飲酒運転の撲滅へ Part3
木曜の夜、私どもの組合は「世界がもし100人の村だったら」で著名な池田香代子さんの講演会を開きました。市民の皆さんへも広く呼びかけたところ全体で150人もの方の参加を得て、そのうち半分は組合員以外の方でした。池田さんの親しみある話しぶりは難しいテーマも「なるほど」とうなづかせ、あっと言う間の充実した2時間を過ごすことができました。講師の池田さん、ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました。
この講演会の報告は機会がありましたら改めて記事にしたいと考えています。少し迷いましたが、やはり今回も飲酒運転の問題を取り上げることにしました。前回記事「飲酒運転の撲滅へ Part2」へも本当に多くの方から貴重なコメントをお寄せいただきました。コメント欄で率直な意見を交わす中で、私の表現力や理解力の不充分さから論点の拡散やすれ違いが生じ、たいへん申し訳ありませんでした。
改めて私自身の考え方を整理してみます。罰則や懲戒処分が厳しかろうと甘かろうと飲酒運転は絶対駄目であり、「飲んだら乗らない、乗るなら勧めない」の徹底化を広くはかっていく絶好の機会だととらえています。当然、酒気帯び酒酔い問わず、飲酒運転は絶対なくすべきものと考えています。その方策としての厳罰化、特に「自分は大丈夫」と過信や盲信する不届き者をなくすため、即、懲戒免職の厳罰化も結構なことだと思っています。
この機会に具体的な働きかけを身近なところから始めています。特に注意すべきシチュエーションとして、お通夜やお葬式で「どうぞ、お清めですから一杯」、ゴルフ場で昼食時の生ビールなど、当然、運転する場合は厳禁だと強く訴えていきます。今後、組合という組織としても日常的な啓発や監視活動を強めるよう検討しています。
したがって、飲酒運転を厳しく嫌悪したコメントを多くの方からいただいていますが、その方々の思いと私自身の思いは同じだと確信しています。とにかく飲酒運転の撲滅をめざす決意は強く固まっているつもりです。この論調で記事内容をまとめていれば、もう少し議論は進めやすかったのかも知れません。
とは言え、自治労のホームページ問題を切り口にした限り、やはり処分のあり方について触れざるを得ませんでした。まわりくどい言い方になりますが、この領域の問題は私自身の決意や思いと次元を別にして、組合役員の立場に軸足を置きながら問題提起してきました。つまり自分のところの組合員の方をはじめ、労働者の職の重さを鑑みながら想像力をふくらませてきました。
このように話を進めると「結局は飲酒運転撲滅はかけ声だけで本気じゃない」「厳罰化の抜け道を探して甘い処分を残す気だ」「要するに飲んだら乗らないを守れば良いだけの簡単な問題だ」などと批判されがちでした。組合員の雇用を守る、組合役員の本能的な使命感だと釈明させていただきますが、この問題と飲酒運転撲滅に対する姿勢は別な視点で議論できるものと考えています。
繰り返しになりますが、大前提として、悲惨な事故を起こす恐れがある飲酒運転は絶対容認しない立場です。当然、事故を起こす恐れが少ない微量の飲酒、酒気帯び運転も犯罪ですので、抑止力を高めるために厳罰化も妥当な流れだと思っています。飲酒運転に問われた場合、どのような情状酌量の余地があろうとも罰は受けることを前提にした発想です。
それでも酒気帯び運転と酒酔い運転では法律上、罰則面で差を付けている点も意識すべきではないでしょうか。それらが同一に「即、懲戒免職処分」とする話に違和感を抱き続けています。飲んだら乗らないを守れば良い簡単な問題、確かにその通りです。ただ最近、私としては気になるニュースが目に付くようになりました。
飲酒運転を糾弾する記事を書いた朝日新聞甲府総局の男性記者が酒気帯び運転で摘発され、懲戒解雇処分となりました。何とも莫迦な記者で、朝日新聞の監督責任まで問われる不祥事です。一方で、詳しく報道内容を見ていくと運転免許証を持っていない方や絶対アルコールを飲まない方以外、他人事ではない注意すべき事実が分かります。
その記者は17日夜から18日午前にかけて深酒、休日である18日の昼に飲酒、一斉取締りの検問で摘発された時間が19日午前1時40分頃でした。最後に飲酒した時間から10時間以上経っているにもかかわらず、呼気1リットル中0.15mg以上のアルコールが検知されたことになります。
