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2007年9月 2日 (日)

逆風を謙虚に受けとめながら200回

このブログ「公務員のためいき」を始めてから前々回記事「市長選に向けた組合の対応」で丸2年が過ぎたことを記しました。1年目を過ぎた時の記事が「ブログ開設から一年、されど靖国神社」でした。それぞれのタイトル名が示すとおり特にメモリアルな記事の内容としていません。感慨深いところも多少ある節目ですが、仮に記事の投稿を重ねなくても年月は過ぎていきます。したがって、あまり開設何年を重視しても意味が薄いものと考えています。

一方、投稿した記事の数は自分自身の労力を惜しみ出したり、続けていく熱意が冷めてしまった場合、停滞してしまう数字です。記事の投稿数は管理画面で一目で分かるようになっていますが、実は100回目の時、気付くのが遅れていました。そのため、100回超えを記念し、「多くの方に支えられながら101回」という少し間が抜けた記事を2006年3月に書き込んでいました。

今回、まぎれもなく(?)次の大きな節目だった200回目を迎えています。訪問されている方々にとって、この記事が何回目だろうと関係ないことは重々承知しています。それでも今回のタイミングを利用し、当ブログがどのような性格のものなのか改めてお伝えさせていただくことにしました。特に最近は週1回の投稿ペースとなっているため、300回目は2年ほど先になる計算であり、今回のような節目は希少な機会であると考えました。

以前から訪れている方には聞き飽きた内容も多いかも知れませんが、よろしかったら最後までお付き合いください。まず右サイドバーから入れるプロフィールでも記していますが、ハンドルネームをOTSUとしている管理人である私は東京西部に位置する市役所に勤めている地方公務員です。この4月に職場を異動し、現在、徴税吏員として税金の収納業務に携わっています。また、市職員労働組合の執行委員長を務めています。

かなり前の記事「このブログを始めたイキサツ」で書きましたが、NHKと朝日新聞の「従軍慰安婦」関連番組への政治介入問題に絡む対立が当ブログ開設の一つの切っかけでした。真実は一つでも、どちら側からの報道に接するかによって善悪の印象がガラリと変わってしまいました。ちょうど世の中は大阪市役所の厚遇問題などで、公務員への厳しい視線や声が強まっていた頃でした。

当然、公務員やその組合側も改めるべき点は即座に改める必要があります。しかし、労使交渉で積み上げてきた内容がオールorナッシングで批判されていく動きには理不尽さを感じていました。NHK対朝日新聞の例を踏まえ、主張すべきことは主張する必要性を強く感じていた時、誰でも簡単にインターネット上で意見を発信できるブログと出会いました。2005年8月、郵政民営化法案が参議院で否決され、小泉前首相が衆議院を解散した直後のことでした。

あくまでも個人の責任によるブログですが、私どもの組合員へは何回か組合機関誌などで宣伝してきました。不特定多数の方々へ公務員組合側の言い分を発信するとともに、一人でも多くの組合員の皆さんにも読んでもらいたいと思いながら投稿してきています。つまり組合活動を身近に感じてもらうための一つの試みとしても位置付けていました。

二兎を追うブログだとも言えますが、自分自身としては難しく思わず何とか運営してきています。ただ一貫して注意している点は、不特定多数の方々に見られることを常に意識した記事内容の投稿に心がけてきました。不確かな情報や知識での断定した書き方はもちろん、賛否が分かれる問題についても結論を押し付けるような書き方は極力避けるようにしてきました。

言うまでもなく個人情報などに細心の注意を払い、誹謗中傷的な表現なども避けてきました。例外的に小泉前首相や安倍首相らに対しては厳しい言葉をぶつけてきたこともありました。その際も総理大臣という権力者の進める手法や最高権力者としての資質の問題に対する批判意見であり、さらに本人を前にしても訴えられる言葉で語ってきたつもりです。

また、私どもの組合は自治労(サイドバーに用語解説リンクも)に加盟しています。これまで当ブログへ自治労に対する批判も数多く寄せられてきました。第三者ではありませんが、全責任を負える立場でもなく、非常に悩ましかったり、もどかしかったりした場面が少なくありませんでした。その際、私自身の見解や自治労本部への要望をブログで訴えてきました。

