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2006年10月29日 (日)

ブレア英首相から身近な悩みまで…

前々回記事(「いざなぎ超え」と新自由主義)でサッチャリズムの修復に力を注いでいるイギリスのブレア政権について触れました。そのため、「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家路線でも、新自由主義的な「小さな政府」路線でもない、「第三の道」と呼ばれているブレア首相の政策路線に興味を深めていました。

もう少し調べてみようと思い、北海道大学の山口二郎教授の「ブレア時代のイギリス」(岩波新書)を購入しました。実は前回の投稿時までに読み終えていたため、その本の感想などを前回記事(危機的な自治労への逆風)にも書き込もうと考えていました。書き進めるうちに内容が盛りだくさんとなったため、結局、前回記事では一切触れませんでした。

特に紹介したかったのは、ブレア首相を党首とした労働党が18年に及ぶ野党暮らしから政権の座を射止めた背景でした。ブレア首相はサッチャリズムを批判するだけにとどめず、労働党が旧態依然とした社会主義的なイデオロギーや理念を軸にした政党ではなく、ニューレーバー(新しい労働党)に生まれ変わった印象を国民へ強くアピールしました。

ブレア首相がリーダーとして存在感を確立したのは、労働党の綱領改正問題が象徴的な出来事でした。労働党の魂とされる産業国有化条項(第4条)を綱領から削除する提起は、労働組合を中心に激しい抵抗が示されました。それに対し、ブレア首相は全国各地の地方組織に自ら出向き、党の現実的な経済運営能力を印象付けるためにも、綱領改正が必要であることを必死に説きました。

最終的に党内世論を改正賛成に転換させたことで、ブレア首相は難題を成し遂げるリーダーとしての地位を確立しました。長い野党時代、低迷していた労働党は内部亀裂をさらけ出すイメージが付きまとっていました。しかし、国民からの支持が高いリーダーであるブレア首相のもとで政権奪取が現実化し、労働党内の結束は強まったようです。

そのような背景のもとで行なわれた1997年5月の総選挙で、労働党は宿敵保守党を圧倒的大差で破り、18年ぶりに政権政党へ返り咲きました。現在まで続くブレア政治の功罪、その評価は今回記事の主眼ではありませんので省かせていただきます。私自身が印象に残り、この記事で強調したかった点は主に次の内容でした。

行き詰った局面を打開し、一回り大きく成長するためには、従来の価値観を見直す勇気が重要であることについてブレア首相の試みから感じ取りました。その上で、内側からの変革を実現するためには、きめ細かく徹底した議論による合意形成が欠かせないことを確信しました。

よくブレア首相は「政権を獲得するために労働組合との関係を断ち切った」と見られがちですが、決してそうではありません。あくまでも労働党の党首として労働組合など従来からの支持組織を押さえた上で、ホワイトカラーや自営業者など新たな支持基盤を広げていった見方が適切なようです。ちなみに労働党の選挙戦略は「ビッグテント」と呼ばれ、大きなテントの下に様々な種類の有権者を糾合する意味だそうです。

以上のようなブレア首相の手法が日本の民主党と労働組合の関係性において、どの程度教訓化すべき事例なのか分かりません。ただ自治労や日教組の存在はガンであるような発言を繰り返している自民党側と対峙していくためには、公務員組合側が従来通りの思考や対応では済まない危機感を抱いています。

前回記事へのコメントで、nikki さんから「そもそも論ですが、なぜ公務員に労働組合が必要なのですか?公務員という時点で、既に民間では有り得ない優遇を得ているのですが」との質問がありました。確かに労働組合の有無にかかわらず、賃金水準や公正な労働基準について、公務員は制度面から一定保障されているだろうと思います。

一方で、労働法制の遵守やその確立など、今まで自治労の存在や貢献が大きかったことも事実です。その結果、組合の有無に関係なく自治体間の均衡原則があるため、ほぼ一律の水準が確保できている構図も否めないはずです。また、私自身が組合役員を長く続けている中で、「組合があって良かった」との言葉を数多く聞いてきました。