前夜の深酒が残っていたためか、昼食時の飲酒も半端でなかったのか、それとも直前まで飲んでいたのを偽っているのか不明瞭な点が残されていますが、果たして飲酒運転糾弾記事を書いた新聞記者が酒気帯びを自覚して運転するのでしょうか。同様な例として、飲酒後12時間以上でも摘発された米子市立の中学校教諭など、本人が自覚していない飲酒運転のニュースも目立ってきました。
言うまでもなく、アルコール濃度0.15mg以上は法律違反ですので処罰は避けられません。呼気1リットル中のアルコール濃度0.25mg以上が酒酔い運転、0.15mg以上0.25mg未満が酒気帯び運転、飲酒を勧めた人や同乗者にも刑事責任が問われます。ちなみに自転車も同罪です。まずは、これらの内容が徹底的に周知されていかなければなりません。「知らなかった」で法律は許してくれません。
同時に今後、アルコール検知器を手元に置く話が冗談ではなくなります。このような「過失」に近い飲酒運転を防ぐためにも、普及活動や常備する義務化などの検討も必要だろうと思います。このように書いてくると本質的な議論から遠ざかっていく気がします。そもそも悲惨な交通事故をなくすため、飲酒運転の撲滅が大きな目的です。
そのことは誰もが共通しています。繰り返しになって恐縮ですが、飲酒運転すべて同列に括って「即、クビ」の選択肢だけとなることに疑問を投げかけています。法律に基づく罰則に加え、飲酒運転の抑止力を高めるために職務上の処分が厳しくなることに異論はありません。その基本姿勢を踏まえた上、社会的にも許容できる情状酌量の範囲を設け、懲戒免職オンリーとせず、停職などの処分で悔い改めさせ、再チャレンジできる仕組みも必要だと考えています。
また、酒気帯び運転など軽微な違反にとどまった時は、必ずしも警察から勤務先へ連絡が行かないそうです。すべて即免職の基準だった場合、自己申告しないケースが多いだろうと懸念されています。自己申告しないと厳罰と言われても、免職以上の厳罰はないため、ビクビクしながら「逃げ得」の負い目を生涯背負う職員が出るだろうと見られています。
今回の記事は、より具体的な記述が多い分だけ、私の問題意識や立場と異なるご意見の方からは「甘い、甘すぎる!!」と痛烈なご批判を受ける可能性があります。ご批判を覚悟で、もう少しだけ自分の問題意識を付け加えてみます。
懲戒免職処分は、その当事者の人生そのものや家族の生活面から重大な問題です。別な角度からも重い問題があります。その職員の担っていた業務や責任面で、突然、穴が生じる点です。市民から選挙で信任を受け、どのような業績を上げた市長でもルールはルールとなり、職員と同じ適用が求められることになります。
その職員が採用されるまでの費用、研修などに要した費用、すべて水泡に帰します。職場旅行で解散した後、一人が飲酒運転で摘発され、参加者が黙認していた場合、一つの課丸ごと職員がいなくなる例示は暴論かも知れません。今後、そのような緊張感が欠けた公務員は出ないものと思いますが、可能性はゼロではありません。
極端な例を出し、また議論を混乱させてしまったかも知れません。とにかく飲酒運転は全力で撲滅をめざすべきものであり、この考え方は大半の方と共有化した認識であるはずです。その上で、様々な角度から意見交換できるのは相互通行のブログの利点であり、ひいては民主的な社会の良さだと感じています。
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コメント
最近の「飲酒運転」に対する反応はいささか常軌を逸しています。
過日話題になった自治労の顧問弁護士の見解は正しいと思っていますが、単純な「市民感情」の訴えるままに抹殺してしまった自治労という団体の「底の浅さ」にも危機感を覚えます。
投稿: ニン麻呂 | 2006年9月23日 (土) 14時44分
ニン麻呂さん、コメントありがとうございました。
同じように受けとめている方も少なくないのではと心強く感じた一言をいただき、大きな励みとなりました。
自治労本部への思いも前々回記事で示したとおり、私も今回の対応には少しガッカリしています。しかし、私も自治労組合員ですので、率直な意見を言いながらも下支えしていくつもりです。
投稿: OTSU | 2006年9月23日 (土) 19時04分
こんばんは、朝日の件はOTSUさんが懸念していたことと同じケースでしたね。私もニュースを見て、こういうことあるんだなと思いました。
いい大人が呼気にアルコールを匂わせながら、自分の体調の管理(判断)もできないとは・・・普通はわかりそうなものですが。実害がなくて本当によかったです。
ちなみにアルコール濃度について色々書かれておりますが、実際に数値言われて、それがどの程度の酔いっぷりか私はわからないのですがOTSUさんはわかりますか?