ここでも心がけてきた点があります。ブログの中で幅広い方へ問題意識を発信することも大切ですが、それだけでは言いっ放し、単なる愚痴にとどまってしまいます。直接訴えることができる回路や手段がある場合、実際の活動の場でも同じ趣旨の発言を行なってきました。自治労都本部の会議の場であったり、機会があれば自治労本部の岡部委員長にも直接訴えてきたこともありました。

私どもの組合が推薦している衆議院議員の方との関係も同様な構図がありました。よくテレビにも出演している長島昭久さんが小選挙区の推薦議員であり、当ブログへも何回か実名で取り上げさせていただきました。最近の記事のコメント欄で、勤労戦死さんから長島さんご自身のブログでの発言を問題視したコメントをいただきました。「私たち生粋の民主党議員からすれば、自治労や日教組になどまったく世話になっていないのが実情」と書かれていた点のご指摘でした。そのコメント欄で、私が勤労戦死さんにお答えした内容の骨子は次のとおりでした。

当たり前な話ですが、私どもの組合が推薦しようとしなくても長島さんの選挙の当落に影響がないものと思っています。また、長島さんは広い意味で、以前の総評と社会党のような関係が「生粋の民主党議員」にはないことを言いたかったのでしょう。しかし、「まったく世話になっていない」という言い方は、支持してきた私どもの組合、ひいては組合員の気持ちを逆撫でする発言であると指摘せざるを得ません。記事全体の文脈は私も共感していますが、その箇所をあえて「まったく」というような表現にしなくても良かったはずです。

これまでも何回か長島さんと直接お話できる機会があり、誤解や言葉足らずに対して釈明を受けてきたことがあります。今回の件も先日、直接ご本人へ真意を尋ねることができました。やはり自治労との関係を断ち切りたい意図があった訳ではなく、私の指摘に戸惑っていた様子がうかがえました。人一倍注目を浴びている長島さんにとって、発言や表現に注意していくことの大切さを僭越ながらお願いしてきました。なお、このような一支持者の言葉にも真摯に耳を傾けていただける点は長島さんの素晴らしさだと感じています。

さて、再三述べてきましたが、相互交流の意見交換をできるのがブログの利点だと思っています。インターネット上の匿名性が担保されるため、正真正銘の忌憚のないご意見を聞ける場となっていました。飲酒運転や年金未記録の問題などが話題になるたび、公務員に対する厳しい批判が数多く寄せられました。私自身の答えが「はい、分かりました。反省します」だけではなく、必ず「しかし…」が続くため、コメント欄が「炎上」気味になることも少なくありませんでした。

「逆風を謙虚に受けとめながら」が当ブログのサブタイトルですので、どのような批判にも率直に対応してきたつもりです。コメント一つ一つ、丁寧にお答えすることを基本としてきましたが、あまりの数の多さに逐次対応できなかった時もありました。徒労感がにじみ始めた時もあり、ブログの休止を本気で検討したのは、つい先日のことでした。そのような時、多くの方から暖かい言葉での励ましをいただき、そのピンチを乗り越え、何とか200回の節目を刻むことができました。

最後に、批判コメントが多いのも確かですが、当ブログの主張に賛同してくださる方も大勢いらっしゃることが大きな励みとなってきました。また、様々な問題に対し、様々な見方があって当然だと考えていますので、賛否どちらの内容でもコメントいただけることを有難く思っています。これまで延べ24万件ものアクセスをいただいています。改めてご訪問くださった皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

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コメント

200回達成、おめでとうございます。
私たち公務員に対する厳しい目もあり、批判的な意見もありますが、一方で理解を示してくださる方、ブログ内での意見交換により一定の相互理解が進むこともあり、私自身、このブログにより励まされることがあります。
あまり無理はなさらぬよう、ご自愛もお忘れなく、今後も活動されますよう、ご祈念申し上げます。

投稿: アンディ・ベム | 2007年9月 2日 (日) 14時58分

アンディ・ベムさん、コメントありがとうございます。
初期の頃から当ブログをご注目くださり、励みとなる貴重なコメントを数多くいただきました。ベムさんのような方がいらっしゃったからこそ、ここまで継続できたものと思っています。本当にありがとうございました。
今後も組合活動の厳しさは増していくのかも知れませんが、ペース配分にも注意しながら頑張っていくつもりです。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2007年9月 2日 (日) 17時26分

