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2007年9月 8日 (土)

20年ぶりに新市長誕生

金曜の夕方、5期20年市政のトップを担ってきた前市長が役所を去りました。本庁舎の職員が見送る中、花束を贈られた前市長の顔はにこやかなものでした。駅前開発を中心とした集客力の高まる街づくりの面で、たいへん大きな力を発揮された首長でした。ただ5期目に入った頃からは高齢多選のネガティブな評価が避けられず、多くの方が引き際の難しさを感じていました。

型通りな挨拶よりも、場面に応じたエピソードを盛り込んだ話が得意な方でした。組合役員として挨拶に伺った際も短い時間でしたが、全国最年少の収入役となり、最後は最高齢の市長で終わった話などを感慨深く語られていました。一方で、決して風化してはならない重い責任を背負った最後の4年間であったことも忘れてはなりません。一昨年11月の記事「組織の力、大事な力」で紹介しましたが、市政に絡む事件に対する最高責任者の出処進退として適切だったかどうかは賛否が分かれたままでした。

さて、先週日曜に行なわれた市長選は現職市長が引退を決めていたため、どなたが当選しても20年ぶりに新市長が誕生する選挙戦でした。最近の記事「市長選に向けた組合の対応」で記しましたが、5名の候補者が争う激戦となっていました。過去に例がない候補者の数であり、投票率の上昇も期待されましたが、結果は42.86%と前回より2%ほど下回りました。

自民党が分裂し、公明党と民主党系は自主投票という選挙戦の構図となり、誰が当選できるのか簡単に見通せない展開でした。最上位の候補者でも投票数の4分の1以上の票を得られない場合、再選挙となる規定があり、そのことを心配する声も聞こえるほどでした。しかしながら選挙結果は自民党の推薦を受けた候補者が2位に4千票以上の差をつけ、頭一つ抜けた予想外の圧勝でした。

先日、連合三多摩の事務局長と話す機会があり、事務局長は「予想した通りだったよ」と振り返っていました。ある新聞記者による直前の予想で「弁護士の候補者が有力」などの情報も寄せられていました。専門家でも大きく予想を外す難しい選挙戦だった中、事務局長の適確な情勢分析に対して素直に感心してきたところでした。

このような会話となるのは、連合三多摩も特定の候補者と支持協力関係を結ばず、お互い客観的な立場だったからだと言えます。やはり私どもの組合の事情と同様、あまりにも候補者の出揃った時期が遅かったため、組織的に協議する時間が不足していたようです。ちなみに今後、新市長と連合三多摩で政策的な確認書を交わせる見通しだと事務局長から伺いました。

市民の方々はもちろん、私たち職員にとっても市長選は重大な関心事でした。このブログでもお伝えしていましたが、質問書を候補者の皆さんへ送り、回答書を原文のまま組合員へ公開し、市長選に向けた貴重な参考資料とさせていただきました。お忙しい中、5名の候補者全員からご回答いただきました。改めてありがとうございました。

組合員対象の公開質問書でしたので、回答内容全体をブログ上で示すのは適切ではありません。そのため、私自身の印象を中心に述べさせていただきます。新市長の回答は、市政全般にわたって強いリーダーシップを発揮しようとする意欲が随所に感じられました。労使交渉の項目では「胸襟を開いて交渉に臨みます」と書かれていました。市長自ら積極的に団体交渉の席に着く意気込みがうかがえる一言でした。

新市長の公約の重点は行財政改革であり、その一番目に「市職員100人減員」が掲げられていました。組合も行財政改革そのものを否定する立場ではありません。100人の削減など具体的な数字目標が示されるのもやむを得ないものと受けとめています。そもそも計画を立てること自体は管理運営事項であり、その政策経営判断に労働組合が直接的に口をはさめる立場ではありません。

しかし、労働条件に影響を及ぼす事項の変更については、労使交渉での決定が基本となります。その労使交渉の場では、現場職員の目線で当局の提案内容を検証することになります。自分たちの労働環境や職の確保などの視点だけではなく、これまでも組合は公的責任や市民サービスの低下につながるような職員数削減などには異を唱えながら多面的な議論を提起しています。

新市長の初登庁は今度の月曜日です。組合四役で挨拶に伺う約束を取り付けたところ、翌朝の新聞を開くと「職員労組と協議“初仕事”に意欲」との見出しが目に入りました。新市長が当選報告会で、初登庁の日に労働組合との対話の場を設定し、「初仕事が労働組合との話し合い。皆さんとの一番の約束(職員数削減)が果たせることになりそうです」と挨拶した記事が載っていました。

組合側としては儀礼的な挨拶を主に想定していましたが、真っ向から直球を投げ込むような新市長の気合いが新聞紙面から伝わってきました。「勤務条件の変更について理事者と職員組合の双方が誠意を尽くして話し合いをすることが大切と考えます」と回答書で示していただいていますので、労使の緊張感の中にも信頼関係は築いていけるものと考えています。

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コメント

 今回のテーマとはまったく無縁の私事で申し訳ありませんが、他にご連絡のしようがなく、無礼は承知でここを利用させていただきます。
 せっかくご紹介いただいています拙ブログですが、昨日の結果により、タイトル名を変えさせていただくようになりました。今後ともよろしくご指導下さいますようお願いします。

投稿: ニン麻呂 | 2007年9月10日 (月) 07時32分

ニン麻呂さん、おはようございます。
今朝、私も気になりまして開票速報を確認させていただき、その結果にたいへん驚きました。本当に選挙の難しさを改めて感じました。
その後、ニン麻呂さんのブログも拝見しました。ショックは大きいものと思われますが、市政改革に向けた熱意が揺らいでいない前向きな姿勢に感銘しました。ぜひ、これからもニン麻呂さんの貴重な問題提起や情報発信を楽しみにしています。
最後に残暑厳しい中の選挙戦、たいへんお疲れ様でした。

投稿: OTSU | 2007年9月10日 (月) 08時20分

 申し訳ありません。頭に関係のない私的なコメントを入れたばかりに、皆さんに不愉快な思いをさせてしまいました。
 深くお詫び申し上げます。

投稿: ニン麻呂 | 2007年9月14日 (金) 11時13分

ニン麻呂さん、お気遣いいただいたコメントありがとうございます。
ただ不愉快な思いは誰もしていないはずです。単にコメントを寄せにくい記事だっただけです。
右側のリンクのタイトルは「益田市の研究」に改めてさせていただきました。そのブログへのコメントの中に「ニン麻呂さんは大丈夫だと思い、別な方に投票した」との声があり、たいへん象徴的な言葉だと感じました。きっと同じように考えた方が多かったのではないでしょうか。
遠く離れた部外者が勝手な感想を述べ、たいへん申し訳ありません。ブログを通した関係でしたが、ニン麻呂さんが議席を失うとは考えられなかったもので、僭越な感想を述べさせていただきました。
また、私から本来「益田市の研究」へコメントすべきところ「出不精」である点も、たいへん失礼致しました。

投稿: OTSU | 2007年9月14日 (金) 20時34分

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