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2006年9月30日 (土)

飲酒運転と懲戒処分

「飲んだら乗らない、飲むなら勧めない、こんな言い方あるんですか」と組合事務所で、書記長から質問を受けました。「えっ、よく使う言葉じゃないの」と自信満々に答えた私でした。

次の瞬間、大きな誤りに気付きました。「飲むなら勧めない」、これでは単なる嫌がらせのスローガンになってしまいます。お酒を飲みたい人に勧めない、そうではなく「乗るなら勧めない」と言いたかったのに「飲むなら勧めない」とブログの記事に書き込んでいました。

と言う訳で、最近投稿した記事中の「飲むなら勧めない」と記した箇所は「乗るなら勧めない」に訂正させていただきました。たいへん失礼致しました。これまでも明らかな誤字や注意不足による誤りは投稿した以降、気付いた時点で訂正してきています。蛇足ながら記事内容に関することを投稿後に修正するのはマナー違反と考え、断り書きなく変えないよう注意しています。

さて、「飲酒運転の撲滅へ」の記事はPart3まで重ね、たくさんの方から貴重なご意見や情報を提供いただきました。改めてお礼申し上げます。この間、私の主張は飲酒運転の厳罰化を否定するものではなく、すべて懲戒免職とする方向性に違和感を訴えてきました。最初の記事へのコメント欄には、この主張に対して手厳しいご批判が数多く寄せられました。

酒酔い運転と酒気帯び運転を峻別し、酒気帯び運転の厳罰化に抵抗していた訳ではありません。飲酒運転を撲滅するための一つの方策として、事故の有無にかかわらず酒気帯び運転、自転車の飲酒運転、飲酒運転の幇助など、例外なく懲戒処分が厳しくなることに異論はありません。

地方公務員法で懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告の4種類を定めています。その他に厳重注意、訓告、始末書の提出などがありますが、その3つは賃金面でのペナルティが伴わない将来を戒める処分に位置付けています。今まで飲酒運転は重大事故を起こさない限り、職員個人の責任による交通違反にとどまり、大半の自治体では基本的に処分の対象となっていませんでした。

福岡市での悲惨な事故を契機とし、飲酒運転に対する厳罰化の流れは妥当なものだと受けとめています。しかしながら「免職ありき」の考え方だけは一貫して異論を唱えてきました。記事をPart2、Part3と重ね、コメント欄でも多くの方と議論を交わす中で、この主張を真正面から非難するコメントの数も減っていきました。

また、同様な趣旨の発言をマスコミも取り上げ始めていました。埼玉県知事は「時々の世論で罪が重くなったり、軽くなったりするのはよくない。処分の中身は整理した」と発言し、酒酔い運転による死亡・傷害事故は免職、酒気帯びによる死亡・傷害事故は免職または停職と「免職ありき」ではない内容を紹介していました。

静岡県知事は「日本の雇用慣行からすると、免職はその人の職業生活上、死刑判決に等しい。刑法の場合でも、犯した罪の状態と結果に相応の罰則をするのが鉄則。例えば酒気帯びで検問に引っかかった場合にオートマチックに適用するのはいかがなものか」と述べ、画一的な厳罰化の動きに疑問を示しています。

兵庫県知事も「飲酒運転をしたから直ちに免職というのは、行き過ぎているのではないか」と述べ、飲酒運転以外の処分案件と比較した場合に「懲戒処分としてのバランスをあまりにも欠き過ぎている」と話しています。このように多くの自治体で「免職ありき」ではなく、停職処分も残した厳罰化が進んでいるように見受けられます。

一方で、静岡県知事の発言などを批判したブログが多いことも事実です。さらに公務員に限った話ではありませんが、情状酌量の余地がない飲酒運転の報道が後を絶たない点も非常に残念なことです。これだけ飲酒運転が問題視されながら愚かな行為が続くのか、つくづく飲酒運転の撲滅に向けては個人の意思に頼らないハード面の対策も急務なのだろうと痛感しています。

飲酒運転撲滅を願ったブログ記事の管理人が二日酔い運転で摘発されたら洒落にならず、新聞紙面の見出しを飾る致命的な不祥事です。飲んだら乗らないのは当然ですが、飲んだ夜のアルコールが翌朝、どの程度残っているのか深刻な問題でした。そのため、前回記事のコメント欄で記したとおり個人的にアルコールセンサーを購入しました。