おはようございます。
長島センセもしばらく胃が痛いんでないですかね? 特措法ガラミで。
鳩山センセが『政局の為に絶対に潰す』宣言してらっしゃいますから。

しかしまあ社保庁職員の横領に関して、社保庁職員が『消した年金』とでもいいましょうか(笑)、全く騒がれなくなりましたねえ。
長妻センセやあいはらセンセにはしっかりと不逞役人どもを糾弾していただきたい所であります。

投稿: 勤労戦死 | 2007年9月 4日 (火) 09時04分

200回 ごくろうさまでした。

その回数もさることながら、毎回毎回、本当にまじめに文章を綴られ、コメントにも真摯に対応される様子に感動しています。

うちの組合にもこのブログの読者はいっぱいいます。
私も組合の役員を長くやってきて、いろんなことに少々疲れ気味でしたが、もう一度、初心に戻って運動をやろうという気持ちになれました。このブログに出会えたことに感謝しています。

どうぞ、ご自愛いただき、できることなら永くメッセージを発信続けていただければ幸いです。

投稿: かめこ | 2007年9月 4日 (火) 18時54分

勤労戦死さん、コメントありがとうございます。
横領の問題、たいへん残念な話です。テロ特措法延長の問題は、筋の通った決着点が見出せるよう期待しているところです。

かめこさん、コメントありがとうございます。
このようなコメントをいただけるとブログを続けていく大きな励みとなります。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2007年9月 4日 (火) 22時18分

公務員の意見の表明の場だけど、処遇にしか関心がなくて底が浅いよね、皆さん。

投稿: 瑞 | 2007年9月 5日 (水) 10時59分

立川市長は職員の削減を公約に挙げていますね。
元収入役として苦々しい思いで決算書を作成していたんでしょうか?
都市部の割りに加齢臭のする新人候補ばかりでしたが、緊張感があるような、無いような。

まあ、これも民意ですからしっかりと削減して下さい。

投稿: おや? | 2007年9月 5日 (水) 18時29分

端さん、コメントありがとうございます。
ただご指摘がどのような点を指されているのか、よく分かりません。もし単発な記事の中でのご指摘でしたら、ぜひ、バックナンバーにも目を通していただけたら幸です。

おやさん?コメントありがとうございます。
どこの自治体でも職員数削減が行革の目玉となっています。行革そのものを否定するものではありませんが、具体的な内容を吟味した結果での削減数字だと思っています。

投稿: OTSU | 2007年9月 5日 (水) 20時36分

具体的な内容を吟味した上での削減なら労組としても受け入れたのですね。
合理的で真っ当だと思いますが、それを正当化するのなら公務員なんて半分くらいになりますよ。組合員はどう受け入れているのでしょう?
教科書的ではない、その辺りの生々しいところもリポートして欲しいですね。

削減といっても団塊の世代が退職していく自然減が多いようです。
民間も労働力不足が話題になっていますが、事業を進めていく上で必要な人員数っていうのは確保しているわけです。
この期を機会に事業も2割削減するなんていう自治体も現れていますが、いかに不要不急の無駄な人件費を納税者は負担させられていたかということでしょう。

優劣の選択システムがない今の役所では、存在理由をアピールすることしか自己を正当化できないのでしょうが、犯罪集団の社保庁にも口を噤んでいる性質の自治労組合員同士の褒め合いなど、いわゆるシャンシャンなんとかで、気持ち悪いだけです。

国の財政再建プランも怪しさが漂っていますがそのツケを納税者に回されたのでは堪りません。
管理人も合理的には行革を認めていますが、それでも情緒的には公務員の中でも最後まで残るとお考えなのでしょうか?
この辺りの不整合が、こちらを読んでいてスッキリしない種のようです。
これもお役所的です。

投稿: かおる | 2007年9月 6日 (木) 07時39分

かおるさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
前々回記事からコメントをいただいていますので、最近の記事はお読みいただいているものと受けとめています。前回記事で「公務員」論議の難しさを述べさせていただきました。ストレートに答え切れないところもあり、「お役所的」と言われてしまう悩ましさを感じています。
個人の責任による運営とは言え、立場を明らかにしながら投稿している側面やブログ上であることの制約などがあります。したがって、どこまで「生々しさ」を出せるか分かりませんが、できる限りご期待に沿えるような記事投稿に努めていきます。

投稿: OTSU | 2007年9月 6日 (木) 08時06分

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