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2006年10月 7日 (土)

「美しい国へ」から感じたこと

安倍晋三内閣総理大臣、戦後生まれ初めての首相が誕生しました。発足した内閣は論功行賞と揶揄されながらも軒並み70%前後の高支持率、小泉政治を継承したイメージ先行、超タカ派と危惧される安倍政権が先月末にスタートしました。

「しっかりと教育再生改革に取り組んでまいりたいと思います」、首相就任の記者会見は26分間、その中で「思います」が35回、「考えています」が18回使われたそうです。「しっかりと」も多用されたようですが、末尾に「思います」を繰り返すことによって、安倍首相の「自信のなさ」が表れていると論評した記事を目にしました。

実はこのブログでも「思います」「考えています」が多く使われています。自分の主張に自信を持っていない訳ではありませんが、ある意味で意識的に多用しているつもりです。まず第一に物事には多面的な見方や考え方があり、答えを一つに断定できない場合が多いと本当に思っているからです。

とりわけ不特定多数の方が閲覧できるブログであるため、異なる意見を認め合いながら有意義な議論へつなげていくためにも意識してきた点でした。「この答えはAだ。それ以外は間違っている」と記すよりも、「私はAだと思っています」とした方が冷静な意見を交わせる機会になるものと考えています。

加えて、もう一つ理由があります。自治労に所属している市職員労働組合委員長の立場を明らかにし、組合を身近に感じてもらえるような記事を数多く投稿しています。しかし、あくまでも個人の責任によるブログであるため、組合員の中でも意見が分かれそうな事例に対しては断定した言い方を避けるよう注意しています。

したがって、今回のようなテーマの記事内容は個人的な感想や意見が中心であることを改めて強調させていただきます。また、前置きが長すぎると指摘されたこともありましたが、このような前置きも含めて一つの雑記風な記事だとご理解をお願いします。

さて、安倍首相の衆参両院本会議での所信表明演説はカタカナ語を多用し、消費税への対応なども含めて分かりづらかったと評されています。一方で集団的自衛権行使の研究、憲法改正や教育再生など踏み込んだ内容の発言も目立ちました。

安倍政権発足から2週間近くたち、雑誌やインターネット上で様々な論評が加えられています。70%の支持率とは裏腹に「美しくない内閣」などの酷評が多く、誹謗中傷か事実だとすれば凄まじい暴露報道も一部で行なわれています。

いずれにしても二番煎じの記事を書き連ねても仕方ありませんので、安倍首相の著書「美しい国へ」を読んだ印象を中心に自分なりの感想を述べさせていただきます。僭越な言い方となりますが、安倍首相も日本が素晴らしい国になるよう思いをめぐらしていることは理解できます。

しかし、現時点の安倍首相が一国の最高責任者として適任だったかと問われれば、私は到底支持できません。52歳という年齢は決して若すぎるものではありませんが、首相自身が体感した経験や知識が乏しく思え、考え方も一方に偏っている懸念が拭え切れません。ちなみに拉致問題の解決に向けた姿勢だけは別格かも知れません。

「美しい国へ」を読んだ方が「モノの考え方が大学生レベルだな」と率直な感想を記していました。まったく私も同じ印象を受けました。安倍首相の思想や考え方が揺るぎないのは政治家として結構なことだと思います。ただ様々な考え方に触れ、経験を積んだ結果、その結論に至ったとは考えられない底の浅さが著書から読み取れてしまいます。

とにかく祖父である岸信介元首相の思想をルーツとして、安倍首相の思考回路の大半が伝聞による知識の蓄積であるように思えます。高校の授業の時、安保条約破棄を説く先生に反論したことを記述した箇所がありました。条文を知らなくても先生が「岸の孫だから下手なことは言えない」と引き下がったエピソードでした。

生半可な知識で先生にハッタリをきかせ、打ち負かしたことを誇らしく、それを著書にまで紹介する感性に疑問を持ちました。安倍首相は「中身も吟味せずに反安保を唱える先生たちのうさんくささ」を伝えたい例示だったようですが、現在の首相の姿が重なり合う光景として私は感じ取りました。

安倍首相を強く支持し、大きな信頼を寄せている方々にとって今回の記事は不愉快な内容だったと思います。最初に述べましたとおり個人的な印象や感想ですので、幅広い考え方を認め合っていく大事さのもと、ご理解ご容赦ください。

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コメント

いやはや...。
あなたがた自治労の御用達の民主党だけれど大丈夫なのかい。不安だね。ところで何故に田中眞紀子だったのかな。勘違いしないで頂きたいよ。私たち一般の庶民は何も田中眞紀子を支持している訳じゃ無いんだぜ。まさしく田中眞紀子こそ金権政治家の七光りにしか過ぎないじゃん...!
ましてや田中眞紀子が拉致問題について言及しては駄目だろう。これは喜劇なのかい。だとすれば三流の喜劇だぜ...?

