非常勤職員も昇進
ようやく東京都知事選挙の主役が顔を揃えました。この間、民主党の迷走ぶりが非難されていましたが、石原都知事から「やっぱり推薦はいらない」と断られた自民党側も情けない点では五十歩百歩の前哨戦だったと言えます。
宮城県知事だった浅野史郎さんは「知事になってからは、選挙の時の敵よりも、味方の方が怖い。借りはつくらない方がいい」との信念があり、特定の政党や団体から推薦を受けない選挙戦に取り組んできました。そのため、民主党都連の中で、推薦できない浅野候補への一本化に不満の声が残っているようです。
しかし、石原都知事の独善的で公私混同が著しい都政の「私物化」に何としても終止符を打たなければなりません。したがって、私個人としては勝てる可能性の強い浅野さんの立候補を心から歓迎しています。また、かつて民主党は宮城県知事選挙でも、浅野さんを「勝手連」的に応援してきた経験があります。ぜひ、今回も石原都知事の三選阻止に向けて、一致団結してほしいものと願っています。
東京都下と呼ばれる三多摩地域の首長が都知事をたたえた話は、まず耳にしたことがありません。一方で、都知事の部下となる都職員、とりわけ労働組合側からの批判の声は頻繁に聞こえていました。このような話は就任当初から指摘されていたにもかかわらず、前回、石原都知事は308万7190票と圧倒的な支持で再選を果たしました。
次点は民主党と社民党が推薦した樋口恵子さんの81万7146票で、勝つことはあり得ないと思っていましたが、4倍近くの得票差に唖然とした記憶があります。圧倒的な人気を誇っていた石原都知事も、今回は強い危機感を募らせているように見受けられます。
先週、東京都は2008年度から低所得者層を対象にした都民税の減免措置を発表しました。約60万人が対象となり、年間の減税額は50億円になる見通しです。選挙目当ての大盤振る舞いであるとの批判に対して「どう解釈されようと結構です」と石原都知事は居直っていますが、選挙戦への危機意識と都政「私物化」が浮き彫りになった事例だと思っています。
いつものことながらタイトルと異なる話が長くなって申し訳ありません。もともと雑記風のブログでしたが、特に最近は週一回の投稿間隔となってしまい、その傾向が強まっています。わざわざ別の記事に分けるも何ですので、このまま本題に入らせていただきます。
さて、先週木曜の読売新聞夕刊一面のトップに「区役所の非常勤職員も昇進 荒川区が格差是正策」と大きな見出しが掲げられていました。
東京都荒川区は新年度から、非常勤職員に対する待遇を改め、給与アップのほか、経験や能力に応じて昇進する制度を導入する。民間で正社員と非正社員の格差是正が課題となる中、公務員についても常勤と非常勤との待遇格差を出来るだけ解消し、非常勤職員の意欲を引き出したい考え。区によると、非常勤職員の昇進制度は珍しいといい、他の自治体から問い合わせが相次いでいる。
正規の職員とは別に採用される非常勤職員は原則、単年度ごとに契約が更新される。常勤職員は週40時間の労働が基準となるのに対し、非常勤の場合は週30時間程度が基準となるケースが多い。ボーナスや退職金の支給もない。
荒川区では、常勤職員は1983年の約2400人をピークに減り続け、現在は約1600人。これに対し、非常勤職員は95年に約410人だったのが、現在は約610人と全職員の約28%にまで膨らんだ。財政難を背景に常勤職員を減らして人件費を削減する一方、行政サービスが低下しないよう給料が比較的安い非常勤を増やして対応してきたためで、不況下に非正社員を増やしてきた民間企業や、他の多くの自治体などと共通する構図となっていた。
今回、待遇改善の対象になるのは、非常勤職員のうち再雇用・再任用の区職員OBを除いた約400人。主に窓口業務や各部署の庶務、図書館司書、翻訳や通訳といった仕事で、30、40代の女性が比較的多い。勤続年数はまちまちだが、非常勤の中で最も多い「事務嘱託員」の場合、週30時間の勤務者に対する給与は、熟練を積んだベテランも、新人も、同じ月16万8600円だった。
