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2007年6月17日 (日)

年金記録問題と労組の責任

このブログの更新は週一ペースとなっています。それでもコメントをいただいた際は、なるべく早くお答えするようにしています。したがって、コメントが続いた場合、毎日でも記事本文に対する補足意見などを書き込んできました。また、たいへん参考となる貴重なコメントを多くの方からお寄せいただいています。ぜひ、記事本文と合わせ、コメント欄もご注目いただければ誠に幸です。

とりわけ前回記事「再び、年金記録漏れ問題」に対し、たくさんの方から様々な視点でのコメントを頂戴しました。その都度、私なりの考え方などをお答えしてきました。その中で、勤労戦死さんやミッシェルさんの問いかけに対し、新たに投稿する記事本文を通してお答えすることを約束してきました。

お二人からは「社会保険庁の労働組合が自分たちの権利を守ることを優先したため、今回のような国民の生活を無視した問題を生じさせた」と私たち公務員組合を厳しく批判するコメントが投げかけられました。他のコメントの中にも同様な趣旨のご意見もあったため、新規記事の投稿を通して改めて私なりの見解を述べさせていただくことにしました。

初めに社会保険庁に労働組合は二つあります。自治労に加盟する全国社会保険職員労働組合(旧・国費評議会、今年4月に名称変更)が組合員約1万1千人、共産党の影響力が強い全労連系の全厚生職員労働組合が約2千人の職員を組織化しています。

自民党の執拗な攻撃の的にされているのは前者の組合です。民主党の支持団体の一つである自治労の責任を追及することによって、政府与党に集中している国民の批判をかわす狙いがあるようです。さらに今回の年金記録漏れを民主党が必死に取り上げるのは「社会保険庁解体法案をつぶし、自治労を守るためである」などと根も葉もない噂話まで飛び出ています。

徹底的に社会保険庁の労組の問題を浮かび上がらせ、自治労が悪く、自治労から支援を受けている民主党の責任も重い、このような論調で自民党側はキャンペーンをはりつつあります。菅直人元厚生大臣への責任転嫁が失敗したため、自治労攻撃を強め、三段論法的に民主党を揺さぶろうと企図しているようです。

しかし、このような「悪いのは自分たちだけではない」と主張する政府与党の姿勢は、結果的に国民の怒りの火に油を注いでいます。当然、同様なことは社会保険庁の労組に対しても言えます。「根本的な原因は制度上の問題」「意図的な叩かれ方をされている」などと訴えた場合、非常に無責任で無自覚な印象を与え、より強い批判を招くものと思います。

今さらながら現場を熟知し、年金制度の問題点や実態を把握できる立場だった社会保険庁の職員とその組合の責任は重大です。チェック機能を果たせなかった点、膨大な数の記録漏れ問題を先送りし、全力で早期解決をめざすことができなかった結果責任などを率直に反省し、国民の皆さんへ深く謝罪することが求められています。

同時に私たち公務員は社会保険庁の問題を「他山の石」として、改めて自分たちの仕事を真摯にとらえ直す機会としなければなりません。特に市民の皆さんから貴重な税金を直接受け取る仕事に携わるようになり、税金の納めがいがあり、よりいっそう信頼される行政運営をめざすべき決意を新たにしています。

一方で、労働組合の役員を担っている立場から何点か述べさせていただきます。コメント欄で「労働組合の重要な責務として、組合員の健康を守ることが真っ先にあげられなければなりません」と書きました。言うまでもなく、組合員の利益のために住民サービスが犠牲になっても良いなどと夢にも思っていません。

組合員の労働条件と住民サービスの維持向上、どちらが上だとか、優先すべきことなのか、比べられるものではありません。どちらも疎かにできない重要な事項です。ただ労働組合の責任と役割として、まず組合員のことを考えていくのが基本である点をご理解ください。