どこぞの金正男とやらを拘束もせずに慌てて国外追放に処したのは田中眞紀子だろう。違うのかい?

投稿: 彰子 | 2006年10月 8日 (日) 14時50分

まあね。あなたがた自治労にとって御用達の政党があるのは構わないけれど…。
しかし田中眞紀子を使うべきじゃなかったね。一般の庶民は決して愚民じゃ無いんだぜ。一般の庶民が田中眞紀子をただ賞賛しているとでも思っているのかい?

投稿: 彰子 | 2006年10月 8日 (日) 15時17分

他所から要らぬお世話とは思いますが、今後の議論に期待しつつ・・・・。

自分の考えを丁寧に明らかにしている者に対して、いきなり礼を失するレスのありよう・・・。
全くもって「美しく」ありませんよ。
世の中にはいろいろな考え方の人がいて、お互いに意見を闘わすことは決して悪いこととは思いませんし、それは必要であり、大切なことと考えます。
しかし、議論をするにはお互いの意見を真摯に受け止め、相手に対する礼を忘れてはいけないと思います。
最初から「自治労」だからと議論の余地なしに反発するのであればレスの必要はないのでは???と思います。
私からすればOTSUさんは、「自治労」の中でも非常にバランスの取れた方であり、けして「盲目的自治労活動家」ではないと拝察しております。
大人の討論というか真摯な意見交換を期待しています。

投稿: shima | 2006年10月 8日 (日) 20時39分

彰子さん、はじめまして(で、よろしいのでしょうか?)。コメントありがとうございました。
「自治労の御用達の民主党」とのご指摘は不適切であり、あくまでも自治労は民主党を支持する団体の一つに過ぎません。したがって、田中真紀子さんが予算委員会での質問者に選ばれたことついて、自治労が何か影響力を持った立場ではありません。
また、外務大臣の時のかき回しぶりなど、私も田中真紀子さんをあまり評価していないことを付け加えさせていただきます。

shimaさん、暖かい配慮あるコメントありがとうございました。
不特定多数の方へ発信しているブログの性格上、どのようなコメントに対しても基本的にお答えすべきだろうと思っています。当然、まったく見当外れのコメントには答えることができませんが…。
それでもshimaさんのお考えと同じく、お互いの意見を真摯に受けとめ合った議論が理想であることは言うまでもありません。

投稿: OTSU | 2006年10月 8日 (日) 21時42分

公務員が・・・・

投稿: VIPPER | 2006年10月 8日 (日) 22時09分

>あくまでも自治労は民主党を支持する団体の一つに過ぎません

タテマエはねwしかし、今の民主党は自治労と日狂組で持ってるようなもんでしょ。

自然と自治労寄り、日狂組寄りにならざるを得ないわけで
公務員改革、教育基本法改正について民主党は反対のための反対しかしていないでしょう。
かつての社会党の復活みたいに。

投稿: 民主党には何も期待しません | 2006年10月 8日 (日) 22時14分

VIPPERさん、民主党に何も期待しませんさん、コメントありがとうございます。このようなブログに目を通し、反応いただけるだけで有難く思っています。
前原前代表の時が極端だったのかも知れませんが、民主党と自治労との政策面での距離は明らかで、残念ながら(?)ご指摘のような関係ではないのが現状です。

投稿: OTSU | 2006年10月 8日 (日) 23時06分

 話がかなりさかのぼってしまうのでちょっと申し訳ないのですが…。
 はっきり言って、今回の自民党総裁選挙→首相指名については、なんら関心がありませんでした。所詮は一政党内部の問題であり、私自らが総裁=首相選び参加できる訳でもありませんから。それより、一部には安倍氏になびく派閥の有様が大政翼賛会的だという報道もあったようですが、それ以前に、そういう報道の中に「初めに安倍ありき」という所が多々あったのではないですか?私にはそちらの方が遥かに疑問に思えました。
 一方の野党の安倍首相や政権に対する批判も、正直ありきたりという印象はぬぐえません。まあ普通は野党が与党の新政権を歓迎したりするはずがありませんし。でも、少し前だったら、「解散して国民の信を問え」と叫んでいたケースだったような気もするのですが…。