新制度では〈1〉一般非常勤〈2〉経験6年以上が目安の主任非常勤〈3〉係長級の総括非常勤――の3種類に区分した上で、給与は一般非常勤が17万1300円、主任は20万2100円、総括は25万300円に増額。主任や総括に昇進した後は非常勤の部下の指導にもあたる。
昇進の可否を判断するための勤務評定は厳密に行い、昇進希望者にはリポート提出などを課す方向だ。これまで残業は想定していなかったが、職責の増大に伴い残業するケースもあり得るとして、超過勤務報酬を新設する。有給休暇の拡大など福利厚生も今より手厚くする方針だ。
OBの非常勤職員については、常勤職員として長年処遇してきたため対象に含めていない。人事院によると、非常勤職員に対する昇進制度は中央省庁にも例がない。同区職員課では「非常勤職員にも、区政業務の一線を担う一員としての成果を期待したい」と話す。(2007年3月1日 読売新聞)
久しぶりにインターネット上の記事をそのまま引用し、省力化させていただきました。この話は1月下旬に開かれた自治労都本部の春闘討論集会で、すでに荒川区職労の委員長から報告を受け、その時も画期的な改善だと感心していました。
私どもの市でも学童保育所や学校事務などの職場で非常勤職員化が進み、その方々を市職労への直接加入の組合員として迎え入れています。したがって、非常勤職員の待遇改善は常に労使協議の大きな課題でした。
これまで「雇い止め」や休暇制度など少しずつ改善をはかってきましたが、半歩前進するのにも厳しい交渉が強いられていました。逆に最近、「均等待遇」の先駆的な制度の見直し提案が示されるなど、不本意ながら非常勤職員の課題も行革の対象として扱われています。
今回、個人的には荒川区の制度改善の内容そのものよりも、読売新聞の取り上げ方に大きな驚きを覚えました。新聞記事全体を通して、荒川区の試みを高く評価している姿勢が充分伝わってきました。つまり厳しい自治体財政への影響面よりも、格差是正の重要性からとらえた非常勤職員の待遇改善を好意的に扱った記事内容でした。
格差是正の問題がクローズアップされている中、行政自らの足元を見直す機運が盛り上がっていく潮目となることを期待しています。組合役員の立場からはこの流れを効果的に利用し、改めて非常勤職員の「均等待遇」の実現をめざしていく決意です。
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コメント
荒川区の決断を私も高く評価します。これを契機に「地方公務員制度」の見直しが進むことになればと思っています。
読売新聞が、「厳しい自治体財政への影響面よりも、格差是正の重要性からとらえた非常勤職員の待遇改善を好意的に扱った」と言われますが、市場調査もせずに法外な予定価格を設定する構造的な「官製談合」は、国でも地方でも未だにくり返されています。
公務員が誠実このあたりの無駄の見直しをするだけで、非常勤職員の増額分はいくらでも補填できるはずです。
最近もっと深刻なのは、自治体財政が厳しいからという理由で3Kの現業部門を競争入札で民間委託(しかも短期の)して、入札に敗れた業者の雇用する労働者の失職です。
確かに雇用しているのは発注した自治体ではなく、受託した民間企業ですから、発注者には法的な責任はありません。
しかし、入札をくり返すたびに契約金額は安くなっていき、労働条件は過酷なものになっていきます。その挙句に失職の憂き目にあう「行政サービス」を直接提供してきた人たちもいるのです。
「財政非常事態宣言」を発し、住民負担を増加させ、多くのワーキングプワを産み出し、なおラスパイレス指数は一向に低下しない自治体がここにあります。ここは例外なのでしょうか?
また、こういう現実を目の当たりにしながら、何も言わない「市職労」上がりの議員もまた例外的な存在なのでしょうか?