そのため、自治労国費評議会が労働条件に関する要求を行ない、社会保険庁当局がその要求を認め、労使で合意した数多くの覚書や確認書が交わされてきました。そのこと自体を頭から否定される動きに対しては強い懸念があります。つまり労使交渉の否定につながりかねない動きだと言えます。ちなみに確認内容そのものが批判される場合、その責任は労使双方にあることも留意すべき点です。

確かに「労働強化」を過剰に意識しすぎた結果、膨大な年金未記録を先送りする一因と見られてしまう労使確認が多数あるようです。ただ端末機1日5千タッチの確認など、たいへん非常識な内容だと批判されていますが、OA機器が入り始めた1980年代の頃には意義あるものだったはずです。

その頃、電磁波の影響、腱鞘炎、頸肩腕障害、眼の疲労、腰痛などVDT作業に対し、今では考えられないほど身構えていた時代でした。慎重を期した安全衛生基準は公務員に限らず、民間の職場にも求められていました。その趣旨を踏まえ、社会保険庁の職場では厳格なルールが定められ、守られてきた経緯があったようです。

さらに覚書を交わした頃の5千タッチは、現在とは比較できない作業量だったようです。しかしながら機器の進歩や普及、業務内容の大きな変化によって、当初のルールを徐々に見直す必要性もあったはずです。仮に社会保険庁の仕事が最近まで1日5千タッチのままだった場合、よほど巧妙に各自の仕事の分担を工夫しなければ、手待ちな時間が多くなってしまいます。

また、現在でも生かされるべき基準が一緒くたに批判されているのも残念なことです。ここで当ブログと相互リンクさせていただいている「ド素人の政治・経済Q&Q」の記事「オンライン端末の45分操作15分休止は異常か?」をご紹介します。そのブログの管理人であるWontBeLongさんは民間に勤めている方ですが、厚生労働省のVDT作業のガイドラインを示しながら行き過ぎた労組批判について問題提起されています。

いずれにしても社会保険庁の労使が反省すべき点の一つとして、外部から指摘を受けるまで過去の確認書の見直しを怠っていたのも問題だったと思っています。この問題も反面教師として教訓化し、私どもの労使関係においても情勢の変化などを踏まえ、「甘え」と批判されるような事項は見直していく感性や判断力を高めていかなければなりません。その際、組合員の労働条件も、住民サービスの維持向上も重視した上で、適切な調和をめざしていこうと考えています。

最後に一言。参議院選挙の日程が1週間ずれ込み、7月29日となる話が急浮上しています。年金記録問題で強い逆風を感じている安倍首相が公務員制度改革関連法案の成立を起死回生の一手だと信じているからです。以前の記事で書きましたが、この法案には様々な問題があり、安倍首相の思い込みそのものに疑問符が付きます。

しかし、それ以前の大きな問題として、かなり前から決まっていた7月22日の投票日を変えることによる混乱に思いが至っているのか非常に疑問です。安倍首相の頭の中では、地方自治体の選挙管理委員会が多大な迷惑を被ることの想像力は働かないのでしょう。どうしたら参議院選挙に勝てるのか、自己本位、自民党本位の発想を露骨に感じてしまうのは少数派でしょうか。

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コメント

 いつも楽しくというか興味深く拝読させていただいております。
 当方は国家公務員試験Ⅱ種試験(本日は今年度の一次試験日でしたが)に合格、某官庁に採用されましたが、昨今の出先機関の法人化の流れで有無を言わさず公務員の身分を剥奪された者です。
 きちんと組織化された労働組合を持たず、組織としての支持政党すらなかった以上これも当然の帰結でしょう。個人的には選挙の際には(最高裁判所判事の国民審査も含めて)毎回悩んで投票しておりますが...
 公務員の身分を剥奪されたことをボヤク方も当法人内には大勢います。それを今更言っても仕様がないこと。前向きに生きたい(行きたい?)と思っております。