奈良市職員の5年間で8日間勤務の問題は本当に異常で特殊な例であり、この事件をもって職員の病気休職の制度すべてが否定的に語られるとしたら残念なことです。このような不祥事が起こらないよう制度的な欠陥は改めなくてはなりませんが、その際も、やはり職員側の声を代弁する組合の役割は重要だと考えています。

ニン麻呂さんから「書き込みしたいことはたくさんあるけど、自治労傘下の下部組織の体質も千差万別だし、もちろん公務員の個体差はあるんで、ついつい書き込みが億劫になりますね」とコメントが寄せられました。いずれにしても私たちは他団体の不祥事を対岸の火事とせず、自らの足元を見直す機会にすべきだと考えています。

また、労働組合の必要性や重要性などを毅然と訴えていくためにも、市民から信頼される公務のあり方や責任を確立すべきだと改めて思い起こしています。今回の記事がイギリスのブレア首相の話から入ったため、唐突に感じられた方が多かったかも知れません。紹介した趣旨としては、大胆な発想転換と変革への勇気を参考にすべき局面だと考えたからでした。

最後も少し横道にそれた話で恐縮ですが、現在、私どもの組合の役員改選期を迎えています。組合活動の根幹を担う執行委員の定数が埋まるかどうか、昨年の記事「喜怒哀楽、組合役員の改選期」と同様な悩みを抱えながら悪戦苦闘しています。「ブログでブレア首相のことなど発信している場合ではない」と言われそうな深刻な定数割れのピンチですが、グローバルに考え、ローカルに悩み、ハッピーマンデーを願っている日曜の夜でした。

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コメント

 「公務員に組合が必要か?」という問いかけがありましたが、公務員に限らず、全ての労働者に組合は必要だと思います。"雇用主と従業員"、"上司と部下"という関係においては、"対等な立場"はありえないので。真に対等ならパワハラ・セクハラもありえないわけです。既得権を守るとか、賃金要求をするだけが組合ではなく、風通しよく、働きがいのある職場環境を作るのも組合の任務ですよね~。
 ちなみに私は昔、組合のある大手企業に勤務してましたけど、ほぼ毎晩終電なのに、組合役員でもある上司に「残業手当はつけない」と言われてました。法令を守らなければならないことを教えてくれたのは、公務員の組合に入ってからでした。あの頃は「監督署に告発する」なんて方法も知りませんでしたし、労基法も読んだことなかったし、そういうもんかと思っていました。
 残業手当不払いに関しては、先般、ウチの隣接自治体単組が、監督署に告発し、是正指導されました。雇用者側に法令とモラルを守らせることも組合の任務ですね。経営者さんの中には「残業手当は払いたくない」と思っている方がいるようですが、労基法は守っていただきたいです。

投稿: 市民課さん | 2006年10月31日 (火) 04時04分

市民課さん、コメントありがとうございました。
分かりやすく具体的な事例で私の記事を補っていただき、ありがとうございます。ご指摘のとおり法律や規則通り公正な労働基準が守られているかどうか、その監視機能としても官民問わず労働組合は必要です。
これからも、そのような趣旨の記事を発信していきたいと考えています。ぜひ、また何か気に留まった点がありましたらご意見ご感想などよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月31日 (火) 07時31分

市民課さんの意見は、分かりやすくていいな。
そうですよ。労組はあるから、労働者は正当な権利行使、労働条件の保障が保たれるのですよ。
いくら就業規則で定めても、守られなければ何の意味もない。
守られているかどうか(権利の悪用を含め)をチェックするのが、労組でしょ。
今労組、特に自治労にに求められているのは、「公正・公平」な権利行使、権利保障が行われているかを総括することでは?
使用者に対しても、また、制度を悪用するような組合員に対しても責任を持って改善を促さねば・・・・。

