市長選に向けた組合の対応
2005年8月16日にブログを始めてから丸2年が過ぎました。今回が198回目の記事投稿となります。始めた頃は週に複数回の更新が当たり前だったため、電卓を叩くと3.7日に1回の更新ペースを刻んでいます。ちょうど1年ほど前から週1回、土日を利用した新規投稿が基本となり、現在に至っています。
そのため、アクセス数は月曜日が比較的多くなっています。常連の方が大勢いらっしゃることの証であり、たいへん有難いことです。また、火曜以降も極端にアクセス数が落ち込むことなく、少ない日でも500件以上、最高1302件で推移してきました。大手検索サイトの上位に並ぶ記事が増え、有名な某掲示板でも紹介されるなど、新規訪問者数の増加が理由の一つです。
合わせて記事の更新にかかわらず、たくさんの常連の方が週に何回か訪れてくださっているようです。新規投稿した記事に対し、思いがけない広がりを見せた議論がコメント欄で交わされる場合もあります。常にブックマークからの訪問者が3分の1以上を占めているのも、このような意見交換を注目されている方が多いからだと感じています。
管理人としてもコメント欄に寄せられる様々なご意見を楽しみにしています。コメント欄は幅広い視点や立場からの興味深い声を直接伺える貴重な場だと思っています。その意味で、コメント投稿者同士の議論も歓迎していますが、コメント欄が殺伐とした雰囲気や「炎上」気味になることだけは避けたいものと願っています。
さて、今までコメント欄だけでは充分答え切れない場合など、記事本文で改めて私自身の考え方を詳しく述べてきました。最近のコメント欄は、公務員の仕事のあり方や資質の問題などが論点となりがちでした。そのような流れからすると今回の記事タイトルに接し、意表を突かれた方もいらっしゃるかも知れません。実は前々回記事のコメント欄で、次のような質問を受けていました。
最も身近な市長選挙まで1ヶ月を切ってしまっている現在、この話題について全く取り上げられないのが解せない。組合の委員長としては、あくまでも国政が重点項目なのであって、地元の市長選挙などは関係ないということなのか。現時点で、現職は?……、保守系が2名、共産系が1名、その他で1名の立候補。民主党系は……。組合としては、どのような立場で臨むのであろうか……。
私どもの組合員からの問いかけであることは一目瞭然でした。シニカルな言い方に若干引きながらも、私からは次のとおりコメント欄で取り急ぎお答えしてきました。
地元の市長選挙、最も関心の高い選挙であることは言うまでもありません。このブログで取り上げることに意義があるものと判断した場合、当然、重要な課題である市長選挙に触れていくつもりです。現時点で申し上げられる内容として、まず一市職労の立場から主体的に取り組む力量がない点は周知のとおりです。その上で、組合が推薦している市議会議員の方とは常に情報や意見を交わしてきています。
なお、このような乱戦模様となった中で、必ず民主党系候補も擁立する方向で最終的な調整に入っています。あまりにも残り日数が少ない異例な展開となっていますが、組合の臨む方針が固まりしだい組合員の皆さんにお諮りします。次号の組合ニュースで、このような経緯や対応案を明らかにした上で、状況に応じて緊急の職場委員会も開催する予定です。
市長選は来週日曜に告示日を迎え、9月2日が投票日となっています。私どもの市は議員選挙と市長選、二つとも統一地方選の日程から外れています。したがって、当ブログの管理人である私の所属している自治体がどこであるか少し調べればお分かりになるはずです。それでも一般的なインターネット上のルールにそって、なるべく今後も実名は出さないようにしていくことをご理解ください。
まず「このブログで取り上げることに意義があるものと判断した場合」と書きましたが、4年に1回の市長選挙に触れない話はあり得ないものと考え直していました。不特定多数の方々が閲覧できるブログの性格から配慮すべき点もあるかも知れませんが、市民の皆さんはもちろん、私たち職員にとって非常に重要な選挙戦、市長選に関する記事をスルーできないものと判断しました。