 地方公務員も国家公務員同様、これからは法人化と非公務員化が有り得るかと思います。
 組合員の方々と力を合わせて、きちんとした道を選んで歩んでいってください。

 さて...、今回のエントリのアップロードはいつもより遅く、かなり苦慮ないし熟慮し、推敲のうえで書き上げたものと思います。

 ですので、揚げ足取りと思われるかも知れませんが、当方文学部出身ですので(専攻は社会学ですが)...、気になる点を一つ申し上げます。

>社会保険庁の問題を「他山の石」とせず、
 とありますが、「他山の石」と「して」ですよね。

 大学入試の際に故事成語の本を読んだ時のとおーい記憶を頼りに何か違和感を感じたので調べてみたのですが...
 以下、『大辞林 第二版(三省堂)』からの抜粋です。

【他山の石】
自分の人格を磨くのに役立つ材料。参考にすべき、他人のよくない言行。
「友人の失敗を―とする」

【他山の石以(もつ)て玉(たま)を攻(おさ)むべし】
〔詩経(小雅、鶴鳴)「他山之石、可二以攻玉」〕よその山から出た粗悪な石も自分の玉を磨くのに利用できるの意から、他人のつまらぬ言行も自分の人格を育てる助けとなりうることのたとえ。


 正直、エントリの間隔がほぼ毎日から週一になってしまい、その点では残念です。
 が、これからも頑張って続けていただければ、と思います。

投稿: 通りすがり | 2007年6月17日 (日) 20時59分

ご無沙汰です。

私も内勤ですが一時間ぐらい作業(実際、絶え間なく作業をするのは物理的に不可能と思われます)をしたら5分ほど休憩しております。その5分は喫煙してます。吸わない人はサボってると思っておりますが、結果出しているので上司も何も言いません。その分、残業もしてますしね。何より、私は目の痛みがひどく時折、鎮痛剤を飲んでも目の痛みが引かないことも週に1~2回あるため、私自身も休憩というか、端末の作業は休止するようにしております。会社もそのように指示しております(休憩しろとは言ってません)。
結論として連続の作業はNGです、それは民間も同様です。
ただ、5000字なんてのはどうやってカウントするのか、そこらへんが公務員らしい摩訶不思議なルールだなと思っております。


叩かれているのは自分たちに都合のよいルールは遵守するのにほかのルールはないがしろにしている点ですね。
OTSUさんは正すべき襟は正すとよく言っておりますが、世論のバッシングがないと正せないのが今の自治労や公務員社会ではないでしょうか。これは絶対に不変と言い切っても間違いないと確信しております。
だって人間って自分に甘いから。

投稿: エニグマ | 2007年6月17日 (日) 21時36分

通りすがりさん、ご指摘ありがとうございました。
「他山の石」の使い方、確かに誤りでした。今まで完全に勘違いしていたようです。さっそく修正させていただきました。
また、暖かい励ましの言葉もありがとうございます。ぜひ、これからもご注目ください。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2007年6月17日 (日) 21時39分

エニグマさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
現在、5千タッチのルールは廃止されているようです。一方で、ご指摘のとおりVDTの連続作業は眼精疲労などを招く原因となります。安全衛生面の基準は官民問わず、しっかり守れる職場環境づくりが大事だろうと思っています。
記事本文でも記しましたが、外部からの圧力の有無にかかわらず「甘え」を改めていけるよう努めていきます。