あと、身内の不祥事や突発的なトラブルによる仕事の穴は同僚が頑張って埋めるしかないでしょう。その程度のことを問題視しないでください。同じ労働者として少し情けなく思います。
確かに皆が、ヒステリックになっていると思います。でも、喉元すぎると忘れやすい日本人にはこれぐらいがちょうどいいかなと思ったりもします。
また、それだけショッキングな事件だったのではないかと思います。私も家族が同じ目に遭ったらと思うととてもいたたまれなくなってきます。
スウェーデンが実施している、アルロック?だったかな?アルコール検知装置を義務つけた方が、運転手のためではないかと思います。実際に、それで飲酒運転が減ったようですよ。
投稿: エニグマ | 2006年9月24日 (日) 03時17分
エニグマさん、コメントありがとうございました。
断定できませんが、朝日新聞の記者は呼気にアルコールを感じていなかったのかも知れません。検問で検知器による測定をした結果、違反となる0.15mg以上だと分かった可能性があります。一般的に飲酒後、10時間以上経過し、酒気帯び運転の心配をするドライバーは稀だと思っています。
繰り返しになりますが、だから罪はないと言っている訳ではありません。その一度の過ちをもって、即、免職や解雇の処分オンリーの考え方に問題提起してきています。
アルコールを少しでも飲む機会がある人で、飲んだら乗らないを当然徹底していた人でも、10時間でも駄目な場合があるという事実は衝撃的です。完全禁酒の習慣へ改めるか、運転免許証を捨てるかしない限り、常にクビになる危険性を背負った厳しさだとも言えます。
どの程度で0.15mgなのか、実際に検知器を手に入れようと本気で考えています。今回の記事で紹介した「10時間以上」の例が半端でない深酒だったのか、本当は直前にも飲んでいた事例だったのか、もしくは日本中の飲酒者が生活習慣を変えないといけなくなるのか、ある程度分かるかも知れません。
ご指摘のとおり突発的な仕事の穴を同僚が埋めていくのは当然です。私が問題にした点は、経験や実績を積んだ貴重な人材が突然いなくなる損失を提起させていただきました。議論材料の一つとして例示しましたが、誤解を招く表現で申し訳ありませんでした。
アルコール濃度が残っていたら運転できない車、本当に必要だと私も思います。ハード面での効果的な飲酒運転対策に直結するだろうと期待できます。
投稿: OTSU | 2006年9月24日 (日) 09時11分
最近の飲酒運転騒ぎは過剰すぎると思います。
朝日が記者を、この酒気帯びだけで、
いきなり懲戒解雇したのも行き過ぎだと思います。
飲酒から半日以上経過しての運転が、
許されざる反社会的行為とは思えないのですが。
晩酌したら、翌日は運転禁止が当然というような
社会的なコンセンサスは寡聞です。
投稿: 通りすがり | 2006年9月24日 (日) 09時45分
通りすがりさん、コメントありがとうございました。
自分の問題意識が極端な少数派でないと思えるご意見をいただき、本当に勇気付けられます。
投稿: OTSU | 2006年9月24日 (日) 09時55分
>飲酒から半日以上経過しての運転が、
>許されざる反社会的行為とは思えないのですが。
問題は酒気帯びか否かであって、飲酒からの経過時間ではないと思うのですが・・・?
