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2006年4月11日 (火)

フランス政府が若者雇用策撤回

フランスのシラク大統領は10日、全土で反発を招いた若者の雇用対策を撤回する方針を明らかにした。シラク大統領の決断は、フランス経済を改革する重要な雇用創出策として初期雇用契約(CPE)を推進してきたドビルパン首相にとって打撃となった。 

同首相はテレビ演説で「若者側にも企業側にも、信頼感や冷静さといったCPEの導入に必要な条件が整っていない」と述べ、若者の雇用について労働組合と協議の場を持つ方針を示した。同首相は、CPE導入により、現在22%となっている若者の失業が低下すると主張していた。

失業はフランスで最も深刻な政治問題で、昨年末に低所得者居住区で数週間にわたって起きた暴動も失業問題が主因だった。CPEが導入されれば、企業は2年間の試用期間中に26歳未満の従業員を理由を説明せずに解雇できることになっていた。

若者の雇用を不安定にするとしてCPE導入に反対していた労働組合側は、勝利を宣言。労組FSUの幹部は「これは紛れもなく社会運動の勝利だ」と述べた。(ロイター)

冒頭からインターネット配信のニュースを引用し、自分で書き込む手間を省かさせていただき恐縮です。さて、硬直化した労働市場の改革や国際競争力を高める意図で、フランス政府は今回の政策を打ち出しました。結果的に学生や労働組合の猛反発を招き、前述の報道のとおり政府側が白旗を揚げ、2か月余り続いた社会的な混乱状態が収束に向かいました。

その政策内容の評価は横に置かせていただきますが、政府が強行した法律そのものを反対運動によって覆したフランス国民のパワーに驚かされました。参加者が最大規模で300万人を超えたデモ、2波にわたるゼネスト、それを先導したフランスの学生と労働組合員らの凄まじい団結力には感嘆しています。

300万人集めたデモは自然発生的なものではなく、その核となる部分は主要労組や学生団体が組織的に呼びかけたものでした。複数の団体があるようですが、この問題に対しては一枚岩にまとまったものと思われます。

また、略してゼネスト、ゼネラルストライキは総罷業、つまり全産業にわたる全国的なストライキのことです。日本では単発なストライキそのものが珍しくなっている中、残念ながらゼネストの言葉自体が忘れ去られようとしています。

フランス社会の中にも様々な問題や矛盾を抱え、とりまく労働環境などは日本と異なるはずです。したがって、若年層の意識や労働組合のあり方などを同じテーブルの上で比べることは適切ではありません。

それでも、かつて日本も60年安保闘争の時など、多くの国民が政府に対して怒りを一つにしたこともありました。今後、そのような場面が訪れるのかどうかは分かりません。怒る必要のない政治が続くのならば問題ありませんが、怒るべき時に怒らない、もしくは怒ることができない国民にならないよう心がける必要性を感じています。

そのためにも、社会的な影響力や組織としての力を発揮できる労働組合の役割は重要です。だからと言って、決起集会やデモを頻繁に行なえば良いとは思っていません。逆に春闘期などに開かれる公務員関係の決起集会の多さは、職場課題で追われている単組役員を消耗させ、上部団体の要請に充分応えられない精神的な負い目を生じさせている現状です。

国策を変えさせたフランスの例からも、大衆運動の大事さは充分認識しています。だからこそ決起集会のあり方について、もう少しメリハリをつけていただけたらと願っています。ぎりぎりまで大衆動員のタイミングはひき付け、300万人は夢物語としても決起する際は総力をあげ、多くのマスコミに取り上げられるインパクトある集会が開けたら最高です。

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