投稿: OTSU | 2007年6月17日 (日) 21時50分

お邪魔します。
私のブログ記事を取り上げて下さりありがとうございます。

> 労働条件と住民サービスの維持向上、どちらが上だとか、優先すべきことなのか、比べられるものではありません

と書かれてますが,一職員ではなく労働組合としては,労働条件を優先して然るべきでしょう。
警察,消防,自衛隊,海保など,状況によっては職員が生命を賭して業務を遂行せざるをえない職種もあるでしょうが,それでも,基本は日頃の訓練から通して,職員の健康と安全は最重要事項のはずです。
ちなみに,先ほどテレビで元F1レーサーの片山右京氏が,「よくレーサーは命を懸けてますねと言われますが,絶対に命は懸けていません。」と仰っていました。
あんなに危険そうなF1でも,安全な構造,装備のために莫大な資金が投入されています。速く走るためには,直接関係のない投資です。
職員が健康を害さず充実した私生活を送りながら,必要な業務を遂行できるようなシステムを作るのは雇用者の責任でしょう。
だからと言って,対決姿勢を強めすぎて,民間なら業績が落ちて給料や人員が減ったり,公務員なら社会に批判されて同じような状況になるのは,結局,職員の労働条件の低下を来すわけで,これは組合の失態と言えるでしょう。
ちょっとそのあたりが行き過ぎて,昨今の労組叩きを招いているようでもあり,信用回復はなかなか困難なところだろうと思います。
(だからといって,行き過ぎた労使協調も,単なる雇用者による労働者の懐柔だと思いますが。)
しかし,理不尽な労組叩きは,全労働者にとって当然の権利を主張することをためらわせることにつながりかねず,我々労働者は声を上げて行くべきだと思います。

投稿: WontBeLong | 2007年6月17日 (日) 23時02分

ボクが『責任』と書かず『原因』とカッコ書きで書いた真意を汲み取って頂けなかったようで少々悲しいですが。

ぶっちゃけ吊るし上げる『責任』の所有者が誰ってのは比較的どうでもよろしいのでありまして、事象が発生した『原因』の分析と対策案の立案が重要なのでございますです。
『責任者』吊るし上げの魔女裁判はその後で結構でして。といいますか、先にやっちゃダメ、ゼッタイ。

で、今回の文章にもその『原因』分析がずっぽりと綺麗サッパリ無いのでありますわ。
おっしゃることを要約しますと『責任はウチじゃない/みんなが悪い』になっちまうんですが
(それが悪いというわけでも責めてる訳でもねえス、念の為)
「原因はなんだとおもう?」という問いの返答にソレを持ってこられると
「ご高説は承りました。で? 原因は?」ってーな禅問答になってしまいます。

「信頼回復を目指しますぅ」的なコメントにつめたーいレスポンスが返ってくる原因って、いうのは簡単なんですけど、その発言の担保が取れてないのを見透かされてんスよ。
正しく原因が分析できてないと適切な対策できないしぃ、適切な対策できないとまたおなじコト発生しちゃいますよねえ。
※まずコレを理解していただけないと『信頼回復』は『もう無理なんじゃないスか?』

それを踏まえたうえで、前回の
「今はもう『サッカーでもイエローカード二枚は退場だよな、今何枚目だと思う?』つー流れですよ」
の意味合いを察していただけると。


あーあと、老婆心ながら。
政治力学ネタ絡めるの止めたほうが良いですよ。藪蛇ですから。

>さらに今回の年金記録漏れを民主党が必死に取り上げるのは「社会保険庁解体法案をつぶし、自治労を守るためである」などと根も葉もない噂話まで飛び出ています。
民主党の社会保険庁の改革案は国税庁との合併でしたよね。

…みたいに。

投稿: 勤労戦死 | 2007年6月18日 (月) 02時53分

WontBeLongさん、コメントありがとうございます。
労働条件と住民サービスの維持向上ですが、両方が異なるカテゴリーとして、それぞれ重要であり、同列に比べられないものと思っています。その上で労働組合として、まず組合員のことを考えていく、つまり組合員に対する責任を果たしながら住民サービスの維持向上に努めていく立場です。
いつもながら長々と書きすぎて、論点が分かりづらくなった拙文だったと反省しています。それに比べWontBeLongさんの記事が非常に明瞭でしたので、勝手ながら紹介させていただきました。コメントと合わせ、たいへん感謝しています。ありがとうございました。

