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2006年4月 8日 (土)

小沢民主党代表への期待感

昨日午後、小沢一郎さんが民主党の新代表に選出されました。菅直人さんとの一騎打ちとなり、両院議員総会での投票結果は小沢さん119票、菅さん72票で47票差をつけた決着でした。今日午後には菅さんが代表代行に就任し、鳩山幹事長らが留任した新執行部人事が決まりました。

昨年9月に菅さんを2票差で破り誕生した前原前代表は、就任当初、清新なイメージで好意的にマスコミから取り上げられていました。その一方で、私はブログの記事「前原民主党新代表に思うこと」の中で、いくつか疑念点を投げかけていました。

まず支援してきた労働組合に対して手のひらを返し、とりわけ公務員組合を突き放したような発言が不快に感じました。総選挙で圧勝した小泉首相の「二番煎じ」的な手法に思え、相手方の土俵に乗っていくような安直さも気になりました。

後日、マスコミ報道は誤解して伝わっているとの釈明があり、連合との関係を断ち切りたい訳ではないことを確認しています。さらに私どもの組合が所属する連合三多摩では「前原民主党代表と語る会」を開き、相互の不信感を拭うように努めました。

この間、結果的に信頼関係を揺るがす発言が前原前代表には目立ったように思えます。訪米して「中国脅威論」を発言し、その後の中国訪問では期待した要人と会談できなくなる結果を招きました。

前原前代表は「中国の軍事力を脅威」と言っただけで、軽率な発言ではなく、信念に基づいたものだと弁明されていました。また、この発言を高く評価している評論家やマスコミがあったことも承知しています。

それでも、もともと民主党はアメリカ追随一本ではなく、対中外交も重視していたはずです。だとすれば、中国との信頼関係を築くための戦略的な工夫も必要であり、わざわざ敵視されるような「中国脅威」発言は稚拙だったのではないでしょうか。

前原前代表は卓越した政策を持ち、とても実直な方だったと思います。ただ自分の発した言葉の重さや波及する結果に対し、僭越ながら今一つ想像力が欠けていたように思えました。その点が今回辞任の引き金となったメール問題でのつまずきへの伏線だったのかも知れません。

もう一つ、安全保障の考え方にも疑念を持っていました。平和憲法への対応は自民党と同様か、それ以上に平和主義を前提としない政策的な方向性だと危惧していました。北朝鮮の拉致問題や上海総領事館職員自殺事件への中国公安当局の動きなど、国際政治の中で相手方が善人ばかりでないことは認めざるを得ません。

だからと言って、イギリスのようにアメリカと一緒に戦争できる国に向かうことは絶対避けるべきです。安全保障や国際貢献のあり方については様々な考え方がありますが、「戦争は起こさない」という命題に対して日本国憲法の平和主義はたいへん貴重だと考えています。その意味で、小沢代表が掲げた「憲法理念に基づく国連中心の安全保障原則の確立」は非常に頼もしく感じています。

自民党時代から今までの小沢代表の過去を振り返った時、不安感がないとは言えません。しかし、自民党との明確な違いを打ち出してくれそうな期待感が強まっていることも確かです。まだまだ民主党を見限りたくない一支持者として、今後、小沢代表が実力を存分に発揮していただけるよう心から願っています。

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