投稿: shima | 2006年10月31日 (火) 08時22分

shimaさん、コメントありがとうございます。
岐阜県庁の裏金問題で、とうとう組合の元副委員長が逮捕されてしまいました。本当に残念な事件です。
実は今日、自治労都本部の定期大会があり、shimaさんと同じ県本部出身の岡部本部委員長の挨拶を聞くことができました。
自治労として正しい主張を発信していくためには、内部の不正は絶対許せない趣旨の決意が伝わり、好印象を持てる挨拶でした。
その姿勢や態度をどう示していくのか、大会議論も活発でしたが、明確な答えを出せたかどうかは個人的には疑問のままです。ただ参加者全体の問題意識は、ほぼ共通だったろうと思っています。
shimaさんのコメントに対してと言うよりも、単なるボヤキとなってしまい申し訳ありません。とにかく、これからもベターな答えが出せるよう悩んでいきますので、よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月31日 (火) 23時45分

はあ...。まず公務員は勝ち組なのです。この厳正なる事実を認識して頂きたい。
やれ相対的とかやれ絶対的とかの言葉遊びは不要なのです。
或いはあなたがた自身を納得させる為の論理的展開とやらが必要なのでしょうか(^-^)/

投稿: 多香子 | 2006年11月 2日 (木) 18時54分

多香子さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。
「勝ち組」と断定されていますが、やはり公務員の賃金水準は社会的な平均だと言われるべきだろうと思っています。そう思われなくなった今の格差社会に何か問題があるのではないでしょうか。
…と公務員側が言っても反発を招きがちな現状であることを痛感しています。岐阜県や奈良市のような不祥事が続出している中、地方公務員への不信感が増幅していくのを厳しく受けとめていかなければなりません。
このブログを通し、多香子さんのような厳しいご意見をストレートに聞くことができ、たいへん意義深いことだと考えています。このような声があることを率直に受けとめ、どのように私たちが信頼感を得ていくのか、真剣に悩んでいます。ぜひ、また歯に衣着せぬ鋭いコメントをお願いします。

投稿: OTSU | 2006年11月 2日 (木) 22時06分

自治労が貢献してきたのは、あくまで「公務員の利益確保」でしょう。民間企業には何の貢献もしていません。

自治労のお陰で達成できていたとする水準も、所詮公務員限定です。

投稿: nikki | 2006年11月 3日 (金) 17時35分

こんにちは。
TB貼りました。是非よんでください。こんなこと言われていますよ。。。
さて、公務員は勝ち組でしょうか?こんなことを言っているから本当の勝ち組の人は・・・。
しかし、こういう批判を跳ね返しきれない弱さが自治労にあるのではないでしょうか。・・・労使協調の弊害です(岐阜の例が端的だと思います)。民間や住民とともに権力と対峙する姿勢が求められます。
 日本の最大の労組は自治労ですよね。万が一、自治労が解体されることがあれば、日本の労働運動は終わります。奮起を期待します。

投稿: お役所の★ | 2006年11月 3日 (金) 19時19分

nikkiさん、コメントありがとうございます。
春闘の結果、民間賃金の相場が定まり、その官民比較を人事院が調査し、示された勧告内容に基づき公務員賃金が決まっていきます。その意味で、他の民間労働者に比べて公務員賃金が突出できない仕組みだと言えます。その上で、ご指摘のとおり自治労の交渉結果が地方公務員限定であることは間違いありません。
なお、現在の自治労は公共サービスに関わる民間労働者も組織化し、地方公務員だけの組合ではなくなっています。さらに社会的な均等待遇原則の確立なども運動の柱としています。
とにかく自治労に対するネガティブなイメージを拭えるよう内面を磨き、信頼される姿を発信していけるよう努めていくつもりです。

投稿: OTSU | 2006年11月 3日 (金) 21時50分

お役所の★さん、コメントとTBありがとうございます。
自治労への歯がゆさと合わせ、それでも見限れない期待が伝わる叱咤激励のコメントだと受けとめさせていただきました。
ご紹介いただいた中曽根発言などを改めて読み、確かに国労の時と同じ局面を迎えているのだろうと思っています。
直前の返信コメントで書いたとおり、単組役員の立場からも自治労が信頼され、心から期待される組織へ奮起できるよう努力していこうと考えています。ぜひ、これからもご注目ください。