投稿: ニン麻呂 | 2007年3月 4日 (日) 14時14分
お邪魔します。
私は,つい少しひねくれた見方をしてしまうのですが。
常勤職員のやるべき業務と非常勤職員のやるべき業務が適正に区別されていて,非常勤職員の方が低報酬であることに問題がない状態で,非常勤職員の待遇が改善されるのは良いことだと思います。
しかしながら,コスト削減のためだけに,常勤職員と実質的に差のない業務をする非常勤職員を雇っていることも多いのではないかと推測します。
そのような場合は,非常勤として雇われている人達は,本来常勤として雇われるべき,あるいは常勤と同等の報酬を受けるべきではないかと思います。
そんなことはこのご時世では非現実的とあきらめてしまえばそれまでなのですが,荒川区のような事例は,一歩の前進とは捉えても,常勤と同等の仕事をしながら常勤より報酬が低いことは根本的におかしいということを忘れず,役所や企業がコスト削減のために不合理に非常勤を増やすことの免罪符とさせない意識が必要なのではと思います。
また,低報酬の非常勤を増やすのであれば,雇用主は非常勤を好き放題に使うのではなく,報酬差に見合った常勤と非常勤の業務の仕分けを公正に行うよう求めなければならないのではと思います。
投稿: WontBeLong | 2007年3月 4日 (日) 16時58分
ニン麻呂さん、WontBeLongさん、コメントありがとうございます。
コスト削減ありきの「非正規」労働者の増加が格差社会を生み出しています。まず社会全体でその問題を深刻に受けとめる必要性があるはずです。その意味で、荒川区の試みが一石を投じ、大手新聞社も一面トップ見出しで呼応したことを喜ばしく思っています。
その上で、お二人からのご指摘は本当に重要な問題提起を含んでいるものと受けとめています。今回の記事は踏み込み不足な点が多く、今後、さらに「正規」と「非正規」のあり方について深めていくつもりです。
なお、最近の記事で紹介した中野麻美さんの「労働ダンピング」を手に入れ、今、読み進めています。雇用の液状化現象が引き起こしている厳しい労働現場の実態、改めて痛感している最中です。したがって、その本の内容も踏まえ、今後の記事を投稿していく予定です。ぜひ、これからも貴重なご意見をよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2007年3月 4日 (日) 19時42分
こんばんは。
公務員の一般試験採用がくずれていくような気がしていやです。
昔、学校事務の臨時(アルバイト)の方が、長期雇用の結果、職員になった。(訴訟にて)とか、縁故で用務員としてはいり公務員にという歴史がありました。公務員ぐらいは、試験の結果で公正に採用されて欲しい。特に地方公務員は。国立大学でなくても、一般試験・面接で査定されれば、点数で区切られわかりますが、有期雇用でなく、昇給もありとくれば、次は待遇改善、退職金とエスレートして、結局別ルートの公務員職員になる道に。時代は巡るといいますが、格差をなくすことと、公平性をたもつことが混同されてることに不安を感じます。試験を受けられる年齢・資格を広げ、非常勤の方もそちらを受けられるようにして、一般試験をうけてうかったという公平性を保って欲しい。用は中途採用を公正に充実させるという方策がベストと思います。非常勤の待遇のままなし崩しというのは、正規職員にとっても、非常勤職員にとっても非常にあいまいでよくない状態のように現場にいて思っています。
投稿: にんにん | 2007年3月 5日 (月) 23時00分
にんにんさん、コメントありがとうございました。
幅広い視点でのご意見をいただけるのがブログの利点だと思っています。ご指摘のとおり公務員の採用にあたって公正さの徹底は欠かせません。
ちなみに私どもの市役所の非常勤職員の大半は公募による競争試験で採用されています。その上で「正規」「非正規」の一定の役割分担などを整理していますが、より「均等待遇」原則の底上げが必要であるとの問題意識を持っています。
いろいろな意味で、「正規」「非正規」双方から納得できる制度確立が重要だと考えています。この議論は継続する予定ですので、また貴重なご意見をよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2007年3月 6日 (火) 07時14分
早速、レスありがとうございます。
私の勤める自治体では、正規職員は試験日に一斉試験で近隣の自治体と日程が重なったりします。どの自治体を受けるか悩みますし、公務員試験の専門学校に通い照準をあわせて受験される方も多いのです。大変な倍率のなか受験している現状です。現状の非常勤は、1年毎の契約の方が多くで、採用試験の形態は自治体ごとにさまざまな現状でしょう。一般採用とは異なる試験内容でも問題ないのかもしれません。それぞれの採用形態で試験内容が違うことには問題を感じないのですが、いざ、常勤なみの待遇となってくると同等の関門をくぐってくるべきではとおもうのです。同じ職場で応援はしたいけど、それなら、何度も試験をうける機会はあっただろうにと思うのです。