今朝、自宅へ届き、さっそく昼に350mlの缶ビールを1本飲み、数値の変化を試してみました。飲んだ直後に0.10mg、1時間後に0.05mg、1時間半後には0.00mgとなりました。アルコール濃度の処理速度は個人差があるようですが、今回の測定結果は比較的速い方の部類かも知れません。

なお、0.10mgの状態は飲んだことを忘れてしまう程度の酔い加減でした。この辺も個人差が大きいのでしょうが、言うまでもなく、ぎりぎりセーフのラインを探るための実験ではありませんので誤解のないようご理解ください。今後、飲んだ翌朝に計測し、アルコールが残っているようならば運転しないためセンサーである点を付け加えさせていただきます。

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コメント

 ようやくヒステリックな騒ぎも一段落して、日本が法治国家だということを思い出しているって感じですかね^^でも、今回の騒動を見ていると、なにか非常に怖い感じがしますね。この国は、何か些細なきっかけで、何か大きな誤りを犯す可能性があるような気がします。
 特に、何時も「護憲命」のようなことを言ってる「自治労」なんかが、簡単にヒステリックな世論に迎合したのには驚きました。確たる思想信条もなく、就職先がたまたま役所だったからということで、自分の利権を守るために支持政党を決めるようなのが幹部に多過ぎますよ^^;
 だから、今回の騒ぎも、何か「公務員バッシング」のような側面があったことと無関係ではないと思いますけどね!
 こんなことだから、この国では本当に守られなければならない「未組織労働者」の権利が守られないのですよ!
 頑張ってください!(彼らは怖くて信用できません!)

投稿: ニン麻呂 | 2006年10月 1日 (日) 12時44分

ニン麻呂さん、コメントありがとうございます。いろいろな意味で考えさせられるご指摘だと受けとめています。
今回の問題に限らず、少数意見でも堂々と主張できる社会を維持することが非常に重要です。最近、一気に白か黒か、善悪を峻別してしまう風潮に私も危うさを感じています。
自治労の問題は、とにかく自治労組合員の一人としてニン麻呂さんからも信頼を得られるよう努力していきます。これからも率直なご意見ご批判をよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月 1日 (日) 17時46分

本当に飲酒運転はなくなりませんね。
これだけ報道されていても、なくならないっていうことはみんな自分の問題として意識できていないのでしょうね。
自分がその立場だったら、どうするのか?どうなるのか?他人事じゃないと思うのですが、不思議なくらいなくならない。
また、ニン麻呂さんの言われるようにこの国の怖さですよ。
一気に決め付け、絶対視する割りに自分とは関係ない世界の話のように振舞う・・・。
マスコミに煽られやすいのか?九州弁でいう「のぼせ者(もん)」が多いのか?
政治にしても同じ反応するでしょ?
怖いな!本当に怖い。
自治労という組織にも同じところあるし、国民性なのですかね?

投稿: shima | 2006年10月 2日 (月) 08時17分

shimaさん、コメントありがとうございました。
自分は大丈夫、少しぐらいなら大丈夫(飲む量や運転する距離)、そう思う人が残念ながら後を絶たないようです。ただ必ず全国ニュースで報道されるため目立っていますが、以前に比べて飲酒運転の取締り件数は減っていることも確かです。
自治労の評判、どうも急降下しているようで残念です。最近、自治労都本部委員長と直接話す機会があり、飲酒運転と懲戒処分に対する問題意識を伝えました。これからも単組から自治労本部へ率直な声が届くよう努めていこうと考えています。

投稿: OTSU | 2006年10月 2日 (月) 12時59分

こんにちは。
ワタシは先日、指宿市で開催された自治労の定期大会に参加しました。
そんな中、来賓者の一人、総連のファン(黄?)とかいう方の挨拶に愕然としました。
「北朝鮮のミサイル実験は合法だ」
「米・印も同様の実験を行っている」
「直ちに日本政府は制裁解除を」ってな内容でしたね。
こんな人を来賓で呼ぶとは、ナニを考えているんでしょう?
言いたい事は山ほどありますが、納得できない事でした。
これからの県本部に不信感が増しました。
どういう方向に導いてくれるのか、心配です。