投稿: OTSU | 2007年6月18日 (月) 07時05分

勤労戦死さん、コメントありがとうございます。
まず「真意」が充分理解できないまま、お答えしたつもりになっていることをお詫び申しあげます。
今、出勤前の時間にコメント欄に向かっています。そのため、また不充分なままお答えしても失礼ですので、今夜帰宅後に改めてコメントさせていただきます。よろしくご容赦ください。

投稿: OTSU | 2007年6月18日 (月) 07時10分

OTSUさん、丁寧なご回答ありがとうざいます。
単刀直入に申し上げれば、今回のような不祥事を起こさず、与えられた義務を全うし、国民の生活を支える職務を遂行して頂ければ、自治労がどんな要求をしようが、労働者である我々は一向に構わないのです。

責任論はもう充分です。国民が求めるのは原因分析と是正処置です。信頼回復に努めて頂くのはありがたいことです。では、どうやって信頼回復するというのですか?

投稿: ミッシェル | 2007年6月18日 (月) 12時35分

いつもROMさせていただいております。
どんなコメントにも真摯に対応される姿勢にはいつも敬服しております。しかし近年、自治労(に属する人々)が関わる不祥事、社会問題が相次ぐ中で、OTSU様の記事にも苦しげなトピックスが増えているのは大変残念なことです。

今回もROMに徹するつもりでしたが、言いたいことが募ってきたので、あえて述べさせていただきます。

まず最初に、二つの喩え話を挙げます。ある意味無礼な喩えですが、最近の記事を読んで感じた正直な気持ちです。

たとえその1
炎上している家の前で住人や消防士が大騒ぎしているのを横目に、捕まった放火犯が「俺が100%悪いわけじゃない! 俺をクビにした会社や失業保険を打ち切った役所だって悪いんだ!」

たとえその2
夏休みの宿題をやってこなかった生徒が、休み明けに先生に向かって「本来は2ヶ月かけてやる宿題を今日から寝ずに3日で仕上げるって言ってんだから、その努力くらいは誉めてくれてもいいんじゃないの?」

この記事のタイトルは「年金記録問題と労組の責任」です。そこでお聞きしたい。「最後に一言。」以降の内容は、このタイトルと一体何の関係があるのですか? どう考えても蛇足ですよ。それだけではなく、これを最後に持ってくることで批判の矛先逸らしを図っているとすら受け取れます。

今回の年金記録問題の一連のトピックスを拝読して感じたのは、「背後に漂う被害者意識」でした。政府の拙いやり方、マスコミの偏向報道、いずれもOTSUさんが指摘される通りの要素があるとは思います。しかし、それは「今、主張しなければならないこと」なのですか? 
今現在不安に駆られて右往左往している年金受給者たちを前にして、間違いなく大きな責任を負う自治労に属する方が発するべき言葉は「確かに俺たちも悪いけど、俺たちだけが悪いんじゃないよ」なのですか?
今は言い訳せず、粛々と被害弁済(あえてこう言います)に務めるべき時ではありませんか? 

「被害者・加害者」という括りの乱暴さは承知していますが、あえて言わせていただければ、社保庁労組は明らかに「加害側」です。断じて「理不尽な政争の具にされた哀れな被害者」ではありません。少なくも今の時点では。

それからもう一つ。
話題になっている「5000タッチ」について、OTSUさんは「導入当時は意義があった」「反省すべきは時代の流れを考慮しなかった点」とおっしゃっていますが、実はそれは私たちが聞きたい答えとは違います。
私たちが感じたのは、5000という数に大した必然性はなく、単に「一生懸命仕事をせずに済ませるための方便」だったのではないか、という疑念なのです。
社保庁の現場では、その「5000タッチ」とやらをどうやって管理していたのですか? 各端末のタッチ数を集計する専門官がいたのですか? それとも打つ本人がいちいち数えて自己申告していたのですか? 時代に関係なく、この規則そのものが帯びたナンセンスさをお感じになりませんか? 残念ながら、OTSUさんのお答えは疑念を晴らすものではありません。