コメント投稿者のT.C.さんの手元に最新の組合ニュースは届いているものと思いますが、そこに書かれている内容を補足する記事とさせていただきます。新聞報道にあるとおり立候補予定者の顔ぶれは、共産党が推薦する前女性市議のT氏、自民党が推薦する元収入役のS氏、現市長が支援する前市議のW氏、弁護士のM氏、コミュニティーラジオ局前会長のY氏の5名です。
現在の組合が主体的な立場で市長選に取り組む力量はありませんが、この間、私どもの組合が推薦している市議を通して様々な意見を交わしてきました。推薦市議は民主党系会派の代表を務めているため、その方から市長選に向けた情報は逐次寄せていただいていました。かなり前に聞いた話として、自民、公明、民主の与党3会派が統一して擁立したかった候補は現副市長でした。自民党側の内部分裂で幻に終わってしまいましたが、行政手腕の面などから大半の方が納得する候補者だったろうと思っていました。
民主党系の候補者を必ず擁立する方向で最終的な調整に入っている話をお伝えしましたが、結果的に民主党は推薦候補も掲げない「自主投票」にとどまりました。参院選での民主党への追い風が市長選に必ずしも直結したかどうか分かりませんが、自民党側がS氏とW氏陣営に分裂する選挙戦であり、民主党にとって勝てるチャンスだったことは確かです。民主党系会派の市議7名、地元選出の国会議員、都議会議員が連日対応を協議しましたが、どうしても具体的な候補者を選び切れなかったようです。
このような経緯の中、立候補予定者が最終的に出揃った段階で、組合は特定の候補者を推薦するための時間や情報が不足しているものと判断しました。しかし、市長選が私たち職員にとって重要であることに変わりありません。そのため、予定候補者全員へ下記内容の質問書を送り、回答いただけた場合は原文のまま組合員の皆さんへ公開し、市長選に向けた個々人の判断材料とする対応をはかっていきます。
- 地方分権の進め方や財源問題について考え方をお聞かせください。
- 厳しい財政状況の中、私たち組合も行政改革そのものを否定する立場ではありません。しかし、公的責任や市民サービスの低下につながるようなアウトソーシングや職員数削減には反対せざるを得ません。「経営改革プラン」への評価も含め、具体的な行政改革の手法や考え方についてお聞かせください。
- 耐震構造面や老朽化の問題などがあり、新庁舎は計画通り建設すべきであると考えています。実施設計まで進んだ新庁舎建設の問題についてご意見をお聞かせください。
- 私たちは騒音や墜落の危険が伴う横田基地や立川基地は撤去すべきであると考えています。横田基地の軍民共用化問題など、基地に対する考え方をお聞かせください。
- 行政や職場など様々な分野で男女平等参画の推進が必要だと私たちは考えています。基本条例も定められた男女平等参画の進め方について考え方をお聞かせください。
- 格差社会が問題視される中、労働条件の均等待遇原則の確立が求められています。その上で、自治体に働く非常勤職員の待遇改善に向けたお考えをお聞かせください。
- 市民サービスの維持向上のためにも、安定した労働条件の確保が必要であると考えています。その上で、労働条件の変更に際しては労使対等な立場で、お互い誠意を尽くした交渉が求められています。ぜひ、労使交渉に臨む基本姿勢についてお聞かせください。
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コメント
http://www.asahi.com/national/update/0824/SEB200708240005.html
公務員はもう駄目かもしれませんね。
投稿: マイカル | 2007年8月24日 (金) 15時20分
マイカルさん、コメントありがとうございます。
幼い三つの命が無謀な飲酒運転で奪われ、一周忌を迎えるこの時期に信じられない愚かな行為です。それも同じ福岡市の職員、本当に残念な話です。
投稿: OTSU | 2007年8月24日 (金) 20時43分
>OTSU様
記事と全く無関係なコメントであることには触れないのでしょうか?