投稿: 菊池 正人 | 2006年10月 8日 (日) 23時46分

菊池正人さん、コメントありがとうございました。
私も早い段階から安倍首相の圧倒的な優勢を伝え続けた報道に違和感がありました。特にインターネット上での支持の逆転現象などに首をかしげていました。
国会での安倍首相を追及する野党の問題ですが、これもマスコミの取り上げ方に少し偏りがあるものと思っています。歴史認識をただした質問ばかりが大きく扱われていますが、格差社会の矛盾点など幅広く民主党は追及しているようです。とりわけ田中真紀子さんの大きな扱いなどは、話題先行のニュースに飛びつきがちなマスコミの難点としか言いようがありません。
菊池さんのコメントから若干外れますが、安倍首相の訪中訪韓、非常にしたたかな序盤の戦略だと感心しています。弱点だと見られた対中対韓外交で実績を上げ、政権の安定感をアピールする効果的な行動だったと思います。逆に対中対韓強硬派の方々から評価を下げるのかも知れませんが、経験不足などと侮れない強力な政権になる可能性を感じています。

投稿: OTSU | 2006年10月 9日 (月) 09時23分

北朝鮮の核実験に対する対応が注視される。
安倍政権がどのような対応をとるのか?
制裁措置一本で行くのか?はたまた、電撃訪朝か?
野党の出方も注目せねば・・・。
それにしても、この国の危機管理体制はどうなっているのか?
きちんと検証せねばなりませんよ。

それから、新聞の休刊日は何とかならないのだろうか?
各社、休刊日を揃えることないでしょうに?
OTSUさんは、どう思われますか?

?が多すぎでした!

投稿: shima | 2006年10月10日 (火) 08時21分

shimaさん、おはようございます。
北朝鮮の核実験、本当に愚かな行為です。
ちなみに私の家には新聞休刊日なのに「号外」が配達されました。

投稿: OTSU | 2006年10月10日 (火) 08時29分

shimaさん、昨日のコメントに対して不充分なお答えで申し訳ありませんでした。
コメントを書き込む時間に余裕がなかったため、北朝鮮の核実験問題に関しては新規記事の本文で私なりの考え方を示させていただきました。
なお、新聞休刊日の問いかけは充分なお答えになっていませんので、改めて一言補足させていただきます。
私自身、高校時代に新聞配達のアルバイトをしていました。その頃、新聞休刊日はゆっくり寝ていられる貴重な朝だった思い出があります。少ない人数で営んでいる販売所が今も多いと思いますので、一斉に休める新聞休刊日があっても仕方ないものと私は考えています。横並びについても業界における一つの紳士協定なのかなと思っています。
また、号外が配達された地域云々が失礼な話に受けとめられなかったか少し心配しています。ぜひ、これからも気がついた点がありましたらお気軽にコメントよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月11日 (水) 08時28分

丁寧なコメント、いたみいります。
けして、新聞業界を云々、ましてや販売店さんをどうこうという話ではないのですよ。
新聞業界も競争でしょうから、せめて休刊日をずらすくらいしてもいいかななという程度です。ハイ。

ただし、国家の危機管理とすればこの国のマスコミの先端たる新聞業界が一斉に休みとなれば、私ならその日をあえて狙って実行しますけど・・・。

日本の危機管理は、あまりにも子供っぽいとうか、業界を含めて善人が多すぎですよ。
ビジネスチャンスなのに無料の号外でしょ?
民間なら休日返上で発行・配布すれば、それが実力というか企業力の差なのに・・・。

既得権というか、公務員だけじゃなく、各業界がおかしくないですか???

(OTSUさんのところに配布された号外は、販売店の従業員が休日出勤で配布したのか、そうなれば労働基準法の定めのとおり時間外手当はもらえたのか、気になります。)

投稿: shima | 2006年10月11日 (水) 22時33分

shimaさん、コメントありがとうございました。
昨日の朝、お互いほぼ同じ時間にコメントを書き込んでいたようですね。自分のコメントを送信した直後に気付き、前回のレスが少しタイミングの外れた内容で失礼致しました。
駅前などで配布される号外も含めて無料ですが、確かにコストやビジネスチャンスの面から考えると疑問点がわいてきます。
また、従業員の時間外手当、どうなのでしょうか。バイト時代からの知り合いの方に今度尋ねてみようと思います。
いずれにしてもshimaさんの多面的なモノの見方にいつも感心しています。

投稿: OTSU | 2006年10月12日 (木) 04時22分

いつもながら、丁寧な対応、ありがとうございます。
私のコメントに対するもったいないほどの評価・・・。

私も九州の片隅で単組委員長をやらせてもらっていますが、どうやら、ものの考え方が一般的な自治労の方と多少違うようで、よく物議を醸しております。

41歳、役員歴15年。ただの変わり者です。

これからも、よろしくお願いいたします。

投稿: shima | 2006年10月12日 (木) 08時21分

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