投稿: washita | 2006年9月24日 (日) 12時58分
Washitaさん、コメントありがとうございます。また、いつもWashitaさんのサイトにリンクいただき、ありがとうございます。
ご指摘のとおり法律上、経過時間は関係なく、検知器によるアルコール濃度が問題になります。したがって、酒気帯びと認定された場合、法に基づく処罰を受け、同時に勤務先での懲戒処分を覚悟することに異論ありません。飲酒運転を撲滅するための手段として、その懲戒処分の厳罰化も歓迎しています。
けれども再三訴えている点は、0.15mg、即、懲戒免職とするオールorナッシングの論調への違和感です。
所用で外出し、その途中、家電量販店に寄ってみました。どこもアルコール検知器は置いていないようです。いずれにしても近いうちに自分自身で、0.15mgの状態を体感してみようと思っています。
投稿: OTSU | 2006年9月24日 (日) 14時49分
飲酒運転を犯して懲戒免職となった職員の教育に費やしたコストや職員が欠ける事による業務上のロスを根拠に罰則の軽減化を主張するのは、残念ながら被害者感情が許さないでしょうね。
これからの時代はドライバーは全て超高精度のアルコール検出器を持つ事が義務付けられるようになるのかもしれません。
それにしても、公務員の飲酒運転ばかりが新聞記事に載るのは、マスコミの印象操作でしょうか?
投稿: nikki | 2006年9月24日 (日) 16時03分
mikkiさん、コメントありがとうございます。
教育費などのコスト問題は、ご指摘のとおり懲戒免職の軽減化の大きな理由となりません。あえて書く必要なかったのかも知れませんが、職員一人がクビになる重さの一つとして例示させていただきました。
また、被害者が出るような飲酒運転事故は即免職で仕方ないと思っています。私が想定しているのは飲酒運転の自覚がなく、事故を起こす可能性が極めて低い「過失」気味の酒気帯び運転まで即免職では厳しすぎると感じています。
当然、酒気帯びも違反は違反であり、罰金や免許停止の処分を受け、現行より厳罰化した停職などの懲戒処分を受けることを前提にした考え方です。
mikkiさんのコメント内容から少し外れて恐縮ですが、手に入れようと思っていたアルコール検知器、TBいただいたサイトに手頃な価格の商品が紹介されていました。さっそく購入を決め、土曜日には手元へ届く予定です。その検知器による実験結果は今後、ブログの記事でも報告させていただきます。
なお、飲酒しても、ぎりぎりセーフのラインを探るための実験ではありませんので、誤解のないようご理解ください。
投稿: OTSU | 2006年9月24日 (日) 16時40分
OTSUさん
検知器購入の件は私のコメントが理由でしょうか。だとしたらそこまでする必要はないと思いますので考え直していただけないでしょうか。貴殿が自腹で購入する理由はどこにもありません。まあ、個人的には私もとても興味がありますが(笑)。
投稿: エニグマ | 2006年9月24日 (日) 17時39分
エニグマさん、ご心配ありがとうございます。
もともと購入しようと考えていましたので、エニグマさんのコメントのせいではありません。それと4,679円(消費税・送料込み)の品を見つけ、予想したより安く手に入れることができました。安すぎて精度が少し不安ですが、一つの目安として参考になるものと思っています。
その報告記事は早くて来週日曜以降の予定です。ぜひ、またご訪問ください。
投稿: OTSU | 2006年9月24日 (日) 21時35分
そこまでされるとは感服です。
買われた機械で検出されなかったからとクルマに乗ったら捕まった,などということだけはないようにお気をつけ下さい。(笑
