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2006年4月 5日 (水)

新入職員の皆さんへ

今週月曜日、私どもの市役所へ36名の新規採用の職員が入所しました。社会人経験採用枠の数名の方が3月末までに今までの職場を退職できず、5月以降に入所する予定です。したがって、今年度は最終的に40名を超える新人の皆さんを迎えます。

新任研修2日目の昼休み、組合として挨拶に伺うのが毎年の恒例となっています。委員長挨拶から組合の簡単な説明、そして、早期の組合加入を呼びかける場でした。以前は組合役員と書記局のメンバー、なるべく全員が顔を出すようにしていました。

そのため、20名近くが新人の皆さんを取り囲む形となりました。迫力ある顔(?)の組合役員もいる中で、新人の皆さんへ威圧感を与えていたかも知れません。組合加入後、別な日に本格的な説明会兼歓迎会を催すことでもあり、数年前から必要最小限の人数で臨むように切り替えました。

大勢で押しかけていた頃は昼休み時間を大幅に割くことになるため、組合が新人の皆さんへお弁当も用意していました。組合側の人数を絞った際、挨拶や説明の時間も簡潔にし、お弁当を出すのもやめています。と言うことで、組合を代表した私の挨拶も非常に簡単なものでした。

職員数を一人でも削減したい市の方針がある中で、組合は市民サービスの維持・向上のためにも、職員が健康で働き続けていくためにも、必要な部署に必要な人員配置が必要だと考えています。その意味でも今回、多くの新入職員の皆さんを迎えることができたことに組合はもちろん、先輩職員一同、心から歓迎し、期待しているところです。

大阪市の問題のマスコミ報道などで、組合に対してネガティブな印象をお持ちの方が多いかも知れません。しかし、組合の存在は絶対必要なものですので、そのことにご理解いただき、ぜひ、早期に組合へ加入いただけることを願っています。

以上が新入職員の皆さんへの挨拶内容の要旨でした。配付した数多くの資料の中には、このブログの紹介記事が掲載された組合機関誌も入っていました。組合を理解してもらう一つの材料としてブログの紹介もすべきかどうか迷いましたが、さすがに気恥ずかしさが勝り、挨拶の中では一言も触れませんでした。

それにもかかわらずタイトルを「新入職員の皆さんへ」としたチグハグさには目をつぶってもらいながら、今回、組合加入の方式について取り上げてみます。改めて復習しましたが、組合加入の方式は次のとおり3種類があります。

まずクローズドショップです。使用者が雇用する労働者は組合員から雇用しなければならないとする制度です。労働者が組合員である資格を失った時、使用者はその労働者を解雇することになります。産別労働組合が中心であるアメリカなどで見られますが、日本では採用されていない制度です。

次にユニオンショップ制です。使用者が労働者を雇用する時は組合員であってもそうでなくても構いませんが、雇用された労働者は一定期間内に組合員にならなければならないとする制度です。一定期間内に組合員にならなかったり、組合員である資格を失った時、使用者はその労働者を解雇することになります。

最後にオープンショップ制です。使用者が雇用する労働者に対し、特に組合員であることを雇用条件としない制度です。公務員組合は労働基本権制約の一つとして、ユニオンショップ制が認められず、すべてオープンショップ制となっています。

若い人たちの組合離れの危機感が強まる中、確かにオープンショップ制は組合役員にとって非常に苦しく感じる時(バックナンバー参照)があります。それでもオープンショップ制は組合員となる意識付けに直結する制度であり、しっかり団結した組織となるためにも乗り越えるべきハードルだと前向きにとらえています。

今年の新人の傾向について、表面は従順でも時には大胆な自己主張する「ブログ型」と名付けられているそうです。だからと言う脈略の話ではありませんが、このブログを新入職員の皆さんが気軽に訪れ、組合を身近に感じていただけるよう密かに願っています。そして、早期の組合加入をお待ちしています。ぜひ、よろしくご検討ください。

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コメント

OTSUさん
ご無沙汰しております。
このたび無事?合格した市役所に入所しまして、
晴れて公務員の仲間入りをさせていただきました。

組合の説明は私共の市役所でも説明を受けました。
基本的には加入の方向で考えてはいますが、ただあるから入るというのではなくこちらのブログを参照させていただいてからというふうに思っております。