正直申し上げて、OTSUさんが頻繁に使われる「反省すべき点は反省し」というフレーズは私の中で陳腐化しております。このフレーズの中に「ただし、何を反省するかは自分で決めます」というニュアンスを嗅ぎ取っているのは私だけでしょうか。

長くなりましたが、今後もOTSUさんの健筆に期待します。

投稿: みみみ | 2007年6月18日 (月) 19時21分

>正直申し上げて、OTSUさんが頻繁に使われる「反省すべき点は反省し」というフレーズは私の中で陳腐化しております。このフレーズの中に「ただし、何を反省するかは自分で決めます」というニュアンスを嗅ぎ取っているのは私だけでしょうか。

同感です。自治労として、公務員として何を正すべきなのか具体的な事を書かれたことがほとんどないような気がします。

社保庁のこの問題は薬害エイズを思い出させます。
また、国は何も知らない国民を傷つけるのですね。
国を信じて、何も悪いことをしていない国民を欺き、しかし、自分達は何かおかしいのを知っている。でも調べないし、是正しない。自分が悪いわけじゃないし、面倒だから。別に問題になっても自分がクビになるわけじゃないし倒産しないし、上から命令されてやってるだけだからしょうがないし。

きっと社保庁の職員はこの程度じゃないですかね?

何が悪なのか本当に認識されておりますか?

投稿: エニグマ | 2007年6月18日 (月) 21時59分

ミッシェルさん、みみみさん、エニグマさん、コメントありがとうございました。
一つずつお答えすべき貴重なご意見をいただきましたが、今回、新規記事の投稿をもってレスとさせていただきます。たいへん恐縮ですが、よろしくご理解ご容赦ください。

投稿: OTSU | 2007年6月18日 (月) 22時43分

 5000タッチは、30分。仕事をしなくても、首にならないし、給料ももらえる。政治家も、市民も文句を言ってこない。それで感覚が麻痺してしまったんだ。
仕事をしない公務員を何故首にできない。組合が反対したら、全員首にすればいい。公務員なら人集めに困ることもない。下手な改革もまったく必要ない。それができる政治、政党を、国民は、選挙に行くこと、政治家に直接文句を言うこと、また支援することで、創らなければいけない。

投稿: | 2007年6月23日 (土) 16時26分

私は32歳までコンピュータSE。その後は転職して焼き鳥屋をやっております。年金問題については、いろいろと情報が錯綜しておりますが、原因は簡単なことで、仕事をきちんとしなかっただけなわけでしょう。そして、国民のお金を集めておいて、そのお金を好き放題使い、多大な損失を出してしまった。通常の企業の感覚なら、とっくに会社は強制捜査が入り、つぶれてもおかしくないわけです。それでも潰してはいけないというのは、結局「お上はいいねーーお気楽で」ということになってしまうわけです。公務員に労働組合があること事態もおかしく、結局は自由と自分だけの生活を守って、その結果国民に多大な損失を出してしまった。公務員としてのしての使命感や責任感がないわけです。もちろん全員がそうではないでしょうが、全体の問題としてとられてしまっても仕方がないのです。会社だってそうですよ。そういう部署は解体しなければ、他の公務員にもこれから働く緊張感が沸いてこないのではないでしょうか?まずは1日でも早く、全額を国民に返し、新しい体制を持って次の時代へリスタートして欲しいのですが、またそのお金は使っちゃってるから、返せないんだよなぁ^^;;;共産党もきれいごとばっかり言って、残るのはいつも赤字だもんなぁ・・・。もっと武士の生き方をする国民が増えて欲しいものです。

投稿: Fukku | 2007年7月 6日 (金) 15時52分

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