投稿: OTSU | 2006年11月 3日 (金) 22時03分

公務員は勝ち組か?と問われると、私自身「負け組み」とは思いません。・・・思いたくない・・・なぜか???
私自身、公務員になるためにバイトを終えて1日8時間以上勉強しました。私のような三流大卒でも機会が均等に与えられるのは、公務員試験(地方公務員)しかなかったから・・・・!
まだ、バブルの影響のあるころだから、超売り手市場で同級生のほとんどは早くに民間企業に内定して遊んでいる中、私は勉強したわけですよ。なぜか?両親とも民間のしかも零細企業の労働者でしたから、民間の厳しさは誰より知っていますかし・・・、公務員は安定しているから、公務員になれるくらいがんばりなさいと・・・。(私の採用試験の倍率は約100倍でした)
それなのに実際に公務員になってみると初任給は民間よりずいぶん低く、よくそんな給料で働くねと民間に就職した友達に言われたものです。
その後に、バブルが弾けて民間の賃金も驚くほど急速に低下する中で私たち公務員はは上がり方も遅かった分、ゆっくり低下したわけですが、そのタイムラグが今の公務員攻撃の一因でしょうね。
私が社会人になるその頃一番儲けていた金融関係企業の不良債権を国民が引き受けるような制度をつくったことはどうなのか?山一を倒産に追い込んだのにその後の企業には政府資金でしょ!
その負い目を公務員に向けさせているようにしか思えません。
この国の怖いところは、一度国民がのせられたらヒステリックにとことんまで追求する。マスコミもどんどん煽る、しかし、マスコミは、それが自分たちに及びそうになると別の話題を追求する。
この国を仕切っているのは実はマスコミでは???というよりやっぱり、民間の一部勝ち組(いわゆる、・・・・族)かな・・・?

投稿: oyaji@A | 2006年11月 3日 (金) 22時28分

首にならない、倒産しない時点でまず負け組みではありませんね。
ほとんどの民間人は、何もヒルズ族のような勝ち組になりたいわけではありません。
人並みの生活を防衛するため、負け組に転落しないように死に物狂いで働いているわけです。
国民の税金を啜っている公務員に、そのような恐怖心があるのでしょうか?

投稿: nikki | 2006年11月 3日 (金) 23時26分

この国の悲しむべき点は,たとえ正当な批判や論調であっても,やれ日本の国民はヒステリックだとか,やれ日本の国民はマスメディアに踊らされているとかの,さも「国民性の問題」であるが如き論理のすり替えが行われる事ではないでしょうか?
まさしく現在の,自治労や公務員に対する批判や論調が,それに当たると思いますけれど...。
思うに一般の国民は,それほど愚民ではありません。ですから,まず批判を謙虚に受け止めて頂きたい。その姿勢が欠けているように見受けられます。

投稿: 多香子 | 2006年11月 4日 (土) 05時40分

oyaji@Aさん、nikkiさん、多香子さん、おはようございます。コメントありがとうございました。
それぞれのご意見、真摯に耳を傾けるべきものと受けとめています。その上で、nikkiさんや多香子さんたちと私やoyaji@Aさんたちがお互い共感し、信頼し合える社会にできるかが非常に重要な局面だろうと思っています。
以上のような視点を大切にしながら今後、このブログを通して葛藤を重ね、少しでも「正解」に近付くよう努力していきます。ぜひ、これからも率直なご意見ご感想をよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年11月 4日 (土) 10時00分

自治労が衰退したのは左派が悪いのではなく、右派が幅をきかしたからです。労働運動に右派が主導権をとればかならず日和見主義になり組合は衰退します。というのは、意味がなくなりますからね。右派は、経済闘争でさえおざなりになり、まったく資本攻勢にたちうちできてもおりません。日本における労働情勢の劣悪化は、労働組合が闘わないから資本攻勢がどさどさとかけられているのです。あと、ブレアを評価するのもナンセンスです。彼は、イラク戦争を推進し、労働党の基盤の労働者から支持を喪失しています。また労働者はブレア打倒を掲げだしています。また、ブレアの労働政策に対する不満も拡大しています。結局「改良主義」はどちらの側かはつきりしているということではないでしょうか?