新卒の枠とは別に中途の枠を充実させる。試験は均等公正に一般試験で。一定の平易な事務には有期雇用の非常勤で。働き方の希望で職種を選べばよいのであり、中に入ってから条件を変更することが混乱をまねくのでは。非常勤の方でも年齢制限なく(法令できまったのだし)中途採用試験を受け、常勤待遇を勝ち取る。そして、自治体はコストダウンのために非常勤は職務内容を精査した上で常勤とは分けて雇う。賃金の底上げ、福利厚生向上はいいのですが、長期雇用による昇給というのはそもそも非常勤という雇用形態でいいの?ただ、これ以上文句言わせないように、同じ人を雇うほうが雇い止め問題をおこされず教育・研修費用もかからないからというように見えます。長くなりましたが、非常勤の方の中には常勤になりたい人が沢山います。その方にとっては今回の荒川区の方策は、どうなのでしょうか?今度酒席の機会に本音を聞いてみようと思います。長文失礼しました。
投稿: にんにん | 2007年3月 6日 (火) 09時04分
地方自治体は、この種の「身分格差」問題に真剣に対応する時期に来ていると思います。
客観的に同一と判断される労働価値が、雇用形態によって大きく評価が変わり、結果として賃金格差を生み出すような社会は決して正常ではないのです。
形ばかりの勤務評定を実施して、ほとんど仕事をしない公務員も成果を上げている公務員も「勤務良好」で同じ給与というのも正常ではないでしょう。
公務員予備校に通い、珍問奇問の教養試験?の出題傾向や解き方を教わり、面接試験で試験管を誑かす訓練を受けて入った公務員が長期休職をくり返している現実もあります。
奈良の事件も人権団体の関係の他に、休職の傍ら建設会社を経営していたから告発され露見したのでしょう。類似の事例は数多く存在し、隠蔽されていると思います。
横道にそれました。
最近では地方自治体の人材育成にも一部導入されている「コンピテンシー」の考え方は、一回きりの単なるペーパーテストでは組織の役に立つ人材は得にくい、ということから発生していることはご存知だと思います。
地方分権改革の時代に入ってきているのですから、それぞれの自治体で、現行法に抵触しない範囲で地域の特性に合わせた多様な雇用形態を選択すべきでしょう。
ただ、「同一価値労働同一賃金」は近代民主主義の基本原則ですから、今回の荒川区の決断は高く評価されるべきだと思います。
このことによって「公務員の一般試験採用がくずれていく」とすれば、それはむしろ歓迎すべきことだろうと思っています。
投稿: ニン麻呂 | 2007年3月 6日 (火) 20時49分
にんにんさん、ニン麻呂さん、コメントありがとうございます。
採用試験の大事さは言うまでもありません。お二人のそれぞれの視点でのご意見は様々な考えを深めていく上で、たいへん参考になります。
具体的な私なりの見解について、コメント欄でのお答えでは言葉が不足するかも知れませんので、改めて次回以降の記事で取り上げさせていただく予定です。よろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2007年3月 6日 (火) 23時01分
荒川区の英断は素直に評価したいですね、均等待遇への道への一歩だと思うのです。正規だろうと非正規だろうと住民に対する責任は同じです。 さて総務省は自治体に対する指導を強化しているようですね、ナショナルセンターの枠を超えて、共同を広げられたらいいなと思うのですが・・・。なかなか難しいですね。
投稿: JBU・日本ブロガー労働組合 | 2007年3月 7日 (水) 22時11分
JBUさん、コメントありがとうございます。
国基準を上回った地域手当適用の自治体に対し、ご指摘のとおり総務省が指導を強めているようですね。富裕自治体とみなし、特別交付税や市町村総合交付金などを支給しない話をちらつかせているようです。地方分権の流れに逆行し、地方自治体すべてを国のコントロール下に置こうとする旧態依然とした発想だと思っています。
いつもJBUさんのブログへ訪問させていただいていますが、コメント不精で申し訳ありません。ぜひ、これからもブロガー労組の活動、頑張ってください。
投稿: OTSU | 2007年3月 7日 (水) 22時54分
出先から本庁へ異動して分かったこと。正職員非常勤問わず、縁故採用の多いこと。バッジのコネ。正職員はいくらコネでもそこそこの成績がないと入れないが、再任用・バイトはなんでもありだよ。荒川区は都会だからいいけど、田舎の役所は、どうしようもない。ブログ主より深いため息かも・・・すみません。。。
投稿: のら | 2007年3月 9日 (金) 19時12分
そうなのです。のらさん。ですから公平な試験を望むのです。長い期間公務を担うのですから、だれがみてもわかる公正な試験で、
最初の一度目の試験くらいは?、能力を精査されるべきでしょう。謙虚さと公正さ。どちらも大切と思います。格差をちぢめるためにも、刹那てきな採用をやめて、恒常的に公正な試験、採用形態を望むのです。入った者勝ちはいやですよね?