投稿: ORE | 2006年10月 2日 (月) 16時22分

飲むなら勧めない。なるほど嫌がらせ的な発言ですか。それは大変でしたね。ところで素朴な疑問ですが,あなたがたの組織の書記長とやらは,かくも暇な職務なのですか。およそ一般の社会では考えられない程の,どうでもいいような指摘ですね。それこそが組合的な思考なのですか。公務員的な思考なのですか。あまりにも一般の社会の思考とは遊離しているような,お役所的な発言だとは思いませんか。
かくの如き思考回路を有する人種にとって,おそらく飲酒運転の撲滅の掛け声なんぞ何の価値もないのでしょう。改めて痛感させられました。彼らの思考回路の中には,とにかく自分たちの権利擁護の意識しか存在しないみたいですから。仮に少しでも批判めいた指摘がなされると,途端に,それは公務員叩きだとの擁護の声が湧き上がりますからね。まさしく日本は公務員の楽園なのでしょうね。

投稿: 美和子 | 2006年10月 2日 (月) 16時43分

今さらですが,私も公務員になりたいものです。勘違いしないで頂きたいのは,あなたがた公務員の皆さまは,今の世の中では,いわゆる勝ち組だという事です。決して弱者ではありませんから。その現実を見据える事なく,いつまでも自分たちの権利擁護ばかり唱えるのであれば,あなたがたの組織は,単なる利権団体に墜ちてしまいますよ。失礼ながら,そうなっていましたか?

投稿: 美和子 | 2006年10月 2日 (月) 18時02分

OREさん、コメントありがとうございました。
今年の自治労本部の定期大会はさいたま市でしたので、県本部の大会だったのでしょうか。私も「ミサイル実験は合法」の発言は容認できません。また、それに何も抗議しないようでしたら大会主催者側の姿勢も大きな問題だと思います。
なお、このような問題意識を踏まえたブログのバックナンバーに「拉致問題を考える」があります。昨年11月19日に投稿した記事(URLは下記のとおり)ですが、よろしかったらご覧になってください。
http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2005/11/post_0b94.html

投稿: OTSU | 2006年10月 2日 (月) 21時37分

美和子さん、はじめまして。コメントありがとうございました。
私の文章力の拙さから書記長の指摘した趣旨を誤解されたようで申し訳ありませんでした。車を乗る予定で、それでも飲みたい人に勧めないのは嫌がらせ、そのように受けとめられたのでしょうか。あくまでも運転するつもりの人には絶対アルコールを勧めない、その表現は「乗るなら勧めない」が適切だと書記長から指摘されたエピソードを紹介しました。したがって、「飲むなら勧めない」では運転しない人に対しても、お酒を勧めない不適切な表現だったものを訂正させていただきました。
また、美和子さんと同様な「権利擁護ばかり」のご批判は最初の記事に対して多数いただきました。決して、そのことを前面に出した記事ではないことをご理解ください。ぜひ、「飲酒運転の撲滅へ」から今回の記事までを通してご覧いただければ、もう少し真意が伝わるものと願っています。厚かましいお願いですが、どうぞよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月 2日 (月) 21時58分

皆さんが公務員への厳罰化を求める一番の理由は「公務員が税金で食っている」からではないでしょうか?

育児休暇や残業などのときは「範を示す」という理由が成り立つのに、厳罰化のときはその声が公務員内部から大きく上がらないのもその理由のひとつでしょう。

まずは公務員が「厳罰化」を受け入れ、飲酒運転をしない、させない態度を示し、また民間もそれを見習って行くのが筋ではないでしょうか?

公務員は税金で食っているのですから。

投稿: 若手経営者 | 2006年10月13日 (金) 16時42分

若手経営者さん、お久しぶりです。コメントありがとうございました。いつも「お金持ちになりたいひとへ」は興味深く拝見させていただいています。
公務員が飲酒運転の撲滅に向け、ご指摘のとおり民間会社より率先して懲戒処分を厳罰化していくことは当然だと思っています。ちなみに私の務める市役所も厳罰化の方向で検討が進んでいます。
ぜひ、これからもお気付きの点がありましたらコメントをよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年10月13日 (金) 18時22分

こんにちは、Aliceと申します。
「飲むなら勧めない」は正しいと思います。

アルコールで起こる悲劇は飲酒による交通事件だけではございません。
急性アルコール中毒、アルハラなど人生を破滅させかねないものが横たわっております。
したがって、アルコールは自己責任で飲むものであり、人に薦めるものではないと考えます。

投稿: Alice | 2006年10月15日 (日) 17時05分

Aliceさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
なるほど、そのような見方もあることに気付きました。ただ宴席などでは、ついお酌し合うのがマナーなように見られがちです。それでも最低限、断っている人に無理強いすることはないよう皆、心がける必要があるだろうと改めて思いました。

投稿: OTSU | 2006年10月15日 (日) 17時28分

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