ところで,アルコール濃度に関係なく,酔っていると判断されれば「酒酔い運転」とされますが,ということは「酒気帯び運転」は「言動は正常だがアルコールが検出される状態」ということでしょう。それからすると,自覚のできない状態で酒気帯びとなってしまう人も多そうですよね。
血中アルコール濃度の影響の大きさや,減少速度はかなり個人差がありそうですが,法律としてはどこかで線引きしなくてはならないので,一律に厳罰というのは公平さに欠けるように思えます。
難しい問題ですね。
投稿: WontBeLong | 2006年9月26日 (火) 01時07分
WontBeLongさん、コメントとTBありがとうございました。
自分自身、晩酌の習慣はないのですが、たまに平日の夜に飲む機会があります。したがって、翌朝の残り具合が非常に気になっていましたので、ちょうど良い機会だと思っています。
ご指摘のとおりアルコール濃度に個人差は大きいのではないのでしょうか。直前に飲んでいることが明らかでも、0.15mg満たなければ違反に問われないはずです。日頃から飲酒運転に慎重だった人が10時間以上経過し、違反者となり、職まで失う、個人差による不合理さが今後顕著になるのかも知れません。
投稿: OTSU | 2006年9月26日 (火) 07時17分
静岡県の石川知事の「免職は死刑に等しい・・・」発言。
新聞紙面の内容ですが、冷静で客観性がある意見だと思います。
飲酒運転は許されませんが、それに対するペナルティー、量刑は状況により幅があって当然では?
投稿: 私も単組委員長 | 2006年9月26日 (火) 08時21分
単組委員長の見解は当然だと思います。それなのに、なぜ、こんなときに「自治労」は逃げるのですか?正々堂々論陣を張ればいいではないですか。
それこそ、「働く者の権利」を守ることではありませんか?
こんなことだから、「働く者の利権」を守るなんて非難をされるんです。
こんなことだから、共闘しようと思ってもできなくなるのです!(ちなみに、私は一滴も酒は呑めません^^;)
投稿: ニン麻呂 | 2006年9月26日 (火) 08時43分
私も単組委員長さん、ニン麻呂さん、コメントありがとうございます。
埼玉県知事も懲戒免職オンリーとしない発言を耳にしています。このブログの論調が少しずつ公然と言われ始めたことに正直安堵しています。
確かに自治労も初めから毅然として欲しかったと思います。
投稿: OTSU | 2006年9月26日 (火) 13時31分
>静岡県の石川知事の「免職は死刑に等しい・・・」発言。
>新聞紙面の内容ですが、冷静で客観性がある意見だと思いま>す。
>飲酒運転は許されませんが、それに対するペナルティー、量刑>は状況により幅があって当然では?
もしその飲酒運転で身内が亡くなったりしたらそんな冷静にしてはいられないのでは?。
そもそも飲酒運転は確信的犯罪だと思います。運転を始めるときは素面で、運転しているうちに飲酒運転になってしまったなどという事は有り得ないのですから。
。
投稿: 菊丸 | 2006年9月26日 (火) 16時04分
私は、あくまでも飲酒運転を容認するものではありませんし、公務員たるもの民間の方より重いペナルティーを科して当然と考える者です。
その上で、>運転している間に飲酒運転になったらどうするか?
そのような事も考慮し、総合的に判断するべきと思います。
例として・・・飲酒時と同様に意識障害、反応の低下当のため一定の医薬品を服用後は運転を控えるよう注意書きに記されています。法律上は、飲酒運転と同様の扱いは受けませんが、運転者の心身状態は飲酒運転となんら変わらない状態といわれています。しかし、法律上は明確な罰則なし。(本来は、法律上の責任はありますが今の検査体制では検出が難しいらしいとのことです)
運転を控えるように注意されている(あるいは医師から直接指示されている)薬物を服用して、運転し事故を起こした場合と飲酒時とは生体反応的、医学的にになんら変わりはないのに罰則は違うというのはおかしいのではないでしょうか?
