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2006年10月10日 (火)

北朝鮮の核実験に抗議

「あれっ、配達されている」と気付き、玄関のドアポストから朝刊を取り出しました。昨日行なわれた北朝鮮の核実験を一面トップにした号外でした。今まで新聞休刊日に号外が宅配されたのは記憶にありません。ちなみに今朝、shimaさんから休刊日を嘆くコメントが寄せられ、職場で聞いてみたところ私の地元でも地域によっては号外が配達されなかったようです。

いずれにしても日本をはじめ、北朝鮮の核実験は衝撃的な大きなニュースとして世界中を駆けめぐったはずです。それが北朝鮮の報道は「地下核実験を安全かつ成功裏に行なった」とたんたんとしたもので、新聞によっては三面記事の扱いだったそうです。さらに北朝鮮の報道は「(実験は)朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守るのに寄与するであろう」と国際的な見方とかけ離れた身勝手な論評を加えています。

情報が遮断され、捏造され、北朝鮮の人たちに国外の喧騒や非難する声が届くことは非常に難しいものと思います。中には外からの情報を知り得ている人たちがいるかも知れませんが、国の政策を批判することは犯罪者の烙印を押され、強制収容所送りを覚悟しなければならないのが北朝鮮社会の現状です。

言うまでもなく今回の北朝鮮の核実験は国際的な緊張関係を高め、朝鮮半島と周辺地域の平和と安全を脅かす愚かな行為と断罪すべきものです。北朝鮮側は「放射能漏れのような危険はまったくなかった」と主張していますが、基礎的な技術力や根本的に真実を語らない基本姿勢があり、とても言葉通りに信じることはできません。

また、巨額な費用がかかる核開発は飢えで苦しんでいる自国民の生活を省みない軍事優先の「先軍政治」の極みだと批判しなければなりません。さらに今回の核実験は穏やかに暮らしたい在日朝鮮人の方たちをも悲嘆させる暴挙となっています。

実験は成功だったのかどうか、再実験があるのかどうか、見定めるべき事実関係や今後の推移などもありますが、中国や韓国も含めて北朝鮮への制裁決議を下す国際的な包囲網は整う見通しです。北朝鮮の自制を促す意味合いから一定の国際的な圧力は必要だろうと思っています。

仮に「窮鼠猫をかむ」寸前まで追い込んだとしても、北朝鮮側からミサイルのスイッチを押す可能性は薄いはずです。戦争に突入すれば軍事力の差は歴然としているため、確実に金正日体制が崩壊することを認識していると見込まれるからです。日本にもミサイルが飛んで来て、61年ぶりに戦死者が出るシミュレーションはアメリカによる先制攻撃が仕掛けられ、戦争に突入した場合に限られるものと思います。

イラク戦争に懲り、加えて地域的なメリットを感じていないだろうアメリカが先に攻め込む確率は高くないはずですが、日本の役割として「武力攻撃やむなし」の流れを作らない努力も欠かして欲しくないものと願っています。金正日総書記を自暴自棄に追い込みすぎない逃げ道も用意し、平壌が火の海とならない外交面での抜本解決を切望しています。

最後に付け加えれば、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国のみ核兵器の保有を認めた1970年に発効した核不拡散条約(NPT)は問題であり、例外国を認めない核兵器の廃絶が理想であることは言うまでもありません。しかしながら最低限、1996年の国連総会で採択された包括的核実験禁止条約(CTBT)が発効できないようでは話になりません。理想どころか核廃絶への道のりは夢想に終わってしまいます。特にアメリカは核実験をまだまだ繰り返したいため、このCTBTの死文化を狙っている有様で、イランや北朝鮮から「アメリカには批判されたくない」と言われかねない始末です。

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コメント

おはようございます。
北朝鮮の核実験、本当に愚かなことと思います。
その開発、実験に要した費用でどのくらいの北の人民が救われるのか?
安保理は、7章に基づく制裁措置を決議しそうですが、どうなることやら?
自治労は、今回の核実験に対して正式なコメントを出すのでしょうか???
私も単組委員長として、関心があります。(個人的には毅然たる態度で、米・英のイラク武力攻撃のときのように非難決議くらいするべきと考えます。)

投稿: shima | 2006年10月11日 (水) 08時22分

自治労と朝鮮総連って何か特別な関係なのですか?
どなたかが、このブログでコメントして以来ずっと気になっております。

投稿: エニグマ | 2006年10月12日 (木) 00時15分

 自治労のなかにも旧社会党の残党がうようよしていますから、総連と特別な関係があっても不思議はないと思いますけど・・・

 それはさておき、今回の北朝鮮の核実験っていうのは素直に金正日が単独で書いたシナリオとは思えないんですよね・・・

 なにか、日本が大きな負担がかかる予兆のような気がしてなりませんが・・・

投稿: ニン麻呂 | 2006年10月12日 (木) 00時25分

エニグマさん、コメントありがとうございました。
自治労と朝鮮総連はお互い友誼団体として、昔から定期大会の来賓に呼び合うなどの交流がはかられています。
拉致問題が明らかになった以降、日本人の朝鮮総連を見る目は厳しくなっています。正直私もその一人でした。
ただ実際、支部の人たちと直接会って話し合えば、普通に日本に暮らしている誠実な人たちでした。朝鮮総連の果たしてきた疑念を解消した訳ではありませんが、自治労が朝鮮総連との交流や意見交換できるチャンネルを閉ざさない意義も私なりに理解できました。当然、厳しい意見を言うべき時は言うことが大前提であり、なれ合いの関係では組合員から信頼を失う緊張感が絶対欠かせないものと思っています。
改めて再掲しますが、このような問題意識を踏まえたブログのバックナンバーに「拉致問題を考える」があります。昨年11月19日に投稿した記事(URLは下記のとおり)ですが、よろしかったらご覧になってください。
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2005/11/post_0b94.html

