飲酒運転と懲戒処分
「飲んだら乗らない、飲むなら勧めない、こんな言い方あるんですか」と組合事務所で、書記長から質問を受けました。「えっ、よく使う言葉じゃないの」と自信満々に答えた私でした。
次の瞬間、大きな誤りに気付きました。「飲むなら勧めない」、これでは単なる嫌がらせのスローガンになってしまいます。お酒を飲みたい人に勧めない、そうではなく「乗るなら勧めない」と言いたかったのに「飲むなら勧めない」とブログの記事に書き込んでいました。
と言う訳で、最近投稿した記事中の「飲むなら勧めない」と記した箇所は「乗るなら勧めない」に訂正させていただきました。たいへん失礼致しました。これまでも明らかな誤字や注意不足による誤りは投稿した以降、気付いた時点で訂正してきています。蛇足ながら記事内容に関することを投稿後に修正するのはマナー違反と考え、断り書きなく変えないよう注意しています。
さて、「飲酒運転の撲滅へ」の記事はPart3まで重ね、たくさんの方から貴重なご意見や情報を提供いただきました。改めてお礼申し上げます。この間、私の主張は飲酒運転の厳罰化を否定するものではなく、すべて懲戒免職とする方向性に違和感を訴えてきました。最初の記事へのコメント欄には、この主張に対して手厳しいご批判が数多く寄せられました。
酒酔い運転と酒気帯び運転を峻別し、酒気帯び運転の厳罰化に抵抗していた訳ではありません。飲酒運転を撲滅するための一つの方策として、事故の有無にかかわらず酒気帯び運転、自転車の飲酒運転、飲酒運転の幇助など、例外なく懲戒処分が厳しくなることに異論はありません。
地方公務員法で懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告の4種類を定めています。その他に厳重注意、訓告、始末書の提出などがありますが、その3つは賃金面でのペナルティが伴わない将来を戒める処分に位置付けています。今まで飲酒運転は重大事故を起こさない限り、職員個人の責任による交通違反にとどまり、大半の自治体では基本的に処分の対象となっていませんでした。
福岡市での悲惨な事故を契機とし、飲酒運転に対する厳罰化の流れは妥当なものだと受けとめています。しかしながら「免職ありき」の考え方だけは一貫して異論を唱えてきました。記事をPart2、Part3と重ね、コメント欄でも多くの方と議論を交わす中で、この主張を真正面から非難するコメントの数も減っていきました。
また、同様な趣旨の発言をマスコミも取り上げ始めていました。埼玉県知事は「時々の世論で罪が重くなったり、軽くなったりするのはよくない。処分の中身は整理した」と発言し、酒酔い運転による死亡・傷害事故は免職、酒気帯びによる死亡・傷害事故は免職または停職と「免職ありき」ではない内容を紹介していました。
静岡県知事は「日本の雇用慣行からすると、免職はその人の職業生活上、死刑判決に等しい。刑法の場合でも、犯した罪の状態と結果に相応の罰則をするのが鉄則。例えば酒気帯びで検問に引っかかった場合にオートマチックに適用するのはいかがなものか」と述べ、画一的な厳罰化の動きに疑問を示しています。
兵庫県知事も「飲酒運転をしたから直ちに免職というのは、行き過ぎているのではないか」と述べ、飲酒運転以外の処分案件と比較した場合に「懲戒処分としてのバランスをあまりにも欠き過ぎている」と話しています。このように多くの自治体で「免職ありき」ではなく、停職処分も残した厳罰化が進んでいるように見受けられます。
一方で、静岡県知事の発言などを批判したブログが多いことも事実です。さらに公務員に限った話ではありませんが、情状酌量の余地がない飲酒運転の報道が後を絶たない点も非常に残念なことです。これだけ飲酒運転が問題視されながら愚かな行為が続くのか、つくづく飲酒運転の撲滅に向けては個人の意思に頼らないハード面の対策も急務なのだろうと痛感しています。
飲酒運転撲滅を願ったブログ記事の管理人が二日酔い運転で摘発されたら洒落にならず、新聞紙面の見出しを飾る致命的な不祥事です。飲んだら乗らないのは当然ですが、飲んだ夜のアルコールが翌朝、どの程度残っているのか深刻な問題でした。そのため、前回記事のコメント欄で記したとおり個人的にアルコールセンサーを購入しました。
今朝、自宅へ届き、さっそく昼に350mlの缶ビールを1本飲み、数値の変化を試してみました。飲んだ直後に0.10mg、1時間後に0.05mg、1時間半後には0.00mgとなりました。アルコール濃度の処理速度は個人差があるようですが、今回の測定結果は比較的速い方の部類かも知れません。
なお、0.10mgの状態は飲んだことを忘れてしまう程度の酔い加減でした。この辺も個人差が大きいのでしょうが、言うまでもなく、ぎりぎりセーフのラインを探るための実験ではありませんので誤解のないようご理解ください。今後、飲んだ翌朝に計測し、アルコールが残っているようならば運転しないためセンサーである点を付け加えさせていただきます。
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