投稿: 日本国憲法擁護連合 | 2006年12月25日 (月) 05時04分

日本国憲法擁護連合さん、コメントありがとうございます。
本文でも書きましたが、決してブレア首相を大きく評価している記事ではありません。内部から大胆に改革した姿勢には学ぶべき教訓があったものと感じ、私なりに今思うことを綴ってみました。
右派と左派、他の返信コメントで記したとおり積極的に意識すること自体避けるべきものだと考えています。味方を敵にみなしていく運動スタイルは、大きな敵を利するものだとも思っています。

投稿: OTSU | 2006年12月25日 (月) 12時53分

身から出たさびという言葉や、敵は身内にいるものだという言葉がありますがご存知でしょうか?まさに私は、ブレアや労働貴族を事例に出して日和見主義がいかに「階級的」に罪なのかをはっきりさせたかったわけです。大胆に改革した結果、イラク戦争に加担し労働者からは反戦運動を叩きつけられ、社会保障改悪を推進するため、労働者から反対される、労働政策の改悪で労働者のストライキにあう、これがブレアの改革という実態であり「帰結」でした。つまり労働党といいながら、労働者の政策ではない政策をどんどん追求してきた張本人だったということで労働者から三行半を叩きつけられてきているのではないでしょうか?こんな人物を礼賛し第三の道だと礼賛してきた人たちがなりをひそめて、いやそれでもブレアの功績は・・・などと語り明かすその腐朽がなんともいえない重低音となって響きを立ているといえるでしょう。かの伊吹文明は、ブレアの例を持ち出してギデンスらの第三の道を主張したではないか?などという答弁をしてくるように、ブレアは自民党にとって評価されるような政治屋だということでもあるのです。もう左や右の時代ではないのよ、左や右ではないのよ、イデオロギーは終焉したのよという連中は、フランシス・フクヤマといったいんちき代弁屋や、ブル転した連中、右翼がよくいう台詞ですが、現実には戦争や失業に対する姿勢は右と左では大きくことなるのが実態ではありませんか?その重要なものを避けなくてはならないというのは、回避・忌避といえませんか?味方を敵とみなすのは間違いだ、これは日教組集会で、国会前に座り込む現場教職員を罵倒した森越委員長代行の発言と同類です。私は日和見主義は身内からでるものだ、その典型が労働貴族なのですと具体的に暴露しているのです。労働貴族が資本や権力と一体となって「運動」を捻じ曲げ敗北させていった労働運動史をあなたはご存じないわけがないでしょう?大きな敵と闘わず、闘う人々を罵倒し分断しているのは一体だれかといえば労働貴族そのものではありませんか?今は左や右ではない、パートナーシップだと路線化してきた日教組の森越などの対応は、それらの実態を象徴させているのではありませんか?しかも権力は官公労をつぶすと公言しているのに、日和見しても切り捨てられるという実態がまっているのも気づかないで、あるいは察知して闘う人々を人身御供ととして切り捨てるというのが森越にほかなりません。それは、再び教員が軍国教師になって国家に服従し子供に戦争を教えていく道につながることになるのです。元神奈川県教職員組合委員長、元社会党参議院議員はいまや「つくる会」教科書の代表を務めています。労働貴族がブル転したいい事例です。右や左ではないのよ、イデオロギーは終焉したのよ、パートナーよ、でなかったらつぶされるのよ、といいなしてきた連中は、ここまできてしまういい事例なのです。原則的な闘いを放棄してしまうということは、労働運動家の死を意味するいい事例です。大きな敵は誰であるのかという具体的な実態を掘り下げていけば、右や左という現実が明らかになるわけで、そこを忌避してしまうのは、事実上闘争放棄を決め込んでいるといわざるをえないでしょう。それから、味方を敵にみなしていく運動スタイルは、大きな敵を利するものだとも思いながら私は運動を支持しているのではありません。むしろ、森越のような連中を日和見主義と呼びそういう連中が労働運動の指導者であるから、ここまできているのです。階級闘争が原則的に展開されていた時代は、教育基本法改悪だの改憲だの「敵」は本音をうちだせなかったはずですから。

投稿: 日本国憲法擁護連合 | 2006年12月25日 (月) 18時56分

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