 2007年12月28日 (金) 01時21分

KEIさん、おはようございます。今朝は少し早起きしましたので、改めてご質問に対して私なりの考え方を述べさせていただきます。

1について、国連が認めていないまま強引に仕掛けたイラク戦争であると私はとらえています。このとらえ方は単に個人的なものではなく、国際社会の中でも常識的な見方となっているはずです。また、結果的に大量破壊兵器はありませんでした。したがって、開戦時に仏独のように不支持を表明することが公正で、見識ある判断だったと考えています。そのまったく逆の行動を取った日本が国際社会の中で信頼されるポジションとして立ち回れるのでしょうか。要するにアメリカの茶坊主に過ぎず、親分が「カラスは白」と言えば、白だと考える程度の対米従属を印象付けた事例だったと見ています。

2について、アメリカ自身、イラク戦争の是非に対する自信が揺らぎ始めています。頭に血が上っている友人をたしなめ、違法な行為を止めてあげるのが真の友人だったのではないでしょうか。パートナーのためを思い体を張って、時にはブレーキ役になることが決して敵対行為だとは考えていません。このことが2Aの答えともなります。

2Bについて、小泉元首相が辞めてから対中関係は修復されているようです。確かに中国もチベットの問題など、もっと国際社会が注視すべき課題が少なくありません。中国が正すべき課題の解決に向け、中国を敵対視していくのか、孤立させず修復させていくのかの判断だろうと思っています。

P.Sについて、以上の私の見解について「日米同盟」に対する価値観や現実的な力関係などへの評価の違いによって、違和感を抱かれる方が多いだろうと認識しています。KEIさんもその一人ではないでしょうか。「結論を急がず」とお願いしているのは、お互いある程度の時間を置いて、前提となる価値観などが歩み寄らない限り「議論のための議論」になりつつあるものと危惧しています。今回のレスに関してもKEIさんから見れば、数多くの突っ込み所があるのではないでしょうか。

最後に具体論のお尋ねですが、様々な事例に対して個人的な見解を当ブログで示しています。例えば防衛庁の省昇格反対、集団的自衛権の行使は問題、それぞれ平和憲法を持つ日本は「特殊」であることが当たり前だと考え、「普通の民主主義国家」という言葉に距離を感じているからでした。KEIさんのお求めの具体論のレベルとは異なるのかも知れませんが…。

投稿: OTSU | 2007年12月28日 (金) 06時22分

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