コメント欄の流れの中で、話題が逸れていくのは仕方がないにしても、全く無関係なコメントに対しては、その旨の指摘くらいはしても問題無いと思いますが。
ちなみに、福岡市職員の不祥事だけで、公務員はもう駄目とか、一般化するのは無理があるので、その点でも素直にコメントを受け入れるのもなんだかなあという気がします。
こういう問題の原因は、個人的な資質に加えて、地域性の問題ではないでしょうか。九州や地方では、盛り場まで車でないと行けないので色々問題があったと聞きます。
運転代行とかも流行っていたらしいですが、不況や金銭的余裕のない人だと、それを使えないこともあると。
実際、この手の飲酒運転による事故は、普通は死亡や大事故に至らないと報道されないだけで民間でもいくらでもあります。
公務員だから報道されるという意味では、公務員問題ではありますが、地方公務員の待遇や安定度を下げて「普通の職業にしよう」という時流なのだから、そういう特別視も同時に無くすのが筋だろうと思います。
投稿: とおる | 2007年8月25日 (土) 08時45分
とおるさん、コメントありがとうございます。
とおるさんの最後の2行のようなご指摘、過去にも同様な趣旨で議論になってきた問題です。私自身、当たり前なことですが、公務員全体の代弁者でも責任を負える立場でもありません。また、公務員が常に連帯責任的に批判を加えられがちな点についても疑義を唱えてきました。
したがって、直接的な責任を負えない不祥事や事件に際し、これまで反面教師とする教訓化の機会であると訴えてきました。その上で、今回の福岡市職員の飲酒運転事故は非常に残念で、情けない話だと率直に感じていました。
まったく無関係なコメントに対するレスについて、基本的にとおるさんの主張のとおりだと思っています。ただ今までも内容によって、無関係な内容のコメントに対しても即座にお答えしてきています。今回も「無関係さ」にこだわるより、自分なりの感想を一言述べさせていただく方が妥当だと判断しました。
最後に一言。どのような事情があろうとも飲酒運転は許されません。誤解を招きかねない発言は注意しなければならないものと思っています。
投稿: OTSU | 2007年8月25日 (土) 09時41分
とおる様
>こういう問題の原因は、個人的な資質に加えて、地域性の問題ではないでしょうか。九州や地方では、盛り場まで車でないと行けないので色々問題があったと聞きます。
運転代行とかも流行っていたらしいですが、不況や金銭的余裕のない人だと、それを使えないこともあると。
では、都市部以外で給与が一定水準以下の公務員は飲酒運転もやむをえない面があるから懲戒免職は厳しすぎる、と組合として抗議運動をされてはいかがでしょうか。
こういう時にこそ徹底的に組合員を支援すべきでは?
OSTU様
川崎市交通局の労組が、民主党候補支援の選挙違反で懲戒免職になった組合員に「支援金」を出していましたよね。ああいうのが公務員労組で一般的な制度なのであれば、今回のケースでも当然適用されるべきなのではありませんか?
直接関係ない話題で失礼しました。
投稿: せせら | 2007年8月26日 (日) 00時21分
>せせらさん
残念ながら、私は地方公務員でも、組合役員でもないので、組合として抗議運動をする権限も必要性もないのです。
何か、勘違いされているようです。
投稿: とおる | 2007年8月26日 (日) 05時52分
せせらさん、コメントありがとうございます。
飲酒運転の問題は川崎市交通局労組の「義援金」と並べて論じられないものです。当然、福岡市でも飲酒運転に対する厳罰化が進んでいるはずですので、その規程に基づく処分はやむを得ないものと思っています。
なお、昨年9月の記事で、飲酒運転と懲戒処分の問題を取り上げてきました。お時間がありましたらバックナンバーをご覧いただければ幸です。
とおるさん、おはようございます。
新規記事は、とおるさんの前回コメントの問いかけを踏まえた内容で予定しています。ぜひ、またご訪問ください。
投稿: OTSU | 2007年8月26日 (日) 07時16分
とおるさま
勘違いは失礼しました。
ただ、地理や経済状態によっては「やむをえない飲酒運転」があるとのとおる様のお考えは了解しました。
この話題はここまでにさせていただきます。
お邪魔いたしました。
投稿: せせら | 2007年8月26日 (日) 22時35分
脱線ついでに。
確かに福岡市は飲酒機会の多い街ですが、街がコンパクトなのでタクシー代も安いです。
この職員の場合、飲んでいたところから自宅まで深夜料金でも弐千円かからない。
バイクを停めていた駅からだと壱千円くらいでしょう。
自宅まで歩いて帰れるくらいの所で事故を起こしてしまいました。
それと公務員だから報道されたとのご意見ですが、やはり自覚が甘いから、近いからとやってしまったんでしょうね。
一度叩かれまくったのだし一周忌について飲み会でも話題になったそうですから。
一番やってはいけない時期なのだから追悼の意味もこめて自宅以外は禁酒令を出しても良かったのでしょう。
民間の有名企業なら不祥事を起こさなくても社名を報道される可能性はありますよね。
立場はどうであれ、個人の問題と矮小化するのは組織人としてはあるまじき無責任さです。
この使い分けは、制度保障された組織に顕著に現れます。
とおるさんは、さぞ無責任な人なのでしょう。
投稿: かおる | 2007年9月 5日 (水) 16時52分