投稿: サノリ | 2006年4月 7日 (金) 00時20分

サノリさん、新たな門出、おめでとうございます。
そうですね。何でも主体的に考えるのは良いことだと思います。このブログを参照されるとのことで恐縮です。いろいろセールス・ポイントはありますが、以前の記事「組織の力、大事な力」(下記URL)を紹介させていただきました。ぜひ、Part2も含めて、一つの判断材料の参考にしてください。

http://otsu.cocolog-nifty.com/tameiki/2005/11/post_1ba6.html

投稿: OTSU | 2006年4月 7日 (金) 07時27分

こんばんは、エニグマです。

当社も2007年問題などもあり久しぶりに10名を越す新卒者を採用いたしました。みな、緊張感あふれる顔つきで見てて非常に初々しいです。
その彼らの初出社の日に守衛所に詰めていた年配の社員の方が人事に怒鳴りこんできました。その方が言うには、今年の社員はおはようございますの挨拶もまともにできないのかといった内容でした。そういわれてみれば、ここ数年の新人たちは多くが受身のタイプでこちらから挨拶しなければしてこない者が多いような気がしました。
私が新人の頃はまだ仕事ができないのだから、せめて人当たりだけでも爽やかにしようと心がけ挨拶は必ずしたものなのですがねえ・・・。
郵便を出すにしても「御中」すら書かない輩もいたりして、こちらの常識を上回る非常識ぶりでけっこう驚かされております。
このような事を思うと年を取ったのかなあなどと思ったりします。まだ35歳なんですけどね・・。

私もこちらのサイトに触発されてブログを始めてみました。でも、更新作業がけっこう面倒ですね。あっという間に一時間とか過ぎてしまい、一回書いたっきりです。

投稿: エニグマ | 2006年4月 8日 (土) 01時33分

エニグマさん、おはようございます。
ぜひ、ブログのURLをご紹介ください。「お気に入り」にして、訪問させていただきます。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年4月 8日 (土) 09時32分

ご無沙汰しております。
コメント投稿は、なかなか出来ませんが毎回拝見させていただいております。

今回の記事で、私が採用された10数年前のことを思い出しました。
私自身、採用当時は「地方公務員の賃金・労働条件は、国に準じて改定される=労働組合なんて必要ない」などと考えていました。そのため組合加入を勧められたときも、すぐに同意しませんでした。
私の単組は組合加入率100%であったこともあって、強面の役員の方に1対1で説得されたことを覚えています(笑)。
そんな私が「組合は必要」と考え役員を担うようになった理由は、大きな闘争がきっかけでした。
現在、公務員バッシングが吹き荒れ、公務員が労働運動をすること自体を許さないような風潮がありますが、新しい職員の方々には、様々な考え方・ものの見方を身に付ける意味からも労働組合に加入していただきたいと思います。

投稿: アンディ・ベム | 2006年4月 8日 (土) 12時40分

アンディ・ペムさん、お久しぶりです。毎回ご覧いただき、たいへんありがとうございます。
かなり前、女性の新人の方が組合はどのような活動しているのかを真剣に考え、結局、一年以上入らなかったケースがありました。組合活動に対して一定の理解を示していただいた後、その方は組合加入され、今では女性部の役員として元気に活動されています。アンディ・ペムさんのコメントで、このことを思い出しました。
ご指摘のとおり自治労をとりまく情勢が厳しい中、組合活動への理解が広まるよう今後も精一杯頑張っていきます。これからもご注目ください。よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年4月 8日 (土) 17時41分

こんばんは。

>OTSUさん

>ぜひ、ブログのURLをご紹介ください。「お気に入り」にして、訪問させていただきます。よろしくお願いします。

ありがとうございます。でも、ぜんぜん進んでいないので、もう少し格好がついたら紹介させていただきます。
とりあえず、私は決算発表が終わらないと何もできないです。GWも出勤です。

ところで、公務員の組合って入らないとデメリットって何かあるのでしょうか?

投稿: エニグマ | 2006年4月10日 (月) 00時12分

エニグマさん、ブログ、楽しみにしています。
ご質問の組合に入らないデメリットですが、基本的な労働条件の違いはありません。いろいろな意味で、貴重なご質問ですので、近いうちに記事本文でも取り上げようと思います。
それでは決算発表までお忙しいようですが、お体に気をつけて頑張ってください。

投稿: OTSU | 2006年4月10日 (月) 08時26分

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