この点も、議論の余地があるような気がします。
また、今回の事件については絶対に加害者の責任は否定でしませんが、もう一つの隠された責任があると思います。
それは、事故現場の橋梁のガードレールの強度です。
今回の事故現場は、事故現場側の車道の外に歩道が設けられていますが、車道と歩道の間には10数cmの車止めのブロックがあるだけで車道と歩道を区切るガードレールはありませんでした。歩道の最も外側(橋梁の外側)歩行者の転落防止用もガードレール(手すり)が設けられているだけで、到底、自動車の衝突に耐えたれるものではなかったとの事です。(反対側は、歩道がないため見た目は同じだが、強度は自動車の衝突に耐えるもの)
10数cmのブロックであれば、大型車やRV車など、口径の大きなタイヤの車であれば簡単に乗り越えてしまいます。その先には、到底自動車など受け止めることのできない強度不足の手すり(ガードレール)。
私には、もしかすると助かった命が、このことで失われてしまったのではないかという疑問が今もあります。
このような原因をつくったのは、国土交通省の補助基準に他なりません。
自治体が高所で交通量も多いので、オプションとして車用のガードレールを単費でもいいから設置したいとしても、今までの国土交通省は認めず、付けるなら全て単費扱いとして、補助適用を全て認めなかったからです。(アール・オア・ナッシング)
今回の事故後、福岡市長は早速、ガードレールの強度、設置状況を調査し、国土交通省へも改善対応を要請したようです。
この点も、行政の怠慢といえますが、いまだ全国の多くの道路で同じような問題を抱えていることも議論するべきと思い、あえて提起いたします。
投稿: shima | 2006年9月26日 (火) 21時38分
菊丸さん、コメントありがとうございました。
状況によって量刑の幅のとらえ方として、このように考えています。0.15mgの酒気帯びでも人身事故を起こした場合、免職は仕方ありません。10時間以上経って、本人に自覚なく、運転に影響ない0.15mgで検問摘発、このような被害者もないケースで、即免職は今までの基準に比べて厳しすぎるものと思っています。当然、酒気帯び運転の違反として、法的な罰則や停職処分などは受けることを前提にした考え方です。
shimaさん、コメントありがとうございました。
いつも深い洞察のもとのご意見や問題提起に感心しています。いろいろ考える参考にさせていただいています。ぜひ、これからも様々な切り口でのコメントをお待ちしています。
投稿: OTSU | 2006年9月26日 (火) 23時27分
はじめまして。真摯なOTSUさんのコメントにいつも感心しています。
飲酒運転の公務員の処罰に関して、厳罰化については、交通安全業務を推進する立場の公務員としてはある程度当然であり、飲酒運転は許されざるべきだということ否定する公務員はいないでしょう。その前提で処罰の妥当性を考えると、本来公務員は、地方公務員法で禁固刑以上の場合は、免職とされます。
一方、民間では、労働基準法により解雇ができる場合(自動的に解雇できるということではありません)の基準が定められています。しかし、その具体的な処分は、それぞれの組織の懲戒処分規定なり、就業規則なりで定められることとなります。
ところで事故を生じなかった酒気帯び運転で免職なり、解雇することに正当性があるかということですが、個々のケースで事情を斟酌する場合もあるでしょうし、実際判例では、処分が重すぎるとして免職や解雇の取り消しを認めているものがあります。そういった意味で酒気帯び運転で一律、免職・解雇ということは妥当性に欠ける気がします。犯した罪の内容で量刑が決まるように飲酒運転と酒気帯び運転、事故の有無によって処分に差異があってもいいのではないでしょうか。ただ、世論が酒気帯びでも免職や解雇を求め、裁判所の判断がそう傾くのであれば、やむを得ませんが。
投稿: 北の役人 | 2006年9月27日 (水) 04時41分
北の役人さん、はじめまして。コメントありがとうございました。
この間、主張してきた趣旨について、たいへん詳しい補足説明をいただき感謝しています。