投稿: OTSU | 2006年10月12日 (木) 05時03分

ニン麻呂さん、コメントありがとうございました。
確かに自治労の中に社民党支持者は多いと思います。ちなみに又市幹事長は自治労富山県本部委員長だった方です。
個人的には現在でも社民党の果たしている役割は小さくないものと考えています。そのため、「北朝鮮信奉」路線の総括をしっかりして欲しかったと思っています。その上で、朝鮮総連との関係はエニグマさんへの返信コメントで記したとおり真摯な緊張関係が必要だろうと感じています。
単独で書いたシナリオではない…、興味深いコメントですね。とにかく最悪なシナリオだけは避けられることを強く願っています。

投稿: OTSU | 2006年10月12日 (木) 05時22分

 対日テロ工作を考える北朝鮮人は、外見は「普通に日本に暮らしている誠実な人たち」を装うしかない。実際は北に送金などの貢献をして核開発を支えてきた「テロ支援者」たちだ。
 
 隣国のテロ国家による核開発という事態になり、発足した安倍政権は「時代の要請」といえる。
 
テロ実行組織  北朝鮮=オウム
首謀者     金正日=麻原彰晃
テロ手段      核=サリン
テロ対象   日本の?=霞が関

 と具体例を示せば解りやすい。

 国民の安心・安全のために現在政府が取り組もうとしているあらゆる対策に組合として支持する姿勢を適切に打ち出すべきである。

投稿: ワッセナー | 2006年10月13日 (金) 13時34分

ワッセナーさん、コメントありがとうございました。
北朝鮮が国家として行なってきた拉致などの手口を振り返れば、そのような警戒した見方を確かに全否定することはできません。
また、悲惨なテロ行為を防ごうとする日本政府の努力に対し、組合が抵抗する立場ではなく、場合によっては協力もすべきだろうと思います。ただ新たな法律整備などに際し、本当に国民のためのものなのか、国家権力の統制を強めるのが主眼なのか、真贋を見きわめる情報収集や議論も欠かせないだろうと考えています。

投稿: OTSU | 2006年10月13日 (金) 18時04分

北朝鮮の核実験を受け、各所の平和団体の活動も盛んになっているようですが…。正直、自治労にはこの問題に関わって欲しくはありません。

タダでさえ公務員批判の盛んな昨今、議論の分かれる問題で旗幟を鮮明にすることは公務員に対する新たな反感を育てることにつながります。

組合員が、組合に託していることについての立場表明なら全く問題ありませんが、普通の組合員は核兵器反対運動のために組合費を払っているわけではないのです。まして、組合の主たる目的である、職員の待遇改善に支障をきたすような方向の運動は本末転倒と言っても良いのではと思っています。
平和運動そのものを批判するわけではありませんが、それはそれで有志でやっていただきたいものです。

また、国民保護法をはじめとした法整備については、個々人では様々な意見もあろうかとは思いますが、ほとんどの公務員はこの法に従わなければならない、また従わせなければならない立場にあります。公務員を構成員とする自治労が正面切って反対を表明できるものか、疑問があります。

投稿: 通りすがりの組合員 | 2006年10月16日 (月) 21時41分

通りすがりの組合員さん、コメントありがとうございます。
貴重な問題提起であり、これまでも多くの方からご指摘いただいた問題でした。ただ今回の記事内容のトーンで議論が分かれることは少ないと思っていますが、改めて組合が平和運動に取り組む意義などについて私なりの考え方を述べさせていただきます。

そもそも組合活動は組合員一人ひとりのためになることを第一の目的としています。ただ時には「なぜ、労働組合がそこまでやるの?」と違和感を持たれる場合があるかも知れません。その顕著なものとして、政治活動や反戦平和の取り組みがあげられがちです。

それでも自分たちの職場だけ働きやすくても、社会全体が平和で豊かでなければ暮らしやすい生活となりません。そのために労働組合としても、一定の平和や政治活動が欠かせないものと考えています。

通りすがりの組合員さんをはじめ、多くの組合員の皆さんも平和活動そのものを否定している訳でなく、組合が取り組む必然性について疑問を投げかけられているものと理解しています。確かに組合として必ず取り組むべき運動領域ではないかも知れませんが、平和な社会を築くためには政党や市民団体などに限らず、様々な組織による運動も重要なはずです。

とは言いながらも、組合の本務である労働環境改善などが疎かになったり、平和運動との関係が主客逆転するようでは論外です。したがって、しっかり職場課題に取り組んだ上で、できる限りの守備範囲で組合が政治的な活動や平和運動を進める意義は決して少なくないものと考えています。

さらに重要な点は、それらの活動を進める方向性は組合員全体で意思一致をはかることが大前提となります。しかしながら組合が所定の手続きを経て確認した活動方針でも、通りすがりの組合員さんのように様々なとらえ方をしている組合員の方が少なくないことも認識しなければなりません。そのことを見誤ると組合の不団結の大きな要因となってしまう点も心がけているつもりです。

長々と記してきましたが、適確なお答えになったかどうか分からず恐縮です。ぜひ、これからも率直な疑問やご意見のコメントをお気軽にお寄せください。

投稿: OTSU | 2006年10月16日 (月) 23時00分

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