投稿: にんにん | 2007年3月 9日 (金) 20時39分
のらさん、にんにんさん、コメントありがとうございます。
お二人の問題意識のとおり職員の採用にあたっては、地公法第15条で「受験成績、勤務成績その他の能力の実証」が求められています。職員が公平公正な職務を遂行するため、採用が党派や情実・縁故関係などで左右されないように「成績主義」を明確化しています。したがって、非常勤職員の採用においても同様な公正さは当然求められるものと思っています。
その公正さを前提とし、「正規」職員と「非正規」職員の待遇問題を掘り下げているつもりです。逆にそれぞれ重要な問題ですが、切り分けた議論も可能だろうと思います。
いずれにしても、お二人の「ため息」や「苛立ち」の根深さが率直に感じ取れるコメントでした。今後、機会があれば、そのような実情に対しても直視してみようと考えています。
投稿: OTSU | 2007年3月 9日 (金) 21時22分
お久しぶりです。瑞鶴です。地方公務員の賃金についていろいろと叩かれて?いるなかでの非常勤職員の昇進についてちょっと疑問を感じている今日この頃です。 非常勤職員を昇進させるのであれば、我々正職員は不要で賃金カットのだしにされるのではないかという単純な疑問にぶつかります。
ただでさえステレオタイプで「地方公務員の賃金は高すぎる。下げろ下げろ」の大合唱です。正職員の賃金を非常勤に合わせるように当局が提案してくるのが目に浮かびます。
また、財政が厳しいから職員削減を行っているにもかかわらず、非常勤を採用するというのは矛盾を感じております。それなら、徹底した民間委託・民営化を行って自治体をスリムにし、正職員の賃金原資に当てた方が正職員の士気も上がります。
誤解を恐れずにいえば、非常勤職員は不要です。在職しても半年から1年と区切るべきです。何年も在職するものではありません。(本人の為にもならない)
厳しい採用試験を突破してきた正職員と簡単?な採用試験の非常勤職員と同列に扱うのは、やる気が下がります。仕事の責任の度合いが違います。
長々と書いてしまいましたが、OTSUさんのご賢察を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
投稿: 瑞鶴 | 2007年3月11日 (日) 12時53分
瑞鶴さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
最近の記事「八代尚宏教授の発言」でも記しましたが、「正規」職員の待遇を非常勤職員の水準に切り下げる動きは絶対論外だと思っています。
その上で、徹底した民間委託で自治体のスリム化とのお考えには違和感があります。民間委託化すべてを否定しませんが、行政の直営責任を全うするためには非常勤職員制度を活用する方が好ましいはずです。
そして、「正規」と非常勤職員双方の信頼関係を保つためにも職のあり方やすみ分けが求められ、よりいっそう「均等待遇」原則の徹底化が必要であると考えています。
また、「非正規」労働者の待遇の底上げが「正規」の勤務条件の維持向上につながる構図が顕著になっています。そのことを改めて既存の労働組合も自覚し、格差社会の是正を運動の大きな柱と位置付け始めています。
瑞鶴さんの主張と基本的に相反するお答えとなりましたが、幅広い考え方に触れられることがブログの利点だと思っています。ぜひ、これからも率直なご意見をよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2007年3月11日 (日) 13時41分