さいたま市で自治労大会
前回の記事「ブログ開設から一年、されど靖国神社」に対し、多くの方からコメントをいただきました。幅広い見識や立場からのコメントは非常に参考となり、このブログを続けていく大きな励みとなっています。ありがとうございます。
記事本文の投稿は週一回に定着しつつありますが、コメントへの返事は素早く行なってきました。可能な限り朝と昼休み時間にもメールやコメントをチェックし、なるべく即時に返信できるよう努めています。その短い時間は無理なく取れていますが、どうも記事本文は身構えてしまいスピーディーに投稿できなくなってきました。
ブログを始めた頃は、ほぼ毎日更新していました。その当時の記事を後ほど紹介しますが、今と比べれば改行も少なく記事内容も簡潔でした。有名なきっこさんのブログは、その記事の長さも有名ですが、決して「きっこのブログ」を意識している訳ではありません。このような前置きも記事を長くしている一因でしょうが、雑記風ブログでありご容赦願います。
さて、第78回自治労大会が8月24日と25日にかけて、さいたま市の大宮ソニックシティで開かれました。今年は中間年の大会に位置付けられ、首都圏での開催でした。2年間の運動方針を定める議案や役員改選などが伴う大会の年は、各都道府県本部が本格的な実行委員会を設けて運営にあたるのが通例となっています。
バックナンバーのとおり昨年は「鹿児島で自治労大会」が開かれ、「熱い討議で自治労方針確立」となりました。今回、距離的には近くて行きやすかったのですが、都合がつかず私自身は参加できませんでした。したがって、自治労大会のリアルな報告ではなく、この機会に自治労の活動などを紹介する記事内容としました。
最近の記事「プラマイゼロの人事院勧告」へのコメントで、島根県益田市議のニン麻呂さんから「自治労は低賃金労働者にまったく無関心」など厳しいご意見をいただいていました。現在の自治労がどのような問題意識を抱え、運動を進めようとしているのか、自治労大会に提起された活動方針をお伝えすることが適確な返事になるだろうと考えていました。
ニン麻呂さんの疑念に対し、手元にある「第2号議案・当面の闘争方針」から読み取れる自治労の立場を明らかにさせていただきます。まず小泉内閣の総人件費削減政策に対抗する方針が前面に出ていますが、決して公務員の待遇だけ維持できれば是とした理念で組み立てられていません。
格差社会の進展は市民の暮らしに不安を抱かせるリスクを社会に顕在化させていると指摘し、市民の生活の質を確保し、安心・安全で公正な社会をめざす方針としています。その上で公共サービスの質の確保と公共サービスを支えるすべての労働者の処遇確保・公正労働を求め、地域の社会運動の一つとして公契約条例制定(バックナンバー参照)に取り組んでいきます。また、次のとおり「公正ワークルール2つの基本」を掲げています。
- ILO94号条約を批准し、公正労働基準や均等待遇を公契約の原則とする。
- 事業移転に伴う雇用継続を基本ルールとする「事業譲渡に伴う労働者保護法制(仮称)」を実現する。
ILO(国際労働機関)の94号条約(公契約における労働条項)では、「自治体など公的機関が事業を委託する場合、当該地域の同種の労働の賃金相場等を調査し、委託先の労働者の労働条件が調査による基準を上回るように契約しなくてはならない」と定めています。あえて言うまでもなく、残念ながら日本政府は批准していません。
これまでも自治労は社会全体で働く者が豊かになるよう職場や地域で努力してきました。以上のような方針のもと、その姿勢は今後も揺らぐことがないはずです。とりわけ格差社会が顕著になっている今、社会的な底上げをはかっていく運動は自治労組合員全体にとっても重要な方向性だと思っています。
さらに以前から非常勤職員や公共民間サービス労働者の方々の自治労加入を進めてきました。今年1月には地場中小労働運動の中心を担ってきた全国一般労働組合との組織統合も果たしています。地方公務員の組合から大きく脱皮してきた自治労、100万人の組合員数を擁する全日本自治団体労働組合は、今や名称変更も具体的な検討の対象としています。
今回の自治労大会では来年の参議院選挙闘争の推進も議案として示されました。すでに民主党比例代表の組織内協力候補として自治労は相原久美子さんを擁立しています。現在、相原さんは自治労本部組織局次長ですが、もともとは札幌市の非常勤職員だった方です。相原さんを組織内候補とする姿勢こそ、今の自治労運動を象徴していると言われています。
一方で、どれほど高い理念の方針を掲げていても実践できなければ「絵に描いた餅」に過ぎません。また、一つ一つの方針を具体化するためには裏付けとなる理論や知識の勉強も欠かせません。私どもの組合、幅広い運動を進めていく組合役員の担い手不足など悩みや弱さを抱えていますが、高い目標は目標として大事にしながら地道に自治労方針の実現に努めていく決意です。
最後に「大会」違いの話ですが、夏の甲子園大会は地元西東京代表の早稲田実業が初優勝の栄冠に輝きました。一躍、全国区のスターになった斎藤佑樹投手、実は西東京大会決勝も日大三高と延長戦となり、激闘の末の勝利でした。ちょうどテレビで観ていましたが、やはり最後まで145キロを超える速球で投げ抜く斎藤投手の姿は感動的でした。これほど騒がれる前に斎藤投手を注目していた点について、少しだけ自己満足している今日この頃でした。
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