埼玉県知事は「時々の世論で罪が重くなったり、軽くなったりするのはよくない。処分の中身は整理した」と発言し、酒酔い運転による死亡・傷害事故は免職、酒気帯びによる死亡・傷害事故は免職または停職と「免職ありき」ではない内容です。他の県でも同様に停職処分も残した厳罰化が進んでいるように見受けられます。
私や北の役人さんらの問題意識が少数ではないことが徐々に明らかになり、心強くしているところです。
投稿: OTSU | 2006年9月27日 (水) 07時12分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060925-00000257-mailo-l44
ようやく、煽り続けていたマスコミにも冷静な意見が出始めましたね。
>小さな鶏を殺すのに牛を殺すのに用いる大刀を使うのは愚の骨頂。
>何事もバランスが大事という意味だ。福岡市での幼児3人死亡事故に
>端を発した公務員への非難とその波紋を見るにつけ、いろいろなことわざが頭に浮かんできた。
>マスコミも品行方正な者ばかりそろっている訳ではない。
>大丈夫かなと心配していたら早速、山梨で某紙の記者が酒気帯び運転で検挙された。
>事故を起こした訳ではないが懲戒解雇の厳罰だ。
>27歳。一昔前なら将来を考慮して寛大な処分もあったろうが、
>厳罰化をあおったのはマスコミ。人を呪わば穴二つ。
投稿: 通りすがり | 2006年9月28日 (木) 05時25分
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
ご紹介いただいたURLで新聞記事の全文も読みましたが、本当に今の日本、一気に白か黒か、善悪を峻別してしまう風潮に危うさを感じています。ちょうど一年前、郵政民営化に反対する者は「悪」とした刺客騒ぎ、小泉自民党圧勝を個人的には思い出してしまいます。
ぜひ、通りすがりさん、またご訪問いただき、貴重なコメントをお願いします。できれば、その際は他の方と重複しないようなハンドルネームで投稿いただければ幸です。
投稿: OTSU | 2006年9月28日 (木) 08時03分
いままで、飲酒運転は過失の余地がない分、罪深いと思っていましたが、必ずしもそうでないことがわかりました。
私の勤めている会社は民間企業ですが、こないだ、飲酒運転が発覚したら解雇するといってきました。世間へのアピールだとしか思えません。
投稿: 男A | 2006年10月13日 (金) 15時54分
男Aさん、コメントありがとうございました。
このブログをお読みくださり、共感を得たご感想いただき、本当にうれしく思います。ぜひ、これからもよろしくお願いします。
投稿: OTSU | 2006年10月13日 (金) 18時15分
数年前から続いている兵庫県の高砂市のテニスおじさんおばさんの飲酒運転のこと知ってます?
テニスコートの中でタバコすってポイ捨てしたり
草むらの中にポイ捨てしたりして
近所の人にいっぱい迷惑かけて
そんな人たちはやっぱりお酒にもだらしなくって
ビールやお酒飲みながらテニスまではまだしも
酔っ払ったまま車運転して帰るのが当たり前
ネットで非難されれば何と。。。。
更衣室(男子用か女子用かは忘れた)の中に隠れて男女仲良く酒盛り。。。 。。
それには市の職員やテニス協会も関与してるとか。。。
コート管理してる市の職員もそれを知っていてコートを貸しているし
市長は「たいしたことではない」と言っていた噂あるし(今はどう言ってるのだろうか。。。)
飲酒運転天国は意外とは行政がからんでのさばっていると思う
だから警官が飲酒運転しても驚くことではないと思います
飲酒運転する人はタバコについても性についてもだらしないのが
高砂のテニスおじさんおばさんのやってることで一目瞭然
行政にたよるのではなく他人をおもんばかる心があればなくなると思います
投稿: 絶対撲滅 | 2008年12月 7日 (日) 04時44分
絶対撲滅さん、おはようございます。
そのような実態が残っていることに驚きですが、市長が「たいしたことではない」と述べている噂が事実であれば言語道断です。
このブログの記事を通して訴え続けましたが、飲酒運転は絶対撲滅すべきものです。そして、撲滅に向けた社会的な高まりを今後も決して緩めてはならないものと考えています。
投稿: OTSU | 2008年12月 7日 (日) 07時36分